仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

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護送車襲撃事件 千春の真の力

ブルーバードの護送車の前に立ちはだかったムラマサ、ユキオ、マリコの三人。大二はムラマサの姿がヒロミそっくりであるために目を見開く。

 

「……ヒロミさん?」

 

するとユキオ、マリコの二人が首のチョーカーを押すと手に集約したエネルギーを衝撃波として放つ。それが地面に着弾すると爆発し、ブルーバードの護送車は急停止する事になる。

 

「ッ!?」

 

大二達ブルーバードの部隊が染井を監視するための最低限の人数を残して護送車から次々と出てくる中でユキオは棒を、マリコはボウガンを、ムラマサは刀を構えてゆっくりと歩いていく。

 

「撃て!」

 

大二が叫ぶとブルーバードの部隊は手にしたエネルギーの銃を撃ち始める。しかし三人にはまるで通用しないのか、全て弾かれてしまう。だが、大二の狙いはそこでは無い。

 

「今だ!光、背後を取れ!」

 

すると三人の後方にある物陰に潜んでいた光率いる別動隊が銃を構えて出てくると前後を挟む形で三人を攻撃した。

 

「ふん。無駄な事を」

 

それからブルーバードの隊員や変身したデモンズトルーパー達が三人へと接近して取り押さえようとするが、ユキオとマリコは生身にも関わらず、圧倒。

 

ユキオの方は手にした棒術のみならず、高まった機動力でブルーバードの攻撃を周囲を飛び跳ねるように動き回って回避。そのまま棒を叩きつけて隊員を三人纏めて吹き飛ばす。

 

マリコの方も死角に入った状態で銃撃してくる敵をまるで見えているかのようにノールックで撃ち抜くと前から殴りに来たデモンズトルーパーを回し蹴りで振り払うとそのまま後方に跳びながら射撃をぶつけてダメージを与える。更に近くの建物の屋上に飛び乗ると空中に放った射撃を分裂させて雨のように降らせた。

 

「雑魚ばかりね。すぐ楽にしてあげる」

 

「マジ?もうちょっとは楽しませてくれよ」

 

ムラマサの方も手にした剣に紫のエネルギーを纏わせて切り裂くとブルーバードの隊員はあっという間に蹴散らされてしまう。一応防御用の装甲服を着ていたものの、それは簡単に断ち切られてしまう。しかしそれは生身なら即死級になる攻撃を一回きりは防げるというわけで、一撃で戦闘不能にされる事実は変わらないが、隊員の生存率を上げる事にはなっていた。

 

「……どうした?お前達の力はこんな物では無いだろう?」

 

そう言ってムラマサが挑発。するとユキオ、マリコの二人は首のチョーカーを更に押し込むと自身の姿が青と緑の禍々しいオーラに包まれて変化。

 

その姿は黒と白を基調としつつ、まるで皮が無くなって筋肉が露出した人体模型を禍々しくしたような裸の人体を露出させたようなかなりグロテスクな見た目をしている。そして、こうなってしまえば生身のブルーバード隊員は当然だが、デモンズトルーパーでも太刀打ちすらできなくなってしまう。

 

そのため、大二と光はやむを得ないと言わんばかりにベルトを装着するとスタンプを構える。

 

「コイツら……」

 

「大二、こうなったら変身するしか無いぞ!」

 

「ああ。白黒付けてやる!」

 

《パーフェクトウィング!》

 

《クワガタ!》

 

《Confirmed!》

 

《Deal……》

 

《FlyHigh!》

 

「「変身!」」

 

《Delete up!》

 

《パーフェクトアップ!》

 

《仮面ライダーオーバーデモンズ!》

 

《仮面ライダーエビリティライブ!アイムパーフェクト!》

 

大二はエビリティライブに、光はオーバーデモンズにそれぞれ変身するとユキオ、マリコが二人へと応戦する。

 

「はあっ!」

 

まずは先制攻撃とばかりにライブが銃撃を仕掛けるとユキオ、マリコは共にダメージを受けて数歩下がる。流石に同じ変身した姿同士であるなら強さはライブの方が上という事だろうか。

 

更にオーバーデモンズも二人へと接近するとマリコの方へと拳を叩き込む。しかも変身した影響なのか、先程召喚していた武器は二人の手元から無くなっていた。そのため、徒手空拳で応戦せざるを得ずに圧倒される。

 

「だあっ!」

 

オーバーデモンズがマリコからの回し蹴りを防御するとそのまま弾き返してからカウンターの拳を鳩尾へと打ち込む。

 

「があっ!?」

 

ライブも手にしたライブガンを向かってきたユキオの腹へとゼロ距離で撃ち込んでダメージを与える。ユキオが下がった所にすかさず翼を展開して飛び上がってから急降下からの蹴りをぶつけて吹き飛ばし、地面を転がらさせた。

 

「チッ……調子に乗るなよ!」

 

「だったらこれでどうだ?」

 

すると二人の腰辺りに埋め込まれた白く丸いベルトのような装置がそれぞれ青と緑に発光するとその瞬間、ユキオの手に先程の棒が召喚され、両肩、胸部、両腕、両脚に青い筋肉質の装甲が追加。それと同時に目が青く変化した。マリコの方もユキオと同じ部位に緑の筋肉質の装甲が追加。目も緑へと変化し、更に手には先程のボウガンが展開した。

 

「姿が更に変化した?」

 

するとマリコがボウガンからエネルギー弾を連射。二人はそれを回避するものの、すかさずスピードが更に上がったユキオからの棒を二人纏めて腹に喰らうと吹き飛ばされる。

 

「ッ!?」

 

「強さの質がさっきよりも上がっただと……」

 

「だったら……これで!」

 

《エビルライブチャージ!》

 

《Wings for the Future!》

 

ライブがライブガンに装填されたスタンプのスイッチを押すと銃口にエネルギーが集約。ユキオ、マリコはそれを潰すために攻撃を出そうとするが、そのタイミングでオーバーデモンズが妨害に入る。

 

《クワガタ!》

 

《Charge!》

 

《デモンズフィニッシュ!》

 

オーバーデモンズが背中から展開したクワガタの大顎が二人を左右から挟み込んで一箇所に固定しつつダメージを与えて動きを止めさせるとすかさずライブからの技が解き放たれる。

 

《エビリティパーフェクトフィニッシュ!》

 

ライブガンから放たれた白と黒のエネルギー弾が二人を貫くと爆発と共に二人はオーバーダメージで生身のユキオ、マリコの姿としてその場に膝をつく。それからダメージで動けない二人をオーバーデモンズが背中のアームを展開して拘束して立たせる。

 

「立て!」

 

するとそのタイミングでムラマサが一瞬だけ紫のオーラを消して走ってくると手にした刀を振り抜くと同時に刀が剣へと変化。そのまま振り下ろされてライブへと大きなダメージが入る。

 

「うぐあああっ!?」

 

そのまま倒れ込むとライブは変身解除。大二の姿として倒れ込んでしまう。ムラマサは紫のオーラを発動したままだと機動力が多少落ちるらしく、一瞬のみオーラを消す事で足りない機動力を確保した上で最高火力をライブへとぶつけたのだ。ライブは二人を倒して多少隙ができたためにやられた形である。

 

「あ……ぐぅ……」

 

「大二!」

 

すると二人を拘束していた光はムラマサに応戦するために前を向くがその瞬間、後ろから走ってくる音が聞こえると彼が振り向く。

 

「はあっ!」

 

「なっ!?」

 

そこにいたのは護送車内部に捕えられていた染井だった。内部に残していたブルーバードの面々は隙を突かれて全員倒されており、完全に前にいた三人に気を取られたオーバーデモンズの不意を突いて赤いエネルギーを纏った跳び蹴りを喰らわせたのである。

 

「ぐあああっ!」

 

そのままオーバーデモンズは変身解除。その影響で二人を捕らえていたアームも消失してしまう。

 

「……やるじゃないか。大二、光。だが、俊一郎を渡してもらおう」

 

そんな風に言いながらムラマサは大二の元に歩みを進めていく。大二は何とか立ち上がるものの、ダメージは抜けてくれない。

 

「お前、ヒロミさんの悪魔なのか?」

 

「呑気な奴だ。俺は悪魔じゃ無い。騙して悪かったな。大二、そして光」

 

「……嘘だ、ヒロミさんがそんな事言うはずが無い!」

 

光は彼がヒロミ本人では無いと感じると声を荒げる。しかし、染井がうつ伏せに倒れた光を踏みつけると光はとうとう気絶してしまう。

 

「……お前は少し黙っていろ」

 

「光!?……くっ」

 

「俺はアリコーンに忠誠を誓った。ヒューマンミュータントの力を得るためにな」

 

するとムラマサが剣の形を再び刀へと戻すと先程よりも重さが低減した影響で振る速度は早くなり、その太刀を大二はギリギリで回避。そのまま距離を取ると再度バイスタンプを構える。

 

「ッ……」

 

だが、大二はヒロミを攻撃する事に対してまだ迷いがあったために変身できず……。何とか攻撃を回避するので手一杯になっていた。

 

「隙だらけだぞ?大二!」

 

大二はムラマサからの太刀筋を躱して隙を見せたタイミングで彼からの肘打ちを腹に喰らって怯んでしまう。

 

「何やってるんだ大二!戦え!」

 

「奴が本当にヒロミさんだったらどうする……」

 

「更なる力を手に入れ、俺が世界を守る!」

 

そんな風に言うムラマサ。だが、大二はこの期に及んで変身を躊躇してしまった。

 

「悪いが大二。お前の存在は邪魔だ……。消えろ!」

 

そのままムラマサからの太刀が迫る中、突如として何者かが大二の隣を駆け抜けると刀を振り上げたムラマサの胸にタックルを浴びせる。

 

「ッ!?」

 

流石のムラマサも不意打ち気味のタックルはどうしようもできないのか、衝撃で後ろへと飛び退く。

 

「え……」

 

「……何が世界を守るよ……。アンタ達の言ってる事が信用できるわけ無いでしょ!」

 

そんな風に怒りの声を上げたのはこの場に来ていなかったはずの千春だった。彼女を見て大二は驚きを隠せない。

 

「……お前か。我々の組織に必要な無い出来損ないが」

 

「ッ……悪かったわね。私がアンタらの実験の失敗品で!」

 

千春が苛立ちを押し殺すようにそう言うとムラマサは刀を構え直す。千春はそんな中、大二へと声をかけた。

 

「アンタも良い加減にしなさいよ。……あの男は私達を裏切ったの。……助ける助ける言いながら、私の大切な留美を連れ去ったのよ!」

 

「待ってください。連れ去ったのはヒロミさんじゃなくて……」

 

「いいや。あの子を、留美を連れ去ったのはこの俺、門田ヒロミだ。彼女は我々の計画に無くてはならない存在。それを連れ去って何が悪い?」

 

「ふざけんな……アンタらはあの子を道具としか見てない。そんな奴等に留美を渡すつもりは無い!がぁぁああっ!」

 

その瞬間、千春の体から凄まじいエネルギーが溢れ出ると先程大二達の前で見せた黒い影が大きくなるとそれが彼女を包み込む。その瞬間、彼女のシルエットが変化。右肩から右腕、左胸に腹全体、更に下半身は脛から下の全般。膝部分に隙間が空いて右の腿。頭部は右半分とクラッシャー部分。これらがユキオやマリコと同じような怪物としての姿に変化。その造形は筋肉が露出しているだけで無く、血管のような物が浮かび上がっており、二人よりも更に歪な姿となっている。

 

更に言えば、上記の部分を除く部位は人間のままから変化が無いために半人半獣のイメージが強いと言える状態だ。

 

「私から大切な家族を……留美を奪うお前らを……絶対に許さない!」

 

彼女の声色はノイズがかかったかのような物に歪んでおり、尚更人間と怪人のハーフのような物になっていた。そのまま千春がムラマサへと襲いかかると拳をムラマサへと叩きつける。彼は咄嗟に防御重視のオーラを纏うが、その防御さえも打ち破る威力の拳がムラマサに炸裂。ムラマサは大きく後退した。

 

「がああ……」

 

ただ、千春は怪人としての力に意識が支配されかけているのか、声色がどんどん異形の怪人の物に変化しつつある。

 

「ふん。やはりお前の能力はプロトタイプが限界だな」

 

ムラマサの言葉に千春は唸り声を上げるといきなり彼女の肩が掴まれてから振り向く瞬間に顔面に染井からの拳が叩き込まれる。

 

「うがあっ!?」

 

千春は何とか持ち堪えるものの、更にそこにムラマサからの紫に高められたエネルギーの斬撃が命中。千春は壁に激突すると力無く崩れ落ちて人間態に戻されてしまう。

 

「あ……ぐぅっ」

 

彼女が傷だらけで倒れ伏すと気絶し、そんな姿を見た大二が叫び声を上げながら変身するためにスタンプを構える。

 

「千春さん……このぉおおおっ!」

 

だが、染井はその隙を見逃さない。スタンプを手にした大二の腕を捕まえるとそのまま彼の腹へと膝蹴りをぶつけて怯ませるとそのまま彼を羽交締めにして拘束した。

 

「さて、ヒロミ。さっさとやれ」

 

「ああ」

 

そのままムラマサから紫のエネルギーが刀身に輝くとその一太刀によって大二の装着していたツーサイドライバーは真っ二つに叩き切られてしまう。

 

「ツーサイドライバーが……」

 

これにより二つ存在したツーサイドライバーは両方破壊されてしまったため、大二もカゲロウも変身自体が不可能になってしまった。

 

「もうお前らに予備のベルトは無いだろ?……罠を張ったつもりが、逆にお前の杜撰な作戦のせいでこのザマだな」

 

染井の言葉に悔しそうに歯軋りする大二。既にブルーバードの部隊は壊滅状態で光も千春も倒れて気絶。倒れていたユキオ、マリコも体力がある程度戻ったのか立ち直ってしまっていた。形勢は完全に逆転。最早覆しようが無くなってしまう。

 

そんな彼の元にムラマサが歩いていくと顔を近づけて小声で大二へと話しかける。

 

「君は本当に純粋だね。一応伝えておくけど、僕はヒロミの悪魔だ」

 

そう言ってムラマサは染井に拘束を止めさせた上で自分の持っていた刀を大二へと握らせる。それからその刀を自分の首辺りに当てさせた。

 

「君はちゃんと知ってるよね?僕が死んだら……ヒロミも死ぬ。さ、やれる物ならやってみな?」

 

そう言って笑みを浮かべたまま挑発するムラマサ。大二は震える手で刀を握ると今にも斬りつけるんじゃないかと言わんばかりの目をムラマサへと向けた。

 

「うぅ……ぐぅっ……」

 

「大二……そんな奴、許したらダメ……」

 

すると千春が息も絶え絶えにそう言って大二に攻撃を促す。するとそんな彼女を目障りに感じたユキオ、マリコのコンビは千春を無理矢理立たせてから両サイドから二人同時の拳を生身の千春の腹に命中させ、彼女を再度気絶させた。

 

「が……はぁっ!?……あ、ううっ」

 

「あ……ああっ……」

 

「ほら。折角の僕を殺せるチャンスだよ?」

 

だが、大二は最後の覚悟が決められずに戦意を喪失。刀から手を離すとその場に下ろしてしまう。そのため、ムラマサは笑みを浮かべると染井が大二を投げ飛ばした。

 

「ふん。やはり人間はこの程度の覚悟も決められないか」

 

するとそのタイミングでマスコミがやってくるとすぐ近くにテロ組織の人間がいるにも関わらず、中継を始めた。

 

「現場から中継です。テロ組織、アリコーンのリーダーである染井俊一郎を乗せた護送車が襲撃を受けた模様です」

 

「……今ここで君達を攻撃しても良いが、今回はそれが目的じゃ無い。……新しく我々に加わった同志を紹介しよう!」

 

染井は勝ち誇った様子で堂々とカメラの前に姿を現すと両手を広げ、隣のムラマサをカメラに映らせる。

 

「ブルーバード隊長、門田ヒロミは死んだ。本日からは我らアリコーンの隊長を名乗らせてもらう。彼は我々の理念に賛同し、行動を共にする道を選んだ」

 

「……我々の邪魔をする者は誰であろうが駆逐する。止められる物なら止めてみろ!新たな時代の担い手……ヒューマンミュータントに勝てるのならな!」

 

ムラマサはそう言って高らかに宣言。その姿はヒロミそっくりであるために余計に本当にブルーバードのヒロミが裏切ったように世間の目に映った。加えて、総司令官自らが裏切ったように見せることでブルーバードの世間からの信頼は地の底に沈む事になる。

 

「さて、宣伝は済んだ。行くぞ」

 

その言葉を最後に染井、ムラマサ、ユキオ、マリコの四人はさっさとその場から去って行ってしまう。そして、テレビ中継を通じてその様子は世間へと発信されてしまうのであった。

 

「ブルーバードの総司令官、門田ヒロミがテロ組織、アリコーンのメンバーである事が判明しました……。え、たった今……仲間と共に護送車を襲い、拘束中のリーダーである染井俊一郎を連れ去りました」

 

「あ……あぁ……うわぁああああっ!」

 

大二があまりの悔しさに叫ぶ事しかできず……己の無力さに打ちひしがれる事になる。太陽は傾き、この日はもう夕方に差し掛かると言った所だった。




また次回もお楽しみに。
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