仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

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取り込まれた者の願い 諦めない意志

ライブ達がアリコーンの幹部及び、構成員が変身した戦闘員を撃破。その後、彼らは研究所の奥に進む中、市村は先行してその部屋に到達。そこには留美が拘束台の上に四肢を拘束されており、市村の帰還に不安そうな顔つきを見せる。

 

「……できればこれは最後の手段にしておきたかったが仕方ない。私の奥の手を使う時だ」

 

それから市村はその近くにある計器や液晶画面などがある机の上に置かれていた自分用にチューニングしたチョーカーを首に装着した。

 

「やめて、私で何をするの?」

 

「ふふっ。お前を本来の目的で運用するだけの事。なぁに、何も怖くない。これまでの実験でお前が治してきたモルモット達が受けたような痛みなんて物は感じないのだからな」

 

「留美!」

 

「お前、彼女で何をするつもりだ!」

 

するとそこに幹部や他の敵を全て殲滅し、この部屋に到達したライブ達四人の仮面ライダーが集結する。

 

「おじちゃん……」

 

「本来私が彼女を作った目的というのは他でも無い。この子を私の一部として取り込み、凄まじき究極の力を手にするためなんだよ」

 

「何だと!?」

 

「なるほどなぁつまり彼女はお前の目的達成のための最後のピースってわけか」

 

市村は笑みを浮かべる中、拘束台に捕まって動けない留美の近くにある装置に手をかけるとレバーを下ろした。

 

「うっ!?ああああああっ!」

 

「留美!?貴様!」

 

留美の体には凄まじい量の電流が流れて行くとその体が光り始める。それはまるで彼女の細胞が活性化しているようであった。

 

「私はこの前の小野寺ユウスケ君の体を診てわかったんだよ。彼女の力を最大限に引き出して取り込むためにはこうすべきだとね」

 

だがそれは留美の存在を軽視し、自分の目的のためにただ利用するだけの物のように扱うとしてデモンズの逆鱗に触れた。

 

「許さん……許さんぞ!我が全身全霊を懸けて、お前を助ける」

 

「私は良いから……おじちゃんは逃げて」

 

すると留美は苦しみながらも、デモンズへと逃げるように言う。あれだけの量の電撃を流されながらも生きて会話ができる辺り、彼女はただの人間では無いという証拠だろう。

 

「そんなことはできない。俺は留美を遊園地に連れて行くと約束した。約束は必ず守る!」

 

「……この少女はね、私の宝物なんだよ。それに、一度は死んだ彼女また新しい命として生み出したのはこの私だ!彼女にとって私は親同然だ。……人の大事な物を横取りしてはいけない。そう教わらなかったのかぁああっ!」

 

市村がそう発狂しながら言う中、デモンズは留美の存在を軽視する市村への言い返す。

 

「留美は物じゃない。人間だ!」

 

「いや……物だ。私が究極な力を手にするための道具だ!さぁ、活性化の儀式は終わった。来てもらおうか!」

 

市村は電流を流した状態のまま、その手で彼女の首を鷲掴みにするようにして掴むと同時にチョーカーのスイッチを押す。

 

「おじちゃん……逃げて」

 

「!!不味い!」

 

留美の悲痛な言葉を聞いて四人の仮面ライダーがすぐに止めさせるために市村へと向かうがもう遅い。留美は彼の手を通じて市村へと取り込まれて行くとその姿を禍々しく変え始める。

 

そして、その凄まじいエネルギーは電流と共に漆黒のオーラを纏うと研究所の床を突き抜けてその真下にある研究所の敷地の道路部分にまで降り立つ。

 

「まさか、これがアイツの真の力なのか……」

 

「くっ……まさかこんな事になるなんて……」

 

「流石に想定外だっつーの」

 

その姿は先程のレベル3よりも更に禍々しく、胸部、肩部、頭部の装甲は更に増えるとそれに加えて全身に鎧を着たような状態となる。体は漆黒に金のラインが目立ち、所々尖った棘のような造形も見られる。右腕には巨大な鉤爪も存在するというのもあって最早バーサーカーと言うのが相応しい状態と化していた。

 

「これが私の真の力、トランザムザレベル4」

 

市村の変身した怪物、トランザムザレベル4はレベル3を遥かに超越した存在であると共にトランザムザの完成系とも呼べる状態である。

 

「ふはははっ!」

 

「留美、俺達で助ける!」

 

それから四人は市村へと向かって行くとまずは先制攻撃としてデモンズが糸を放出。しかし、それは市村の右腕の鉤爪で弾かれると接近してきたデモンズを切り裂く。

 

「「「はあっ!」」」

 

そこにライブ、エビル、オーバーデモンズによる三人がかりでの連続攻撃を仕掛けるが、それさえもまるで効かないとばかりに闇の力を纏わせた鉤爪で斬りつけてから投げ飛ばす。

 

「がっ!?」

 

「このっ!」

 

「うおらっ!」

 

「遅いなぁ」

 

その瞬間、市村は超加速で四人をすれ違い様に切り刻み、四人は倒れ込むも何とか立ちあがろうとする。

 

「更にこんなこともできるんだよなぁ!」

 

すると四人の体が黒い炎に包まれると四人は更に消耗して体から火花が散ってしまう。流石の新システムでもトランザムザレベル4は想定できなかったと言った所だろうか。

 

「コイツ、強すぎですよ……」

 

「おいおい、こんなのどうやって勝つ?」

 

「ッ……考えろ、何か手はあるはずだ」

 

ライブ、エビル、オーバーデモンズが市村の強さに対策を考える中、デモンズは留美をどうしても助けるために一人先に向かって行く。

 

「俺が、この俺が何としてでも助けるんだ!」

 

「ヒロミさん、落ち着いてください!」

 

オーバーデモンズが制止したにも関わらず、デモンズは一人突撃。それを見た市村は笑みを浮かべるとデモンズからの一撃を真っ向から受け止めた。するとその威力で二歩程下がったが、まるで通用していないのか彼は余裕そうな声を上げる。

 

「やはりこんな物か。話にならないなぁ」

 

市村はオーバーデモンズの腹に右腕での拳を叩き込むと彼の頭を捕まえて立たせた。そして、彼は笑みを浮かべるとある事を口にする。

 

「そんなにこの子、留美と一緒にいたいのなら……お前も俺の一部にしてやる。俺に及ばないとは言え、そのライダーシステムの力は凄まじい。喜べ、この俺の一部となれる事を!」

 

そして市村がデモンズを取り込むために右腕に生成した禍々しいエネルギーをデモンズへと押し当てようとした瞬間だった。

 

「ヒロミさん!」

 

叫ぶオーバーデモンズ、そしてその近くにいたライブやエビルの隣をすり抜けて一人の影が飛び出す。それは市村が捕まえていたデモンズをも押し退けるとその禍々しいエネルギーをその身に受けた。

 

「ああああああっ!?」

 

「なっ!?千春さん!!」

 

「……私を置いて一人で行くなんて……水くさい真似しないでよ」

 

「チッ……欠陥品が邪魔をしやがって。だが、そんな目障りなお前も私の中に消えてもらう」

 

そのまま徐々に取り込まれて行く千春。そんな彼女をライブは助けようと駆け寄る中、千春はそんなライブを手を出して制する。それはまるでこっち側に来るなと言わんばかりに。

 

「大二、ごめんね……。あなたまで私の事に巻き込むわけにはいかない。それに言ったはずよ。留美は、私が守るから……ううっ!?」

 

そして、とうとう千春は市村の体へとズブズブと入って行くと完全に取り込まれてしまった。

 

「あ……あぁ……千春さん、千春さん」

 

「ここに来てまた進化するのかよ」

 

「ぐっ……」

 

すると市村は自身の中に先程よりも更に強い力が流れるのを感じると手を動かす。それと同時にもう片方の手にも鉤爪が展開し、下半身が更なる重装甲を纏う。これにより、トランザムザレベル5として進化を遂げてしまうのであった。

 

「ふははは!素晴らしい、素晴らしいよ。まさかあの不良品がこんな所で役に立つとはなぁ。これで最早敵などいない。貴様等など容易く捩じ伏せてくれる!」

 

市村が調子に乗る中、ライブは千春をも軽く見る市村に怒りが高まっていった。

 

「くそっ……あの野郎」

 

「おい、落ち着けよ大二。今怒っても状況打開にならないぜ」

 

「わかってる……でも」

 

するとそこに何とかデモンズも下がると四人は構える。しかし、敵は人質として留美と千春を抱えた状態だ。無理にオーバーダメージを与えて倒せば中にいる二人も巻き添えを喰らいかねない。

 

「どうすれば……俺達は二人を救える……」

 

そんな中、いきなりデモンズの内部に声が響くとそこには白い空間に留美が立っていた。そして、その前に変身解除した生身のヒロミが立つ。

 

「……おじちゃん、私ごと怪物を……倒して」

 

「そんな事、できるわけが無いだろ!」

 

「私も、千春お姉ちゃんも……この怪物と混ざっちゃったみたい」

 

留美の言葉のいう事が正しければ二人の肉体を怪物と人間の体に分離できなければ二人はトランザムザと共に死ぬ事になる。

 

「こうなったら……それしか無いよ。それに、私の体は……」

 

加えて、留美の体は市村による取り込みを前提とした改造込みで動いている。仮に人間と怪物の分離をしても留美の魂は怪物判定を受けてその場に残ってしまい、意識の無い人間の体が抜け殻として出てくるだけだ。

 

「留美、諦めるな。必ず助ける方法を探す!」

 

ヒロミが必死に呼びかける中、留美は完全に絶望し切っているのか、その目に光は宿らない。

 

「良いの、おじちゃんと一緒に過ごせて……楽しかったから。でも、一緒に遊園地に行きたかったな……」

 

留美は泣きながらそう言うと、ヒロミを悲しませないように何とか作り物の笑顔を向けて彼へとお礼を伝える。

 

「……ありがとう、バイバイ」

 

「止めろ……そんな事を言うな……留美ぃいい!」

 

その言葉を最後に二人の繋がりは消えてしまう。そして、それは大二と千春にも同じ現象が起きていた。

 

「……大二、あなたのおかげで私は最後に他人を信じる事ができた」

 

「止めてくださいよ、俺は……まだあなたとの約束を守ってない!」

 

留美を助け出して、千春の前に連れて行く。大二は彼女と約束したのだ。こちらもまだ約束を果たしてないのにこのまま終わらせたく無かった。

 

「もう無理よ。私の体は半分怪物だし……きっともうこの怪物を倒す以外の手なんて存在しないから」

 

「諦めるなよ。それがあなたの願いなのか?留美ちゃんと、二人で生きる事が願いじゃないんですか!」

 

「私だってそうしたいわよ……それに、私にだってこれからやりたい事はある。でも、仕方ないじゃない。このまま私を化け物ごと倒せば全て丸く収まる。だから……終わりにしましょう」

 

千春の言葉には諦めの気持ちが含まれていた。ただ、大二はそんな彼女の諦めの気持ちを許したく無い。

 

「俺は諦めない……留美ちゃんも、千春さんも……絶対に……」

 

大二も取り込まれた二人を救うのを諦めるつもりなんて無かった。千春は最後に大二へとある言葉を言う事に。

 

「大二、私はあなたを……」

 

しかし、それは最後まで届く事なく消えてしまう。元の場面に戻ってきた大二ことライブ。するとデモンズが立ち上がりながら三人へと話しかけた。

 

「……三人共、アイツを倒すぞ」

 

「おい、そんな事したらあの二人は……」

 

エビルはこのまま倒せば二人を救うなんて不可能だとわかっているために反論する。だが、デモンズは……ヒロミは構わないと言わんばかりに言った。

 

「頼む!大二、カゲロウ!これは、今のお前達にしかできない」

 

その言葉を聞いたライブは僅かに考えると何かの事実に思い至ったのか目を見開く。

 

「……そうか」

 

「なるほどな……」

 

また、オーバーデモンズの方もデモンズの意図を理解。ただ一人置いてかれているエビルが本当にやるつもりの三人に声を上げる。

 

「おいおい。どうなってんだよ」

 

「カゲロウ、俺を信じろ」

 

「……仕方ねぇなぁ」

 

ライブに真剣な目を向けられ、エビルはそんな彼の目を見たこの状況で断れる程冷たい心の持ち主では無い。

 

「我が命に誓って、俺は留美を救う!」

 

「千春さんを救うため……その選択を大事に決めてやる!」

 

四人が勢い付く中、市村はゴチャゴチャと話し続けるライブ達へとゆっくりと歩み寄る中、突如としてエネルギーが暴走を始めると体がいきなりレベル4とレベル5を行ったり来たりし始めた。

 

「がっ!?馬鹿な……何故だ?何故力が安定しない」

 

「……それはお前が怪物として不完全な状態の千春さんを取り込んだからだ。彼女の体の中の半分はまだ人間だからな!」

 

そう、市村は大きな誤算をやらかしていた。最後に取り込んだ千春はトランザムザのレベル0。レベル1ですら無い中途半端な怪物の彼女を取り込んだせいでパワーが制御しきれなくなっているのだ。

 

「行くぞ!」

 

そのまま四人は市村へと突撃し、市村との決戦は最終局面を迎える事になる。




今回でほぼラストまで描いたので次回の分でとうとうVシネの話は終了となります。それではまた次回もお楽しみに。
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