さくらが作戦に参加する事が決まってから数時間。コアラデッドマンを生み出した犯人が狙う結婚式場の会場では既にブルーバードの隊員達がデッドマンを見つけ次第迎え撃てるように体勢を整えていた。
ただし結婚式の関係者を含め、世間には今回のデッドマンの件は伝えていない。あくまで普通の日常は継続してもらった上での今回の作戦らしい。
「五十嵐一輝、場所に着きました」
「ふへへっ、今度こそあんな奴等さっさととっちめてやる」
そんな風に報告をしつつ一同が配置に着く中、一輝達の元にある知らせが届く。
『緊急事態だねぇ。多分今回の事件とは関係の無いデッドマンが出てきている』
「えっ!?」
「どういう事よ!」
どうやらこの式会場から少し離れた場所にて、チーターデッドマンのフェーズ2が現れたらしい。しかもチーターデッドマンはかなりの速度で会場から離れる方向に移動中だそうだ。
『恐らく式を襲う前の陽動だと思うけど……』
「だとしても面倒ですね」
『……仕方ない。カゲロウ。君がチーターデッドマンを追ってくれ』
「あ?なんで俺が……」
『奴のスピードに対抗するためだよ』
カゲロウは狩崎にそうやって言われては仕方ないと大二へと出すように声をかける。
「大二、仕方ねぇから行ってやるよ。俺を出せ」
「仕方ないは余計だ」
《バット!》
大二がスタンプを自らに押印してカゲロウを分離するとカゲロウはその場でツーサイドライバーを装着。すかさずイーヴィルウィングバイスタンプを使った。
《イーヴィルウィング!》
《Confirmed!》
「変身」
《ウィングアップ!イーヴィルアップ!》
《イーヴィルエビル!》
するとカゲロウの背中から生えた二枚の翼が自身を包み込むように覆うとその姿がイーヴィルエビルへと変身する。
「はあっ!」
イーヴィルエビルはそのまま背中の翼で空を飛ぶと空中からチーターデッドマンを追いかけにかかるのだった。
そして、そのタイミングで式が始まると式場の方から人が出なくなるのを確認した。
『ひとまず式は無事に始まったみたいだけど……』
そんな風に待つ事約十数分。するとそのタイミングでデッドマンの反応が二つ現れるとそれが式場に向けて進むのが見えた。
「ッ!あそこだ!」
そして、一輝達がその場に駆けつけるとそこにいたのは獣型の下半身に灰色の折り紙、体には棘のような物が無数に生えた装甲を装着したハリモグラデッドマンと昆虫型下半身に黄色と青の折り紙。畳まれた左右で二枚の翼、頭部には特徴的な短く反った嘴、後頭部には黄色い鶏冠が目立つオウムデッドマンが現れる。双方共にフェーズ1だ。
「フェーズ1でコアラちゃんじゃない!?」
「だとしても倒すだけだ!」
バイスはまさかの目的のコアラデッドマンでは無い事に愕然とするが、そんな事は言ってられない。一輝がバイスタンプを起動するとベルトに押印する。
《レックス!》
「はぁ……」
《Come on!レ・レ・レ・レックス!》
「変身!」
《バディアップ!》
「よいしょ!」
《仮面ライダー!リバイ!バイス!リバイス!》
まずは一輝とバイスがリバイ、バイスへと変身。出てきたハリモグラ、オウムの双方のデッドマンと戦闘をする。
「はあっ!」
リバイがリバイスラッシャー、バイスがローリングバイスタンプを使う中、ハリモグラデッドマンはいきなり地中へと潜ると二人の視界から消える。
「ヤベッ!?アイツ逃げたか!?」
「だったら!」
《カジキ!》
《スタンプバイ!必殺承認!》
「があっ!」
するとオウムデッドマンが邪魔させまいと羽のエネルギー弾を飛ばす。しかしそれはバイスがローリングバイスタンプを振るうことによって発生する黒いインクが掻き消した。
《カジキ!スタンピングストライク!》
リバイがすかさずエネルギー弾を穴の中に向けて放つとそれがハリモグラデッドマンに命中して地面から強制的に叩き出す。
「がああ……」
幸いにもまだ式場内部には入ってなかったおかげで事なきを得た形だ。すると今度はオウムデッドマンが翼を使って飛び立とうとする。
「あの野郎!逃がさねぇ!」
バイスは飛び上がったオウムデッドマンの下半身にしがみつくとその機動力を奪う。すかさずリバイがスタンプを自らに押した。
《スパイダー!》
「はあっ!」
リバイが手を翳すと糸が射出され、それがデッドマンの体を拘束。それと同時にリバイはスタンプを外し、バイスを自らへと収容した。
「え?のわっ!」
「はあっ!」
そのままリバイがオウムデッドマンを拘束した糸を振り回して近くの壁に激突させると更に追加で糸をぶつけ、壁に貼り付けさせた。
「良し、今のうちにこれで!」
《クロサイ!》
そして、デッドマンを片方ずつ相手にする構図を作った上でリバイがゲノムチェンジをするためにスタンプを変える。
《Come on!クロロロロロ・クロサイ!》
《バディアップ!》
リバイがスタンプを倒すとバイスがオレンジのバイスタンプを振り下ろす。これによって二人の姿が変化。クロサイゲノムとなる。
《角で粉砕!この世で万歳!オレ!クロサイ!バッチリ突きな〜!》
リバイは胸のハートマークを維持しつつも、中心部に仮面ライダーゴーストの胸にあるマークに似た物が存在する。そして、リバイのゲノムチェンジにしては珍しく紫のパーカーを被った姿となっている。更に胸にゴーストのマークがある都合上、左胸にあるバイスタンプの押印面はパーカーに存在した。頭部は額にサイのツノのような物がありつつ、サイの耳はフードに付属し、頭部はゴーストのような形となっている。
バイスの方はコングやブラキオ同様のマッシブ形態であり、両腕や両脚は一回り大きい造形となっている。しかし、それらとは違ってカラーは黒やオレンジがメインだったが。更にパーカーはこちらも着ており、頭部にはサイの頭部のような被り物をしている。ただ、そうなっているという事はフードがバイスの被り物の上から被ることになるので二重の被り物という奇妙な事態となっていた。
「うっし、命……燃やしてやるぜ!」
「……普段から霊体になってるお前に言われてもな」
「ああっ!?それは言わないお約束だろ!」
それからリバイとバイスはクロサイゲノムとしてハリモグラデッドマンと対峙。ハリモグラデッドマンは全身の針を飛ばすと二人を全方位から攻撃……するが、二人はそれがまるで効かないとばかりに仁王立ちしたままだった。
「が!?」
これは生物としてのクロサイの装甲が固い事に起因した物だろう。ただ、モチーフの仮面ライダーゴーストはお化けのように物体をすり抜けとかもできるのでそれに比べると真逆の性質だが。
「そんな物かよ!」
バイスは走っていくと拳をぶつけるとハリモグラデッドマンは吹き飛ばされる。更にリバイがパーカーを射出するとそれが別体行動してハリモグラデッドマンへと攻撃してダメージを与えた。
ハリモグラデッドマンが鬱陶しいパーカーへと針を射出して攻撃するが、こちらはお化けの如く攻撃が透けてしまう。
「おお!そのパーカー、そんな事もできるのかよ!だったら俺っちも……」
バイスも面白がって自分も同じようにしようとするが……。何故かこちらはパーカーが外れない。
「あり?何で俺っちの方は外れないの?」
「もしかして、バイスは体格が大きくなったせいで脱げないとか?」
「嘘ぉおおん!?」
バイスがよくよく袖を見ると肩から膝までなら外せるが、腕が太くなっているせいでそこから先が物理的にパーカーを外せなくなっていた。
「しゃああっ!」
その間に攻撃してきたハリモグラデッドマンを二人で回避するとリバイが外したパーカーと一体化。
「とにかく、このまま一体目を決めるぞ!」
リバイが二度スタンプを倒すと二人揃って手で印を描き、背後にリバイスのライダーズクレストを召喚。そこから注がれるエネルギーを受けて二人の右脚が光る。
《クロサイ!スタンピングフィニッシュ!》
「「はぁあっ!」」
そのまま二人同時のライダーキックが炸裂するとハリモグラデッドマンは堪らず爆散。撃退される事になる。するとエネルギーがどこかへと飛んでいくのが見えた。
「いた!」
そして、その先にいるコアラデッドマンを発見したさくら。彼女もそのタイミングでコアラデッドマンを補足すると変身する。
《コブラ!》
「変身!」
《リベラルアップ!》
《仮面ライダー!蛇!蛇!蛇!ジャンヌ!トリケラ!》
ジャンヌはラブコフをこの場に置いていくわけにはいかないために変身後すぐにラブコフを武器化。二丁のライフルを装備して逃げようとするコアラデッドマンを追跡する。
「良し、作戦通り!」
「このままあっちは任せるぜ!」
「ああ!」
リバイとバイスはコアラデッドマンの追撃をジャンヌに任せ、残っているオウムデッドマンを引き摺り出す。
「があっ!」
するとオウムデッドマンはどう頑張っても勝てないと判断したのか飛んで逃げようとする。
「逃がさないぜ!」
《コンドル!》
《Come on!コ・コンド・コンドル!》
《バディアップ!》
《翼広げる!踊る!彩る!コンドル!バードワイルドに決めるぜ!》
リバイがコンドルバイスタンプを使うとピンクと紫で半々だったイーグルゲノムを両側紫色仕様にしたコンドルゲノムへと変身。すかさずリミックスを発動させる。
《リミックス!バディアップ!》
《必殺!宿る!気取る!コンドル!」》
リバイがジャンプすると同時にバイスが下から重なるように肩車。それは紫カラーになったリバイスイーグルとも言えるリバイスコンドルへと変化した。
「「はぁああっ!」」
「結婚式で幸せ気分になっているこの街の人達を泣かせる奴は許さねぇ!」
そのままリバイスコンドルはオウムデッドマンへと体当たりしてから強靭な両脚で捕まえてから地面へと叩き落とす。そのまま高速回転しながら上昇し、急降下の勢いを利用したリバイスコンドルの切り札とも言える一撃。
《コンドル!スタンピングフィニッシュ!》
「「ライダーキック!」」
そのままリバイスコンドルは右脚を突き出すとその先に紫のエネルギーが炎のように宿る。その一撃が命中するとオウムデッドマンはそのまま押し切られるように地面に激突して爆散。
リバイスコンドルはリミックス解除するとバイスが左手でJを作るような捻りを入れた。
「俺っち達は正にハードボイルドってな!」
「いや、お前使い方多分間違ってるぞ?」
それはさておき、コアラデッドマンを追跡するジャンヌ。彼女は声を上げながら銃を撃っていた。
「この!待ちなさいよ!」
ライフル銃による連射でコアラデッドマンを仕留めようとするが、やはり路地裏に入ってはちょこまかと逃げるデッドマンを捕まえ切れない。
「このっ!このやりづらさ、袮音ちゃんを相手にした時みたいなんだけど!」
ジャンヌの記憶にはナーゴに商店街で上手く煙に撒かれた時の嫌な思い出が呼び起こされる。今の彼女は正にその状態だった。
「があっ!」
コアラデッドマンはどうにか隙を見つけてデッドマンを一体でも出せば巻き切れると考えている。ただし、ジャンヌは絶えず銃撃をコアラデッドマンの近くに当てることでその隙を作らせない。
「もう!良い加減ウザいわよ!」
ジャンヌが吠える中、コアラデッドマンは近くに壁に立てかけてあった鉄パイプを倒すとそれでジャンヌを足止めしようとする。
「ああもう!ラブちゃん……ごめん!」
「コブ!?」
ジャンヌはライフルを前に投げるとすかさずバイスタンプをコブラに取り替えてラブコフを召喚。彼女を踏み台にして前に跳ぶと鉄パイプによる障害物を避けた。
《リバディアップ!トリケラ!ダダダダーン!》
すかさず再度ラブコフをライフルにして武装するとそのまま前へと走っていく。
「良い加減に……しろ!」
ジャンヌがライフルを撃つとその中の一発がコアラデッドマンに命中。コアラデッドマンがダメージを受けると仕方ないとばかりに地面を殴って煙を発生。ジャンヌの視界を奪うとその場から消えてしまった。
「あっ!?」
ジャンヌが追いつく頃にはまた姿を眩ました後であり、完全にロストしてしまう事になる。
「またこのパターン……。面倒なのよ!」
それからジャンヌは再度逃げて姿を消したコアラデッドマンを探す事になるのだった。
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