仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

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悪魔の仮面ライダー 運命の出会い

仮面ライダーベイルに変身した純平。彼はまず変身した自らの姿を確認。それは人間とはかけ離れた機械兵士のような状態だった。

 

「何だ……これは?」

 

「があっ!」

 

しかし、目の前にいる悪魔は待ってくれない。ベイルを敵と判断すると一気に襲いかかってきた。

 

「うぁああっ!」

 

ベイルはその悪魔へとカウンターする形で拳を叩きつけるとその威力は凄まじく、一気に悪魔は後ろへと吹き飛ばされるとドラム缶を貫いて地面に転がさせる。

 

「何だよ、この力……まるで悪魔を殺すためだけの」

 

『だから言っただろう?君はその姿になれば最強の悪魔ハンターになるってね』

 

真澄からの言葉を他所に悪魔はベイルにやられた分を返そうとまた立ち上がって襲ってくる。ベイルは今度は自分から向かっていくと悪魔を相手にステゴロの格闘戦を展開。動き方は荒削りで素人その物だったが、強大な仮面ライダーとしての性能が悪魔をあっという間に追い詰めて行った。

 

「ゔぁああっ!」

 

ベイルが悪魔を攻撃する度に火花が散り、悪魔が苦しそうに叫ぶ。更に彼は飛び膝蹴りをぶつけて地面に転ばせるとそのまま馬乗りになって殴り続けた。

 

「うあっ!はあっ!うああっ!」

 

ただ、今のベイル……純平は苦しみながら戦っているような悲痛な声を上げながら悪魔を圧倒。悪魔に反撃すらさせない程の猛攻撃を決めているが、それはまるで望まない暴走をしているようであった。

 

『うぁああっ!だあっ!ああっ!』

 

そして、画面越しにノアのとある一室でその様子を見ている東山、真澄の二人はベイルの兵器が暴走するように悪魔を圧倒する様を見ていた。ただ、真澄が驚愕を隠せない顔をする中で東山は特に顔色を変える様子は無かった。

 

「これが、ギフの力とでも言うのか?……私はパンドラの箱を開けてしまったのかもしれない……」

 

「ギフの細胞を移植した強化人間。仮面ライダーベイル……くくっ、やはりこれは使えるなぁ」

 

東山はまるで自分達にとって都合の良い兵器が完成したような顔つきで笑みを浮かべる。そんな中、場面はベイルと悪魔の戦闘中の所へ。

 

ベイルは悪魔をとある廃倉庫にまで押し込むとカブトバイスタンプを取り出してからそれを切腹の要領でベルトへと押印する。

 

《カブト!》

 

「うぉおおっ!」

 

《Charge!》

 

ベイルはスタンプをベルト帯にあるスタンプホルダーに戻すと両側を押し込む形で必殺技を発動させる。

 

《ベイリングインパクト!》

 

「はぁああっ!」

 

必殺技を発動させると悪魔へとベイルは突進。右腕にカブトムシの頭部のエネルギーが集約されるとそのままライダーパンチとして突き刺さり、それに耐えきれずに悪魔は跡形も無く爆散するのだった。

 

「ぐあああっ!」

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

そんな中、ベイルは変身解除するとその場に崩れ落ちる。高い戦闘力を持つ仮面ライダーベイルへの変身にはそれ相応の負担が体にのしかかったからだ。

 

「くっ……アイツら、とんでもない物を使わせてくれて……ッ!?」

 

その瞬間、純平の脳裏にまた赤い悪魔によって夫婦が殺される光景が映り込む。そして、そのビジョンが見えた後。彼は失われた過去の記憶を思い出す。

 

「……そうだ、思い出した……。俺の両親は……悪魔に殺されたんだ」

 

悪魔に殺された夫婦の正体……それは純平の両親であったのだ。そんな彼は悪魔に対して深い憎しみの感情が湧き上がってくる。

 

「ふーっ……ふーっ……アイツを探して殺せば……」

 

その瞬間、いきなり純平はノアの兵士達によって両腕を拘束されるとすかさず勝が現れる。

 

「なっ!?離せ!このっ!」

 

「悪いな。さっさと帰るぞ」

 

その瞬間、勝が手にしていたスタンガンが純平の首元に当てられると電撃によって純平は気絶。そして、それを正造が本部へと連絡した。

 

「……被験体071を回収。直ちに帰還します」

 

「さ、行くぞ」

 

それから正造や勝の指揮の元、兵士達に連れられてその場は何事も無かったように片付けられていく。

 

それから数時間後、純平は再びノアの牢屋のような場所で手錠をされたまま転がされていた。

 

「父さん……母さん……」

 

純平は目を覚ますと起き上がるが、また手錠をされたままであったために悔しさが滲んでいた。

 

「クソッ……両親の仇を取らないといけないのに」

 

彼がどうしようもない怒りを胸に抱えていると突如としてどこかからか声が響き渡る。

 

『……落ち着いてください』

 

「は?」

 

純平はいきなり聞こえてきた謎の声に驚くと飛び起きた。しかし、相変わらず自分以外にこの場所にいる者はいない。すると再度その声は優しく純平へと語りかけた。

 

『……私はベイル、あなたの中にいます』

 

「俺の中に?」

 

『ええ、私はあなたを助けるために生まれた存在。あなたの両親を殺した悪魔への復讐をお手伝いする……相棒(バディ)

 

ベイルと名乗ったその存在は純平の復讐を手伝うと宣言。奇しくも、その存在の名前は純平の仮面ライダーとしての名前と全く同じであった。ただし、純平はその事を全く知らない。

 

「……そういえば、変身する時に音声がベイルって言ってたよな?何か関係があるのか?」

 

『ふふっ。そのような事よりも今のあなたにはやるべき事があるでしょう?……あなたにとってかけがえのない存在だった両親を殺した悪魔への……復讐をすべき時です』

 

その言葉を聞いた純平は目を見開く。そうだ、今はこの謎の声の正体を知るべき時では無い……。今やるべき事は、自分の両親を殺した悪魔を殺す事である。

 

「……食事だ」

 

するとそのタイミングで食事の時間となると囚人用の簡素な食事が出される。ただ、その中身は他の囚人と比べるとそれなりに良い物ではあった。この辺りは純平が唯一の仮面ライダーの適合者だからだろう。

 

「次の仕事はいつだ!早く俺に悪魔を殺らせろ!おぉおおい!」

 

だが、今の純平の脳裏は両親を殺した悪魔への復讐心で完全に支配されていた。謎の声の主ことベイルに煽られたと言うのもあるかもしれないが、空の記憶にその復讐心だけが戻った事で余計に強く思ってしまうのかもしれない。

 

それから、純平は両親を殺した赤い悪魔を見つけるためだけに街に出てきた悪魔と戦い続けた。彼は利用されたのだ。ノアという組織の手先として。

 

「うぁああっ!」

 

《カブト!》

 

《Bane Up!》

 

「どこだ!あの悪魔はぁああっ!」

 

だが、どれだけ悪魔を倒しても……彼の目的となる悪魔は現れない。それどころか、戦い以外では外に出られず。仮に戦い目的で外に出たとしても仮面ライダーベイルに変身しなければ悪魔に殺されてしまうために変身せざるを得ず。

 

かと言って変身してしまうと戦闘中は悪魔への憎悪で支配されて目の前の悪魔を殺す事のみに集中。その後、変身解除すると体への負担でまともに動けなくなった所を大人数で抑えられて強制的に戻されてしまう。

 

「出せよ、あの悪魔を……俺は、俺はそのために……うわぁあああっ!」

 

「……被験体071を回収。撤収します」

 

戦い以外はただ檻の中で待機する日々。そんな変わらない日々は徐々に純平の心をボロボロに砕いていった。

 

……そんな中で一つだけ彼の周りで変わった事があった。初期の頃に純平を捩じ伏せてきた牛島勝の姿が見えなくなったのである。ただ、純平にとってはこれほどどうでも良いと思える事は無かったので特に問う事は無かった。

 

「俺は……いつまでこんな事を」

 

牢屋の角で一人絶望したような目で虚空を見つめる純平。そんな彼を通りかかった正造が見るが、声をかけなければもう何も言わなくなってしまうくらいに彼の心は折れていた。

 

そんなある日、また悪魔が暴れているとの連絡を受けて彼は外に引き摺り出される。そこでは何人もの人々が悪魔に襲われており、逃げ惑っていた。

 

「……またコイツか。俺の目的の悪魔はいつ出てくるんだ」

 

『……残念ですが、またいつも通り片付けましょう』

 

唯一の話し相手になりそうな謎の声ことベイルは多少相槌こそは打ってくれるが、肝心な所を聞くとのらりくらりと躱すようにしてはぐらかす。もう純平はベイルへと問いをぶつける事は無くなっていた。

 

「さぁ、やるんだ」

 

《ベイルドライバー!》

 

純平は正造が持ってきたスーツケースからドライバーを取り出すと腰に装着。バイスタンプを手にすると構える。

 

《カブト!》

 

《Deal……》

 

「……変身」

 

《Bane Up!》

 

《破壊!(Break)世界!(Broke)奇々怪々!(Broken)仮面ライダーベイル!》

 

純平は無気力な状態で仮面ライダーベイルとなるとその瞬間に悪魔への憎しみが増幅されていく。

 

「ゔぁああっ!退けぇえっ!」

 

ベイルが進路上にいる人々を押し除けながら悪魔へと拳を叩きつけると閉じ込められて有り余る力を八つ当たりのようにして悪魔へとぶつけていく。

 

ただ、その姿は自分達を襲った悪魔とそう大して変わらないと感じたのか人々は仮面ライダーとなった純平さえも恐れていた。

 

「うぁああっ!らあっ!このおおおっ!」

 

ベイルが悪魔を蹂躙していると人々の中の一人はベイルに向かって恐怖の声色を上げる。

 

「あ、悪魔だ……」

 

「俺が……悪魔だと?」

 

人々の恐怖の叫び声がベイルにも向けられる中、彼は近くに放置された車の窓に映った自分を見る。それは人間とかけ離れ、ガスマスクのような物を口に取り付けた挙句、目の前の悪魔程異形じゃないにしても一般人から見れば十分異形な自分の姿が映る。

 

「はぁ……はぁ……はぁ、はぁ、はぁ……!」

 

ベイルの中身である白波純平はその異形と成り果ててしまった自分を受け入れるなんてできなかった。自分は悪魔への復讐を果たすためにこの力を受け入れたと言うのにこれではその悪魔と何ら変わりない評価を世間から受けることになってしまうからだ。

 

「ううっ……あああっ!」

 

《カブト!》

 

《Charge!》

 

ベイルは狂気に満ちた声を上げながらベルトへとスタンプを押印。両側からベルトを押し込むと背後に現れたカブトムシのエネルギーと共に目の前にいる悪魔へと走り込むとそのまま回し蹴りを叩き込む。

 

《ベイリングインパクト!》

 

その火力は悪魔をオーバーキルすると周囲に止まっていた車を幾つも爆発させ、その衝撃波によって頭上に存在した建物の外にある歩行者用の二階部分が一部崩落。それによってノアの兵士達からベイルの姿は見えなくなってしまう。

 

「ッ!?建物が崩壊……被験体071が巻き込まれました」

 

『何としてでも探し出せ!やっと手に入れた成功体だぞ!』

 

通信の向こうからは東山の必死な言葉が聞こえてくる中、兵士達は更なる崩落の危険が無いのを確認してから探し出そうとする。

 

場面は変わって東山のいた部屋では彼が苛立ちを覚える中、その近くには真澄もいた。

 

「……狩崎」

 

「何でしょうか……」

 

「保留にしておいた牛島勝の件……進めるように命令した」

 

「ッ!?それは、彼という戦力を損なう事で……」

 

「結果のためなら構わん!むしろ、奴がいればあの男が死んだ時の代わりとなり得る。……お前にするのは事後連絡のみだ。彼の改造は他の者にやらせてるからな」

 

どうやら東山は傭兵として優秀だった勝さえも改造人間として使うつもりのようだった。そして、その判断が後に彼自身や光の母親となる女の運命を大きく狂わせる事になる。それはさておき、運命が動く出来事といえばもう一つあった。それは……。

 

「……ぐっ……ううっ……」

 

先程の必殺技の衝撃で瓦礫に埋もれた純平。ただ彼自身は変身していたおかげで生き延びる事ができていた。

 

それでも変身解除された疲労感で瓦礫から上半身だけ出てそれ以上は出れなくなってしまったが。

 

「あなた……人間なの?」

 

そこにいたのは純平とほぼ同年代の若い女性にして彼の人生を大きく変える事になる存在。五十嵐……幸実であった。




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