仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

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十話目
悩める兄 信じる心


リバイが大二を救い出すためにエビルへとライダーキックを放つ。それを見た光は罠だと叫ぶがリバイはもうキックの体勢に入ってしまっていた。その瞬間、エビルは手にしたエビルブレードをバックルと合体。スタンプを抜くと変身を解いた。

 

「止めて!兄ちゃん!」

 

「なっ!?」

 

その声と顔つきは大二そのものであり、リバイは一瞬大二が戻ったのだと勘違いするとライダーキックを無理矢理別の方向へと逸らして中断する。

 

「……ふっ」

 

そして大二の真似をしたカゲロウはリバイを見てニヤリと笑う。

 

「悪魔の俺っちが言うのも何だけど……卑怯者!」

 

「だからどうした?」

 

カゲロウはバイスの文句を一言で切って捨てるとそのままバットバイスタンプを装填。再びエビルへと変身する。

 

《バーサスアップ!仮面ライダーエビル!》

 

エビルはリバイへと歩いていくとリバイを掴んで立たせた。それから再度エビルブレードをバックルと合体。それからスタンプのスイッチを押してトリガーを引く。

 

《必殺承認!バット!ダークネスフィニッシュ!》

 

それからエビルは右脚による後ろ回し蹴りでリバイへとダメージを与えると度重なる傷に変身解除。その場に倒れ込んだ。

 

「くっ……大二……大二!」

 

一輝は何とかエビルから大二を取り返そうとエビルの足元にしがみつく。

 

「この無様な兄貴の姿を大二に見せたかったぜ。まぁ、もう大二はいないんだけどな?」

 

エビルはそう言ってから一輝を掴んでから蹴って引き剥がす。一輝はその痛みに悶えた。

 

「終わりだよ。お兄様。あはは……」

 

とうとう一輝は追い詰められて絶体絶命。そんな時光がガンデフォンでエビルを撃つとエビルは鬱陶しそうにその方を向いた。

 

「一輝さん、逃げてください!」

 

「……光」

 

「はぁ、そういやお前もいたな。だが、邪魔だ」

 

そう言ってエビルはエビルブレードに手を伸ばす。その瞬間、地面からデモンズが現れる。光からの報告を受けたデモンズは地中をモグラゲノミクスの武器のドリルで掘り進み、最短距離で助けに来たのだ。

 

「一輝、退くぞ!」

 

デモンズはすぐにドリルで再度穴を掘ると一輝と共にその場から離脱。そしてその間に光もいなくなり、エビルは舌打ちするのであった。

 

その日の夜、幸せ湯では傷だらけで帰ってきた一輝をさくらが手当てし、そこにヒロミと光の二人もやってきている。

 

「一輝兄、病院行きなよ」

 

「……そんな訳にはいかない……」

 

「はぁ……ヒロミさんや光君からも何か言ってくださいよ」

 

そう言って睨むさくらに対してヒロミと光は無言を貫く。それを見た霊体のバイスはある事を思いついた。

 

「はい、それじゃあヒロミっちと光の頭の中を覗きまーす!」

 

早速バイスがヒロミの頭の中に入り込むとそこには悔しさのあまり男泣きするヒロミがいる。そして、その後光の方を覗くとこちらは湧き上がる自分への怒りの気持ちを抑え込んでいる状態だった。

 

「はい、報告!二人共悔しがってました!以上現場からの中継でした!」

 

バイスが独り言を喋っている間もヒロミ達は真剣な顔つきで話を進めていく。

 

「カゲロウは一般人を沢山巻き込んでいる。覚悟を決めろ、一輝」

 

「一輝さん……」

 

「俺は嫌だ。どれだけ周りが反対しても……俺は大二を助けたいんだ」

 

「例えもう大二という人格が無かったとしてもか?」

 

「それは……」

 

ヒロミからの鋭い指摘に一輝は言葉を詰まらせる。そんな中、さくらはバンと机を叩くように立ち上がると怒りを露わにしていた。

 

「そんなにあなた達は大ちゃんを敵としてみなしたいんですか?大ちゃんがこんな事を本当に望んでいると思ってるんですか?」

 

「……だが、事実として五十嵐大二と同じ姿をした男が騒ぎを起こしている……そう世間に知られれば我々の活動に支障が……」

 

「組織の人間って誰も彼もそんな感じなんですか?こっちは家族が殲滅対象になっているのに……平気な顔をしてそれを押し付けないでくださいよ!」

 

さくらの怒りは止まる事を知らない。そして、それを見かねた光はさくらへと話しかけた。

 

「……僕達だって救いたいですよ……」

 

「おい、光!」

 

「僕にとって大二は大切な同僚だ。この事件だって大二自身がやってる事じゃない。……ヒロミさんだって内心は大二を救いたいんです」

 

光からのカミングアウトにヒロミは頭を抑える。ひとまずこの場に他のフェニックスの隊員がいなくて助かったが、もしこんな事が上に知られれば間違いなく任務から外されるところだっただろう。

 

「そんなの口では幾らでも言え……」

 

「さくら。もう良い……」

 

「でも……」

 

「俺が悪いんだ。あの時、躊躇なくカゲロウにライダーキックを当てていれば……」

 

「……ッ!」

 

さくらはそれを聞いて唇を噛み締めながらその場から去っていく。そして、ヒロミからは再度念押しされた。

 

「あくまでフェニックスとしては大二を殲滅する。だから、一輝……助けたいのなら俺達よりも先に五十嵐大二を救え」

 

それからヒロミと光が帰ると一輝は風呂に浸かった。そこでバイスと二人で話をする事になる。

 

「……大二、本当に消えちゃったのかよ……」

 

「一輝、大二なら大丈夫だと思うぜ?」

 

「バイス……何でそう言えるんだよ」

 

「大二の事を信じてるから?ていうか、一輝は大二を信じてるんじゃないのか?」

 

「当たり前だろ!でも、アイツはもう大二の姿をした悪魔なのかもしれない」

 

そこまで言ったところでバイスは大きく溜息を吐く。それを聞いた一輝はバイスを睨んだ。

 

「何でそんな溜息を吐くんだよ」

 

「ちょっとガッカリしただけさ。あんなにいつも大二の事を信じてるって言いながら実際はフェニックスのヒロミっちや光の方がまだ救えるって信じてるんだからよ」

 

「……ッ」

 

一輝はバイスからの指摘に息を呑む。事実その言葉通りの事が起きているからである。一輝は大二の事をまだ心のどこかで信じられていなかった。そしてそれが一輝の心の乱れに繋がっていたという事に他ならない。

 

「俺は……とんだ馬鹿野郎だ。大二の事を……ちゃんと信じる事ができなかったなんて……」

 

「ふへへ、それによ。さっき一輝がエビルに掴み掛かった時に俺っちエビルの頭の中を覗いた。そうしたら大二は生き残っていて、まだ諦めていない目をしていたんだぜ」

 

「……それ、本当か!?」

 

「前に言っただろ。悪魔は嘘が付けないんだって」

 

バイスの言葉に一輝は希望の光を胸に灯す。そして、一輝はバイスへと褒めの言葉を送った。

 

「バイス、お前のおかげで元気が出た。ありがとうな」

 

「だったらよ、コーヒー牛乳くれ」

 

「えー、何でだよ」

 

「俺っち良い事言ったから!」

 

「えぇー。じゃあさ、一緒に大二を助け出したらやるよ」

 

「おう。約束、忘れんなよ!」

 

こうしてその日の夜は過ぎて翌日。フェニックスのスカイベースの司令室では若林、狩崎、天魔の三人が話をしていた。

 

「エビルの居場所を掴んだ。一気に五十嵐と門田を突入させる」

 

「天魔……お前は確かに優秀だ。今回も素早くエビルの居場所を掴んでいるし実力は認めている。だが、お前は周りに対する態度が悪すぎる」

 

若林はそうやって天魔を注意する。天魔は若林からの言葉には逆らえないので黙りこくった。

 

「……これ以上、現場の隊員から反感を買うような言葉を使うようであればお前を司令官から降ろす」

 

「なっ……」

 

天魔はそれを聞いて悔しそうに歯軋りする。それに追撃を加えるように狩崎が言い放った。

 

「君も少しは何故自分がその立場にいるのか。そして、もっと他人と上手く接する術を身につけた方が良いよ」

 

狩崎からのトドメに天魔は苛立ったように部屋から出ていく。それを若林は溜息を吐いて見送った。

 

「これであの性格が少しは改善されれば良いが」

 

「もう彼も終わりですかね?」

 

「いや……彼自身の態度が改善されれば続投だ。彼にはまだやってもらう事がある」

 

若林は彼にまだ司令官として利用する価値があると考えていた。そして、天魔は自分がまだ司令官をやらさせて(・・・・・)もらっているという事を知る由も無かった。

 

その頃、外ではさくらが河川敷で一人悩んでいた。何もできない自分に嫌気がさしているのである。

 

「私、どうすれば良いんだろう……」

 

するとさくらが何かの気配を感じ取ると後ろを振り向く。するとそこにはデッドマンズの首領、アギレラがニコリと笑って立っていた。

 

「やっほー、さくらちゃん」

 

「あんたは……デッドマンズ!?」

 

「ふふっ、私の名前はアギレラ。以後よろしくね。さくらちゃん」

 

「はぁ?あんたと仲良くするつもりは無いんだけど」

 

アギレラはニッコリと笑いそれからさくらへと近づこうとする。すると当然さくらは空手で習得した動きでアギレラを攻撃。しかし結果は前と全く同じで攻撃は全て躱されてしまう。

 

「ふふっ、そう焦らないの」

 

「あんた、私を殺しに来たの?」

 

「……その逆、救いに来たの」

 

「はぁ?」

 

「さくらちゃん、一緒にデッドマンズに入らない?」

 

アギレラの目的。それは五十嵐さくらの勧誘であった。しかし、さくらがその申し出を素直に受け入れるつもりはハナから無い。

 

「そんなの、私が受けるとでも思ってるの?」

 

「さぁ……。でも私は今のさくらちゃんの悩みを解決してあげるために誘ってるの」

 

「………」

 

「良い返事を期待しているわね」

 

そう言ってアギレラはその場から去っていく。それをさくらは呆然として見送る事しかできなかった。

 

「……デッドマンズに入る?私が……」

 

さくらがそう呟く中、一輝の方ではガンデフォンに着信が入っている。その相手はジョージ・狩崎だ。

 

「狩崎さん」

 

「エビルの潜伏場所がわかった。……今度はやれるんだろうね?」

 

「はい。必ず終わらせます」

 

「なら良い。場所は……」

 

それから一輝は狩崎からエビルことカゲロウの場所を伝えられてそのアジトへと自転車を飛ばす。

 

「待ってろ大二……絶対に助けてやるからな!」

 

同時刻、カゲロウのいるアジトでは詐欺グループがまだ捕らえられており、カゲロウが一輝が来るのを今か今かと待ち侘びていた。

 

「早く来い……五十嵐一輝。今日この場所で全部終わらせてやる」

 

すると大量の足音と共にフェニックスの隊員が突入。ヒロミと光がいる分隊だ。

 

「動くな!速やかに人質を解放しろ」

 

「雑魚が群れるんじゃ無いよ。コイツらと遊んでな」

 

《ブラキオ!》

 

するとカゲロウがブラキオのプロトバイスタンプを三人にそれぞれ押印し、武装の違うブラキオデッドマンを三体召喚する。

 

「撃て!」

 

それからフェニックスの隊員達とブラキオデッドマンは交戦を開始。その混乱に乗じて隊員達は囚われた人質を取り返した。そしてヒロミはベルトを装着し、変身する。

 

「我が命を懸けて……世界を守る!」

 

《スパイダー!》

 

《Deal……》

 

「変身!」

 

《Decide up!》

 

《Deep.(深く) Drop.(落ちる) Danger……(危機)(仮面)rider Demons!》

 

デモンズとブラキオデッドマン三体は交戦を開始すると同時にカゲロウはそれを見守った。そんな時、現場へと五十嵐一輝も到着。カゲロウと向き合うのであった。




また次回もお楽しみに。
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