仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

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今回から最終章が開始されますが、時系列はギフを打倒した時から10年後となります。なので、一応それ以降のスピンオフの時系列分も含めての10年になりますのでよろしくお願いします。それではどうぞ!


最終章 リバイスIF 10thファイナルストーリー編
10年後の時間 忍び寄る闇


西暦2032年。2021年に悪魔崇拝組織、デッドマンとの戦いに始まったギフとの人類の存亡を賭けた戦いにおいて五十嵐家の面々が変身した戦士。仮面ライダーリバイス達は一年間の激闘の末にギフを完全に撃破。

 

それから時折り大きめな事件こそ発生したものの、アリコーンでの事件を最後に世界規模が巻き込まれかける次元の戦いは収束。門田ヒロミが総司令官として率いるブルーバードは度々単発的に発生する敵の残党の掃討を主な戦線として進めていた。……そして、現在。南米の上空にて。

 

「こちら、五十嵐大二。カゲロウと共に報告のあった空域に到着しました」

 

『良し、レーダーや周辺国家の偵察によればもうすぐこの辺りに飛来するはずだ』

 

すると大二やカゲロウが搭乗しているブルーバードの大型戦闘機の近くを一体の人型の敵が飛翔していた。その姿は毛むくじゃらの下半身に軍人ような上半身の服。背中には漆黒の翼が広がっており、胸には鳥の顔のような造形がある。頭部は戦闘機の搭乗員のような形をしたデッドマン。

 

『あの感じ、差し詰めコンドルデッドマンのフェーズ2って所かな』

 

「相手が誰だろうと関係無い。カゲロウ、足引っ張るなよ!」

 

「どの口で言ってるんだよ。大二!」

 

《ホーリーウィング!》

 

《イーヴィルウィング!》

 

《Confirmed!》

 

大二とカゲロウが腰にツーサイドライバーを装着すると戦闘機から飛び出すと同時にベルトにスタンプを装填する。

 

《Wing to fly! Wing to fly!》

 

《ウィングアップ!》

 

「「変身!」」

 

《ホーリーアップ!》

 

《イーヴィルアップ!》

 

《Wind!Wing!Winning!ホーリー!ホーリー!ホーリー!ホーリー!ホーリーライブ!》

 

《Wrath!Wicked!Warning!イーヴィル!イーヴィル!イーヴィル!イーヴィル!イーヴィルエビル!》

 

二人の姿が影から飛び出した白と黒の羽に塗れていく中、背中から展開した白と黒の翼に包まれるとそれぞれホーリーライブ、イーヴィルエビルへと変身する。二人揃ってるのにも関わらず、メガバットを使ってライブマーベラス、エビルマーベラスにならないのはその形態に飛行能力が存在しない証拠だろう。

 

「そこのデッドマン、止まれ!」

 

「俺達が相手してやるよ!」

 

しかし、コンドルデッドマンは二人をスルーするとまた背中の翼から紫の羽を地上へと射出。戦略爆撃を開始する。

 

「ッ!?」

 

「あの野郎。俺達は眼中に無いってか!」

 

ライブとエビルは声を上げても無駄だと判断するとまずは敵の動きを止めるべく空中を飛行しながら追跡。二人は銃撃と斬撃波を飛ばしてコンドルデッドマンの注意を引こうとする。

 

「チッ……鬱陶しいんだよ!」

 

そう相手がアラビア語で言い返すと敵はようやくライブとエビルを相手にする。

 

「「はあっ!」」

 

するとまずはエビルが影分身を発動するとコンドルデッドマンへと一斉に向かってくる。コンドルデッドマンはそれを見て苛立ったのか、脚にエネルギーの爪を展開するとエビルを十分に引きつけてから回し蹴りで纏めて粉砕。

 

「なっ!?」

 

しかし、そこにエビルの本体はおらず。代わりにライブが翼部分を畳んでから再度展開した状態で自らへと銃口を構えていた。

 

《ウィンドチャージ!フライングアップ!》

 

《ウィニングジャスティスフィナーレ!》

 

ライブが放った白いエネルギー弾がコンドルデッドマンに命中すると白いエネルギードームに包まれると同時にコンドルデッドマンが電流を受けてダメージに怯む。

 

「がああっ!?」

 

「捕まえたぜ」

 

《ウィンドチャージ!フライングアップ!》

 

《ワーニングダークネスフィナーレ!》

 

更にエビルがダメ押しとばかりに斬撃波を飛ばすとコンドルデッドマンはそれを喰らって墜落していく。すかさず二人は急降下しながらバックルに武器を合体。スイッチを押してからトリガーを引く。

 

《必殺承認!》

 

「「白黒ハッキリ……させようか!」」

 

《ホーリージャスティスフィニッシュ!》

 

《イーヴィルダークネスフィニッシュ!》

 

二人から繰り出されたダブルライダーキックがコンドルデッドマンを地上へと押し込む形で叩きつけるとその体を崩壊させて爆散。そして、融合していたと思われる軍人のような格好をした男が爆炎の中から出てくるとライブが拘束した。

 

「バイスタンプ犯罪者を捕縛しました。……これより戻ります」

 

ライブとエビルは変身解除してブルーバードの戦闘機に拾われるとそのままブルーバードの地上拠点に帰還。そのタイミングで狩崎が出迎えた。

 

「二人共、お疲れ様だねぇ」

 

「狩崎さん」

 

「おいおい、少し前にバイスタンプの犯罪が体感少し減ったなと思ったんだが……なんかまた増え出したな」

 

「はい。……データによると先月と比べて犯罪件数は増加していますね。これでここ暫く半年間ずっと先月の件数を更新し続けています」

 

狩崎の隣にいるのは数年前に大二の妻となったヒロミの養子……五十嵐千春である。今の彼女は狩崎のサポートをする立場に落ち着いていた。

 

「狩崎さん。……先程彼を取り調べましたが……やっぱり彼も似たような物です」

 

そこに来たのは大二達が捕縛した犯罪者の男を取り調べた牛島光である。彼と大二、カゲロウは今やブルーバードの仮面ライダーとして世界中で活躍するようになっている。また、狩崎の変身する仮面ライダージュウガも殆ど出番は無いが切り札として控えており単発のゲリラ程度では今のブルーバードの戦力には太刀打ちすらできないだろう。

 

「これもそうだな。ここ最近、犯罪者が取り調べで口にする言葉は内容は違っても傾向は全く同じだ」

 

「これは……全世界で進行中のあの計画が関与しているのかもしれないねぇ」

 

それから一同が移動する中、奥の部屋から白衣を着た二人の女性が歩いてくる。一人はブルーバードの女医で今は医療部門で実質的なトップの御子柴朱美。そしてその傍らには数年前に無事に専門学校を卒業し、ブルーバードの女医として活動を進めている五十嵐三兄妹の末っ子。牛島さくらがいる。

 

尚、苗字が変わっているが彼女も彼女で光と無事に結婚まで漕ぎ着けた事で性を五十嵐から牛島へと変えているのだ。

 

「朱美さん、さくら」

 

「最近負傷者も増えてきてるけど……また世の中が不安定になってるって事かしら」

 

「……できれば信じたく無いですけどね」

 

「大ちゃんや光君達でも全てを穏便に収めきれないなんて」

 

「ラブ……世界が不安コブ」

 

さくらは医師になった事で戦闘での一線は完全に退いたが、いつでも復帰自体はできるように今でもトレーニングは欠かさないようにしている。朱美もさくらを貴重な戦力として考えているのか、それを公認していた。

 

「俺達はこれから総司令官と会議です。……恐らく、前々から政府の打ち出したあの政策に触れるとは思いますけど……」

 

そんな風に話が終わると大二達五人はヒロミのいる司令室へと移動。入ると同時にヒロミはモニターの準備を終えたのか、五人をどっしりと待ち構えていた。

 

「全員揃ったな。……では早速始めるが……まずはこれを見てくれ」

 

そこにあったのはバイスタンプの犯罪件数の増加に加えてとあるデータが記載されていた。

 

「全員、薄々気づいていて、データからも可視化されているがここ最近のバイスタンプ犯罪は増加の一途を辿っている。しかも、ここ。日本よりも世界で起きる犯罪の方が圧倒的に多い。加えて、もう一つ気になる事がある」

 

そこにあったのはバイスタンプ犯罪者の動機であった。その中の七割超の犯罪者達が挙げている共通の理由として、“己は正しい事をしている”と言った誰かへの悪意……と言うよりは自らのルール、自分本位の正義を振り翳し、それを盾にして犯罪に走る人々が増えている。

 

「自分の正しさばかりを主張して結果、人々に迷惑をかけているという事実を理解できてないって感じですね」

 

「それか意味は理解しているが、自分の正しさに反する物は全て壊す……そんな所だろうな」

 

どちらにせよ、自分の信じる正義のために気に入らない物を壊すという表面だけの正義のための悪意という形でデッドマンが生まれているのだ。

 

「……恐らくだけど、原因は数年前から世界規模で推し進めている全人類悪魔撤廃計画だね。どう言うわけかわからないけど、この数年間で世界の多くの国が参加。日本も義務化はまだだけど、参加自体はしてるからねぇ」

 

「でも、人間には悪魔が必要なんじゃないんでしょうか。悪魔がいるからこそ人間は心のバランスが保てるのであって……。一輝さん達も悪魔達がいなければ道を踏み外していた可能性が高いですし」

 

現に大二はカゲロウを信じなかった時は己の正義に心が偏って暴走気味な事をしてしまっている。そうなるとこの計画にブルーバードの面々は苦い顔しかできないのだ。

 

「……もしかすると、俺達が気づいてないだけでとんでもない計画が進行しているのかもな。千春」

 

「はい!」

 

「諜報員による情報収集。よろしく頼む」

 

「はい!お役に立てるように頑張ります」

 

それからその場は解散となった。そんな中、大二はヒロミへと話しかける事に。

 

「そういえば、ヒロミさん」

 

「何だ?」

 

「……留美ちゃんの事、大丈夫なんですか?」

 

門田留美。アリコーンの件でヒロミの養子となり、時が経った今はもう立派な大学生へと成長していた。

 

「まぁ、不安じゃないかと言われたら不安だな。ただ、彼女はもうあの頃の甘えたがりな留美じゃない。留美も大人になってきてるんだ」

 

ギフとの決戦から10年が経っている。それだけ経てば子供だった留美は成長するし、独身だった一輝達も結婚して新たな家族を作っている。

 

「はぁ……でも、一輝兄達に迷惑かけてないと良いけど……」

 

「あはは、兄ちゃん。……幸せ湯で俺達の子供の面倒も見るって言ってきた時はビックリしたよ」

 

同時刻。幸せ湯では一輝が銭湯を切り盛りする中で、居住区からわらわらと男女四人の子供達が出てきていた。

 

「ちょっと、皆!今はこっちに出てきたらダメでしょ!」

 

後から追ってきたのは一輝の妻である五十嵐彩夏。彼女は何とか四人を一列に並ばせると順番におやつを与えていく。

 

「はい、小さい子から順番ね!」

 

四人の子供は上から順に八歳で一輝の長男、五十嵐幸四郎。二番目が七歳で大二の長女、五十嵐五月。三番目が六歳で一輝の長女、五十嵐六花。そして末っ子が五歳でさくらの長男、牛島七瀬。

 

それから四人がおやつを受け取るとロビーにあるソファーに腰掛ける中、一輝が彩夏へと話しかけた。

 

「皆、今日も元気そうだな」

 

「もう、元気すぎてちょっと困るくらいだけどね」

 

「ふへへっ、俺っちもまだまだイカす男だね!」

 

「バイス。お前も俺と同じくらい歳取ってるんだから、あんまり調子に乗るな!」

 

一輝がそう言って霊体のバイスの頭を小突く中、彼等は幸せな時間を満喫していた。ギフとの戦いから10年が経過して五十嵐三兄妹はこの時点で四人の子供達を授かっている。五十嵐一家の将来も安泰と言った所だろう。

 

「あー、痛たたっ……」

 

「もう、パパさん。もう若くないんだから無茶したらダメでしょ」

 

「ホント、俺達も歳を取ったものだよ」

 

すると玄関から入ってきたのは五十嵐一家の大黒柱こと五十嵐元太、その妻の五十嵐幸実。そして二人と仲の良い今でも常連のぶーさんだ。三人共この10年ですっかりと歳を取ってしまった。……無理も無い。五十嵐元太は1971年生まれ。ノアを脱出した時点では25歳。そこから35年も経って今や還暦を迎えた六十代だ。

 

そして、それに近しい年齢の幸実もぶーさんも大体その前後と考えると、ノアでのあの一件から随分と時間が経った物である。

 

「父ちゃん、後の事は俺達に任せてって言ってるのに」

 

「そうですよ。激しい体の動きを伴う物は私達に任せてください」

 

「何おう。俺だってまだまだ現役だっての!」

 

「だからって限界突破をまだ続けるって、無茶し過ぎ」

 

そんな平和なやり取りは今日も続いていく。だが、そんな平和な時間を壊そうとする者が、五十嵐一家の最後の敵として立ち塞がろうとしていた。

 

とあるブルーバードの施設の前。一人の男が歩いてくるとその手に見た事のないようなスタンプを取り出す。そして、彼は早速行動を開始するのであった。




また次回もお楽しみに。
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