クローンライダーとして変身した一輝達。彼等はそれぞれが手分けするとまずは迫り来るギフジュニアの大群を相手にするべくそれぞれの方面に進んで行った。
「ふへへっ、いっくよー!」
ヴラムが手にヴラムブレイカーと呼ばれる大鎌の武器を持って豪快に振り回す中、隣で戦うオーズもメダガブリューという大斧で次々とギフジュニアを粉砕していく。
「はあっ!」
更にプトティラの能力である冷気によって地面が凍結していくとギフジュニアの足が次々に止まり、そのタイミングを狙ってヴラムがベルトのレバーを上げてから倒す。
《カップ・レディ!インビジブル・ゼリー!》
それによってヴラムのベルトから出てきた触手がヴラムの体内に入ると心臓を拘束。その瞬間彼の姿が透明化すると固まったギフジュニアは訳もわからずに切り捨てられて爆散した。
《ゼリー・オーバー!》
更にヴラムのベルトの音声がまた鳴るとヴラムの姿がまた見えるようになるが、いきなり彼の胸にダメージが入る。
「はぁっはぁっ……嘘だろこれ、透明化のために呼吸止めちゃう技なのかよ!」
「バイス、あまりやり過ぎるなよ!多分、お前が死にかけたら俺にも影響が来るからな!」
「おう!」
ヴラムの変身者であるバイスは悪魔であるためにある程度はこれをやっても大丈夫だろうが、あまりバイスの肉体に深刻な支障をきたすと芋づる式にオーズこと一輝の肉体にも負担が入ってしまうだろう。
「あっははっ……少しはやるじゃん。じゃあ、またアタシの事を楽しませてよ」
そこに出てきたのはマモであった。それを見て二人は彼女を相手に警戒心を高める。
「一輝……」
「ああ、まずはコイツを倒す!」
するとマモが体に存在する金や宝石といった物質を礫として射出。それをオーズとヴラムは回避。ヴラムはヴラムブレイカーを弓モードに変化させると射撃を放つ。それをマモが宝石の盾で防ぐ。
「だぁかぁら?効かないんだって」
「はぁあっ!」
その瞬間、オーズがメダガブリューで宝石を斬りつけるとそれはたった一撃で粉砕。更にもう一撃をマモに命中させると彼女の体に凄まじいダメージが走ると同時に力が抜けるのを感じた。
「がああっ!?……う、ううっ……何、何で……アタシの体から力が……」
この時、マモの体が異常を訴えたのにはある理由がある。それはオーズの恐竜メダルやメダガブリューに付随する欲望を無に返す力だ。マモの悪魔の能力は強欲……つまり、欲望の力。そうなると欲望を破壊して無に返すプトティラコンボの攻撃はこの上ない程に効いてしまうのである。
一輝としてはオーズの能力が偶々マモ相手に相性が良かったのでそのまま自分が主体で仕掛けることになった。
「はあっ!」
「おらあっ!」
また、別地点ではキバとマッドローグが銃撃と剣撃で敵を翻弄していく。するとマッドローグは手にしたスチームブレードのバルブを何度も回転させる。
《デビルスチーム!》
マッドローグが使ったそれは禍々しいエネルギーを集約すると斬撃波として敵を殲滅。そこに自身の能力で足元を水場のような状態にしたキバが滑りながらバッシャーマグナムで水弾を連射。
「はああっ!」
更に接近した相手には爪のような形状となった右腕で敵を引き裂いて粉砕していった。
「カゲロウ、まだまだ行けるな?」
「はっ、誰に向かって言ってんだよ!」
二人がそう言うとギフテリアンが二体姿を露わす。それを見た二人はそれぞれベルトにバッシャーマグナムを噛みつかせたり、レバーを回して成分を活性化させて背中に蝙蝠の翼を生やす。
《Ready Go!》
《バッシャーバイト!》
《エボルテックアタック!チャオ!》
キバがバッシャーマグナムを構えると地面に発生した水面から竜巻となって巻き上がった水がバッシャーマグナムのフィンに集約。そのまま巨大な水弾として発射させるとそれを後ろからライダーキックで蹴り込む形でマッドローグが飛び蹴りを放つ。
二人の合体技がギフテリアンに命中するとたった一撃でギフテリアンの体は崩壊して粉砕された。
「この辺りの敵はあらかた片付いたな」
「なら、俺達は手筈通りにお兄様をサポートするぞ」
それからキバとマッドローグはそれぞれが移動をして行くことになる。そんな二人から場面は変わってマジェードと亡の二人。マジェードは近づいてきたギフジュニアを得意の高速の拳を叩き込んで吹っ飛ばしていく。
「はぁあっ!」
更にマジェードが地面を殴ると周囲に発生した満月のエネルギーフィールドがその範囲内の重力を消してしまうとギフジュニアはなす術もなく空中に浮かぶ。
「ラブちゃん!」
「ラブ!」
そのタイミングで亡が跳び上がると高速で突撃し、すれ違い様に爪のエフェクトが幾千も光るとギフジュニアはあっという間に切り刻まれた。
「さくら、ナイスラブ!」
するとそこにこの二人に対してもギフテリアンが現れる。ギフテリアンが二人を仕留めるために走ってくると今度は亡がベルトを二回操作して必殺技を発動させる。
《ゼツメツユートピア!》
その瞬間、亡が先程以上の超スピードを発揮するとギフテリアンの中の一体は反応すらできないままに狼の爪のエフェクトに包囲され、そのままギフテリアンの背後に亡が高速化を解除して止まる。
《塵・芥・亡・狼!ゼツメツユートピア!》
その直後、逃げ場も無いギフテリアンの一体は狼の爪に八つ裂きにされる形で引き裂かれて爆散。もう一体のギフテリアンは亡の強さに戦慄する中、そこにマジェードが走ってくる。
《アルケミスリンク!》
「私もいるって事、忘れないでよね!」
マジェードがベルトを両側から押し込んでから再度引っ張ってエネルギーを解放。跳び上がるとギフテリアンへとライダーパンチを放つ。
「だだだだだだっ!」
ライダーパンチの一発目が命中した直後にそのまま百烈拳と言わんばかりに拳の残像が見えるくらいにギフテリアンの体を連打。そのまま最後の一発が突き刺さると月のエフェクトが浮かび上がる。
《ムーンケルベロス!ノヴァ!》
ギフテリアンは登場から僅かの見せ場すらなく倒されると爆散。マジェードと亡は遠距離戦になるとやや苦手だが、ギフジュニアやギフテリアンのように近接戦を主体とした敵が相手なら実力を十二分に発揮する事ができる。
ただ、そこに今度はレヴィアとアスの二人が姿を現した。そんな彼女達と対峙する。
「アンタ達のその力……憎い!」
レヴィアが激流を纏わせたトライデントからの突きを放つとそれが海水の竜巻として二人へと襲いかかる。それを受けて二人はそれぞれ離れるとアスがマジェードへと突進。手にした大鎌を振り抜くとマジェードの脚に命中。その瞬間、マジェードの両脚の膝までが凍りついてしまう。
「ッ!?」
「このまま倒させてもらいますわ」
「さくら!」
「余所見すんな!」
そこにレヴィアが激流を纏って巨大化すると亡を踏み潰そうとする。しかし、マジェードはそれを見ても冷静だった。
「今よ!」
《ケミーライズ!ザ・サン!》
その瞬間、マジェードはこの二人のどちらかが相手だった際に切り札として使おうと考えていたカードを腰のケミーライザーに装填。すると太陽のケミーであるザ・サンの無尽蔵なエネルギーから繰り出される熱線でレヴィアの海水による巨大化を彼女の体を構成する水を全て蒸発させて無力化。それと同時に自らを抑える氷も溶かしてしまった。
「はあ!?」
「今コブ!」
亡はそのチャンスを逃さずに高速移動してレヴィアを切り裂くとそのままアスへと跳び蹴りを命中させてマジェードの隣に立つ。
「くっ……」
「いつまでもアンタ達にやられっぱなしだと思わないで!」
「せや!」
その頃、レンゲルとガタックの方ではレンゲルは重量級という事で手にした自身の背丈程もある武器、重醒杖・キングラウザーを振るって力強い戦闘を見せていた。
《クラブ・5・6・7・8・9!ストレートフラッシュ!》
「だあっ!」
そこにレンゲルが杖へと五枚のカードを入れて読み込ませると杖の先端にエネルギーが集約。水のエネルギーが氷として固まってからレンゲルは杖から毒や煙を靡かせつつ薙ぎ払う。そのエネルギーがコブラが噛み付くようだったからか、ギフジュニアはあっという間に引き潰されて行く。
「良し、このライダー……使いやすい。どうやら俺の戦い方に合ってるようだな!」
レンゲルの変身者であるヒロミはデモンズの時も特殊な能力はあまり使わずに単純な格闘戦に特化したライダーとして戦っていたため、ヒロミはレンゲルを使いやすいと褒めていた。
「はぁあっ!」
その近くでは高速で移動する影があり、そこには両腕にガタックダブルカリバーを武装した仮面ライダーガタックこと光がクロックアップの世界に着いて来れない敵を一方的に倒しながらここまで進撃していた。
《クロックオーバー!》
「僕は逆に少し扱いにくいですけどね!」
光のライダーであるオーバーデモンズはデモンズを更にパワーや耐久性に寄せた能力であるため、高速化に特化した影響で装甲が薄めのライダーであるガタックのライダーフォームに多少の使いづらさを感じていた。ただし、それを補って余りあるクロックアップという能力があるので一概にこちらがダメとは口が裂けても言わないが。
するとそこにヘルギフテリアンが登場するとガタックへと襲いかかる。それに対して彼は再度腰のボタンを押し込む。
《クロックアップ!》
その瞬間、ガタックの姿がその場から消えるとあっという間にヘルギフテリアンを滅多切りにした上でガタックダブルカリバーを連結しての必殺技を使う。
「ライダーカッティング!」
《ライダーカッティング!》
それによってヘルギフテリアンを真っ二つに挟んで切ってしまうと金色の電流がヘルギフテリアンへと流し込まれて爆散。こちらも順調に敵を減らした。
「ふーむ。本来のベルトが無くてもそうやって戦う事はできたんですねぇ」
「だからって関係ねぇ。コイツらは纏めて俺がぶっ壊す」
そこにルシファとサターンが出てくると対峙。ルシファの前にガタックが出ると必然的にレンゲルがサターンと戦う事になる。
「それそれ!受けてみなさいよ!」
するとルシファが光と闇、二種類のエネルギー弾を放ちまくる。それをガタックは身軽な動きで回避。そのままガタックダブルカリバーを手にしつつ接近。
「はあっ!」
ダブルカリバーの攻撃をルシファは光の手刀で受け止めると今度は闇の弾丸のようなエネルギーを発射。ガタックはすかさずそれを避けるとゼクターのスイッチを三回押す。
《1!2!3!》
そのままゼクターの角を戻す。ルシファはそれを見てガタックがライダーキックを使うと予想。それに対応するために構えた。
「クロックアップ……」
「ふん。そんなのわかってれば……」
更にガタックはクロックアップを宣言。そのままガタックはベルト右側のボタンを押そうと手を伸ばした瞬間……クロックアップせずにベルトの角を倒した。
「ッ!?」
「ライダーキック!」
《ライダーキック!》
そのままガタックは前に跳びながらボレーキックをルシファへと命中させると彼にダメージを与える。
「がっ!?」
更にサターンと交戦するレンゲルはお互いの拳がクロスカウンターしてダメージを受ける中、レンゲルがカード五枚をラウザーに入れていく。
《クラブ10・J・Q・K・A!ロイヤルストレートフラッシュ!》
サターンはそれに対して手にした棍棒に最大火力で電撃を纏わせる。そのまま二人が走るとそれぞれの武器を突き出す……が、技が体にまで到達したのはレンゲルだけだった。サターンからの攻撃は武器のリーチの関係で届かなかったのである。
「あ……ぐうっ!?ば、馬鹿な」
「俺達はこの世界の命運を背負ってるんだ……これ以上、お前達に好きにさせるつもりは無い!」
そんな風にここでも戦闘が進む中で最後はストロンガーとスカルの戦闘模様だ。ストロンガーが徒手空拳で敵を倒して行く中でスカルはスカルマグナムで標的を撃ち抜いていく。
「元太、広範囲への攻撃……行けるか?」
「ああ。任せろ!エレクトロファイヤー!」
ストロンガーが地面へと拳を叩き込むとそれが起点となって凄まじい電流が駆け巡って行く。そのままギフジュニアは抵抗すらできずに爆散。撃退された。そこにストロンガーからの攻撃に耐えたと思われるヘルギフテリアンが多少ダメージは受けた様子だったが、未だに歩いてくる。
「む、やはりヘルギフテリアンを一撃は無理か」
「いや、だがそれでもここまでダメージを与えれば十分だ」
スカルがベルトに装填されたメモリを引き抜くとスカルマグナムへと装填。マグナムを閉じてマキシマムモードへと移行する。
《スカル!マキシマムドライブ!》
するとヘルギフテリアンは手にエネルギーを集約するとエネルギー弾として発射。それに対してスカルは最大出力のエネルギーを引き金を引く事で漆黒のエネルギーの破壊光線として放つ。
「喰らえ」
二つの攻撃が激突する中、スカルの攻撃が押し勝つとそのままヘルギフテリアンへと着弾して爆発。ヘルギフテリアンは消滅した。ただ、そのタイミングでヘルギフテリアンの背後からベルドとベルゼの双子が姿を現す。
「やはりあなた方相手に雑魚では勝ち目ゼロでしたか」
「でも、オイラ達相手にはお前らの力など何の意味も無い」
「……元太、怠惰の方は俺がやる」
「わかった……」
そのままストロンガーはベルゼとスカルはベルドと交戦。戦闘へと入って行く。
「はあっ!」
ストロンガーからの拳にベルゼは格闘で対抗。ストロンガーは電撃を纏わせずに普通の格闘戦で互角に持ち込む。属性攻撃をしても恐らく暴食の力で食べてしまうからだろう。
「そんな通常攻撃だけでオイラを倒せるかな?」
「確かに倒すのには時間がかかるかもな。でも、俺は負けるつもりは無い!」
するとストロンガーが少しずつ押し始める。理由は単純。ストロンガーの変身者、元太とベルゼのここまでの戦闘経験の差だ。それが攻撃の決まる回数の差に直結しており、これが原因で少しずつベルゼが押されるようになったのである。
「馬鹿な……オイラの動きが読まれてる」
「伊達にここまで何度も戦って来てるからな。お前とは経験の差があるんだよ!」
ストロンガーがベルゼを経験差で押し込むとベルドの方も異変が発生していた。
「馬鹿な……何故機能停止しない!?」
先程からどれだけベルドがスカルへとダメージを与えても彼の特殊能力で肉体の能力が怠ける事による停止が発生しないのだ。
「お前、一つ許容してない事があるぞ?」
「何!?」
「俺の体はスカルメモリ……つまり骸骨の力を宿している。その装甲を纏う俺は一時的に死んでるのと同じ。そして死人には怠惰という状況は起きえない。だからお前の能力は俺には効かないってわけだ」
つまり、根本的な問題として仮面ライダースカルはベルドの怠惰の能力相手に相性が良いという事に他ならない。
「だが、だからって調子に乗るなよ」
勿論ベルドもやられっぱなしではいられないのか、反撃の意思を明らかにする。こうして七大罪悪魔達とクローンライダーに変身した一輝達が交戦する中、またオーズの一輝、ヴラムのバイスの場面に戻る。
「くっ……あなた達このアタシにこんなに恥をかかせてくれて……調子に乗るんじゃ無いわよ!」
マモはあれだけ馬鹿にしていた一輝達にやられている現状に苛立っている所だった。ただ、優勢とはいえ一輝達も油断はできない。何度も言うように長期戦は不利。可能ならそろそろ敵のアジトのあるタワーに突撃したかった。
「一輝、ここは俺っちに任せて一輝だけでも先にあのアジトの中に」
「いや、狩崎さんにアレを渡された時に言われたけど……お前と二人でじゃないとこの作戦は破綻する。コイツもコイツでしぶといし、どうすれば……」
《ライフルモード!フルボトル!スチームアタック!》
するとそのタイミングでいきなり蝙蝠のエネルギー弾が飛んでくるとそれがマモに命中。彼女が地面を転がるとそこにキバとマッドローグが到着する。
「よぉ、お兄様。苦戦してるのか?」
「大二、カゲロウ!」
「ここは俺達に任せてくれ!」
「わかった!」
それからオーズはヴラムの手を掴むとそのままプテラヘッドに内蔵されているプテラノドンの翼を展開。そのまま空へと飛翔するとヴラムと共に敵の本拠地のある塔へと向かって行く。それを見たマモは苛立ったように触手を伸ばした。
「はぁ!?アタシをこんな目に合わせておいて……許さないわ!」
しかし、伸ばした触手がオーズ、ヴラムを捉える寸前にキバが右腕の爪で一瞬にして切断して無力化してしまう。
「ここからは俺達が相手だ!」
そして、塔の方へと接近するオーズとヴラム。すると塔の方から侵入者警戒なのか迎撃の射撃が飛んでくる。
「ッ……」
オーズはそれを回避しながら接近。そのまま右手に持っておいたメダガブリューで塔の壁を破壊。真ん中ぐらいの階に強行突入した。
するとそこは偶々塔の最上階に通じる吹き抜けやエレベーターシャフトを真上に控える広間がある階であった。
「やっとここまで来れたけど……やっぱり上に階があるな」
「嘘ぉおん。てか、また飛ばないと行けない場所じゃねぇか」
元太の記憶によるとエレベーターは侵入者には使えない仕組みになっている。つまり、エネルギー炉のある最上階に向かうにはまた飛ばないと向かう事ができないのだ。
するとその直後、部屋の奥から拍手が聞こえるとそこに東山がやってきていた。
「よくここに自ら来たな。呪われた家族の長男坊」
「東山……」
「急場凌ぎの力でどうにかしようと目論んでいるらしいが……そんな力で俺は倒せない」
《レッドアウト!》
《ブラッドアップ!ブラッドベイド!》
東山はブラッドベイドへとその姿を変えると手に持ったナックルと共に接近してくる。
「一輝、やるぞ」
「ああ!」
オーズとヴラムはメダガブリューとヴラムブレイカーの鎌モードを東山へと叩きつける。しかし、まるでダメージが無いのか動じない。
「なっ!?」
「やはりそんなものか」
その直後に裏拳を放つように二人にナックルが叩きつけられて二人揃って吹き飛ばされる。
「言っただろう?急場凌ぎ程度では勝てないと」
「だったら!」
《セット!》
ヴラムがヴラムブレイカーを弓モードにするとベルトからカップを外してこちらに装填。弓を引くように引き絞ると目の前にハニカム型の三重の層が生成。それがピンクの矢へと変化する。
そのまま弓を放つとすかさずベルトのレバーを上げてから下げ、インビジブルゼリーの効果を矢だけに適用して透明化させた。
《カップ・レディ!インビジブルゼリー!》
「む?」
その直後、ブラッドベイドが周囲を警戒するとナックルを回転。必殺技で対抗する。
《ベイドアップ!ブラッドインパクト!》
ベイドが正面を薙ぎ払うように攻撃を放って矢の相殺を狙うが矢はその方では無く真上からいきなり降り注いだ。
《ヴラムシューティング!》
「ッ……」
「一輝、今だ!」
「ああ!」
《ガブッ……ゴックン!》
その間にオーズはセルメダルを三枚メダガブリューに装填。メダガブリューに造形されているティラノがそのメダルを喰らうように動かすとそのまま持ち手を変形させてバズーカモードに変えると斧の柄が砲口へと早変わりする。
《プットッティラーノヒッサーツ!》
「セイヤー!」
砲口に高められた全てを無に返す程の威力を誇る紫の砲弾がトリガーを引く事によって放たれるとそれはブラッドベイドへと命中。爆発と共にブラッドベイドは煙の中に消えた。
「やった……のか?」
しかし、やはりブラッドベイドはその攻撃を物ともせずに耐えてしまっていた。
「チッ……流石に今のは痛かったぞ。だが……今のでお前達は俺を怒らせた」
その瞬間、ブラッドベイドが自身の姿が消えると錯覚する程の超スピードを発揮するとオーズの前に接近。すかさずローラーを回してからそれを胸に押印。エネルギーが脚に集約される。
《ベイドアップ!》
「ッ!?」
《ブラッドフィニッシュ!》
扉を蹴り倒すのような荒々しい動作から繰り出されたキックは無防備だったオーズに命中すると彼を吹き飛ばしてしまう。
「ぐあああっ!?」
しかも、そのまま耐久値オーバーで変身解除。一輝は投げ出されてしまう。
「がっ……」
「ふん。これでお前達は空を飛べない。……終わりだなぁ。あははっ!」
「一輝!」
ただ、吹き飛ばされた一輝の眼は……まだ死んでいなかった。彼はどうにか立ち上がると真っ直ぐな瞳でブラッドベイドを見据える。
「ほう。まだ立てるか。だが、お前に勝ち目は……」
「だとしても……俺は諦めない。自由で、平和で笑顔のある世界じゃなきゃ……俺達は生きている意味が無い!」
その瞬間だった。突如として鐘の音が鳴り響くとどこからともなく声が響いたのは。
『その願い……叶えてやるよ』
「この声は……」
その瞬間、一輝の腰にかつてデザイアロワイヤルで使っていたデザイアドライバーが装着される。そして、それを付けさせたと思われる声に一輝は聞き覚えがあった。
「まさか、今のは……英寿?」
その声の主は明らかに浮世英寿その人である。しかし、声はそれ以上聞こえてこない。どうやらあの時は一時的に二つの世界が合流して交わった影響で直接会う事ができたが、今はもうそれぞれの道を進んでいるせいで来る事ができないようだ。
「……一気に、行くぜ」
一輝は前に使ったビートレイズバックルともう一つ。小型だが、黒いプロペラのバックルをベルトの両側に装填。ビートレイズバックルの音声が鳴り響く中で一輝は叫ぶ。
《SET!SET!》
「……変身」
《DUAL ON!BEAT ARMED PROPELLER!READY FIGHT!》
そのまま一輝はリバイの頭部が装着されると右からはビートフォームの装甲が。左側からは下半身の左膝と左腿という簡易的な物だが、装甲が装着されて仮面ライダーリバイ・ビートアームドプロペラとなった。
また次回もお楽しみに。