仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

300 / 300
完全決着 人間と悪魔のバディが紡ぐ未来

一輝とバイスがトゥルーレックスバイスタンプで変身したライダー。仮面ライダーリバイス・真。

 

その姿はサンダーゲイルに酷似したシルエットだったものの、カラーリングとしてはリバイを彷彿とさせるピンクや水色をメインにした配色へと変更されており、サンダーゲイルの頃よりもより仮面ライダーリバイ感がより強く出ている。

 

これだけならリバイの要素のみが出ているように見えるが、胸部の左側や左肩、左腕。更に左脚の一部にはバイスを彷彿とさせる黒ベースに水色のカラーリングとなっていた。頭部も同じく左側のみバイスのカラーリングが見えている。このため、サンダーゲイルの時に無かった仮面ライダーリバイと仮面ライダーバイスが融合したという事実が前よりもわかりやすくなった。

 

「貴様、その姿は……」

 

「へへっ。ベイド、皆。受け取ったぜ!この世界が起こした奇跡……その名も仮面ライダーリバイス・真!」

 

「行くぞ……ルシファ!」

 

〜挿入歌 livedevil〜

 

リバイスがゆっくりとギフリバースへと歩いて進む中、彼はリバイスへと容赦無く衝撃波を放つ。するとリバイスは手を翳すとアルティメットの能力である磁力の力を発動。しかも片手で赤と青の磁力を両方操ると両側に逸らして相殺してしまう。

 

「なっ!?」

 

「「はあっ!」」

 

更に次の瞬間にはサンダーゲイル由来の高速移動。しかもアルティメットの能力である磁力による超加速も重なってそれ以上のスピードだ。そして、その一撃はギフリバースへと明確なダメージを与える。

 

「馬鹿な……俺はギフの力を得てるんだ、こんな奴なんかに!」

 

ギフリバースが力を込めると腰のローブが発光。七色の禍々しいエネルギー弾が生成される。それに対してリバイスはローリングバイスタンプにコロナレックスバイスタンプを読み込ませる。

 

《コロナレックス!》

 

《エナジー!》

 

「消えろ!」

 

ギフリバースが放ったエネルギー弾に対してリバイスが腕を振り抜くようにして技を放つ。

 

「「だあっ!」」

 

《ペインティングフィニッシュ!》

 

その攻撃はインクが変化した炎の壁を生成。攻撃を全て上塗りして消してしまう。

 

「馬鹿な……」

 

《ボルケーノ!スタンプバイ!》

 

《ナックルアップ!》

 

ギフリバースが動揺する間にリバイスがボルケーノバイスタンプをリバイスラッシャーに押印。すかさずローリングバイスタンプのローラーを三回転させると二つの技を同時に放つ。

 

《ローリングライダーパンチ!》

 

《リバイバイスラッシュ!》

 

リバイスが高速接近してからの斬撃を命中させてからすかさず右腕でのライダーパンチをぶつける。

 

「クソ……だったらこれで!」

 

ギフリバースが目を発光させると背中からギフが使っていた赤黒い手が出てくるとそれがリバイスを掴んで締め上げる。

 

「あははっ!こうなったら幾らお前でも……」

 

「「……と、思うだろ?」」

 

その瞬間、リバイスを掴んでいたギフの腕が何かの反発でいきなり握りにくくなる。

 

「何故だ……俺の手が無理矢理開かれて……」

 

するとリバイスは平然と下へと降り立つ。それをよく見るとリバイスの体に磁力が発生しており、その反発で空間を作り出したのだ。

 

「「次はこれだ!」」

 

《リバイスリミックス!》

 

《シンクロアップ!》

 

リバイスがバイスタンプを倒してからリミックスを起動。再度倒すと音声が鳴り響く。

 

《必殺!リバイス!クライマックス!レックス!》

 

その瞬間、リバイスの両脚がレックスの脚へ。腰からはティラノの尻尾が展開。これにより、リバイスとレックスが混ざったような姿となる。

 

「「行くぜ!」」

 

リバイスが地ならしのような音を響かせつつ接近。そのまま跳び上がって長く伸びた尻尾を振り回して叩きつける。

 

「がっ!?」

 

そのままギフリバースは吹き飛ばされると壁に激突。何とか彼は持ち直そうとするものの、リバイスはそこを逃さずに強化された脚力で接近。一気に踏み込むと左腕にリバイスレックスの頭部の幻影が出現。ライダーパンチと共にその一撃が叩きつけられる。

 

「ごあっ!?」

 

そのままリバイスが戻るとギフリバースはここまでやられてしまう理由がわからずに声を荒げる。

 

「何でだよ。この僕ちゃんの成果が、ギフの力を得た上で更に強くなったのにぃいいっ!」

 

「知りたいか?俺っち達はなぁ!」

 

「最強家族の長男にして……」

 

「「世界一のお節介だからよ!」」

 

「はぁ!?何じゃそりゃあっ!」

 

ギフリバースが訳が分からないと言わんばかりに叫ぶとドライバーに装填したスタンプを一度倒してからスイッチを押して再度倒す。これにより、リバイスで言う所のリミックスを発動する。

 

《セブン・シン・リミックス!》

 

《デッドマンズアップ!》

 

すると赤黒いオーラを纏うとギフリバースはリミッターを解除。自身の中に溢れるギフの力を最大限にまで強化させる。

 

「バイス、これで終わらせる」

 

「ああ、俺っち達の……戦いを!」

 

リバイスがスタンプを一度倒すと待機音が鳴り響く。それからオーラを発しつつ構えを取ると背後にスタンプの押印面……リバイスのライダーズクレストが浮かび上がった。

 

「「一気に……決めるぜ!」」

 

二人は同時にスタンプを再度倒して真上へと跳び上がる。そのまま二人は目の前にいる敵に向かってライダーキックを放つ。

 

《ギフ・ワールドエンド!》

 

二つのキックがぶつかり合うとその場で激突の衝撃で二人は回転しながら競り合っていく。だが、その回転こそがリバイスの狙いだった。回転によって発生した磁場がリバイスのエネルギーを更に向上させていく。そして、二人の背後にリバイ・レックスゲノムとバイス・レックスゲノムの幻影が出てくるとその力も上乗せさせてギフリバースは押し込まれていく。

 

「この僕ちゃんが負けるなんて……あり得ない。天才のこの僕が……うわぁああっ!」

 

「「はぁあああっ!」」

 

《ファイナルリバイスフィニッシュ!》

 

そのままリバイス・真、リバイ・バイスのレックスゲノムによるトリプルライダーキックが決まるとそのままギフリバースは貫かれて体にヒビが入っていく。それと同時にリバイスは着地。カウントダウンをした。

 

「それじゃあいつものやっちゃうよ!はい!3!」

 

「2!」

 

「「1!」」

 

二人がカウントダウンを終えると同時にギフリバースの体は耐えきれなくなり、断末魔と共に跡形も無く爆散。それと同時に周囲へと青い波動のような物が駆け抜けると各地で交戦中のライダーやデッドマンの面々に群がっていたギフジュニア達戦闘員の群れは一瞬にして消え去っていく。

 

また、デッドマンズドライバーはギフリバースが倒された際に消滅し、ネオギフバイスタンプも落下と同時に砕け散った。

 

「終わったな……」

 

「ああ。俺っち達の勝利だぜ」

 

それと同時にリバイスは変身解除。その場所からは二人が融合していた影響で一輝とバイスが姿を現す事になる。それから二人が仲間達と合流するために歩き出すと二人でいつものハイタッチを交わす事になる。

 

ギフリバースが撃破されてネオギフバイスタンプは破壊。並びにデビルワールドの幹部達が全員揃って敗北して拘束されたために世界規模で起きた事件は終結する。

 

また、アスによって操られていた人々の洗脳も解けたために世界の各国はこの日以降、自国の組織の立て直しに奔走する事になる。

 

それはさておき、ブルーバード本部に帰還した一輝とバイスは仲間達に出迎えられるとデビルワールドの面々に叩きのめされたあの時とは真逆の笑顔で彼等の元に行った。

 

〜挿入歌 Without you〜

 

まず最初に迎えたのは大二、さくら、元太の三人だ。彼等は誰よりも早く一輝の元へと向かう。

 

「兄ちゃん!」

 

「一輝兄!」

 

「一輝、お帰り」

 

三人との再会を喜ぶ一輝。そして、その後ろから一輝の妻である彩夏がやってきた。

 

「一輝、お帰りなさい」

 

「……ああ、ただいま」

 

一輝と彩夏が抱き合うとその様子を大二達や彩夏の後から来た千春や留美。そしてヒロミや光らも微笑ましい目で見ていた。

 

そんな中、一輝達の元に六人の影が近づく。それはデビルワールドの幹部達が一時的に蘇らせたアギレラ、フリオ、オルテカ、赤石、アヅマ、勝の六人である。

 

「どうやら感動の再会は済んだようですね」

 

「さてと、我々はいるべき場所に戻るぞ」

 

「ああ。これからの未来を作るのは彼等の使命だからな」

 

すると六人は赤黒い粒子となりつつ消え始めた。彼等はデビルワールドの手によって無理矢理蘇らせられただけに過ぎない。それに既に肉体が滅びている彼等の存在の維持には膨大なエネルギーが必要となる。

 

「アヅマさん達……今回は助けていただきありがとうございました」

 

一輝は彼等がいなくなる前に一言お礼を言うと頭を下げる。そんな彼に対してアギレラはサラッと答えを返した。

 

「別に、アンタ達を助けたつもりは無いわ。ギフ様を偽った偽物のアイツらがちょっとムカつくってだけよ」

 

「ですが、俺達も感謝してますよ。特に、またアギレラ様の笑顔が見られましたし……あでっ!?」

 

「感謝の理由がそれって……もうちょっとあるでしょ」

 

フリオが変な発言をしたためにアギレラは彼の頭を軽く叩く。そこにアギレラの人間としての妹、涼やさくらが来た。

 

「お姉ちゃん……改めて今回はありがと」

 

「……久しぶりにあなたの元気な姿が見られて良かったわ。それじゃ、次に会うのはもっと先の未来になる事を祈るわよ」

 

「……アギレラ」

 

「さくらちゃんも元気そうで良かった。楽しかったわよ」

 

「それでは皆さん、お元気で」

 

その言葉を最後にアギレラ、フリオの二人は消え去る。そして、そのタイミングで牛島勝は光達と話していた。

 

「光」

 

「父さん」

 

「あの時にできなかった父親らしい事。やっとできて良かった。これで安心して消えられる」

 

「……はい」

 

「それと、そこにいるのがお前の孫……俺からしたらひ孫だったな」

 

勝にそう言われて光の近くに控えていた輝樹を見やる。彼は勝の前に来ると声をかけた。

 

「ひいおじいちゃん」

 

「ふっ、一度きりとはいえあんな悲惨な末路を辿った俺がこんな事を言われるとはな」

 

それから勝は光と輝樹を両腕で優しく抱きしめると優しい声色で彼等へと話しかけた。

 

「……お前達は俺みたいな最期を迎えるなよ。……幸せに生きてくれ」

 

「「……はい!」」

 

二人が力強く返すと彼等の所にいる元太を見つけた。それから勝は元太へと頭を下げた。

 

「……そういえば、あの時会わなくなってからずっと言えてなかったな。五十嵐元太……いや、白波純平。……あの時は済まなかった」

 

それはかつてノアに所属していた頃に言えなかった言葉。勝は自分達の組織が原因で彼の人生を狂わせた事もしっかりわかっていた。

 

「気にするな、勝。それに俺からも謝罪は必要だ。……俺のせいで苦労をかけたな。申し訳ない」

 

元太の方も勝へと謝罪した。元太も元太で自分がノアから逃げたせいで勝の人生は狂わされたと思っていたのだ。

 

「……その事なら俺ももう気にしていない。俺の子供達が幸せなら……俺はそれで十分だ」

 

そう言い切ると勝もまた姿を保てずに消滅していく。次は赤石の方だ。彼は大二やヒロミと向き合っていた。

 

「あの時からまた強くなったな、五十嵐大二」

 

「赤石こそ、ギフのいないこの世界をどう思う」

 

「……我々の目指したギフ様に従う未来からは程遠い。だが、存外悪くは無いな。それと、ヒロミ君」

 

「……」

 

「私がギフ様の元で見守ろうとした人類の未来。ブルーバード総司令官として導く責任を果たせ。良くも悪くも真っ直ぐなお前にならできるはずだ」

 

「ああ。だからお前も安心して眠りについてくれ」

 

「ふっ……ではそうさせてもらうとしよう。……永遠にさらばだ」

 

赤石は特に多くを語らなかった。それでも彼のやろうとした平和な未来を目指すべく二人は決意する事になる。

 

そして、こちらはアヅマの方。そこでは一輝やバイス、希望の三人が話をしていた。

 

「……大谷希望」

 

「なんだ」

 

「改めて言わせてくれ。……お前達から家族を奪った事、申し訳なかった」

 

「……今更許せるわけ無いですよ。あの時、あなたは些細な犠牲って切って捨てたんですから。……でも、俺はあなたのような間違いをしないためにこれからを生きます」

 

アヅマは頷くと今度は一輝の方を向く。アヅマはかつて一輝と行った最後の戦いが終わった後のような晴れやかな顔つきだった。

 

「五十嵐一輝、人類の未来を救ってくれた事。感謝する」

 

「俺にとっては当たり前の日常を、自由で笑顔に溢れた……平和な世界を守っただけです」

 

「そうか」

 

「ふへへっ、アヅマこそ、助けてくれてサンキューだぜ!」

 

バイスにそう言われてアヅマは思わず笑みを浮かべる。そして、彼もまた自分がもうここにいられない事を感じ取って最後の言葉を口にした。

 

「これで本当にお別れだ。この世界を頼むぞ、マイフレンド。一輝」

 

アヅマが一度一輝の胸に軽く拳を置くと笑って消えていく。最後に残されたのははぐれ者ことオルテカであった。彼は狩崎の元に行く。

 

「やれやれ、皆さん感動のお別れをする中で私にはそんな相手がいないのが寂しいですね」

 

「だったら私の実験の被験体になるかい?オルテカ。今の私なら君を活かせると思うけど?」

 

「ふっ、冗談はよしてもらいましょうか。私は指図されるのが嫌いでね。ましてや実験の道具に使われるつもりはありませんよ」

 

そう言って狩崎へといつもの調子で答えを返す。あくまで悪役を続けてきたオルテカにとって、感動の別れとは無縁の方が気が楽で良いらしい。

 

「あ、そうそう。あの世にいるあなたの父親からの伝言ですよ。“グッジョブ……ジョージ”とね」

 

「ダディにそうやって褒めてもらえるとどこかむず痒いね」

 

「……では、言い残す事はもうありませんしそろそろ消えるとしましょうか」

 

オルテカはそう言ってあくまで自然に消えていく。彼としては言及した通り、涙の別れなど性に合わないようだ。それでも彼が去っていく時の顔つきはいつも以上に満足そうだったが。

 

そして、それと入れ替わるように一輝達の前に走ってくる小さな影が見えた。それはこの戦いを陰で支えてくれた一輝達五十嵐三兄妹の子供達だ。

 

「「お父さん!お帰りなさい!」」

 

「幸四郎、六花!」

 

「お父さん、お疲れ様!」

 

「五月も無事で良かった」

 

「ママ!」

 

「七瀬もごめんね、心配かけて」

 

三兄妹が子供達を迎える中、後からやってきたのは彼等と共にリリスの力を使ってエネルギーを供給していた元太の妻……幸実であった。

 

「幸実、ありがとう」

 

「ううん……。お礼を言うのは私の方よ。無事に戻ってくれてありがとう」

 

五十嵐家の面々はこうして誰一人欠ける事なく再会する事ができた。そんな中で幸四郎が興奮したように声を上げる。

 

「お父さん、僕ね。夢を見たんだ!」

 

「お、どんな夢だ?」

 

「とっても強いお父さんと一緒に悪い奴をやっつける夢!」

 

そう言った直後。バイス、カゲロウ、ラブコフ、ベイルの四人の目に幸四郎の後ろに影として小さな何かが一瞬だけ見えた。

 

「ええっ!?あれって!」

 

「ふっ……やっぱり血は争えねぇな」

 

「ラブラブ!アタイ達悪魔の家族!」

 

「これはまだ暫くはくたばるわけにはいかなくなったな」

 

ちなみにベイルに関しては宿主である元太が生きているため彼と紐づく形で残った。そもそもの復活の理由が元太の中に僅かに残っていたギフの遺伝子を活性化させた事による物なので当然と言えば当然だろう。

 

こうして、一同はそれぞれの日常へと戻っていく。自由で笑顔の溢れた平和な世界……それがまた訪れるのだった。

 

〜挿入歌 #激ヤバイス〜

 

『ふへへ〜っ!こうして訪れた平和な日々!ここからはそれぞれの様子を俺っちと一緒に見ていこう!』

 

それから霊体のバイスがナレーションとなると早速映像が流れていく。まずはブルーバード本部での事。

 

『今回の事件の影響で世界各国の政府機関が一度機能停止してしまった影響でまたバイスタンプを使った犯罪が増えてきた。だから大二、カゲロウ、光達はそれを解決する日々だ!』

 

海外のとある街の中、人々が逃げ惑う中で出てきたデッドマン。奇しくもそのデッドマンの種類は就任式のあの日に最初に現れたマンモスデッドマンであった。

 

「行くぞ光!」

 

「ああ。さっさと倒す!」

 

二人の力によってデッドマンは圧倒されていくとライブがバイスタンプを取り出す。そして、それをベルトに押印した。

 

《シープ!》

 

そのバイスタンプは灰色を基調としつつ白で羊のレリーフがある夢の世界で戦う仮面ライダー……ゼッツをモチーフにしていた。

 

「「はあっ!」」

 

ライブがライブガンを放つとその能力でマンモスデッドマンは崩れ落ちると眠り始める。

 

「「大事に決めようか!」」

 

《エビリティパーフェクトフィナーレ!》

 

そのまま無防備なマンモスデッドマンへとライダーキックを当てたライブはデッドマンを爆散。そのままオーバーデモンズは犯人を拘束して連れてきた。

 

「観念しろ」

 

『まぁ、再発するようになったとは言ってもギフが滅びてからこの10年で世界に出回っているプロトバイスタンプ自体が希少になってるし、完全根絶まであと少しって所だな』

 

場面が変わるととあるキャンプの中。そこでは朱美とさくらが医療活動中であった。

 

『さくらは上司の朱美さんと共に世界で起きる争いによって怪我をした人や病気の人達を治すために日々奮闘中って所だぜ』

 

「うぅ……ママ……」

 

そんな中、さくらの元に母親が大怪我を負ってしまって意識不明の状態になった女の子が来る。そんな彼女へとさくらは優しく声をかけた。

 

「大丈夫よ。私達がママの怪我した所なんてサクッと治すから!」

 

「さくら、む・て・き!」

 

さくらは医者を志して以降、多くの事を学んできた。高校生時代の彼女なら医療どころか外国で話す言葉の理解さえも怪しかった所だったものの、彼女の努力や朱美のスパルタ教育もあって今では立派な戦力である。

 

『今回の戦いを手伝ってくれた希望や涼の二人はブルーバードとは無縁の日常でそれぞれが幸せに生きてる。二人には今回の戦いでお世話になったが、彼等の力を二度と借りなくても良いように俺っち達が頑張らないとな』

 

「パパ!早くしないと間に合わないよ!」

 

「ああ、今行くよ!」

 

「お姉ちゃん……行ってきます」

 

希望は結婚してできた幼い子供のために父親として奮闘中、涼は今でも亡くなったアギレラこと花の遺影へと毎日祈りを捧げてから出かける事にしていた。

 

『ブルーバード本部ではヒロミっちが総司令官として毎日大忙し。でも真面目過ぎるが故に偶に危なっかしくなる所はそのままだな。狩ちゃんは科学者として日々研究に勤しんでる。あ、それと確かヒロミっちの養娘になった留美ちゃんは最近大学で彼氏ができたとか言ってたな。その時はヒロミっちが驚きのあまり大暴走したっけ』

 

ブルーバード本部にて。司令室にいるヒロミと狩崎の二人。そんな彼等は話を進めていた。

 

「クローンライダーシステムを利用した人体の治療方法の研究は順調に進んでるよ」

 

「そうか。お前のそのシステムもただの趣味じゃ無かったことが驚きだな」

 

クローンライダーシステム……それはただ世界を守るための戦力を増やすためだけの物ではない。そのシステムを使った欠損した人体の一部の再生。かつてアリコーン事件の際にあった遺伝子修復プログラムを更に改良した物だ。

 

それまでは修復する部位その物が残ってないとできなかったプログラムだが、クローンライダーシステムという過去に存在した戦士を生み出す技術を利用。過去に存在した人体の一部をデータを元に復活させるという物だった。

 

そして、それはギフの力由来の特殊能力。肉体の再生能力を部分的に限るが再現する事に繋がる。

 

「当たり前だろ?私が何の目的も無くそんな趣味だけに走るわけ無いだろう。クローンライダーシステムもこの研究をする上でできた副産物だ」

 

「……そういえば、牛島輝樹は安心したような顔つきで未来へと帰って行ったが彼のいた未来は明るくなったのだろうか」

 

牛島輝樹は事件解決後。またそこまで長く滞在する事なく帰って行った。ただ、その際の帰り方がヒロミにとっては妙に気になるものだったのだ。

 

「確かディアブロの時は未来が変わってすぐに消えただろう?何で今回は少しの間滞在できたんだ?」

 

「答えは簡単さ。……そもそも牛島輝樹が来た未来はデビルワールドが勝った事による崩壊なんてしていない」

 

「……はぁ!?」

 

ヒロミは目を見開くと狩崎へと慌てて詰め寄っていく。ヒロミにとってこの答えは想定外らしい。

 

「どういう事だ説明しろ狩崎!」

 

「そう慌てないヒロミ。簡単な話、彼が来た未来は今のように平和その物だったってだけだよ。だから本来進むべき未来を私達は歩いているだけって事さ」

 

牛島輝樹が元々いて飛んできた未来。それはデビルワールドによって崩壊した未来では無かった。むしろその逆、争いのない平和そのものだったのである。

 

「何だよ……色々と焦っただろうが」

 

「まぁ、そうなるって教えたら緊張感が消えて負ける危険があったからね。そうならないようにするために口が軽めな君には特に言わないでおいたんじゃない?」

 

狩崎からの煽りの言葉にまたヒロミは怒鳴る事になるが、それはさておき。平和な未来になるとわかっているのに輝樹が来た理由だが、今回は輝樹無しでは掴めなかった平和であると未来の狩崎が判断。そのため完全に完成したサイクロトロンドライバーを輝樹に預けて送り出したのだろう。

 

『そんな会話がブルーバードであったんだと。ま、いかにも未来のじじ狩ちゃんの考えだね!さぁ〜て、最後は五十嵐家の実家……幸せ湯の様子を観に行こうか!』

 

幸せ湯、戦いが終わった五十嵐家の実家。そこにはまたいつも通りの賑やかな家庭があった。

 

「はーい、おやつの時間ですよ〜」

 

「千春おばさんがお菓子を持ってきてくれたよ!」

 

「わーい!」

 

千春がトレーに乗ったお菓子を順番に五十嵐家の四人の子供達に渡していく。幸せそうにしている子供達を見ながら常連の男ことぶーさんが彩夏と挨拶する。

 

「お、やってるやってる」

 

「ぶーさん、こんにちは」

 

「ああ、彩夏ちゃん。こんにちは」

 

「ぶーさん、いつもありがとうね」

 

幸実に言われて彼は頷く。彼としてもあの時自分が助けた夫婦がここまで幸せな家庭を築けて嬉しいだろう。

 

「よーし、皆んな。これ使ってみようか!」

 

それから元太が出てくると昔彼がこっそり作っていた幸せ湯宣伝のための顔出しパネルや旗を持ってきた。ただ、五十嵐三兄妹の子供達から見たら変な人に近い感覚のようで。

 

「おじいちゃん、ダサいよ」

 

「そんなの要らなーい」

 

「やるならおじいちゃんだけでやって」

 

「七瀬、七瀬は……」

 

「お姉ちゃん達待って!」

 

「ああ……この俺の威厳が……ガクッ」

 

「はぁ、相棒の俺からも言わせてもらおう……ダサい。見ている俺も恥ずかしいから止めろ」

 

孫達から総スカンされた挙げ句相棒にも呆れられて崩れ落ちる元太。これも日常の中の一ページだ。そんな中、ぶーさんが幸実へと問いかける。

 

「あれ?そういえば一輝ちゃんは?こういう時いつもいそうだけど」

 

「ああ、一輝ならお風呂に入ってるわ。銭湯の開店時間じゃないし。偶には良いじゃない」

 

二人が談笑すると場面はお風呂の中へ。一輝が一人お湯に浸かっていた。そして、その近くには霊体のバイスもいる。

 

「……ふぅ。お風呂に入ると疲れや嫌な事全部吹き飛ぶくらいに気持ち良いな」

 

「ねぇねぇ、俺っちも入れてよ!」

 

「ダメだ。お前、つい昨日俺が取っておいたコーヒー牛乳飲んだだろ。だから仕返し」

 

「ええーっ!?そんなご無体な!」

 

バイスは一輝にそう言われてガクリとする。そんな中、一輝はバイスへとまた話しかけた。

 

「なぁ、バイス」

 

「何、一輝?」

 

「俺達がフヤフヤのおじいちゃんになるまで……こうやって平和な日々が永遠に続くと良いな」

 

「……ああ。もしそうなったら一緒の墓に入ろうぜ、一輝」

 

「誰がお前と一緒の墓に入るんだよ」

 

「ええっ!?そこは一緒に入るんじゃないの!?」

 

バイスが唖然とした顔になる中、一輝は冗談とばかりに笑うと拳を突き出す。

 

「これからもよろしくな、バイス」

 

「ああ。ここまで来たら最後まで付き合うぜ……一輝」

 

こうして、再度拳を合わせてバディとしての絆を再確認する二人。彼等が紡ぐ人生という名前の幸せの物語はまだ続く。だが、物語として描く範囲はここで終わりとしよう。

 

『それじゃあ、最後はエンディングで締めだぜ!皆……またな!』

 

〜EDテーマ 君はそのままで〜

 

バイスタンプラリー

 

トゥルーレックスバイスタンプ

 

〜仮面ライダーリバイスIF 完〜




というわけで今回を持ってして仮面ライダーリバイスIFは本編及び番外編も含めて完全完結とさせていただきます。ここまで来るのにリアルタイムで二年と少しかかりましたが最後まで無事に書き切る事ができました。

正直な所、本編50話分が完結してから完全完結までの間に100話以上を使ったのは個人的に一つのやらかしだったと思ってます。今回の話数で300話目なんですけどこのキリの良い数字に無理に合わせようとした結果、少し雑な話の構成になってしまった感が否めないので。

何にせよ今回の話で物語としてのリバイスIFの話は終わりです。勿論この後も一輝達の人生という物語はありますが、これ以上は私自身もキツい所がありますし最終章と銘打ったのでここで本当に終わりです。

もしかするとちょっとした時間を使ってこれまで投稿してきた話の後書き部分に少しずつ付け足し要素としてフォームのスペックとかを色々記載するかもしれません。この作品で出たオリジナルフォームとか結構ありますし。

ただ、話としての更新はもうありません。ここまで長い間、最後までお付き合い頂いた読者の皆様。評価やお気に入り、感想を書いてくださった皆様。この小説の中でコラボをしていただいた皆様。本当にありがとうございました。それでは長々と話すのはこの辺にしてこの後書きを締めようと思います。

それでは今まで拝読いただきありがとうございました!
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