デッドマンと向かい合ったリバイ、バイス、ライブ。三人は銀行内で戦うのは被害の拡大を招くリスクを考えてリバイ、バイスの二人がかりでデッドマンを捕まえるとそのまま押し込んで店舗外へと投げ飛ばす。
「はあっ!」
そこにライブからの銃撃がデッドマンを襲うとデッドマンの体に銃撃された後の大穴が空く。しかしその瞬間デッドマンはその体を再生させていき、元に戻った。
「再生した!?」
「何のバイスタンプだ!?」
デッドマンはやられた分をお返しするために左腕を伸ばすと鞭のように三人へと叩きつけようとする。それを見たバイスは跳び上がるとドロップキックを叩き込んでデッドマンを吹き飛ばした。
「ははーっ、要するに再生する前に跡形もなく全部ぶっ飛ばせば良いって事だろ?」
「なるほど、その手があったか!」
ライブは更に接近するとゼロ距離からライブガンを撃ち込む。それでも大穴が空いただけなので仕留めるには至らない。それでも何もしないよりはマシだ。
「大二、これを使え!」
そう言ってリバイがオーインバスターをライブへと投げ渡す。ライブはそれを受け取ってライブガンと二丁拳銃で撃ちまくり、デッドマンを怯ませる。その間にリバイはスタンプを取り出した。
《カマキリ!》
《バディアップ!》
《いざ無双斬り!俺が横切り!カマキリ!俺たちオンステージ!》
「カマキリちゃんで行っちゃうよ!」
リバイは走っていくとデッドマンを連続でカマキリックアローで斬り裂いてから射撃を撃ち込む。それを再生しようとしたデッドマンに更に追撃としてライブからの銃撃も決まった。
「はいあたたたたたたたぁ!」
そこにバイスからの連続正拳突きでデッドマンはかなりダメージを負ったのか地面を転がる。そして、今度はライブが接近しつつデッドマンからの反撃を躱しながら跳び上がっての射撃を撃ち込み、それと同時にリバイが斬撃を喰らわせた。
「さっすが大二!」
「へへっ、調子乗るなよ!」
「お前には言われたくねーよ」
それから三人は更にデッドマンを追い詰めるべく向かっていく。すると突如としてデッドマンの体が光る。その瞬間、デッドマンは二体に分裂。三人を嘲笑うかのように声を上げた。
「分裂して増殖しただと!?」
流石にこの事態は想定外だ。このままではダメージを与える事に増殖を促す事になってしまう。
「不味いな、このままだと……」
「だったら二体を短期間で粉砕するしか無い」
《ブラキオ!》
《Come on! ブ・ブ・ブラキオ!》
《バディアップ!》
《最大!最長!最古で最強!ブラキオー!祝え!長き王の誕生を!》
「なんか行けるって感じ!」
リバイはカマキリゲノムのままでは埒が開かないと踏んでパワータイプのブラキオゲノムへとチェンジ。それからリバイとバイスがコンビで一体を、ライブはもう一体を相手する事になる。
その頃、銀行ではフェニックスの分隊と光がおり事情聴取をしていた。
「何か狙われる心当たりはありますか?」
「いえ、全く予想できない急な出来事でございまして……」
「そうですか……」
光がそう言った瞬間、入り口の方から何かの光が発されると銀行員からはその光が見えた様子で目を見開く。その直後、爆発と共に中にいた人々が吹き飛ばされる。そこに現れたのはオルテカとさくらの師範代、大森聖子だった。
大森はゆっくりとカウンターに近寄ると札束に手を伸ばす。それを見た光は何とか体を動かして立ち上がると止めようとするが、そこにオルテカが立ちはだかる。
「彼女の邪魔はさせませんよ」
「くっ……」
光もデッドマンが相手ではどうする事もできない。そんな間にも大森は札束を手にしようとする。そこに後からやってきたさくらが到着して声をかけた。
「師範代……そこで何をしてるんですか?」
「………どうしても、どうしてもお金が必要なの」
「だからと言ってこんな事が許されると思ってるんですか!!」
「あなたには……関係無い」
そう言って切って捨てられてしまうさくら。それでもめげずに大森を止めるために歩いていく。それを見たオルテカはスタンプを取り出していつでも変身できるようにした。
「さくらさん、逃げてください!」
光の声が響く中、オルテカは突然歩みを止めると頭を下げる。それを見た光とさくらが振り向くとそこにはアギレラが笑顔で入ってきていた。
「はぁーい、さくらちゃん」
「ッ……やっ!」
さくらはアギレラへと立ち向かっていくものの、その実力差は歴然。あっという間に攻撃をいなされ、そのまま投げられた。
「ぐうっ……」
さくらは立とうとするが、そこにアギレラが溜息を吐きながらしゃがむ。
「さくらちゃん弱〜い。ねぇ、良い加減現実を見たらどう?」
「………」
「誰かを守る事や助ける事を口で言うのは簡単。だけど、力の無い者の言葉は虚しく響くだけ。デッドマンズに入りなよ。そうすれば……力が手に入るかもよ?」
アギレラのその言葉にさくらは揺れる。しかし、それを光が引き戻すように声を上げた。
「デッドマンズに入るのはダメです!それこそ、さくらさんが先程言った事に反しますよ!」
「チッ、あんた邪魔ね。オルテカ」
しかし、声を上げた事で光はアギレラに邪魔者として目をつけられてしまう。オルテカが近づいてスタンプを自らに押そうとしたその時だ。大森に一本の電話が入ると彼女は驚きの声を上げる。
「涼が……倒れた!?すぐに救急車を呼んで!私も向かう!」
そう言って走って出てしまう。それを見たアギレラは一度溜息を吐いてからつまらなさそうに嘆く。
「後一歩だったのに……つまんなーい」
それからアギレラとオルテカはその場から引き上げていく。それを二人はただ黙って見ているしかできなかった。
そして、二体のデッドマンと交戦する三人の戦いはリバイとバイスがパワーでデッドマンを押しまくる中、ライブは逆に下手にダメージを与えないようにしている。理由は単純でダメージを一定以上与えると分裂して増殖すると考えているからだ。つまり、倒すには一発で全ての細胞を粉々に砕く必要があると見ている。
「兄ちゃん、バイス、ある程度ダメージを与えた一気に決めてくれ!」
「おう!」
それからリバイはスタンプを二回倒すとそのまま必殺技を発動。跳び上がるとダブルライダーキックを放つ。
《ブラキオ!スタンピングフィニッシュ!》
その一撃がデッドマンを貫くとその一発でデッドマンの細胞を全て砕き爆散。二度目の増殖をさせずに撃破した。
「あと一体、一気に行くぜ!」
「大事に……決めようか」
《リミックス!バディアップ!》
《必殺承認!》
《必殺!発動!激闘!ブラキオー!》
二人は決め台詞を言ってからそれぞれ大技を発動。ライブガンにエネルギーが充填されるのと同時に四つん這いになったバイスの首裏ガードに直立したリバイが乗ってリミックス。バイスが体と四つの足、リバイが首と顔を担当するリミックス、リバイスブラキオに変身。
ただし、体格が大きくなるわけでは無いので実際のブラキオのサイズよりはかなり小さくなるが……。
「がっ!」
デッドマンが両手からエネルギー弾を連射する中、リバイスブラキオは突進していくと長い首でエネルギー弾を薙ぎ払う。それから首でデッドマンを上に吹き飛ばしつつ大ジャンプした。
《バット!ジャスティスフィニッシュ!》
その直後にライブが黄色い超音波型のエネルギー波でデッドマンを狙い撃ちするとデッドマンは超音波による攻撃の効果でダメージを負う。それと同時に真上からリバイスブラキオによる首を振り下ろしての攻撃をぶつけた。
《ブラキオ!スタンピングフィニッシュ!》
その一撃によってデッドマンは地面に叩きつけられると火花を散らしていく。そしてリバイスブラキオはリミックスを解いて二人の姿に戻った。
「はい!3!2!1!」
バイスがお決まりのカウントダウンをして決めポーズをするとデッドマンは爆散して三人は勝利を収める。その様子を遠くから見ていた灰谷とオルテカはまだ余裕そうな顔つきをしていた。
「おや、作戦が失敗した人間の顔つきとは違いますね」
「ええ、私の作戦はここからが本番ですよ」
その手にはプロトバイスタンプが握られており、灰谷はニヤニヤと笑っている。さくらが病院に行くとそこにはソワソワした大森聖子がいた。そして、彼女が診察室に行った後にこっそりとその様子を扉の外から聞くとどうやら彼女の息子、涼は重い病気を患っておりその手術費用が必要だったようなのだ。
「涼君のために……」
しかし、どんな理由があったとしてもデッドマンズの力を借りても良い理由にはならない。そうさくらは頭の中ではわかっていた。それでもどうする事もできない自分にもどかしさを感じているのだ。
さくらは無言でその場を後にしようとするとさくらは灰谷とすれ違った。灰谷は診察室から出た大森の元に行くと何かを話している様子だったが、さくらにはそれを確認する気力も湧かない。
「ただいま……」
それからさくらが家に帰ると案の定一輝はさくらの傷を心配し、詰め寄ってくる。
「さくら?その怪我、大丈夫か?」
「大丈夫だよ……このくらい」
そこに大二もやってくると防犯カメラの映像から大森が事件に関わっている事が割り出された事を一輝に伝え、何か知らないかさくらへと質問が飛んだ。
「……聖子さんの息子さんの手術費用が必要だからあんな事をしたんだって……私、どうすれば良いんだろ」
「どうするって、さくらにはどうにもならないだろ」
「そんなの……そんなのわかってる!でも……だからと言って今デッドマンズとの繋がりを絶ったら……涼君はどうなるの?」
「……それでもデッドマンズを野放しにするわけにはいかない。俺はデッドマンズを止める」
無情にもそう言う大二へとさくらは怒りの形相で詰め寄った。そんな物は求めている答えでは無いと。
「どうして?どうしてそんな事言うの!!一輝兄もだよ!大ちゃんがカゲロウに乗っ取られた時、周りの誰が何と言おうとも大ちゃんを助けたいって言ってたのに!他人の事は……どうでも良いの?」
「そんなわけ無いだろ。でも、それとさくらが首を突っ込むのはまた別問題だ。さくらは戦えないんだから大人しく……」
「何?私が戦えないからってそんな事言うの?……どうして……どうして……」
さくらが怒りをぶつけまくる中、幸実は一人静かにさくらへと告げた。
「さくらは大人しく家にいなさい」
「ッ……」
さくらは幸実にまでこう言われるととうとう耐え切れないとばかりに部屋へと籠ってしまう。それから荷物を纏めるとまた出てくる。
「ちょっとさくら、何してるんだ!」
「もう良い!こんな家出て行ってやる!」
さくらは一輝達の静止も聞かずに家から出ていくと夜の街を彷徨った。勢いに任せて家を出たのは良いものの、さくらに他に行くアテは無いのだ。
「これを……私が使えば変身できるのかな……」
そう言って取り出したのは送られてきた荷物にあったベルトとスタンプである。そこに一人の影が現れた。
「さくらちゃん」
振り返るとそこにいたのは以前野田が変身したジャッカルデッドマンから一輝が救い出した女性、桶谷彩夏である。
「悩み、聞こうか」
それから彼女はニコリと笑うと悩めるさくらへと手を差し伸べるのであった。
また次回もお楽しみに。