仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

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共同契約 さくらの気持ち

さくらが家を飛び出したその日の夜、偶々近くを通った桶谷彩夏と出会うと彼女の家でお世話になる事になった。

 

「親御さんには連絡しておいたけど……それで、さくらちゃん。あんな所でどうしたの?」

 

「それが……」

 

さくらは彩夏へと経緯を全て話すと彩夏はその話を親身になって全て聞く。

 

「そっか……大変だったんだね」

 

「私にはもうどうすれば良いのかわからない……」

 

さくらは悩みを抱え込んだままうずくまる。自分自身、どうするべきなのか答えがわからないのだ。

 

「……私には誰かを助けられる力がない。だから信じて待つ事しかできない……かな」

 

「え……」

 

彩夏の答えはさくらにとってはあまり良い答えでは無かった。何しろ兄達と同じような答えであったのだから。

 

「……それじゃあ私は……」

 

「でもね。さくらちゃんがもし、誰かを救えるだけの力を持っているのだとしたら……迷ってたらダメだよ」

 

「!!」

 

「私にはこんな事しか言えないけど、私も一輝君に助けられた側の人間。彼の力になれるならなりたい。けど、それでも私にはデッドマンズと戦う力が無い。だから一輝君を信じる道を選ぶ。今のさくらちゃんには戦えるだけの力がある?」

 

彩夏の質問に対してさくらは答えに迷った。今の自分には誰かから送られてきたベルトとスタンプがある。それを力としてカウントして良いのかわからなかった。

 

「……」

 

「私はいつでもさくらちゃんの味方だからね」

 

その日の夜、さくらは彩夏の家で空いていた部屋を貸してもらうとそこで一人悩むことになる。

 

浮かんだのは幼い頃に公園のジャングルジムで言った言葉であった。

 

〜回想〜

 

「さくらはおおきくなったらなにになりたいの?」

 

「ん〜、むてき!」

 

「むてきになったらたたかえるてきがいなくてつまらなくならないの?」

 

「それがかっこいいんじゃん!」

 

〜現在〜

 

それは幼いさくらの憧れであった。しかし、翻って今の自分はどうだ。空手をやっているのに誰の助けにもなれない自分。アギレラとの一件、ベルトの事、そして苦しんでいる大森をただ見てるだけしかできなかった。色々と悩む事は沢山あり、それらを整理する事になる。そんな中、それをさくらから出てきたバイスのような霊体の存在が彼女を見ていたのであった。

 

同時刻、渓谷メンタルクリニックでは灰谷の前に大森がおり、大森は息子の涼を救うにはどうすれば良いのか血相を変えて相談をしている状態である。

 

「天彦先生!涼を助けて欲しいんです!」

 

「私の言う通りにすれば涼君を救う事は可能ですよ」

 

そう言って灰谷が出したのはオルテカから貰ったプロトバイスタンプであった。そして、それとは別で大森の鞄の中にあった灰谷と同じ生物のプロトバイスタンプと一枚の写真を大森に手渡す。

 

「涼君が入院した病院に彼の手術が可能な医者がいるという噂を聞きました。……最早一刻の猶予もありません。私と共に悪魔との共同契約を結びましょう」

 

《プラナリア!》

 

そう言って灰谷はスタンプを押すと自らに押印。その瞬間、昼間に一輝達が戦ったデッドマン……プラナリアデッドマンが出てくると大森の前にやってくる。それを見た大森は自分の持つプロトバイスタンプを見るのだった。

 

翌日の朝、さくらは彩夏に礼を言って家を出るとまず最初に涼の元にお見舞いに行き、花束を置いた。それから受付に戻るとそこにいたのは一人の医師を捕まえたプラナリアデッドマンとそれに縋る大森だ。

 

「先生!どうかお願いします!涼の心臓の手術を!」

 

「わ、私はただの放射線科医ですよ!」

 

「……え?どういうこと……」

 

大森は再び灰谷が見せた医者の写真と見比べる。どうやら大森は灰谷の口車に乗せられてしまっていたようなのだ。そして、そこにデッドマンが暴れている知らせを受けた一輝、大二、ヒロミの三人に加えて光達フェニックスの部隊が到着する。

 

「あの人がさくらの師範代……」

 

「やっぱりあの人がデッドマンの宿主なのか?」

 

するとバイスが出てきて何か疑問符を浮かべていた。それを見た一輝はバイスへと問い詰める。

 

「うーん」

 

「バイス、どうしたんだ?」

 

「あの悪魔……何だかあの人が宿主じゃないように見えるんだよなぁ」

 

「え?」

 

「どうしたの、兄ちゃん?」

 

大二が聞いたその時、ヒロミと光が大森へと抵抗を止めるように呼びかけた。

 

「大人しくスタンプを渡せ!」

 

「そうすれば、まだあなたはやり直せる!」

 

しかし、それが大森を刺激してしまったのか、スタンプを取り出すとそれを押してしまう。

 

《プラナリア!》

 

「私の……邪魔をしないで!!」

 

するとプラナリアデッドマンは捕まえていた医者を解放すると自らの前に二枚の契約書を提示する。片方はフェーズ2になる際の赤い契約書、もう一つは青い紙に字が書かれている見た事の無い契約書であった。

 

「何だ……あの契約書は!?」

 

大森は追い詰められた事がトリガーとなり、契約書にバイスタンプを押してしまう。すると、いつものフェーズ2になるための赤い契約書と同時に一枚の青い契約書も吸い込まれてその姿を変えていく。

 

それの容姿は下半身が毛むくじゃらで尚且つ突起や黄色の骨のような部位が現れつつ猿の尻尾のような物が生えている。上半身は女性の姿に近くなっているが、全身を包み込む様な白い衣装が拘束具の様に張り付き、軟体質の組織で覆われた魔女の様な姿をしていた。また、共通の仮面は両目と額に移動し、後頭部には無数の仮面が浮かび上がっている。

 

これにより、プラナリアデッドマンフェーズ2となった大森は暴れ始めてしまうのであった。

 

「ごちゃごちゃ言ってる場合じゃ無くなったな……バイス!止めるぞ!」

 

「あいよ!」

 

「白黒付けようぜ!」

 

「我が命を懸けて……お前を止める!」

 

三人はそれぞれスタンプを出すとそれをベルトに押印。それから大二はベルトにスタンプを装填してライブガンにチェンジ。全員でポーズを取る。

 

《レックス!》

 

《バット!》

 

《スパイダー!》

 

《Confirmed!》

 

《Deal……》

 

《Come on!レ・レ・レ・レックス!》

 

《Eeny, meeny, miny, moe!Eeny, meeny, miny, moe!》

 

「「「変身!」」」

 

《バディアップ!》

 

《バーサスアップ!》

 

《Decide up!》

 

《仮面ライダー!リバイ!バイス!リバイス!》

 

《仮面ライダーライブ!》

 

《(仮面)rider Demons!》

 

一輝、大二、ヒロミがそれぞれ変身してそこにバイスも加わった四人のライダーはそれぞれプラナリアデッドマンを止めるために攻撃を開始する。それを見たさくらはこの場面でどうすべきか悩む。そして、自分の鞄の中に入れていたベルトとスタンプを見るのであった。

 

「………」

 

リバイ達は病院内で戦えば、被害が拡大すると考えて一度病院の外へとプラナリアデッドマンを押し出す。すると今度はギフジュニアの群れが出てきてリバイ達の邪魔をした。

 

「コイツら!」

 

「うじゃうじゃ湧いて来たね!」

 

「一輝、バイス!ここは俺と大二が止める!」

 

「兄ちゃんはライダーキックでデッドマンの分離を!」

 

それからリバイとバイスにプラナリアデッドマンを任せるとライブとデモンズがギフジュニアを殲滅しにかかる。その様子を遠くからオルテカと灰谷は高みの見物をしていた。

 

「なるほど、共同契約ですか」

 

「えぇ、プラナリアの分裂能力に私の話術が加われば……私の生み出したデッドマンを第三者と契約させるなど容易い事です」

 

「それに、奴等はあのデッドマンを倒したとしても大元のあなたを止めない限りいつまでもフェーズ2のデッドマンを相手にする羽目に遭う……と」

 

オルテカは灰谷の手腕に一目置いている様子で、灰谷も自分の策が上手くいってる事にご機嫌である。

 

そして、場面はリバイとバイスの方に戻ると、リバイがオーインバスター、バイスがオストデルハンマーを手にしてプラナリアデッドマンと交戦を続けていた。

 

「「たあっ!」」

 

二人による同時攻撃が命中したが、その瞬間プラナリアデッドマンは超再生能力で抉れた体が復活。すると今度は突如として自ら腕を破壊した。

 

「「なっ!?」」

 

それはプラナリアデッドマンフェーズ2の能力。自らの体の一部を破壊する事によってノウダラケアームズと呼ばれる杖を召喚する事が可能になるのだ。

 

「え?それ腕でしょ?腕だよね!それを振り回すの止めてぇ!」

 

バイスはあまりのグロい光景にドン引きしてしまう。しかし、それで戦いを止める理由にはならない。リバイは対抗するためにスタンプを取り出す。

 

「これでどうだ!」

 

《イーグル!》

 

《バディアップ!》

 

《荒ぶる!高ぶる!空駆け巡る!イーグル!(イーグル!)お前の羽を数えろ!》

 

「俺っち、ゾクゾクしちゃうぜぇ!」

 

二人はイーグルゲノムになると二人で発生させた竜巻の中にプラナリアデッドマンを閉じ込めて動きを封じようとするが、あまり効果があるとは言えずにすぐに破壊されてしまう。

 

「くっ、だったら!」

 

《スタンプバイ!必殺承認!》

 

リバイがオーインバスターにスタンプを押印してから必殺技を発動すると銃口に竜巻のエネルギーを高める。

 

《レッツイタダキ!車!イタダキ!》

 

それと同時にバイスも近くの車をオストデルハンマーで叩いてエネルギーを高めていく。

 

「バイス、同時に行くぜ!」

 

「おう!」

 

《イーグル!スタンピングストライク!》

 

《ドライブ印!オストデルクラッシュ!》

 

バイスは自らその場でドリフトのように高速回転すると竜巻を発生。それをプラナリアデッドマンの真上から被せると視界を奪い、そこにリバイからのスタンピングストライクで攻撃を命中させる。

 

すると今度はプラナリアデッドマンの体はかなりのダメージを負っていたが、その体から分裂したプラナリアデッドマンフェーズ1が現れてしまう。

 

「なっ!?」

 

「まさかコイツも分裂、増殖能力持ちかよ!」

 

このままではジリ貧である。そこに自分の周囲にいたギフジュニアを蹴散らしたライブが到着。ライブはリバイへと話しかける。

 

「兄ちゃん、ダブルライダーキックでフェーズ2を先に契約解除しよう。今のまま攻撃を闇雲に続けても増え続ける一方だ!」

 

「わかった!」

 

それからリバイとライブはそれぞれリバイはスタンプを二回倒し、ライブもライブガンをバックルと合体させて必殺技を使う。

 

《必殺承認!》

 

それから二人が跳び上がろうとしたその瞬間、二人とプラナリアデッドマン二体の前に割って入るようにさくらが現れた。

 

「さくら!?」

 

「何やってるんだ!ここは……」

 

「一輝兄、大ちゃん、聖子さんを助けるのは……私がやる」

 

そう言ってさくらは何者かから貰ったベルトを取り出すとそれを腰に装着する。それからスタンプを取り出してスイッチを押した。

 

《コブラ!》

 

それからスタンプをベルトの上部にセット。すると待機音がその場に鳴り響く。

 

《What's Coming up!? What's Coming up!?》

 

「……変身」

 

そう言ってさくらはスタンプを装填した台を倒す……しかし、何も反応は起きなかった。

 

「……え?」

 

さくらは何故反応しないのか疑問に思い、もう一度戻してから倒す。だがやはり反応は無い。その瞬間、檻の部分が光り始めると衝撃波が発生してスタンプが外れてしまう。それと同時にさくらも倒れてしまった?

 

「ううっ……どうして……」

 

そこにフェーズ2のプラナリアデッドマンが迫り来る。それを見たリバイが慌ててさくらを庇うとダメージを負う。それにより、リバイはレックスゲノムに戻ると倒れてしまうのであった。

 

バイスタンプラリー

 

十一話目……バットバイスタンプ




また次回もお楽しみに。
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