ライブ、デモンズが戦闘を開始した頃、さくらは幼い頃に自らが無敵になりたいと二人へと言ったジャングルジムの一番上で座っていた。
「はぁ……私はどうすれば……」
さくらが一人悩んでいるとそこに一輝がやって来てさくらへと声をかける。
「さくら!」
「一輝兄……」
「昔からそうだ。さくらは小さい頃、よくそこで無敵になるって言ってたよな」
「……どうしてここに?」
「さくらを助けに来た」
「……私、困ってなんか」
「ほら、すぐそうやって強がる」
「ッ……」
さくらは核心を突かれて狼狽える。それから一輝はジャングルジムを登ってさくらの隣に座った。
「俺達はさくらを変に巻き込みたくないんだ。戦う事の怖さを俺達は知ってるからな」
「だったら!私は指をくわえてその様子を見ていろって言うの?私の大切な人ぐらい私に救わせてよ!」
さくらは一輝へと苛立ちを口にする。しかし、一輝はその言葉に反論するように答えを返した。
「ああ、好きにすれば良い」
「え?」
「ただし、今度は中途半端な覚悟じゃなくて本当に強いさくらを見せてくれ」
そう言う一輝にさくらは俯く。そんな自分なんているのか不安になってきたのだ。
「でも、私の本当の強さって何……」
「それは自分で見つけないと。まぁ、自分が今どういう状態かを自分でわからない事には俺達にはどうする事もできないからさ」
すると一輝のガンデフォンに着信が入るとデッドマンが出没したという話が舞い込んでくる。
「……デッドマンが出た。俺はもう行くよ」
「一輝兄、私は……」
さくらがそう言いかけたのを一輝は聞く事なくジャングルジムから飛び降りるとさくらへと振り向いて叫ぶ。
「何強がってるんだよ!そんなの本当の強さでも何でもないぞ!」
それから一輝は現場へと向かっていくのであった。それと入れ替わるように彩夏が通りかかる。
「さくらちゃん!」
「!!」
二人は場所を変えてさくらが通ってる空手道場に入った。そこで彩夏はさくらからベルトを見せられて改めて相談に乗ることになる。
「そっか、さくらちゃんベルトを待ってたんだ」
「でも、今の私には使えなくて……私は大切な人を救いたいのに……」
「……さくらちゃん」
「?」
「無理してるよね」
彩夏は何気なくそう言った。さくらはすぐにそれを否定しようとした所で言葉に詰まる。
「強くなりたい。大切な人を救いたい。その気持ちを持つのは悪い事じゃない。でも、だからと言って無理して強がっているだけじゃいつかさくらちゃん自身が壊れちゃうよ」
彩夏から言われた言葉を聞いて、さくらは先程の一輝の話を思い出す。さくらはようやくそれで自分が強がっていた事を自覚した。強い自分だと思い込んで、自分は強いから助けられる、自分は強いから変身だって簡単。そう考えていた彼女、本当は自分は弱かったのだ。それなのに無理に強がった結果何も上手くいかなかったのである。
「私……自分が無敵だと思ってた。強いんだと思ってた……本当は弱いのに……それなのに、それなのに」
さくらの目からは涙が溢れ出てくる。それを見た彩夏はさくらの隣に寄り添うと優しく背中をさすった。するとさくらの後ろからさくらにのみ聞こえる声がする。
「ラブ〜」
さくらが振り向くとそこには自らから伸びる青い霊体のようなもの。それはさくらの悪魔であった。それを見たさくらはその悪魔へと優しく笑いかけ、彩夏はそんなさくらを見て彼女はもう大丈夫だという事を察する。
「彩夏ちゃん、ありがとう」
「もう大丈夫みたいだね」
「うん、心配かけてごめん。私、行かないと!」
「頑張って!」
さくらは頷くと彩夏と別れて一輝達の待つ戦いの場へと走っていくのであった。
時間を少し遡る。ギフジュニア、プラナリアデッドマンフェーズ1、プラナリアデッドマンフェーズ2と戦うライブ、デモンズはギフジュニアを少しずつ殲滅しつつデッドマンを相手にしていた。
「コイツら、やっぱり多い!」
「だったらこれで!」
《Add……!》
《モグラ!》
《Dominate up!》
《モグラ!ゲノミクス!》
するとデモンズの右腕にドリルが生成。近距離での武装を得たデモンズはギフジュニアを主に殲滅。倒していく。
「まだまだぁ!」
《モグラ!》
《Charge!》
《デモンズフィニッシュ!》
デモンズは必殺技を発動するとドリルを高速回転させ、その勢いで滑空しつつ突撃し、ギフジュニアを蹴散らしてからフェーズ1のプラナリアデッドマンを貫通。粉砕し、撃破した。
「次はこれだ!」
《Add……!》
《バッタ!》
デモンズはモグラゲノミクスを発動した状態でバッタバイスタンプを出すと再びゲノミクスを発動しようとする。そして、バイスタンプを液晶部分に押印しようとした瞬間……。
「ッ!!何!?」
その瞬間突如としてデモンズの体に赤黒い火花が散り始めるとその負担に体が耐えきれずに吹き飛ばされてしまい、近くの壁に叩きつけられて変身解除してしまう。
「ぐあっ!……ぐううう……うっ……」
ヒロミは何とか持ち直そうとするものの、そのまま気を失ってしまい無防備な姿を晒してしまう。
「ヒロミさん!」
そこに光が慌てて駆け込むと動けないヒロミを他のフェニックスの隊員と共に背負って退避する。そこに一輝が到着した。
「あれ?ヒロミっちやられちゃってるじゃん!」
バイスが呑気そうにそう言う中、一輝はレックスバイスタンプを取り出して変身する。
「湧いて来たぜ!」
《レックス!》
「変身!」
《仮面ライダー!リバイ!バイス!リバイス!》
リバイとバイスはそれぞれオーインバスターとオストデルハンマーを手にするとギフジュニアの群れへと突っ込んでいく。
「それっ!」
バイスがオストデルハンマーを使いギフジュニアを叩きつつ倒していく。
「はい、バイスちゃんがよくできましたスタンプあげるね!」
バイスざオストデルハンマーで相手を叩くたびによくできましたという桜のスタンプが叩き込まれていく。
「はあっ!」
更にリバイも迫り来る敵を次々と切り裂いていった。加えてライブも銃撃によりダメージを稼いでいく。
「良し、このまま少しずつ相手の数を減らして……」
ライブがそう言った瞬間、突如としてライブへと二本の触手が伸びてくるとライブはそれを喰らって吹き飛ばされてしまう。
「あぐっ!?」
「大二!」
リバイとバイスがその方を見るとそこにはオルテカことダイオウイカデッドマンがおり、戦闘に参加してきたのだ。
「これ、ヤバくないですか?」
そう言った瞬間、今度はバイスがエネルギー弾を喰らってダメージを負う。そちらにはウルフデッドマンがおり、幹部のギフテクスが二人揃っていた。
「ふふっ、フリオ。仮面ライダーをここで一掃しましょう」
「ああ、厄介な火種は今のうちに消しておくに限る」
二人はここで三人のライダーを一掃するべく攻撃を仕掛けてきた。このままではギフジュニアの群れ、プラナリアデッドマン、ウルフデッドマン、ダイオウイカデッドマンと数の上で大幅な不利を背負ってしまう。
「大二、バイス、どうにか凌ぐぞ」
「ああ。こんな所でやられてたまるか!」
「フォオオウ!!」
ウルフデッドマンはスピードを解放するとリバイとバイスへと連続攻撃。二人は吹き飛ばされて地面を転がる。そこにギフジュニア達が追撃をかけていった。
「くっ、幹部クラスの相手だけでも厄介なのに……」
「ここに来て数で攻めるとか卑怯者!」
「卑怯?我々にとってそれは褒め言葉ですねぇ!」
ダイオウイカデッドマンはエネルギー弾をばら撒くとそれが爆発していき、ライブの視界を奪う。そこに触手でライブを絡め取っての叩きつけ攻撃を決めた。
「あぐうっ……」
するとライブの中にドクンと何かが高鳴るとライブは突如として頭を抑える。
「大二!?どうしたんだ!」
「この気配……まさかカゲロウが起きてる!?」
バイスの予想通り、まだカゲロウは生きていた。そして、以前カゲロウが喰らった頭の中からの攻撃を今度はライブこと大二が喰らっているのだ。
「うぐうっ……カゲロウ、今は出てくるな!」
今は何とか制御できているが、これ以上のダメージを貰うと厳しい。そこにウルフデッドマンが容赦なく射撃を放ち、それと同時にプラナリアデッドマンが手にした杖から火炎弾を撃つ。
「くっ!バイス、ゲノムチェンジだ!」
《プテラ!》
《バディアップ!》
《上昇気流!一流!翼竜!プテラ!Flying by!Complete!》
するとプテラゲノムに変身した際に生じる無敵時間で攻撃を凌ぐとバイスがライブを乗せて空へと退避し、リバイは体力を消費する代わりに超スピードで動ける能力を使い、ライブが持ち直す時間を稼ぐ。
「はあっ!」
リバイはリバイスラッシャーを手にギフジュニアの群れを蹴散らしつつ三体のデッドマンの注意を引き付けた。そしてその間にライブは持ち直すと上空からバイスを操縦しつつライブガンで雨ののような一斉斉射を浴びせる。
「ほう、なかなかやりますねぇ」
「そう来なくては歯応えがない!」
二体のギフテクスはプラナリアデッドマンにリバイを任せると空中にいるライブとバイスを撃ち落とそうと遠距離から攻めてきた。
「そんなの、当たらないもんね!」
「大二!」
リバイがそう言った瞬間、ライブがバイスから飛び降りる。その瞬間、リバイがスタンプを出してゲノムチェンジした。
《コング!》
《バディアップ!》
《鳴らせ!コング!ドラミングキター!》
コングゲノムになったリバイとバイスはライブと交代する形でギフテクスを相手する。二人はそれぞれ耐久力にモノを言わせて接近すると拳による連続攻撃を叩き込む。
「おらよ!」
「はあっ!」
続けて二人同時に地面を殴るとそれによって発生した衝撃波で二体のギフテクスにダメージを与えた。
それと同時にライブは接近しつつ銃撃でプラナリアデッドマンの腹をぶち抜く。しかし一定以上のダメージを受けた事でプラナリアデッドマンは分裂能力を発揮してしまい、フェーズ1のプラナリアデッドマンが出てきてしまう。
「やはり一撃で決めないと出てくるか……なら、これで決めてやる!」
《必殺承認!》
ライブはバックルにライブガンを合体。そのまま跳び上がるとライダーキックの体勢に入る。
《バット!ジャスティスフィニッシュ!》
「はあっ!」
しかし、この一撃は先程分裂したプラナリアデッドマンが盾として前に出ると攻撃を代わりに受けてしまう。
「何!?」
しかもそれを受けてすかさずプラナリアデッドマンのフェーズ2が杖による薙ぎ払い攻撃を仕掛けてきてライブは吹っ飛ばされてしまう。
「大二!」
「余所見をするな!」
更にリバイとバイスもウルフデッドマンとダイオウイカデッドマンの連携攻撃を喰らって吹き飛ばされるとレックスゲノムに戻されてしまった。
「く……」
「このっ……」
「俺っち達負けちゃうの!?」
「そんな訳には……いかない」
リバイがそう言っている中、その様子を高みの見物とばかりに灰谷はニヤニヤと見ている。
「さて、これでチェックメイトです」
灰谷が勝利を確信しているとそこに私服姿のアギレラがニコニコとしてやって来た。
「へぇ、良い所みたいだけど……まだ終わってなさそうだよ?」
アギレラの言葉に灰谷が疑問を抱いているとそこに一人歩いてくる人間がいるのが見え、灰谷は顔を少し曇らせる。
そこにいたのは今度こそ覚悟を胸にベルトを手にした五十嵐さくらであった。
また次回もお楽しみに。