リバイが光からカンガルーバイスタンプを手にするとスイッチを押した。
《カンガルー!》
するとバイスがリバイへと吸い込まれてリバイはスタンプをベルトに押印する。
《Come on! カ・カ・カンガルー!》
すると霊体のバイスがスタンプを持ち、その中が黄色い液体で満たされる。
《バディアップ!》
バイスがスタンプを振り下ろすとその姿を変え、それと同時にリバイも変化した。
《跳び上がる!舞い上がる!カンガルー!勝利のパンチが決まった!》
その姿はリバイ側が水色とピンクのハーフ&ハーフのボディになって、複眼は赤と青に。手にはボクシンググローブのような巨大な拳を装着して、腹部には育児嚢を模したポケットのようなものが付いていた。
バイス側は今でのどの形態よりも小さく、それはまるで育児嚢に入っているカンガルーの赤ちゃんのような姿でこれまでのゲノムよりも非力である事がわかるだろう。
「勝利の法則は決まったぜ!」
「ばぶぅ!」
「って、バイスなんでそんなに小さくなってるんだよ」
「………」
まさかのバイスの変化先に光も呆然としてしまっており、固まっていた。
「とにかく行くぜ!」
リバイは走っていくと拳によるパンチを叩きつける。その威力はコングゲノムには及ばないものの、それでも高い威力でのパンチを繰り出せる。更に、ブラキオゲノムよりもスピードがあるのでパワーとスピードの両立をするにはもってこいのフォームと言える。
《リミックス!バディアップ!》
《必殺!仕上がる!身軽!カンガルー!》
リバイの育児嚢の中にバイスが入るとリミックスし、リバイがリミックスによって高まった威力を持ってしてタートルデッドマンを殴り飛ばした。
「どんどん行くぞ!」
リバイはカンガルー特有の脚力で跳び上がると落下の威力を利用しつつパンチを繰り出す。流石のタートルデッドマンもスピードがある上に重い一撃を放ってくる相手には歯が立たない。
「一気に……行くぜ!」
そのままリバイはスタンプを二回倒して必殺技を発動。それと同時にタートルデッドマンもエネルギー砲のチャージが終わったのかエネルギーを高めた口をリバイへと向ける。しかし、それが放たれる直前にタートルデッドマンは突如として現れた放物線のグラフに両側から挟まれるとそのダメージで攻撃を中断。更にリバイは後方宙返りをしながらグラフの上を滑るようにキックを放つ。
《カンガルー!スタンピングフィニッシュ!》
その一撃がタートルデッドマンに決まるとタートルデッドマンとデッドマンズの信者が分離。そのままタートルデッドマンは火花を散らす。
「はい、3!2!1!」
バイスが恒例のカウントダウンをした後にタートルデッドマンは爆散。リバイは勝利を飾った。
「一輝さん、信者の拘束は僕がやります!一輝さんはギフテクスの方に!」
「おう!」
それからリバイは敢えてカンガルーゲノムのまま、ギフテクス及びエビルと交戦するジャンヌの元に急ぐ。その頃、スカイベースの中にいるギフジュニアを殲滅したデモンズは外に出るとギフテクス二人とエビルと戦うジャンヌの元に到着した。
「ヒロミさん!」
「遅くなって済まなかったな、加勢に来たぞ」
「え?でも、ベルトを使う許可は出たんですか?」
「今は有事だ。そんなもの後から謝れば良い」
その言葉にジャンヌは僅かに違和感を覚えるが、デモンズはさっさとギフテクスに向かっていく。
「五十嵐を取り戻すのは任せるぞ!」
「あ、はい!」
それからウルフデッドマン、ダイオウイカデッドマン対デモンズ、エビル対ジャンヌの構図が出来上がった。
「だあっ!」
デモンズは二対一にも関わらず、ギフテクス相手に善戦。ウルフデッドマンからの射撃は蜘蛛の糸によるシールドで防ぎ、ダイオウイカデッドマンの触手は全て見切って回避。そして、二人の攻撃の間にできる僅かな隙を突いて接近し、拳を叩き込む。
「ほう、少しはやるじゃありませんか」
「だが、俺達を相手にいつまで保つかなぁ!」
しかし、それでもやはり数の差が厳しく、デモンズは少しずつ押されるようになっていく。
「だったら!」
《Add…!》
《モグラ!》
《Dominate up!》
《モグラ! ゲノミクス!》
デモンズはモグラゲノミクスによって地中に潜航するとそのまま二人を撹乱。二人の背後から出てきて二人へとドリルによる一撃を決める。
「「ぐっ……」」
「もう一個行かせてもらう!」
《Add…!》
《コンドル!》
《Dominate up!》
《コンドル! ゲノミクス!》
更に今度はモグラゲノミクスを維持しつつ背中に翼を生やし、空に飛び上がると空中から紫の羽によるエネルギー弾を連射しつつ突撃していく。
「くっ、二人がかりでも押されてるだと!?」
「ギフテクスを上回る力……いつの間に」
二人が空中のデモンズに気を取られているとそこに横からレックスゲノムになったリバイとバイスが同時にギフテクスの二人に攻撃を仕掛ける。
「「!!」」
「ふへへ、俺っち達の登場だぜ!」
「ヒロミさん!大丈夫ですか!」
「ああ。ナイスタイミングだ!」
デモンズはゲノミクスを解除して降り立つと三人揃ってギフテクスに攻撃を仕掛けていく。
そして、エビルと交戦するジャンヌの方では大二(カゲロウ)が相手という事もあってかやりづらい状況になっていた。
「おいおい、そんなものか!」
「くっ、大ちゃん相手だから本気出せない……」
「俺はカゲロウだ。大二と一緒にしてもらったら困るぜ!」
対してエビルは普通にジャンヌを潰しに来ているため、このままでは押し切られてしまう。そこに狩崎がジャンヌの様子を見にやってきた。
「何を躊躇っている空手ガール!」
「え……」
「君は大二君が初めてカゲロウに乗っ取られた時、助けたいと言ってたじゃないか。あの言葉は嘘だったのかい?」
「違う!私は……大ちゃんを取り戻したい!」
「だったら、ユーの本気を見せてくれ!」
狩崎に言われてジャンヌはようやく目を覚ます。そうだ、大二を取り戻そうと考えているのなら、今目の前にいるカゲロウことエビルを倒さなくてはならない。
「はあっ!」
ジャンヌは吹っ切れるとそのままエビルへと猛烈なラッシュを叩き込む。それを見た狩崎はもう渡しても大丈夫と考えてスタンプを投げる。
「大二君を助けたい空手ガールにプレゼント!」
「え?」
ジャンヌがそれを掴むとそれはクジャクバイスタンプであった。それを使うように狩崎は言う。
「それを使えば君の悪魔を武器に転用できる。ま、物は試しだ。レッツトライ!」
「オッケー!」
《クジャク!》
ジャンヌはクジャクバイスタンプのスイッチを押すとそれをベルトに装填。もう一度スイッチを押す。
《リスタイル!》
《ウエポンポンポーン!ポンポン!》
すると軽快な待機音が鳴り響き、その後ジャンヌがベルトを倒す。その瞬間、ラブコフの姿が光と共に変化するとジャンヌの元に飛んできた。
《リバディアップ!》
《Ah~!クジャク!ダダダダーン!》
それは赤と銀のカラーリングにラブコフの青と黒が追加された二つの鉄扇であり、片方にはラブコフの目の模様が入っている。
「ラブちゃんやばーい!」
「ラブ〜!」
ジャンヌはその鉄扇でエビルのエビルブレードに対抗。武器によるリーチの差をフォローした。
「チッ、面倒な力を使ってくれるなぁ」
これにより、攻守が逆転。元々のスペック差もあり、エビルが押されるようになる。
「はあっ!やあっ!」
ジャンヌは二つの鉄扇でエビルブレードの斬撃を防ぎつつ、カウンターを仕掛けてエビルを吹き飛ばす。
《必殺承認!バット!ダークネスフィニッシュ!》
エビルがお返しとして斬撃波を放つが、ジャンヌはそれを跳び上がりつつ回避。そのままベルトを起こしてスタンプのスイッチを押しつつベルトを倒す。
《必殺承認!》
《クジャク!リベラルスマッシュ!》
「大ちゃんを……返せ!」
そのまま落下の勢いを利用しつつ、炎を纏わせた鉄扇でエビルへと一撃を入れた。
「つれないねぇ……」
エビルは立ち上がるが、もうかなりのダメージなのか少しだけ揺らぐ。そこに狩崎がジャンヌへと話した。
「ライダーキックなら、大二君の表と裏をひっくり返せるはずだ!」
「そっか!大ちゃん……痛くても我慢してね!」
ジャンヌはそう言うとベルトを起こしてからもう一度倒す。その瞬間、二つの鉄扇が分解し、それが背中と右足に集約。背中の方に集まった鉄扇は巨大な青い孔雀の翼を形成。そのままライダーキックを放つ。
《クジャク!スタンピングスマッシュ!》
そのキックがエビルに命中した瞬間、カゲロウと大二がひっくり返った影響で変身解除。そのままジャンヌが駆け寄ると大二は今のキックのダメージが効いたのか、少し苦しそうだったが元に戻っていた。
「さくら……手加減無しかよ……」
「ごめ〜んね」
これにより、残るのはギフテクスの二人だけとなり、その二人もリバイ、バイス、デモンズが追い詰めている。
「たあっ!」
デモンズが蜘蛛の糸で二人の動きを制限させて機動力を削ぐ。そこにリバイとバイスが前衛としてギフテクス二体を追い込んだ。
「一気に……行くぜ!」
《レックス!スタンピングフィニッシュ!》
リバイはスタンプを二回倒して必殺技を発動。バイスと共に跳び上がる。それと同時にデモンズが蜘蛛の糸を射出してウルフデッドマン及びダイオウイカデッドマンを拘束。そのまま二人のキックがデッドマン達に命中した。
「くっ……」
「流石に三人相手は厳しいか……」
二人がそう話していると突如として近くの建物の屋上からアギレラの声が聞こえてくる。
「フリオ!オルテカ!目的は果たしたから引き上げるよ!」
それを聞いてリバイとバイスがその方向を見ると、そこにはアギレラ、灰谷、工藤の三人に加えて、かつて桶谷彩夏に強い恨みを抱いて彼女を殺そうとした野田が顔を揃えていた。
「工藤に……野田……何であの二人が……」
それから四人は去っていき、それと同時にウルフデッドマン、ダイオウイカデッドマンも撤収。その場には静寂が訪れる。
そして、変身解除したライダー達と光、狩崎が一同に集結したのだが……。
「え!?ヒロミさん、何でそんなにボロボロなんですか!?」
「ラブコフを守っていたら……いつの間にかな……まぁ、肝心のラブコフは途中でいなくなっていたが」
それを聞いてさくらは違和感を覚える。ヒロミはボロボロになりながらもラブコフを守っていたのならあのデモンズは一体誰が変身したと言うのだろうか。
「ねぇ、ラブちゃん。ヒロミさんに守ってもらっていたんだよね?」
「ラブラブ!そうコブ!ヒロミ、ラブ!」
ラブコフの言ってる事も間違っているようには思えない。大二は狩崎へと質問した。
「狩崎さん、本当にヒロミさんにベルトを渡したんですよね?」
「確かにそうだよ。ただ、あのヒロミはヒロミであってそうでは無い。つまり、裏切り者がヒロミを貶めるためになりすましたんだ」
「何……だと!?」
狩崎からのカミングアウトにヒロミは驚きを隠せない。そして、その裏切り者は既にフェニックス内部の奥深くに侵入している。
「でも、問題は無いよ。何しろ、わかっちゃったからね。その裏切り者が誰なのかを……」
そう言って余裕そうな狩崎、その頃司令室ではベルトを元の場所に戻した人物がその姿を変える。その刹那、時間にして一瞬だがその人物はデッドマンとして司令室を歩くのであった。
バイスタンプラリー
十三話目……クジャクバイスタンプ
次回は十四話目に入る前にリバイスとセイバーの冬映画、仮面ライダービヨンド・ジェネレーションズ編を行いますのでよろしくお願いします。また次回もお楽しみに。