仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

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二話目
フェニックスからのスカウト


五十嵐一輝がリバイスに変身した翌日の事、フェニックスの本拠地、フェニックス・スカイベースではヒロミと狩崎が一輝とバイスが変身した仮面ライダーリバイ、仮面ライダーバイスの戦いのデータを見ていた。

 

「……俺は反対です。一般人にライダーシステムを使わせるなど……」

 

「でもこれを使えるのが現状彼らしかいないからね。大二君は肝心な時にビビって動けなかったし」

 

「しかし……」

 

ヒロミが更に反対の意見を述べようとする。その時部屋の扉が開いて若林が入ってきた。

 

「才能の無い者の戯言は聞くに堪えないな……門田、君は本日付で司令官解任だ。分隊長からやり直せ」

 

「なっ!?」

 

ヒロミは若林からの命令に驚く。だがこればかりは仕方ないだろう。何しろこの少し前にデッドマンズの襲撃を許し、スタンプの殆どを奪われたばかりか昨日の任命式でも醜態を晒した。これだけの不手際があれば解任には十分な理由だろう。

 

「……ドンマーイ、ヒロミ」

 

狩崎からの煽りにヒロミは悔しそうに若林へと意見する。

 

「俺は、できる限りの事を……」

 

「そんな次元で満足なら、そもそも器じゃ無い」

 

若林からの突き放すような言葉にヒロミは項垂れる。そこに大二と光が呼び出されて部屋へと入ってきた。

 

「「失礼します」」

 

「若林司令官、お呼びでしょうか」

 

「君の兄、五十嵐一輝と契約を結んできてくれ」

 

早速若林司令官からの指令として大二に言い渡されたのは一輝との契約の案件である。当然大二はこれに困惑してしまう。

 

「……兄とですか?」

 

「できるな?」

 

それから大二は困惑しながらも早速外へと出ていく。そして、光にも指令が降りた。

 

「牛島光、君をフェニックスの見習い分隊長に昇格させる」

 

「……え?」

 

「今門田を司令官から分隊長に降格させた。門田の指揮する隊の元で分隊長の指揮や責任について学べ。私達がそれで君が分隊長に相応しいと判断したら晴れて分隊長に昇格だ」

 

「わかりました……」

 

光としては分隊長の見習いとして昇格したのは嬉しい出来事ではある。しかし、問題なのは先程の一輝との契約だ。何故自分ではなく一輝にベルトを使わせるのか納得がいかないようである。

 

「行け」

 

若林にそう言われて光は部屋から出ていくと狩崎は若林に疑問をぶつけた。

 

「どうして彼を分隊長見習いに?」

 

「昨日のデッドマンズとの戦いで唯一幹部達に臆せず向かっていきバイスタンプを取り返す成果を挙げた。実績のある者を昇格させるのは当然の事だ」

 

若林はそう淡々と話す。その口調はまるで光を扱いやすい道具が何かと考えているかのように……。

 

「ま、司令官の意見なら私からは何も無いよ。それに、確かに彼のおかげでバイスタンプを一つ実用化できたんだからね」

 

そう言って狩崎は一人ニヤニヤと笑うのであった。同時刻、とあるゴルフの練習場ではプロゴルファーの荒木とキャディーの井端がゴルフの練習をしていた。

 

荒木がスイングしてゴルフボールを飛ばすがその成果に荒木は納得がいかない様子である。それを見た井端が荒木へと意見を言った。

 

「もしかするとスイングのリズムが……」

 

「あぁ?お前キャディーのくせに俺にいちゃもんか?」

 

「ごめん……」

 

苛立つ荒木に井端は謝るが荒木の怒りは収まらない。そして二言目に発せられたのは……。

 

「もう限界だ……井端、お前はもうクビだ」

 

そう言われて井端は納得がいかない様子である。しかし、解雇されてしまったものは仕方ないと考えてその場から去っていく。その時、オルテカがそんな井端を見つけると声をかけた。

 

「キャディーの井端さん……ですよね?」

 

「え?あ、はい……」

 

「この前の荒木プロの試合は惜しかったですよね……」

 

「荒木、この前プレイ態度が悪いとSNSで叩かれて苛立っているんです。そのせいで精神も不安定で……」

 

そこまで言ったところでオルテカはバイスタンプをちらつかせて言葉巧みに井端へと語りかける。

 

「……あなたの意見を聞こうとしない彼にも問題があるのでは?……心に渦巻く感情を悪魔に委ねてはいかがでしょう」

 

オルテカは言い終わるのと同時にスタンプをそっと井端へと手渡す。すると井端は何かに取り憑かれたように走っていくと荒木の前に姿を現す。

 

「……何だよまだ居たのか」

 

何も知らない荒木は井端を鬱陶しそうに見つめていたが、井端はスタンプを取り出してそれを押しつつ体へと押印する。

 

《イーグル!》

 

「荒木、俺の言う事を聞けよ!」

 

井端の言葉と共にイーグルデッドマンが荒木へと襲いかかった。それからその場は大混乱へと陥る事になる。

 

その事件が起きる少し前、大二がしあわせ湯に到着すると箱を見つめていた。

 

「……俺は、何であの時……」

 

大二が小声でそう言っていると家の中から一輝が出てきて掃除を始めようとすると大二を見つけて声をかける。

 

「……お、大二。仕事はどうしたんだ?……あ、もしかしてサボりか?」

 

「……いや、兄ちゃんに話があってここに来たんだ」

 

それから二人が中に入ると大二はリバイスドライバーと二つのスタンプを見せつつ契約書を提示した。

 

「何これ……フェニックスと契約?」

 

「一緒にデッドマンズと戦って欲しいんだ。兄ちゃん、力を……」

 

「俺はいいよ。他を当たってくれ」

 

「……どうしてだよ?母さんみたいな被害者を出したく無いだろ」

 

大二が説得しようとするが、一輝はそれでもダメだとばかりに言葉を返す。

 

「……俺は銭湯があるし」

 

「えぇ!?断っちゃうの?なぁなぁ、契約してやろうぜ?俺っちと一緒に世界を……」

 

すると幽霊体のバイスが出てきて勿体なさそうに話す。それでも一輝の気持ちは変わらない。それどころかバイスを無視して話を進める。

 

「母ちゃんと約束したから。この銭湯は俺に任せろって。それにそのベルトは俺じゃなくて大二が」

 

「俺じゃダメなんだ。今これが使えるのは兄ちゃんだけなんだ」

 

大二からの説得に一輝は考え込む。そんな一輝に水を差すようにバイスが駄々をこねた。

 

「可哀想じゃんかよ!それに使えるのは俺っち達だけなんだぜ?これを使おうぜ!」

 

「お前はちょっと黙ってろ!」

 

流石に鬱陶しいと感じた一輝はバイスを振り払うと作業を続行していく。ちなみに大二にはバイスが見えないので一輝が一人で虫を振り払う動作をしているように見えるだけだ。

 

「兄ちゃん、やっぱり悪魔と会話したり命令したりできるだよね?」

 

「……そう言う事になるのかな。でも、コイツはまだ胡散臭くて信用できないというか……」

 

「えぇ!?俺っちの事を信じてくれてないの!?」

 

バイスは一輝からの宣言にガッカリしたように項垂れる。すると大二の持つ携帯型通信機……ガンデフォン50に着信が鳴った。大二がそれを見るとデッドマンズが現れた事が通達される。

 

「デッドマンズが現れた!」

 

すると元太がデッドマンズが暴れているという速報が流れているタブレットを片手に出てきた。

 

「大二、デッドマンズが出たってニュースになってるぞ。ここから近い……」

 

それを聞いた一輝は一瞬考えてから元太に留守番を頼み、自らはベルトとレックスのスタンプを手に取って移動する。

 

「兄ちゃん、ケースは!?」

 

「そんなの後だ!」

 

それから慌ただしく二人は現場へと急行する。しかし、そんな時に限って一輝の乗る自転車が上手く出てくれない。そのためバイクに乗った大二が先行する事に。

 

「ああもう!何でこんな時に……」

 

「仕方ねぇなぁ。一輝、スタンプを自転車に押してくれよ」

 

「はぁ?」

 

一輝はバイスからの提案に困惑するが、今は迷っている場合では無いので仕方なく押印する。するとバイスが自転車へと憑依すると自転車のカゴ部分にバイスの顔が出てくる。

 

「おいっす!恐竜悪魔自転車、出発進行!!」

 

バイスの言葉に一輝はどうにかする間もなくバイスが勝手に走り出す。その速度はバイクに乗った大二を追い越すほどであり、これには大二も驚きを隠せない。

 

「……嘘だろ?」

 

そして、ゴルフの練習場ではイーグルデッドマンが大暴れを続ける中、荒木達一般人は大慌てで逃げ出している所だった。そして井端はまるで狂ったように笑いながら攻撃を指示している。

 

「コイツはスゲェや!あはははは!」

 

そんな時、バイスが暴走運転する自転車が駐輪場で止まり、一輝が現場に着くことになった。

 

「はい、到着。ふへへ、面白かったぜぇ!」

 

「お前な、思いっきり速度出しやがって……振り落とす気かよ」

 

「良いじゃん。着けたんだからよ」

 

そこに大二も到着し、バイスと揉めている一輝へと中に入るように促す。

 

「何してるんだよ兄ちゃん、早く中に!」

 

「そうだった!」

 

それから一輝が暴れるイーグルデッドマンの前に出ていくと飛び蹴りをかましてデッドマンを一時的に怯ませる。

 

「兄ちゃん、変身だ!」

 

「ああ……湧いてきたぜ!」

 

《リバイスドライバー!》

 

それからレックスバイスタンプを手にすると上部のスイッチを押す。

 

《レックス!》

 

「はぁ……」

 

一輝がスタンプに息を吹きかけたからそれを押印。同時にバイスが一輝の周りを飛び回ると巨大なスタンプを出す。

 

《Come on!レ・レ・レ・レックス!》

 

「変身!」

 

《バディアップ!》

 

《オーイング!ショーニング!ローリング!ゴーイング!仮面ライダー!リバイ!バイス!リバイス!》

 

二人は変身を完了するとリバイが早速イーグルデッドマンへと走っていく。そんな中、バイスはその場でクラウチングスタートの構えを取った。

 

「レディ……セット、ゴー!」

 

バイスはそのままスタートダッシュを決めるとリバイを追い越しつつ走っていき、イーグルデッドマンの顔面にパンチを一発決めると目にも止まらぬ速さで連続パンチを浴びせていく。

 

「あちゃちゃちゃちゃちゃちゃ!!」

 

「はぁ?」

 

その様子にリバイは惚けるばかりだ。それからバイスは最後に締めのアッパーを決めるとデッドマンを吹き飛ばす。

 

悪魔百烈恐竜拳(あくまひゃくレックスけん)決まったぜ!」

 

イーグルデッドマンが叩きつけられる中、バイスは堂々と速攻で終わらせた事を宣言する。

 

「はいおしまい。ふへへ、俺っちの力は最強だ……」

 

「危ない!」

 

その瞬間、イーグルデッドマンが後ろから反撃を仕掛けてくる。リバイはバイスを押し倒してそれを回避するがイーグルデッドマンが空へと飛び上がり、このままでは地上にいるリバイ達では手が出せない。そんな時だった。

 

「兄ちゃん、これを使って!」

 

そう言って大二が投げたのは昨日手に入れたマンモスのスタンプだ。ただし、そのスタンプには昨日とは違ってレリーフが入っていたが。

 

「あれ?昨日の物と違う……」

 

「狩崎さん曰く、昨日手に入れたのはプロトバイスタンプって言って未完成なバイスタンプらしいんだ!だから狩崎さんが調整して上手く使えるようになったのがそのバイスタンプなんだ!」

 

大二の説明にリバイは納得するとそのスタンプを使うために構えるのであった。




また次回もお楽しみに。
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