仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

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嵐の前の静けさ 戦いへの準備

ディアブロから逃れてスカイベースへと戻った一輝達。だがここで一つ問題が発生した。

 

「サイクロトロンドライバーが……破損してる!?」

 

「はい……フェニックスの訓練場をお借りして一度試みたのですが、先程の暴走が原因で変身する機能が損なわれてしまったみたいで……」

 

「不味いですね……センチュリーになれないとなると」

 

「こちらは切り札を欠いた状態で戦う必要が出てくるな」

 

ドライバーが壊れた以上、修復する手立ては無いに等しい。そう思われていたその時。

 

「一応未来の狩崎さんからドライバーの設計に関してのデータをこのUSBに預かっています。パスワードはセンチュリーです」

 

「……だが、設計図がある所で直せなければ……」

 

「その役目、私がやろう」

 

そこに来たのは現代のジョージ狩崎だ。狩崎はやる気と好奇心に満ち満ちた様子でそのUSBを受け取る。

 

「未来の私が作った技術……是非とも解剖して私の物にしたいからねぇ……」

 

「お願いします、狩崎さん」

 

「ただ、恐らく相手もそろそろ本気でくる。決戦に間に合うかは怪しいけどね」

 

「だとしてもやらないよりはマシです」

 

こうして、現代の狩崎によるサイクロトロンドライバーの修理が始まる。それと同時にノーザンベースの方から連絡が入ると悪魔が話していた星についてわかったようだ。

 

「この世界全体で逆五芒星を描いている?」

 

「はい。皆さんの結論としては世界の五か所にスタンプを押し込む事でディアブロは本来の力を取り戻そうとしていると思われます」

 

今現在、押されている箇所は三ヶ所。つまりあと二ヶ所を特定しなければならないが、星を作れる場所となれば限られる。

 

「あと二ヶ所は……シベリアとアラスカか……」

 

「すぐにこちらからライダーの派遣を……」

 

「いや、それだけではダメだ」

 

狩崎は首を横に振る。ディアブロを止めるにはそれだけでは不十分と言うのだ。

 

「……ただ単に逆五芒星を作るのを阻止するだけでは恐らく不十分」

 

「はい、ディアブロ本人、そして四体の悪魔を殲滅しない限りは勝ったとは言えません」

 

そう言っていると警報が鳴り響き、シベリアに悪魔が現れたとの知らせが入ってきた。

 

「まさか、もう来るなんて……止めますか?」

 

「いや、ここはパスだ。次のアラスカを先回りする」

 

それと同時に光の柱が昇り、とうとう逆五芒星完成まであと一ヶ所となる。それから剣士達に通達が行くとそれぞれ持ち場が決まっていく。同時並行でサイクロトロンドライバーの修復を進める狩崎だったが……。

 

「これは……かなり不味いね」

 

「どうしたんですか?」

 

「今のままでは仮にこのベルトが復活してセンチュリーに変身できてもまた暴走する。そしてその機構の完成のために必要なパーツが現代には無い」

 

「え!?」

 

つまり、このままではまたセンチュリーは暴走する上にまた修復のための作業に逆戻りする可能性が高いのだ。

 

「……こうなったら分の悪い賭けだけど……アレをするしかない」

 

それから狩崎は一輝達や剣士を揃えるとホワイトボードを取り出して説明を開始する。

 

「今現在、我々がやるべき作業は二つ、逆五芒星の完成を阻止するのとディアブロを倒す事。それに加えてもう一つ作業が発生した。それは、未来に行って未来の私にドライバーを改修してもらう事だ」

 

「待ってください!確か、未来の狩崎さん達はもう生きていないんじゃ……」

 

「いや、まだ可能性はあります」

 

そう言うのは光である。そして、その言葉に気がついた輝樹だ。

 

「今、サイクロトロンドライバーの転送先の時間軸は初期値で固定されています。それを逆に利用する事で未来の狩崎さんが生きている時間に転移する事ができるかもしれません」

 

「そっか!未来で転送を開始した時間に初期値が設定されているのならそこに移動すればまだ未来の狩崎さん達は生きている!」

 

つまり、転送された先にいる未来の狩崎がドライバーを過去でのデータを元にして修復、改修をすればセンチュリーが暴走せずに変身できるようになるということだ。

 

ただし、この策には弱点が幾つか存在する。一つ目は転送先が未来の狩崎が死んだ後の時間だとドライバーの修復ができずに未来に送られた人間は未来に置き去りになる危険だ。ただでさえ機能が幾つか破損しているドライバーに負荷がかかるので二度目の転送をするだけの力が残らない可能性が出る。その際に狩崎が生きていないと修復ができないというのは想像に難く無い。

 

二つ目は未来に行ってもドライバーが治り、センチュリーが完成する保証は無い。もし完成しなければ、先程と同様に未来に送られた人間が未来に取り残され、その分の戦力が著しく低下してしまう。

 

「かなり危険な賭けだな」

 

「それでもやるしかありませんよ」

 

「未来には俺達が行きます」

 

大二の名乗りを皮切りにさくら、飛羽真、倫太郎、ユーリが名乗り出る。すると一輝の中にいるバイスがそれに加えて声を上げた。

 

「はい!俺っちも未来に行きたいです!」

 

「いや、お前はダメだよ」

 

「えぇー何で?」

 

「……こっちの戦力をあんまり減らしすぎると……」

 

「そんな事言わずに、ね、お願いします!」

 

そう言っていつになくしおらしくして頭を下げるバイス。それを見た一輝は根負けすると仕方ないとばかりに溜息を吐く。

 

「わかった。でも、一つだけ約束だ」

 

「何?」

 

「何があっても絶対に帰って来い」

 

「あいよ、相棒!」

 

「話は纏ったようだね。あと、未来に行くバイスにこれをプレゼント」

 

そう言って狩崎は二つ目のリバイスドライバーと特殊な色をしたレックスバイスタンプを渡した。

 

「これは?」

 

「未来に行ったらすぐに戦闘になるだろうからね。バイス単独でも仮面ライダーになれた方が都合が良いだろう」

 

「ほわ〜、狩ちゃんサンキュー!」

 

「ただし、これを使って変身できるのはレックスゲノムだけ。ゲノムチェンジはできないものと思うんだね。ま、その分特別な機能を搭載してるから上手く使うんだよ」

 

それから一同はそれぞれの準備に入っていく。そんな中、光と輝樹は二人で話をする事になった。

 

「輝樹……未来の僕は……」

 

「もう亡くなってるよ。僕が生まれてからすぐに戦いの中で命を落としたから」

 

「そっか……」

 

「でも、その時のおじいちゃん……カッコよかった。怪我をしたおばあちゃんを庇って一人で悪魔達に向かって行ったんだ」

 

それを聞いて光は無言になるが、少し安心したような顔つきになる。どうやら自分は未来で大切な人を守る事を全力で頑張ったようなのだから。

 

「……そんなおじいちゃんの背中を見て僕は大切な人を守る力が欲しいって思えるようになった。だからレジスタンスに入って悪魔と戦ったよ。結果は惨敗続きだったけどね」

 

輝樹は悔しそうに俯く。それを光が背中をポンと叩いて輝樹を叱咤激励する。

 

「何言ってるんだ、輝樹。まだ僕達は負けてない。むしろ、これからが勝負だ。一輝さん達と僕達で力を合わせて未来を取り戻そう」

 

「うん!」

 

それから輝樹が光と別れると一輝と対面する。それから一輝は輝樹へと質問する事にした。

 

「そういえば、輝樹のおばあちゃんっていったい誰なんだ?」

 

「……強い人だよ。僕が生まれるずっと前から戦っていて……どうだったかな。確か……っと、いけない。これ以上言ったら未来が変わって僕の存在そのものが無くなるかもしれないんだ」

 

そう言われては一輝も仕方ないとばかりに聞くのを諦める。それでもバイスは我慢しきれなかったのか、輝樹の脳内を勝手に覗いた。するとバイスの顔が驚愕に染まる。

 

「えぇ!?ま、まさか……え?光っち、……と結ばれるの!?」

 

バイスはあまりに意外な人物と光が結ばれる事に驚きが隠せなかった。しかし、輝樹の気持ちを尊重してそれを一輝の前で口に出さずに置いておく事になる。

 

同時刻、狩崎の部屋ではヒロミが呼び出されておりあるスタンプを調整していた。

 

「これは……」

 

「ああ、来るべきデッドマンズとのに備えて調整中のスタンプだ。ただ、本来の力を使うにはまだまだ調整が足りない……が、今はそうも言ってられないからね」

 

そのスタンプはバッタバイスタンプの色違いであり、バッタバイスタンプを進化させた物であると容易に察しがついた。

 

「それと、ヒロミ。君にはあんまり無理はしてもらいたく無いんだが……」

 

「無理だな。俺は何度だって無理をする」

 

「相変わらずのようだね。ま、それはそれでヒロミらしいけど」

 

そう言って狩崎は新たなバイスタンプとは別のスタンプを出すとそれをヒロミへと見せる。

 

「これを五十嵐一輝に渡しといてくれるかい?今回の戦いに必要となりそうなスタンプだからね」

 

それは赤をベースとして黄色いカジキが付いたスタンプ……カジキバイスタンプだった。

 

「良いだろう。渡しておいてやる」

 

それからヒロミはバイスタンプを取るとそのまま一輝の元に歩いていく。

 

「さて、もうすぐドライバーの未来へと転移する機構が元に戻る。勝負はそれからだよ」

 

デッドマンズベースではフリオ、オルテカ、アギレラの三人が話している。その近くではギフの棺が共鳴するように光っており、アギレラは上機嫌な顔つきになっていた。

 

「ディアブロ様の復活をギフ様もお喜びになっている様子ですね」

 

「ええ、計画は順調。このままディアブロ様が本来の力を取り戻せば……」

 

「私達の勝利ってわけね。じゃあ、私達がディアブロ様の本来のお力を復活させるための最後のピース……埋めに行きましょう」

 

それから三人はディアブロが本来の力を取り戻すために必要となる最後の場所、アラスカへの移動を開始する事になる。

 

デッドマンズの面々が移動を開始した頃、スカイベースでも動きがあり十人の剣士、一輝、大二、さくら、ヒロミ、光、輝樹、狩崎。そして剣士達を支えてきた須藤芽衣が揃っていた。

 

「ふへへ、俺っち頑張るぞ!行ってみよー!」

 

「皆さん、危険な戦いになると思います……それでもよろしいですか?」

 

「ああ、危険なのは覚悟の上だ」

 

「この世界を守るために……俺達は戦う」

 

それから倫太郎は芽衣の前に立つと彼女へと語りかける。

 

「芽衣さん、僕達は絶対に勝って帰ってきます。だから……」

 

そう言ったところで芽衣は倫太郎の手をそっと優しく握って声をかけた。

 

「その言葉の先は皆が無事に帰ってから聞くね」

 

「そろそろ準備は良いかい?諸君」

 

狩崎の言葉と共に現代に残って戦う面々はスタンプとブックを取り出して装填する。

 

《スパイダー!》

 

「「「「「「「変身!」」」」」」」

 

《オーシャンヒストリー!》

 

《昆虫CHU大百科!》

 

《Decide up!》

 

《風双剣翠風!》

 

《音銃剣錫音!》

 

《ドゴ!ドゴ!土豪剣激土!》

 

《ランプドアランジーナ!》

 

エスパーダ、バスター、剣斬、スラッシュ、デモンズ、サーベラ、デュランダルの七人は変身するとそれぞれブックゲートで移動していく。そして、未来に行く六人も輝樹の前に集まった。

 

「行くよ」

 

「光、これを預かっておいてくれ」

 

そう言って狩崎は臨時で調整を完了したバッタバイスタンプの色違いを光に預けると輝樹が装着したサイクロトロンドライバーの力で飛羽真、倫太郎、ユーリ、バイス、大二、さくらの六人が転送されていく。そして残された一輝は予備戦力として待機する事になるのであった。ここに、ディアブロ達との総略戦が開始される事になる。




また次回もお楽しみに。
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