ジャンヌとプラナリアデッドマンが戦闘を始めた頃、リバイとバイスはハヤブサデッドマンを相手に大苦戦。そもそもの飛行速度に加えて急降下による一時的な超加速。この緩急にリバイとバイスは全くついていけなかった。
「あはは!弱い、弱すぎるわ!この前はよくも調子に乗って上から大口を叩いたわね。良いわ。アンタ達を倒したら今度こそ彩夏を殺す」
それを聞いた二人はそうはさせないとばかりにスピードを上げようとする。しかし、それさえもハヤブサデッドマンは許してくれなかった。
「遅いわ。欠伸が出るわね」
「くっ……このままじゃ……」
「空中戦じゃあどうしようもできないよ!」
バイスの言葉にリバイは何かを閃く。そして、リバイはスタンプを使ってゲノムチェンジを行った。
《プテラ!》
《バディアップ!》
《上昇気流!一流!翼竜!プテラ!Flying by!Complete!》
リバイとバイスはプテラゲノムに変わるとリバイがバイスの上に乗る。そして、リバイがバイスへと話しかけた。
「バイス、俺に考えがある。……俺を信じてくれるか?」
「おうよ!当たり前だろ!」
リバイの考えにバイスは賛同するとそのままハヤブサデッドマンに背中を向ける。そしてそのまま飛び去った。
「なっ!?逃がさないわよ!」
ハヤブサデッドマンはそれを見てすぐに追撃を開始する。それを地上から見ていたライブは疑問を浮かべた。
「兄ちゃんにバイス……何をする気だ?」
それからリバイとバイスは超スピードでハヤブサデッドマンの追撃を躱しつつある場所へと誘導する。その場所と言うのが、眼下に海が広がる海岸沿いであった。
「こんな所まで来て何のつもりかしら……まぁ、アンタ達が何をしようとも私のスピードには勝てないわ」
ハヤブサデッドマンはリバイとバイスにグングンと距離を詰めていく。そしてその瞬間、リバイとバイスは一気に急降下。そのまま海面へと向かっていく。それを見たハヤブサデッドマンはすかさず追いかけると急降下。ハヤブサの特性のおかげで更に加速するハヤブサデッドマン。しかし、これこそがリバイとバイスの狙いであった。
「良し、今だ!」
《カジキ!》
《バディアップ!》
《鼻先!貫き!水しぶき!カジキ!結末は波が決める!》
リバイはカジキゲノムとなると剣の姿となったバイスを手にしつつすかさずリミックス。リバイスカジキへと変身する。
《リミックス!バディアップ!》
《必殺!正しき!金色!カジキ!》
するとリバイが両足を閉じた状態でバイスの変身した剣を右手で持って突き出す。その瞬間、リバイが胴体全て、バイスが先端のツノを模した姿に変化。そのまま海に飛び込む。そしてようやくリバイとバイスの狙いに気がついたハヤブサデッドマンは上昇しようとするが、もう降下態勢に入っている上に物凄いスピードのために今更留まることなど不可能だった。
リバイスカジキとハヤブサデッドマンが海中に入るとハヤブサデッドマンはいきなりスピードが落ちる。当然だ。そもそも空中ではスピードが出せても海の中では自慢のスピードも出せない。更にカジキは魚の中ではトップクラスのスピードを誇る。
「うへへ、なるほどねぇ。確かに鳥ちゃんは空にいる時ほどスピードは出せないよなぁ!」
「相手の有利な地形からこっちが有利な地形に変わった。今が反撃のチャンスだ!」
それからリバイスカジキは超スピードで海中を泳ぐと先端のツノで何度も体当たり。ハヤブサデッドマンの翼を集中的に狙う。
「なっ!?このっ!卑怯よ!」
「飛べない鳥なんて怖く無いもんね!」
「まずはしっかりと機動力を奪う!」
《カジキ!スタンピングフィニッシュ!》
そのままリバイスカジキはエネルギーを纏いつつ突進するとそのままハヤブサデッドマンを押し出して行き、空中へと吹き飛ばす。それからリバイスカジキは飛び出すとゲノムチェンジ。レックスゲノムとなる。
《バディアップ!》
《リバイ!バイス!リバイス!》
《レックス!スタンピングフィニッシュ!》
その勢いのままにライダーキックを叩き込むと野田とデッドマンを分離。そのままデッドマンは爆散すると勝利を収めるのであった。
その直後、リバイとバイスが地上に降り立って落下してくる野田を受け止めようとする。しかし、その横から触手が伸びるとダイオウイカデッドマンことオルテカが野田をキャッチしてそのまま引き寄せた。
「オルテカ……」
「やれやれ。まぁ、今回ので幾つかわかったこともありますし収穫もあったと言えるでしょう。では」
そう言って撤収するオルテカ。そして、ライブの方もギフジュニアを殲滅して勝利するとガンデフォンに連絡が入った。
『一輝さん、大二。さくらさんの友達が捕まっている場所がわかりました。一応友達は僕が保護しましたがさくらさんがデッドマンと交戦中です。加勢をお願いしても良いですか?』
それを聞いて三人はすぐに移動するためにスタンプを出すとまずはリバイがバイスにプテラバイスタンプを押印。バイスのみプテラゲノムになるとリバイとライブがそれに乗って現場へと急行するのであった。
同時刻、ジャンヌ対プラナリアデッドマンの戦いは……終始ジャンヌが圧倒していた。そもそも灰谷自身、自分が戦う事など想定しない策士型の人間のためにあまり身体能力も高いとは言えず。何なら以前変身していたさくらの師範代こと大森が変身したプラナリアデッドマンの方が強いぐらいだった。
「やあっ!」
「ぐはあっ!?」
しかし、プラナリアデッドマンには一つ厄介な能力がある。それはある程度ダメージを負うと自動的に分裂。増殖してしまうのだ。この能力がある限り、灰谷は自分の有利を確信していた。
「くそっ、だが良い気になっていられるのも今のうちだ。私の分裂増殖能力さえあれば……」
「はぁ?そんな事させるわけ無いでしょ!」
ジャンヌとしてもこれ以上分裂されて面倒な事になる前に倒したい気持ちはある。そのために一気に決着を付けるべく走っていくと連続で攻撃を叩き込んだ。
「やあっ!はっ!」
「うぐあっ!……なんてね!」
その瞬間、プラナリアデッドマンの体が分裂を始める。このままではプラナリアデッドマンの数が増えて一気に不利になってしまう……その時だった。
《必殺承認!バットジャスティスフィニッシュ!》
黄色いエネルギー弾が分裂しようとしたプラナリアデッドマンのフェーズ1を跡形も無く粉砕。分裂を阻止するとジャンヌの元に行こうとする。
「待って大ちゃん!コイツは私が倒す。私の友達をあんな目に遭わせたコイツを私は絶対に許せない!」
ジャンヌの言葉にプラナリアデッドマンは憤るとジャンヌを殴ろうとした。
「小娘のくせに……私がこんな姿になったのもお前のせ……」
「やあっ!」
しかし、プラナリアデッドマンは軽くあしらわれてから逆にジャンヌからのブローが叩き込まれて地に伏す。
「自業自得でしょ!」
「……確かに」
その様子を影から見ていたフリオにもボソッとそう言われて完全に見放されるプラナリアデッドマン。ジャンヌは更に畳み掛ける。
「ラブちゃん!」
《クジャク!》
ジャンヌはラブコフを武器に変えるためのスタンプを取り出すとそれを機動して押印。スイッチを押す。
《リスタイル!》
《リバディアップ!》
「ラブ〜!」
《Ah~!クジャク!ダダダダーン!》
ジャンヌは両手にラブコフが変化したゲノムウェポンである鉄扇を手にするとそのまますかさず必殺技を発動。トドメにかかる。
「サクッと……倒すよ!」
ジャンヌが鉄扇を前に投げるとそれを喰らったプラナリアデッドマンは怯む。その間に鉄扇は分裂して右足と背中に収束。ジャンヌの背中に青い炎のクジャクの羽が展開してライダーキックを放った。
《クジャク!スタンピングスマッシュ!》
そのままデッドマンと灰谷は分離されるとプラナリアデッドマンは爆散。そのままジャンヌが降り立つとそこにさくらの友達が勝利を喜んで駆け寄り、隣にはラブコフも出てきた。
「あー、ラブ!クズ!」
「女子高生舐めんな」
その様子を見ていたリバイ、バイス、ライブはジャンヌが全てやってしまったために棒立ちになっており、改めてさくらを怒らせれば怖いのだと感じ取る。するとそこにフリオが出てくると灰谷を抱えて撤退。
するとジャンヌは変身解除しようとするが、それは叶わなかった。何故ならさくらの友達がラブコフを可愛がっており、今変身解除してしまうとラブコフも見えなくなるために敢えてそのままでいる事になる。
「可愛い〜!さくら、何この子」
「ラブコフって言って……えっと、なんて言ったら良いのかな。私の相棒……で良いのかな」
「良いなぁ、私もこんな可愛い子が欲しい〜!」
「あと、助けてくれてありがとうさくら」
「うん……あ、でも一つお願いが……」
「「「?」」」
ジャンヌは友達三人に頼み込むようにお願いをするために頭を下げた。
「学校では私がジャンヌってことは……」
「大丈夫。言わないよ」
「え……」
「さくらはジャンヌってバレたら困るんでしょ?」
「じゃあ言わないよ」
そんな三人にさくらはホッと安心すると変身を解いて三人と抱き合い、無事を確認する事になる。それを見た光は安心したようになり、一輝と大二にも笑顔が戻った。
「さくらさん……良かった」
そんなさくらの笑顔を見て少し顔を赤らめる。さくらは光へと振り向くと彼の元にやってきた。
「そうだ、さっきはありがとうございました。光さんが来てくれなかったきっと私、変身できなかったから」
「ううん。それでも最後に勝てたのはさくらさんのおかげです。もっと誇りに思って良いですよ」
「光さんって案外照れ屋さんなんですかね?」
「……え?」
さくらからの不意打ちの質問に光は疑問を浮かべる。そして、さくらはあることを告げた。
「だって、顔赤いですよ。そんなに照れくさいんですか?」
それを聞いた光はビックリして飛び退くと慌ててガンデフォンのカメラ機能で確認。顔が赤くなってるのを見て更に恥ずかしがるのであった。
それから数日後、スカイベースのメディカルルームではヒロミと一人の女性が付き合っている。女性の名は御子柴朱美。髪の毛の下の方をオレンジに染めた女医だ。
「あの……もう戻って良いですか?」
そう言うヒロミに朱美はまるでそんな事許さないとばかりの目を向ける。
「……はぁ?あなた、問題大アリなんですけど」
「……え?」
それから朱美はメディカルチェックの結果をカルテとして見せるとそこにはヒロミの体の体内年齢が示されていた。
「内臓、血液、細胞に至るまであなたの数値は軒並み六十歳前後。まだこの段階ならギリギリ許容範囲内だけどどちらにしても今後仮面ライダーへの変身は禁止だから」
朱美はヒロミへと言い放つ。ヒロミはそれにただ黙って頷く事しかできないのであった。
バイスタンプラリー
十四話目……カジキバイスタンプ
また次回もお楽しみに。