さくらと光、二人が話していると一人の人物が二人の会話に割って入るように現れた。それは……。
「アンタ、何でこんな所にいるのよ!」
「アギレラ……」
そこにいたのは赤い花嫁衣装に身を包んだアギレラである。アギレラはさくらと光へと笑みを浮かべると自分の衣装を見せた。
「どう?ギフ様との結婚に相応しいドレスは」
「……わざわざドレス姿を見せびらかしに来たの?」
「うーん、それは違うかな。私はさくらちゃん、あなたを勧誘しに来たのよ」
そう言うアギレラはニコニコと笑っており上機嫌であるということがわかる。
「前にも言ったでしょ?私はアンタ達の所には行かないって」
「そうね。でも、あなたは私の元に絶対に来るわ」
アギレラはそう言う中、光はさくらを守るように前に出ると銃を向ける。
「アギレラ、お前をこの場で拘束する。デッドマンになれないお前一人なら僕でも太刀打ちできるはずだ」
そう言って意気軒昂な光に対してアギレラはつまらなさそうに舌打ちしてからスタンプを取り出す。
「え……」
「そうね。確かに少し前の私ならデッドマンになれないからあなたでも止められたかもしれないわ。でも今はもう私もギフテクスなのよ?」
《クイーンビー!》
その瞬間、アギレラがスタンプを自らに押印すると自身の頭の上に蜂の巣のが出てくると中から大量の働き蜂が飛び出してそれが自らを覆うように変化するとその姿をギフテクスへと変化。
その姿は赤い眼に乳白色の顔とショートヘアーを模した琥珀色の蜂蜜が特徴的で両腕も蜂蜜のような装飾に鋭い針となっている。人差し指を持つ両手は蜂を彷彿させる黄と黒の色合い。口元は一見するとあひる口のように可愛らしく見えるのだが実際は蜂の顎を模した形状になっている。 簪のように生やした丸みのある角に鼻緒のある草履のような足元、そして翅状のようになっている袖とまるで振袖を連想させる巫女のようだ。
これにより、アギレラはクイーンビーデッドマンへと変身を遂げるのであった。
「ふふっ、さくらちゃん。どう?私のこの力。あなたもデッドマンに入ればこのくらいとまではいかなくても相当な力を手にするだけの資質はあるわ」
「だから言ってるでしょ。アンタと一緒に行く気は無いから」
そう言ってさくらはベルトを装着すると光は安全な所にまで移動。そして、コブラのバイスタンプを持ったさくらはそのまま変身する。
《コブラ!》
《What's Coming up!? What's Coming up!?》
「変身!」
《リベラルアップ!》
《Ah Going my way!仮面ライダー!蛇!蛇!蛇!ジャンヌ!》
「ラブラブ!」
ラブコフは一旦その場から逃げるように安全な場所に退くとそれと同時にジャンヌがクイーンビーデッドマンへと走っていく。
「はぁあああ!」
それから二人は交戦を開始。格闘戦に入る。二人は互いに殴り合うが、純粋なパワーはほぼ互角だった。
「……ギフテクスって言うけどこんなもの?」
「ふふっ、そう思ってるのならさくらちゃんは私には勝てないわよ?」
クイーンビーデッドマンが手を振るとその瞬間小さな護衛蜂を大量に召喚。それをジャンヌに向けて飛ばした。
「ッ!?」
ジャンヌは何とか腕で防御しようとするが、蜂は全身に襲いかかり、ジャンヌは一瞬にして滅多打ちにされてしまう。
「うわぁああ!!」
「さくらちゃん、もっと頑張ってよ。つまらないじゃない」
「調子に……乗らないで!」
《クジャク!リスタイル!》
《リバディアップ!Ah~!クジャク!ダダダダーン!》
ジャンヌは両手に鉄扇を握ると反撃のために走っていくのであった。その頃、サーベルタイガーデッドマンと交戦するリバイとバイスはサーベルタイガーデッドマンのパワーとスピードに大苦戦。
「「はあっ!」」
二人が同時に飛び掛かるものの、サーベルタイガーデッドマンは素早い動きで簡単に躱し、そのままバイスへと両腕の鋭い牙でダメージを与える。
「うわあっ!」
「バイス!くっ……」
「遅せーよ」
リバイが対処しようとした瞬間にはサーベルタイガーデッドマンは目の前におらず。横から牙による斬撃を喰らってしまう。
「コイツ、いつものフェーズ2よりもめっちゃ強ぇえ……」
「でも、俺達はこんな所で負けてられない!」
二人は今度はオーインバスターとオストデルハンマーを手にして攻撃を仕掛ける。しかし、それも簡単に躱されると牙による攻撃を受けてしまった。
「くぅう……」
「弱ぇえなぁ。なんで俺は前にこんな奴に苦戦したのかさっぱりだ」
「くぅーっ!アイツ、調子に乗ってやがる!」
「だったらバイス、これ使うぞ!」
《ライオン!》
《バディアップ!》
《ガオーン!ゲットオン!野獣の王!ラーイーオーン!見ててください!俺の雄叫び!》
リバイとバイスは虎に対抗するなら獅子だとばかりにライオンゲノムに変身。二人でタイミングを合わせて炎を発射する。
「「はあっ!」」
「ふん。そんなものか」
だが、サーベルタイガーデッドマンにはそんな炎でさえ生温いのかあまり効いている様子もなく、斬撃波を飛ばされると二人纏めて吹き飛ばされてしまう。
「「うわぁああ!」」
「ふん。やっぱり前はフェーズ2にならなかったのが失敗だったな」
「バイス、リミックスだ!アイツに対抗するにはそれしか無い!」
「おうよ!」
《リミックス!バディアップ!》
《必殺!チャンピオン!爆音!ライオン!》
リバイとバイスはリバイスライオンに変化すると突進してくるサーベルタイガーデッドマンと何度も激突する。
「一気に行くぜ!」
リバイスライオンは何度もぶつかる内に体に炎のエネルギーを蓄積させていくと最大にまで高まったパワーで突進した。
《ライオン!スタンピングフィニッシュ!》
サーベルタイガーデッドマンもそれを見て体にオーラを纏わせると渾身のパワーて突撃。二つは空中でぶつかり合うと爆発を起こしてリバイとバイスはリミックス解除しつつレックスゲノムへ。サーベルタイガーデッドマンもダメージはそれなりにあるのか倒れ込んだ。
「ここまでやって互角かよ……」
「アイツ、やっぱり侮れない!」
するとサーベルタイガーデッドマンは起き上がると同時にリバイへと言葉を発した。
「……前言を撤回しよう」
「何?」
「………努力も綺麗事に頼る方法も……虚しいだけだ。そう思ってる奴は大勢いる。俺もそんな奴の一人だ」
「汚い手を使ってでもお金が欲しかったのか?」
リバイからの問いにサーベルタイガーデッドマンは食い入るように返事を返す。
「違う!俺は何としてでも勝ちたかったんだ。……俺は必死に努力を重ねて弁護士になった。そうすれば世界を救えると信じてた。……信じたかった」
しかし、結局工藤の努力も虚しく工藤は裁判に勝つことができずに相手の不正を許した。そのせいで裁判に負けて屈辱を味わったのだ。
「俺はその時からずっと欲した。何者にも負けない力を……絶対に勝ち続ける事ができる力をな」
「そんな事で……そんな事でデッドマンズの力を借りてるのか!」
リバイからの問いにサーベルタイガーデッドマンは答えを返す事なく別の言葉をリバイへと投げかける。
「……お前、本当は人の気持ちがわからないんだろ?」
「え……」
「勝手に人助けをして自分の欲求を満たしてるだけだ」
そう言ってサーベルタイガーデッドマンはリバイへと走ると牙での攻撃を仕掛けてくる。リバイは咄嗟にオーインバスターで防ぐがそのパワーを前に押し込まれていた。
「お前は日本一のエゴイストなんだよ」
そう言われてリバイは攻撃を受け止める力を一瞬緩めてしまい、その隙を突かれて攻撃を喰らってしまう。
「ぐあっ!」
「ふへへ、まさか一輝が説教を受けるなんてな」
「……うるさい!」
リバイはバイスにそう言ってから戦いを再開する。しかし、サーベルタイガーデッドマンからの言葉に惑わされた影響か更に攻撃に迷いが生じてしまう。そのため、戦況は徐々に相手へと傾くのであった。
スカイベースではとある人物が狩崎の部屋に向かって一人歩いている。丁度狩崎は私用でスカイベースを出ている上にあの部屋に関係者以外は立ち入る事ができない。彼が目的を果たすためには絶好のチャンスだった。
「………」
それからある人物はセキュリティを突破すると狩崎の部屋へと入っていく。そして、ギフスタンプが保管されているケースに手をかけてケースを外すと中から出てきたのは仮面ライダー一号のフィギュアだった。
「なっ!?」
その瞬間その人物に照明が当てられると同時に部屋の電気が付いて大二とヒロミが拳銃を構えており、狩崎が本物のギフスタンプを手にしている。
「やっぱり来ると思ったよ。若林総司令官」
「嵌めたのか」
「この私が気づかないとでも?ここまでは完璧だったのに、最後に焦ったね」
そんな中、ヒロミは混乱した顔つきで銃を向けており若林はそれを見て弁明しようとした。
「説明させてくれ……」
「動かないでください!あなたは私の憧れでした……司令官、どうしてデッドマンなんかに……」
そう言うヒロミの声は震えており、若林をどうしても攻撃したく無いという気持ちでいっぱいになっていたのだ。
「……何の事だ?」
「惚けるな!あなたが裏切ったせいで多くの隊員が犠牲になってるんだ!」
「……ならば撃てば良い。私の事が信用できないのならな」
そう言って堂々と手を広げる若林。それを見たヒロミは銃の撃鉄を引いて構える。しかし、それを見た狩崎はヒロミを止めるように声を上げた。
「落ち着けヒロミ。彼は若林総司令官では無いよ」
「……はぁ?これのどこが若林総司令官じゃ無いと……」
「……まさか」
大二は何かに気がつくと銃を構えたまま腰にベルトを装着する。その動作を見たヒロミは叫んだ。
「大二!それは……」
「ヒロミさん、安心してください。この人は若林総司令官では無いです!」
「お前まで何故そんな事を……」
そう言っていると狩崎は若林へとある言葉を言い放った。それは、裏切り者の真の正体を知るキッカケとなる。
「そろそろその下手な芝居をやめたまえ。……天魔レオ司令官」
狩崎の言葉にヒロミは目を見開く。そして、若林はそれを聞いてとうとう観念したのかその姿を変化させた。それは紛れも無い天魔司令官であったのだ。
「……何故わかった?」
「この前のスカイベース襲撃事件の時にヒロミは外に居たにも関わらず司令室に君はヒロミの姿でいた。そしてデモンズドライバーを要求し、デモンズとして戦った」
「じゃあ、あの時ゲノミクスを二つ使えたのは……」
「そう、変身者である天魔がデッドマンだからだ。そして、ヒロミに化けたのも我々を疑心暗鬼による仲違いさせるため。違うかい?」
「……そこまでお見通しか。流石は狩崎だな」
すると天魔は最近のしおらしい態度はどこへやら。完全に本性を現して話していた。
「お前か……じゃあ若林総司令官は一体……」
「彼なら一度眠ってもらってるよ。殺したら仲違いさせられないと思って生かしたんだがまさかここに来て失敗するとはな」
「天魔……お前が犯人なら俺も迷いは無い……。我が命を賭けて、お前を……」
そう言ってデモンズドライバーを手にするとその瞬間突如として声が聞こえ始める。
「フハハハ。オレ、アクマ。ヘンシンシロ、ヒロミ。オマエノイノチ……クラウ」
「……何……だと!?」
言葉を話すデモンズドライバー。デモンズドライバーに隠された秘密がまた一つ明るみに出るのであった。
お久しぶりです。色々とあって投稿が遅くなりすみません。今後も遅くなるかもですが楽しみにしてもらえればと思います。また次回もお楽しみに。