突如として話し始めたデモンズドライバー。それを見た天魔は高笑いを始める。
「あははははは!どうやらようやく目覚めたようだなぁ」
「どういう意味だ!」
ヒロミの問いに天魔はヒロミを馬鹿にしたような顔つきで答えを返した。
「お前は狩崎に利用されたんだよ。そのドライバーの中には悪魔が眠っていてな。文字通り変身者の命を喰らって成長する。そして、命を吸われたお前の体が高齢化しているのは知っての通り。最終的にお前は死ぬって事だ」
「何……だと!?」
「貴様ぁ!」
《バット!》
「変身!」
《バーサスアップ!仮面ライダーライブ!》
それを聞いた大二はライブに変身するとその瞬間天魔もその姿をカメレオンデッドマンの姿に変え、ライブからの攻撃を受け止めた。
「丁度良い。俺の力をお前らに見せてやるよ!」
それから二人は戦闘を始める。そんな中、ヒロミはその場に崩れ落ちると項垂れた。
「俺が……このベルトの中の悪魔を目覚めさせるための道具だと……」
ヒロミは変身の際に命を懸けるという言葉を使っていたのだが、それはまさに本当に命懸けの変身であったという事になるのだ。
その頃、リバイとバイスの方ではサーベルタイガーデッドマンからの猛攻撃を何とか凌いでいた。しかし、受けに回るので手一杯でなかなか反撃の糸口が掴めない。このままではジワジワとやられてしまう。加えて、先程の精神攻撃がリバイに迷いを与えてしまっていた。
「オラオラ!どうした?そんな物かよ!」
サーベルタイガーデッドマンはそのスピードを活かした撹乱にパワーと牙による重い一撃で少しずつリバイとバイスを追い詰めていく。
「おい一輝!やる気あんのかよ!」
「あるに決まってるだろ!」
「じゃあ、どうしてそんな軽い攻撃してるんだ!」
バイスはサーベルタイガーデッドマンの牙をオストデルハンマーで受け止めつつ叫ぶ。それを聞いたリバイの手は止まってしまった。
「やはりお前では世界は救えない。日本一のエゴイストにはな」
「くっ……」
それを聞いたバイスはそれをキッカケに何かを思いつくとリバイに問う。
「なぁ一輝。お前、人の気持ちがわからないとかエゴイストって言われたの気にしてんの?」
「なっ!?そんな事ねーよ!」
バイスからそう聞かれてリバイはバイスへと反論する。しかし、バイスにはリバイの心境がお見通しなようで……。
「はぁ……それの何が悪いって言うんだよ。誰しも人は悪い所を抱えてる。だからこそ一輝はそのままの一輝でいれば良いんだよ」
バイスからの言葉にリバイは仮面の下で目を見開く。それはバイスなりの励ましの言葉だった。それを受けてリバイは少し考えてからある結論を出す。
「……バイス、俺を殴ってくれ!」
「あいよ!」
その直後、バイスがハンマーでリバイの頭を殴った。当然ハンマーで殴ったのでダメージもそれなりに来るわけで……。
「って、ハンマーでかよ」
「ふへへ、でもやっとらしくなったじゃねーかよ」
「ああ、俺は……俺だ!」
求めていた事とは違う言葉を返したリバイにサーベルタイガーデッドマンは苛立ちを露わにする。
「そういう所が……苛立つんだよ!」
それからリバイとバイスは持ち直すと二人の連携でサーベルタイガーデッドマンにダメージを与えていく。
「使うぜバイス!」
「おうよ!」
リバイはバイスからオストデルハンマーを貰うと合体させてリバイスラッシャーにする。
《リバイスラッシャー!》
《マンモス!》
《スタンプバイ!》
《Here We Go!Let's Go!Here We Go!Let's Go!》
《リバイバイスラッシュ!》
リバイは跳び上がってリバイスラッシャーを振り下ろし、サーベルタイガーデッドマンを斬り裂く。それを喰らってサーベルタイガーデッドマンは後ろに下がった。
「ぐ……」
「バイス、これ使うぞ!」
《メガロドン!バディアップ!》
《メガ・ロ・ド・ンー!》
メガロドンゲノムに変化したリバイとバイスはそれぞれスタンプを取り出すと次々に自らへと押印していく。
《ジャッカル!》
《プテラ!》
《コング!》
《ブラキオ!》
《カマキリ!》
《イーグル!》
リバイがジャッカル、コング、カマキリのスタンプを、バイスがプテラ、ブラキオ、イーグルのスタンプを押印するとそれぞれ対応する能力が向上する。
「バイス、あの牙を破壊するにはパワーだけじゃダメだ」
「なるほどねぇ。なら、これも使うぜ!」
《カジキ!》
バイスはリバイスラッシャーを受け取るとカジキバイスタンプを押印する。
《スタンプバイ!》
それと同時にリバイも必殺技を発動するとバイスと共に高速移動。コングとブラキオのパワーで力を補い、サーベルタイガーデッドマンのスピードに対抗しつつバイスがイーグルの目で牙の一番脆い箇所を見抜く。
「ここだ!」
《メガロドン!スタンピングフィニッシュ!》
《リバイバイスラッシュ!》
二人からの同時斬撃を牙の脆い場所に喰らうと牙は折れてしまい、武器としての役割を果たせなくなってしまう。
「よっしゃ!」
「トドメはこれだ!」
《カンガルー!》
《バディアップ!》
《跳び上がる!舞い上がる!カンガルー!勝利のパンチが決まった!》
二人はゲノムチェンジでカンガルーゲノムになるとそのままリバイがスタンプを二回倒す。
《カンガルー!スタンピングフィニッシュ!》
リバイからのライダーキックがサーベルタイガーデッドマンに決まると工藤とデッドマンが分離。そのままデッドマンは爆散する事になるのであった。
「……気が済みましたか?工藤さん」
そこにオルテカが出てくると工藤を担いで撤収。そのタイミングでスカイベースから連絡が入るとリバイとバイスは慌ててスカイベースへと急ぐ。
スカイベースではライブがカメレオンデッドマンと交戦していたのだが、そのあまりの強さの前に敗北。変身解除してしまった。
「ぐあっ!?」
その直後、カメレオンデッドマンはまた天魔の姿に戻ると崩れ落ちたヒロミを無理矢理立たせるとヒロミは後ろからヘッドロックされてしまう。
「ぐっ!?」
「門田ヒロミ。お前は我々の目的を果たす駒として十分に役立ってくれた。デモンズドライバーの力を引き出す実験台としてね」
「天魔……貴様」
「ああそうそう。オリジナルの天魔レオはもういない。……五十嵐大二の任命式のあの日、彼は私の手によって始末されたからな」
天魔レオは何と既に殺されてしまったらしい。これはカメレオンデッドマンが後に面倒事が起きないようにするためだろう。
「まぁ、オリジナルも救いようの無いクズだったからあのまま行っても日の目を見る事は無かっただろう。私が彼の代わりになった事で天魔レオはフェニックス司令官となれたんだ。奴もありがたく思ってるだろうなぁ……ひゃーはっはっはっはー!グラーシアス!デッドマンズ!」
そして、高笑いする天魔。それを受けてヒロミは抵抗するがデッドマン相手に勝てるはずもなくあっさりと地に叩きつけられてしまう。
「……さぁ、ギフスタンプを渡してもらおうか」
天魔からの言葉に狩崎は無言で手にしたギフスタンプを投げ渡すと天魔はニヤリと笑い、立ち上がる。
「………これでフェニックスとの付き合いも終わりだな。また会おう」
そう言って天魔はカメレオンデッドマンに変わると姿を透明化させて立ち去ってしまう。残されたヒロミは悔しさからあまり叫ぶのであった。
同時刻、クイーンビーデッドマンと戦うジャンヌはクイーンビーデッドマン相手に大苦戦。そもそもジャンヌの武器は近接戦向きであり、それに対してクイーンビーデッドマンは飛び道具による攻撃を主体としつつ、手数による制圧が得意なデッドマンという事もあって相性は最悪だったのだ。
「ふふっ、さくらちゃん。もっと私を楽しませてよ!」
「アンタを楽しませる程、私も暇じゃ無いのよ!」
ジャンヌが手にした鉄扇に炎を纏わせて突撃する。しかし、クイーンビーデッドマンはそんなジャンヌを召喚した蜂のエネルギー弾で牽制。ジャンヌが間合いに入る前にダメージを蓄積させていく。
「はぁああっ!」
「うっ!?くっ……うわぁああ!」
ジャンヌは最初の内こそ耐えていたが、それでも圧倒的手数による暴力を受けて大ダメージを負って倒れてしまう。
「さくらさん!」
光が駆けつけようとするがクイーンビーデッドマン相手に敵うはずもなく逆にクイーンビーデッドマンに背中に生やした羽を使って接近されると裏拳を喰らって倒れてしまう。
「光さん!」
ジャンヌは傷ついた体を立たせると攻撃しようとするが、更に至近距離からまた蜂のエネルギー弾の連射を喰らってダウンさせられてしまう。
「ううっ……くっ……」
「ねーえ、そろそろ飽きてきたんだけど。もっと楽しませてよ」
そう言ってクイーンビーデッドマンはジャンヌの胸ぐらを掴むと無理矢理立たせる。
「……かかったわね!」
「!?」
《必殺承認!クジャク!リベラルスマッシュ!》
その瞬間、ジャンヌが至近距離になった事を利用して手にした鉄扇にエネルギーを纏わせると思い切り鉄扇で斬りつけた。
「ぐうっ……」
流石にこれにはクイーンビーデッドマンも効いたのか後ろに下がる。しかし、ダメージ量はジャンヌの方が大きいのかその場に倒れ込んだ。
「……ふふっ。さくらちゃん、やるね。でも……」
クイーンビーデッドマンはジャンヌの倒れた体を踏みつけるとジャンヌは苦痛に悶える。
「結局勝つのは私よ?」
そう言ってジャンヌにトドメを刺そうとしたその瞬間、フリオが姿を現した。
「………アギレラ様」
「何よ、今良い所なのに……」
「申し訳ありません。奴が目的を果たしました。これ以上彼女に拘る必要は無いかと」
「……そう、じゃあ良いわ。さくらちゃん。今度会う時はまた強くなったさくらちゃんを見せてね。それを見た私も強くなるからね」
そう言ってクイーンビーデッドマンは撤退。フリオも姿を消した。そして、残されたジャンヌはクイーンビーデッドマンを追おうとする。だが彼女のダメージは深く、変身解除すると気を失ってしまう。
それから暫くしてデッドマンズベースではギフとの結婚式の準備が整っており、そこにはアギレラ、フリオ、オルテカ、天魔が変身したカメレオンデッドマン、野田、工藤、灰谷の七人が集結。
「さて、天魔さん、工藤さん、灰谷さん。まずはあなた達の番ですよ」
そう言ってオルテカは灰谷にプラナリアプロトバイスタンプを渡すと野田を除いた三人を指名。ギフの前に立つように指示する。野田はそれを聞いて一瞬怪訝な顔をするが、スタンプが無いためにどうする事もできずに見送る事しかできなかった。
そして、ギフの前に三人が立つとギフが光を放つ。灰谷は自分が消えるかもしれない恐怖に怯えるが、三人は一度フェーズ2のデッドマンの姿になると更にそこから石板へと変わり、そこに文字が刻印。その後、石板が消えて三人は人間としての姿になる。
これはつまり、ギフは三人をギフテクスとして承認したという事になるのだ。これにアギレラ、フリオは笑みを浮かべ、野田は僅かに気に入らなさそうな顔をしていた。
「……やった」
そして灰谷は安堵し、工藤はニッと笑う。天魔はオリジナルの人間からまた天魔の姿となる。
「自分のオリジナルの姿は嫌いでね」
「君、めっちゃわかりづらいね」
「いや、素晴らしい。君達は美しい……ギフテクスだ」
オルテカはそう言って手にしたギフスタンプをギフの棺の前にある台に置く。
「よく頑張りました!これで全員揃ったね!」
「はい!」
アギレラの言葉に野田は困惑の顔を浮かべる。何故ならまだ自分はギフテクスになるどころかスタンプさえ貰ってないのだ。そうなるのも当然だろう。
「はぁ?私がまだ人間のままなんですけど」
野田の言葉に灰谷、工藤、天魔、フリオはニヤニヤとした顔つきで彼女を見つめる。
「あ、初耳なんだ」
「教えといてやるよ」
「お前に残酷な現実をな」
「何よ、これじゃあ私が除け者じゃない!」
「……ギフテクスは五体揃いました」
「まだ一人欠けている者があるじゃないか」
それを聞いた野田は自分が今から何をされるか察しがついてガタガタと体を震わせ始める。
「……やっと気付いたみたいね」
「そう。汚れなき悪の器……それは、あなたです。野田さん」
そう言って野田に手を置くオルテカ。そして、野田は自分が置かれた立場を自覚する事になるのであった。
バイスタンプラリー
十五話目……カンガルーバイスタンプ
また次回もお楽しみに。