デッドマンズ方面に動きがあった頃、スカイベースの方では狩崎が新たなスタンプの調整を行っていた。
「ヘイヘーイ、新たなバイスタンプの調整も順調。あと半分だ……」
そんな中、その部屋に若林が入ってくると狩崎はデータを入力しながら若林へと話す。
「若林総司令官、どうされたんだい?」
「……いや、少し胸騒ぎがしてな。何故フリオに似た人物が外にいたのか。そしてバッファローデッドマンの宿主は誰なのか。悩みは尽きない」
「まぁ、後者は恐らくデッドマンズの信者だろうねぇ。……前者は陽動又は信者に拠点を教えていたという予想では無かったのか?」
「それだけなら良いんだが……」
若林としてはフリオはただ単に信者を集めていただけでは無い何かのための準備をしているのではという予想を立てているのだ。
「……何れにしても今できるのは警戒を怠らない事だと思うけどねぇ」
場面は移り、幸せ湯。そこでは一輝、大二、さくら、光の四人が集まっておりいつでも出られるようにするのに加えてデッドマンズへの今後の対策を練っていた。
「さっきのバッファローデッドマン……フェーズ1だったんだよな?」
「え?まぁ、そうみたいだったけど……」
「可能ならフェーズ2になる前にスタンプを奪えれば良いんだけどなかなかそう上手くは行かないよな……」
フェーズ1とフェーズ2では戦闘能力に大きな差が開くため、フェーズ2になる前に倒したい所である。
「でも、このままじゃ後手後手になるんですよね。何とか先手を取れれば」
以前のデッドマンズベース襲撃事件によってデッドマンズベースは壊滅。しかし、デッドマンズには上手い事逃げられたために今の一輝達には自分達から攻め入る事もできないのだ。
「大二、カゲロウは何か知らないか?」
「……いや、流石に今の潜伏先までは知らないと思う」
何にしても打てる手が極端に少ない。今のデッドマンズへと自分達から攻め込む事はほぼ不可能。となればデッドマンズが出てくるのを座して待つしか無いのだ。
「どうすれば……」
「せめてデッドマンズの狙いがわかれば先回りできるんだけど……」
それでも今はどうする事もできない。すると一輝が考え込んでいたのを見て大二が声を上げる。
「兄ちゃん、どうしたの?」
「デモンズドライバーの行方が気になる」
「……え?」
「でもそれってヒロミさんが着けてたんでしょ?」
「もしあの場面でヒロミさんが自分を犠牲にする事をデッドマンズ側が知っていたとしたら……」
それを聞いて一同は考え込む。そんな中、バイスがガンデフォンから話しかけた。
「もしよ、デッドマンズ側にデモンズドライバーが渡っていたとしたら……」
「まさか。だとしてもアレは使用者の命を喰らう危険な代物。普通の人間には扱えないですよ」
そう、デモンズドライバーの中に潜む悪魔の影響でドライバーの使用者は命を削られてしまう。そんな事もあってなかなか普通の人間が使えるようなドライバーでは無いのだ。
「だと良いんだけど……」
一輝達が話しているとまたデッドマンズによる襲撃が入った。またバッファローデッドマンによる物である。
「また私の出番ね!」
「ちょっ!?」
「僕がついていきます!」
陽動の危険を考慮してまた一輝と大二は幸せ湯に留まる事になる。そして、さくらが現場に到着するとそこにはバッファローデッドマンと宿主と思われる信者が立っていた。手にはバッファロープロトバイスタンプが握られており、信者はデッドマンに攻撃を指示する。
「ヤバっ!変身!」
《リベラルアップ!》
《仮面ライダー!蛇!蛇!蛇!ジャンヌ!》
ジャンヌはバッファローデッドマンとの戦闘を開始すると得意の近接戦に持ち込む。
「はあっ!」
バッファローデッドマンはこちらも得意の突進攻撃で対応するが、ジャンヌは突進をさせてそれをステップで躱すとすれ違い様に拳をぶつける。
「もうその突進は受けないからね!」
ジャンヌの宣言にバッファローデッドマンは角に電撃を纏わせるとそれを放出。周囲に電撃が降り注いだ。
「ぐっ……ちょっと、飛び道具使うなんて聞いてないんですけど!」
「さくらさん!タートルバイスタンプで!」
「そうね。こっちも飛び道具よ!」
《タートル!》
《リスタイル!》
《リバディアップ!》
《Ah~!タートル!ダダダダーン!》
ジャンヌはバズーカを装備すると電撃を躱しつつ砲撃を喰らわせる。流石に距離を取られて砲撃をされるとバッファローデッドマンでも打つ手が無いようでバッファローデッドマンは次第に弱っていく。
「くっ、こうなったら……」
信者はフェーズ2になるべくスタンプを押印しようと振り上げる。その瞬間、光がガンデフォンでスタンプだけを撃ち抜くとスタンプを弾き飛ばした。
「ッ!?」
「今です!」
「光さんナイス!サクッと倒すよ!」
ジャンヌはすかさずベルトを起こしてから倒すと待機音と共に必殺のエネルギーを高める。
《タートル!スタンピングスマッシュ!》
それにより、放たれた緑色のビームはタートルデッドマンを貫くと爆散させてジャンヌは勝利。それから光はスタンプを回収するが、信者には撤退されてしまう。
「やったね。光さん」
「はい」
しかし、再びガンデフォンに連絡が入るとどうやらまたデッドマンズが姿を現したらしい。場所は人のいない山の方だがそこに人々も大勢集まってるようで、恐らくデッドマンズの信者を集めたという事だろう。
「今度は一輝さん達も向かうようです。連戦ですが行けますよね?」
「勿論、私無敵だから」
「ではこれを」
「……え?」
そう言って光が渡したのはプテラバイスタンプを緑に色変えしたような物でケツァルコアトルスバイスタンプだ。
「狩崎さんがさくらさんにも空を飛ぶ移動手段があった方が良いとの事なので」
「マジ?早速使うわ」
《ケツァルコアトルス!》
《リスタイル!》
《リバディアップ!Ah~!ケツァルコアトルス!ダダダダーン!》
するとラブコフの姿がバイスのプテラゲノムと同じくエアバイクへと変化。バイスのプテラゲノムとの差異は機体が大型化している事で二人乗り可能な点とカラーリングがモノクロカラーになっている点である。また、バイスの顔の部分には変わりにラブコフの顔が付いていた。
「ラブちゃん、飛ばしてよね!」
「ラブ〜!」
それから二人は空を飛びつつ移動を開始。その頃、山の方では一輝と大二が到着しておりそこには多数の信者及びオルテカとカウンが揃っていた。
「オルテカ……」
「灰谷まで……」
「今の私の名前はカウンですよ。今後は間違えないようにね」
「一体何のつもりだ!こんな所に信者なんか集めて……」
そう言い合っているとオルテカは信者の中の一人を連れてくるとギフスタンプを手にする。
「それは……」
「早速ですが試すとしましょう。ギフスタンプのもう一つの力を」
その瞬間、オルテカはギフスタンプを信者へと押印。すると信者から悪魔のような黒い物体が飛び出すと再び信者の中に入っていく。
「うぁあああああ!!」
信者は苦しそうな声を上げながらその体を茶色い石のような物に変わっていくとそれを突き破り中から異形の悪魔が姿を現した。それは青を基調とした色合いで人間の骨格のような意匠と刺々しい鱗で覆われた爬虫類のような姿をしており、頭部には鋭い剣のような兜を被っている。両手にはジャマダハルのような形の剣を装備しており、近接戦には強そうに思えた。
「ッ……何だアレは……」
「アレもデッドマンなのか?」
「いいえ、この悪魔はギフテリアン。人間を喰らい生まれた我々の新たなる戦力です」
「オイシカッタ……ニンゲン」
その言葉に二人は驚愕。更に司令室から見ていた若林も突如として現れたギフテリアンに目を見開く。
「んだよ、同じ悪魔としてなんかアイツ嫌い」
「……ふざけるなよ……」
それから二人はベルトを装着するとそれぞれがスタンプを押して変身する。
《ネオバッタ!》
《バット!》
《Confirmed!》
《Come on! ネ・ネ・ネオバッタ!》
《Eeny, meeny, miny, moe!Eeny, meeny, miny, moe!》
「「変身!」」
《バディアップ!》
《バーサスアップ!》
《ネオバッタ!リバイスじゃ~ないと!》
《仮面ライダー!ライブ!》
二人がそれぞれネオバッタゲノムとライブに変身するとそれを見たオルテカは笑みを浮かべる。それと同時に指を鳴らすとギフジュニアも現れた。
「大二、あのギフジュニア達は俺達が素早く倒す」
「ああ、ギフテリアンの足止めは任せてくれ」
ライブのジャッカルゲノムが使えれば役割は逆になったかもしれないが、今はジャッカルバイスタンプが使えないので機動力の高いリバイとバイスがギフジュニアを相手し、ライブがギフテリアンを足止めした方が良いと判断したのだろう。
「「「はあっ!」」」
三人が駆け出すとまずギフジュニア達が襲いかかる。ライブはそれを無視してギフテリアンへと向かい、リバイとバイスがそれを援護する。
「だっ!」
「ふへへ、こんな奴らさっさと倒しちゃうもんね!」
二人はネオバッタゲノムの高い脚力による機動戦でギフジュニアを翻弄。倒していく。そして、ライブがギフテリアンに到達するとギフテリアンも手に付いている剣でライブを攻撃。ライブはそれを受け止めるが、そのパワーは高く、後ろに下がった。
「コイツ、普通にフェーズ2ぐらいの力はあるぞ……」
ギフテリアンはギフスタンプを押すのみでそれなりに強い戦力を生み出せる。しかも、普通のデッドマンは特に悪性の強い人間からしか生まれないのに対して、ギフテリアンは悪性が強かろうが弱かろうが関係無いのだ。
「はっ!」
「だっ!」
二人が交戦してるとそこに空中からギフジュニアを蹴散らすようにケツァルコアトルスキャノンが火を吹き、ギフジュニアの数を減らす。ジャンヌと光が到着した証拠だ。
「お待たせ!」
ジャンヌは光に操縦を任せて飛び降りるとライブと共にギフテリアンを相手する。流石に二人相手ではギフテリアンも苦戦するのか少しずつ押されていく。そんな中、今まで静観していたオルテカが前に出てきた。
「では、役者も揃いましたしそろそろこれを試しますか」
《デモンズドライバー!》
「デモンズドライバー!?」
「悪い予感が……当たってしまった」
オルテカがデモンズドライバーを装着すると中にいる悪魔が声を上げる。
「オマエ、アクマ。オナジ、ニオイダ」
「……この世界は俺達の物」
《スパイダー!》
《Deal……》
オルテカはヒロミとは違うポーズを取るとそのまま呟くように言い放つ。
「変身」
《Decide up!》
するとヒロミの時は丁寧に巻かれていた糸の量が増えて巻き方も乱雑になったがそれでも巻かれる糸の量の時点で前よりも蜘蛛の出力が上がっている。
《Deep.(深く) Drop.(落ちる) Danger……(危機)(仮面)rider Demons!》
オルテカはデモンズに変身するとヒロミのようにはダメージが入っている様子は見られない。デッドマンズが変身すると命が吸われないとでも言うのだろうか。
「さぁ、始めましょう」
そして、オルテカが変身したデモンズは四人へと牙を向く事になるのであった。
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