仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

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十八話目
若林の奇策 デッドマンズの追撃


再び顕現したエビルことカゲロウ。彼は手にエビルブレードを持つと一輝達に襲い掛かろうとする。

 

「オルテカ、コイツらへのトドメはやっても良いか?」

 

「美味しい所取りですか。まぁ、あなたにとってはそれが悲願ですからね。良いでしょう」

 

「悪いな」

 

そう言ってゆっくりと歩いていくエビル。それを見た一輝は咄嗟に立ち上がると近くに落ちていたコンドルバイスタンプを拾う。

 

《コンドル!》

 

一輝はコンドルバイスタンプを起動するとすかさずリバイへと変身する。

 

《Come on! コ・コンド・コンドル!》

 

「変身!」

 

《バディアップ!》

 

リバイはバイスと共にイーグルゲノムの色違いであるコンドルゲノムに変身。その姿はリバイは全身が紫メインとなり複眼がマゼンタに。バイスは全身が黒く、紫の差し色が入っている。

 

《リミックス!バディアップ!》

 

《必殺!宿る!気取る!コンドル!》

 

二人は即リミックスを発動するとリバイスコンドルに変身。そのままエビルを怯ませてからさくらと光を回収してその場から撤退する事になる。

 

「おいおい、逃げられるとでも……」

 

そう言ってエビルがエビルブレードに装填されたスタンプのスイッチを押そうとした瞬間、デモンズがそれを制した。

 

「その必要はありませんよ。彼等はいつでも倒せます。今は我々の目的を果たさなくては」

 

それから二人は変身解除。カウンと共にウィークエンドの拠点へと撤退する事になる。

 

多数の新たな信者と共に拠点に戻ったオルテカ、カウン、カゲロウ。オルテカはカゲロウを幹部室に入れるとアギレラは露骨に嫌な顔をした。

 

「ちょっと、何勝手にこんな奴を入れてるのよ」

 

「そうですよ、また五十嵐大二に戻った時にどうなるか……」

 

「この俺を侮るなよ?もうあのアホに主導権を渡す気は無い」

 

カゲロウはそう言う中、ライヤはカゲロウへとある事を話しかける。

 

「そういえば、疑問に思ってたんだよなぁ。前にデッドマンズのアジトにフェニックスの連中が攻めてきた。どうして今まで場所を知らなかったはずの奴等がいきなり来たんだろうなぁ」

 

そう言ってライヤはカゲロウを疑うような言葉を発するとアギレラ、フリオも不信感を募らせた。それに対するカゲロウの返事は……

 

「あ?俺が話したっていう証拠はどこにあるんだよ?まさか、証拠も無いのに俺を疑うつもりじゃねーだろうな?」

 

そう言われるとデッドマンズ側に証拠を出すことはできないためにこれ以上カゲロウが追求される事は無かったが、どうにも疑われていると考えたカゲロウは提案する事になる。

 

「だったらよ、今度フェニックスや仮面ライダーとぶつかる時は俺が先陣を切ってやる。もし信用ならないのなら先陣を駆ける俺を後ろから攻撃すれば良い」

 

「勿論そのつもりですよ」

 

オルテカのその淡々とした態度にカゲロウは何かを感じるが、それを口に出す事はなくその場は終わる事になる。それからカゲロウはオルテカに話しかけられた。

 

「……カゲロウ、君の実力は評価しています。どうでしょう?私の直属の部下になるというのは」

 

「悪いがお断りだ。俺は誰かに支配されるのが嫌いでね」

 

カゲロウはオルテカからの誘いを丁重に断ると去っていく。それをオルテカは呟きながら見送る。

 

「……誰かとそっくりな事を言いますねぇ。まぁ、このくらい言ってもらわないと張り合いがありませんが」

 

その頃、幸せ湯では一輝、さくら、光が揃っており、一輝とさくらが治療を受けていた。また、バイスは頭の痛みもある程度退いたようで大人しくなっている。

 

「……まさかまたカゲロウが出てくるなんて」

 

「ねぇ、これって不味くない?」

 

「……仮面ライダーの五人の内、二人が敵側に回りましたからね……」

 

「それだけじゃない。相手は強力な戦力、ギフテリアンも仲間にしている」

 

このままではフェニックス側に勝ち目は無い。逆転の切り札となり得るであろう狩崎の作る新スタンプもまだ未完成。

 

「どうしたら……」

 

正に八方塞がりとはこの事だ。一輝は立ち上がるとどこかへと向かって歩き始める。

 

「……一輝兄?」

 

「狩崎さんの所に行く」

 

「え?でも、まだスタンプは未完成なんですよね?」

 

「でもこのまま黙ってなんて見てられないよ」

 

一輝は狩崎の様子を見るために一旦スカイベースへと行く事になる。噂の狩崎はスカイベースの研究室内で開発作業を進めていた。

 

《メガメガ!》

 

《グルグル!》

 

《モスモス!》

 

《プテプテ!》

 

《ライライ!》

 

《ジャカジャカ!》

 

《コンコン!》

 

《カマカマ!》

 

《オウオウ!》

 

狩崎は新たに開発した赤を基調として卵のような造形をしたバイスタンプを手にしつつ十種類のバイスタンプを次々と読み込んでいく。そして、九種類目まで順調に進むと最後の一つ。レックスバイスタンプを読ませる。

 

《レクレク!》

 

ところが、レックスバイスタンプのみ99%読み込んだ所で止まってしまうと読み込みが失敗してしまう。

 

「ワッツ!?ヘイ、カモンレックス!」

 

それからどれだけ調整しても99%から微動だにしない。このままではスタンプは未完成のままだ。

 

「何故だ!?おかしい……どうして完成しない……。調整は完璧。何が足りない……」

 

狩崎は完全に困り果ててしまう。するとそこに一輝が到着すると狩崎の近くに立った。

 

「狩崎さん……」

 

「事情はある程度聞いてるよ。オルテカがデモンズになった上に新たな戦力としてギフテリアンが加わった。更に大二がまたカゲロウになったのだろう?」

 

どうやら狩崎は全てを知っている様子で言葉を紡ぎ、それなら話は早いとばかりに一輝が口を開く。

 

「だったら、そのスタンプを俺に……」

 

「済まないがまだ未完成だ。渡す事はできない」

 

「そんな……」

 

「このスタンプは今まで使ってきた十種のバイスタンプのリミックスの力を引き出す事ができる……のだが、何故かレックスバイスタンプだけコンプリートできない」

 

レックスバイスタンプの不調とは考えにくいため、何かが足りないのだろう。

 

「一輝、わからないと思うが一応聞いておこう。君は何故レックスバイスタンプが読み込めないと思う?」

 

狩崎からの問いに少し考えてから一輝は狩崎の思った通りの答えを返す事になる。

 

「……すみません、わからないです」

 

「そうか……」

 

このままではいつまでも新たなスタンプは完成しない。狩崎は何故ここまで上手くいかないのか原因を考え始める。するとそこに光が入ってきた。

 

「失礼します。先程回収したバッファローのプロトバイスタンプを持ってきました」

 

「わかった。そっちに置いておいてくれ」

 

「……やっぱりダメなのですか?」

 

光から一輝に聞くと一輝は小さく頷く。このままどうしようもできないのか。光は一輝から事情を聞くとある仮定を口にした。

 

「……まるでその新たなスタンプがレックスバイスタンプを完全に信頼してないみたいですね」

 

「……え?」

 

それを聞いて一輝は目を見開く。その言葉の意味が上手く飲み込めないからだ。

 

「光、それって……」

 

「いえ、何となくそんな気がしただけなので特に深い意味は……」

 

そう言っていると一輝は光と共に若林総司令官に呼び出される。それから司令室に行くとさくらも来ており、若林は今後の方針について指示を出した。

 

「今後の事だが、恐らくデッドマンズはこのチャンスを逃さずに一気に攻めに来ると思う」

 

それを聞いて三人は頷く。恐らくデッドマンズはフェニックス側の戦力が一気に低下したこのチャンスを逃すという甘い事はしないだろう。

 

「そこで、再びこのスカイベースを陸に下ろす」

 

それを聞いて一輝達は声を上げた。それはつまり、またかなりのリスクを背負うからである。

 

「でもそれは、前のようにデッドマンズに付け入る隙を与えるのでは!?」

 

「……その通りだ」

 

「守ってばかりではどうする事もできない。ならばリスクを取ってでも攻めに出るべきだと私は考えている」

 

「……でも、私達二人……バイスを入れて三人でどうにかできるのかな」

 

「それでもやるしかない。まずはカゲロウを大二に戻す所から始めないと」

 

「そうね……」

 

ひとまずできるのはデッドマンズを誘き寄せてそこでカゲロウから大二を取り戻す事。それができて初めてオルテカへの対応策が打てるのである。

 

「デッドマンズは誘いに乗ってくるでしょうか?」

 

「……私は乗ってくると見ている」

 

若林の言葉に三人は頷く。それから日にちを決めるとそれを大々的に宣伝。デッドマンズの耳にも入るようにした。

 

スカイベースの補給日の前夜、ウィークエンドの拠点の幹部室ではデッドマンズ幹部が顔を揃えていた。

 

「ねぇ、フェニックスの連中がまた補給するって言ってるけどどうする?」

 

「……私は攻めるチャンスを逃すべきでは無いと思いますが」

 

「いや、軽々に攻めると返しの手が痛い。ここは慎重になるべきだ」

 

「今のフェニックスの戦力で我々に勝てると思いますか?」

 

カウン、オルテカが攻めを主張する中、フリオは慎重案を唱える。フリオとしてはこの着陸が罠の危険を考慮したのだ。

 

「……そう思うのなら俺を先頭に攻めさせれば良い。そうすればお前らはやりやすいだろう?」

 

そう言うのはカゲロウだ。カゲロウとしてはどちらにしろ弾除け扱いにされるなら自分からその役を買って出るべきだと思い提案した。

 

「ほう。それは良い心がけだ。アギレラ様」

 

「はぁ……なら好きにしなさい。ただし、やるからにはフェニックスの連中を再起不能になるまで痛めつけて」

 

アギレラからの許可も降り、デッドマンズはスカイベースへと攻め込む事が確定。それを見た赤石は僅かに顔を歪めた。

 

「……油断大敵、出る杭は打たれる。今のオルテカはデモンズになった事で調子に乗っている……よからぬ事が無ければ良いが……」

 

 

そう言うものの、デッドマンズの方針に口を出さない辺り赤石は一歩引いた立場からこの様子を見ているのだろう。そして、翌日。

 

スカイベースが着陸し、燃料等の補給を開始した。警備の方には一輝、さくら、光と隊員達が当たっている。

 

すると案の定デッドマンズはオルテカ、カゲロウを筆頭にギフジュニアの軍団と共にやってきた。

 

「どうやらあなた達は相当攻められたい様子ですねぇ」

 

「デッドマンズ……」

 

「今はお前達に邪魔をされるわけにはいかない!」

 

「なるほど。でしたらさっさと潰しましょうか」

 

それからオルテカとカゲロウはベルトを装着。それと同時に一輝とさくらが構えた。その瞬間、光から連絡が入る。

 

「一輝さん、さくらさん!大変です!スカイベース内部にデッドマンズが侵入しました!」

 

「なっ!?」

 

「おやおや。まさか我々だけでここに来たとでも?」

 

オルテカはこの時、カウンを別動隊として別方向からスカイベースへと攻める事にしたのだ。仮面ライダーのいない側は守りが手薄になると読んでの事である。

 

「一輝兄、ここは私が食い止めるから本部を!」

 

「わかった!」

 

それから一輝は本部へと駆けていき、その場にはさくらが残る。オルテカはそれも想定内とばかりに笑みを浮かべた。

 

「おやおや、お兄ちゃん抜きでどうにかなるのかなぁ?」

 

「試してみる?」

 

それからさくらもベルトを装着。こうして、デッドマンズによる本部襲撃への防衛戦が始まるのだった。




また次回もお楽しみに。
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