一輝がバイスとの絆を深めた頃、ジャンヌはエビルによって追い詰められてしまっていた。
「おいおい、大口叩いておいてそんなものかよ!」
ジャンヌは完全に息切れしており、エビルは余裕そうな笑みを浮かべている。
「はぁ……はぁ……調子に……乗らないで!」
ジャンヌが拳を繰り出そうとしたその時、エビルはそれを躱しつつスタンプのスイッチを押す。
《必殺承認!》
《バット!ダークネスフィニッシュ!》
エビルから繰り出された斬撃をジャンヌはモロに喰らうと変身解除。そのまま倒れ込む。
「くうっ……」
するとデモンズが拍手しながらエビルの前に出てくるとご機嫌で話し始める。
「流石です。ただ、もう少し早く倒せればもっと上出来でしたが」
「そうかよ……」
「まぁ、とにかくトドメを刺しましょうか」
そう言ってデモンズが手に赤黒いエネルギーを高めるとそれをさくらへと放とうとした。
「はあっ!」
その瞬間、突如としてエビルがデモンズを不意打ち。それからエビルブレードによる斬撃をデモンズへと繰り出してデモンズは吹き飛ばされる。
「……カゲロウ、何の真似だ?」
「あ?俺はコイツを相手するとは言った。だが、トドメを刺すとは言ってない。この女が死んだら……あのカレーが食えないしな」
どうやらカゲロウは完全にさくらの辛口カレーを気に入ってしまったようで、さくらにトドメを刺させないのも半分はそれが理由だ。そして、残りの半分は……。
「それに、言ったはずだぞ?俺は誰かの下に付くのは嫌いだと」
デモンズの上から目線の態度にカゲロウはうんざりとしていた様子でこれによりデッドマンズとのハッキリとした手切れを宣言する。
「なるほどねぇ。でも、もう二人共ボロボロ。その状態でこの私に勝てるとでも?」
「……そう思うでしょ?」
その瞬間、さくらは立ち上がるとダメージは喰らってこそいたが再起不能にまでは追い詰められてはいない。つまり、エビルは最初から手加減をしていたという事だ。デモンズを出し抜くために。
「おい大二。美味しい所はお前にくれてやるよ」
「やれやれ、お前のその性格には毎回苦労するぜ」
それからさくらは再びスタンプを出し、エビルもエビルブレードをバックルに装着。それからライブガンにチェンジした。
《Eeny, meeny, miny, moe!Eeny, meeny, miny, moe!》
《What's Coming up!? What's Coming up!?》
「「変身!」」
《バーサスアップ!》
《リベラルアップ!》
《仮面ライダー!ライブ!》
《仮面ライダー!蛇!蛇!蛇!ジャンヌ!》
二人はその姿をライブとジャンヌに変えるとデモンズの相手をするために構える。すると突如として二人の前にプラナリアデッドマンが落下してきた。
「何!?」
「これは……」
「カウン、何をやっている?」
「そんな事言ったって私だって必死にやってるんだから」
その時、プテラゲノムとなったリバイとバイスが降りてくると変身を解除。一輝とバイスに戻った。
「一輝兄!」
「兄ちゃん!」
一輝は二人を見て状況を理解すると頷く。そして、そこに狩崎も到着すると狩崎は一輝にバリッドレックスバイスタンプを渡した。
「ヘイ、一輝。今の君ならこれを使いこなせる。レックスバイスタンプをスキャンするんだ」
それから一輝がスタンプを受け取るとバイスと共にデモンズ達の前に出る。
「湧いてきたぜ!」
《バリッドレックス!》
一輝がスタンプにある尻尾の部分のスイッチを押してからレックスバイスタンプをスタンプの上部に読み込ませる。
《バリバリ!》
「はぁ……」
そして、スタンプをベルトに押印。その瞬間待機音が鳴り響くと共に一輝の真上に水色の巨大な卵が出てきた。
《バリバリCome on!バリッドレックス!》
「え、嘘。あ、冷たっ!」
すると周囲が凍りついていく。そして、一輝はポーズを取ってから叫んだ。
「変身!」
《バリバリィアップ!》
一輝がスタンプを倒すとスタンプの卵の部分が割れて中から卵の殻を被った青いティラノのような物が出てくる。そして、真上にあった巨大な卵が一輝へと被さった。
「うーわ!エッグい!ふへへ、それっ!」
バイスが興奮気味に卵を殴ると殻がバラバラに砕けて飛び散る。そして、中から紫の素体となったリバイが登場すると飛び散った殻の大半がリバイの装甲として纏われていく。それと同時にバイスもいつも通り実体化して出てきた。
《My name is!仮面ライダー!リバ!バ!バ!バイ!リバイ!リバイ!リバ!バ!バ!バイ!リバイ!》
「グゥレィト!世紀の大傑作!バリッドレックスの誕生だ!」
狩崎がそう言ってテンションを爆発させる。その姿は今までとは違い、カラーリングからピンクが完全に消え去っている。紫を基調としたアンダースーツに水色の角張った戦闘服のような重厚な装甲を身に纏う。ただし、レックス要素は消えてないのか顔はレックスに似せた物になっている。
そしてバイスの方は……レックスゲノムから何も変化が無かった。そのためにバイスは狩崎へと抗議する。
「あれっ?ん?ねぇ、狩ちゃん。ねぇ、これどう言うコトかしら?アタシ何も変わってないんだケド!」
「君は前にジャッカルゲノムをダサいって言ったから今回はお預けだ!」
まさかの狩崎の私怨による未強化オチであった。しかもジャッカルゲノムの事はもうかなり前の話なのだがそれでも根に持っていたらしい。
「嘘でしょヤダなにどんだけー!?ねぇ、メッチャ根に持ってじゃん!」
「大二、さくら!」
「オッケー!」
「ここで一気に殲滅する!」
「ふん。ならコイツでも相手しておけ」
デモンズが手を振るといつの間にか生み出していたギフテリアンが登場。ライブとジャンヌの相手を引き受ける事になる。そして、リバイとバイスは引き続きプラナリアデッドマンと戦う。
「はあっ!」
リバイがプラナリアデッドマンへと突撃する中、バイスは近くに落ちていた卵の殻を発見する。
「およ?これは……なんか使えそうだなぁ!」
それからバイスは糊を手にするとそれで殻をパズルのようにくっつけ始めた。
「ヘイ!大二、空手ガール!これを!」
そう言って狩崎はライブにジャッカルバイスタンプを、ジャンヌにバッファローバイスタンプを投げ渡す。
「え?これ、使って良いの?」
「さくら、やるぞ!」
「オッケー!」
《ジャッカル!》
《バーサスアップ!》
《Overdrive!Power dive!仮面ライダーライブ!ジャッカル!》
《バッファロー!》
《リスタイル!》
《ウエポンポンポーン!ポンポン!》
《リバディアップ!》
「ラブラブ!」
《Ah~!バッファロー!ダダダダーン!》
ライブはジャッカルゲノムに、またラブコフはその姿を黒をベースに赤、黄、緑の模様が入った巨大な乾坤圏に変化。ラブコフバッファローゲノムになる。
「さくら、俺が撹乱するからその隙に!」
「さっきカゲロウ相手に溜めさせられた鬱憤、ここでスッキリするよ!」
ライブは超高速で移動するとギフテリアンを撃ちまくる。ギフテリアンはそれに怯むと数歩下がるが、そこにジャンヌからの追撃も次々と決まっていく。
「これでどうよ!」
ジャンヌが両手の乾坤圏を投げるとそれはラブコフの意志で自在に飛び回りつつギフテリアンを斬り裂き、ジャンヌは徒手空拳となって得意の空手の技を叩き込んでいく。
そしてリバイの方でも戦況に変化があった。プラナリアデッドマンがエネルギーの爆弾を連射したのを見て、リバイが防御姿勢を取る。しかし、それはいきなり割って入った影によって防御された。そこを見ると左腕に水色の卵の殻を合わせた盾……バリッドシールドを手にしたバイスがいる。
「ふへへ、ねぇ一輝!これどうよ?」
「イカしてるぜ、相棒!」
「サンキュー!」
ここからはバイスも加わって二対一だ。リバイが繰り出す拳をプラナリアデッドマンが受ける度にプラナリアデッドマンはダメージを負う。
「ふっふーん。そんな程度の攻撃で私を倒せるとでも……あれ?」
ここに来てプラナリアデッドマンは違和感に気がつく。何故かダメージを受けた体が再生しないのだ。そして、ふと体を見ると傷口が凍りついていた。
「何だと!?」
「お前は再生の時、傷口から破壊された所と同じ細胞を復元して再生している。だったら傷口を凍らせてしまえば良いんだ!」
「お前……クソッ!」
プラナリアデッドマンが反撃しようとするが、それはバイスがことごとく防いでしまう。
「ついさっきまで私相手に手も足も出なかったくせに……」
リバイはバリッドレックスゲノムになる事でフェーズ3とも互角に渡り合えるようになった。これにより、戦力という面でフェニックスはデッドマンズ相手にもある程度は戦えるようになったのである。
「はあっ!」
リバイは氷の礫を連射するとプラナリアデッドマンを貫いていく。そして、ライブとジャンヌの方もそろそろ大詰めとなっていた。
「だあっ!」
ライブからの連続射撃にジャンヌからの重い一撃。二人の連携によって追い詰められたギフテリアン。しかし、ギフテリアンになった人はもう既に助けることはできない。
「犠牲者の魂を救うにはコイツを倒すしかない!」
《必殺承認!》
「大事に決めようか!」
《必殺承認!》
「サクッと倒すよ!」
《バッファロー!リベラルスマッシュ!》
まずはジャンヌが乾坤圏に空間を切り裂く程のエネルギーを高めるとそれを投げつけてギフテリアンを空間ごと斬り裂く。
そして、ライブは跳び上がるとライダーキックの体勢へ。それから超高速での連続キックを行う。
《ジャッカル!ジャスティスフィニッシュ!》
そして、ライブの技が終わると同時に切り裂かれた空間が元に戻り、ギフテリアンは爆散する。
場面は戻ってリバイとバイスへ。リバイが氷を纏わせた拳でプラナリアデッドマンを攻め続ける。更に、バイスも格闘戦で攻撃を続けた。
「良し、これを使ってみるぞ!」
それからリバイはスタンプを一回倒してからブラキオバイスタンプを出すとそれを読み込ませる。
《バ!バ!バリ!バ!バリ!バーリバリバリ!》
《オーオー!》
再度もう一度スタンプを倒すとバリッドレックスの真の力が発揮される。
《リボーン!オーオー!バリバリスタンプフィーバー!》
すると目の前に巨大なリバイスブラキオが出現して咆哮を上げた。プラナリアデッドマンはリバイスブラキオを攻撃しようとするが、その質量と体格差からそう大したダメージを与えられず。逆に長い首による薙ぎ払いで吹き飛ばされてしまう。
「うぉおお!すっげぇ!リミックス、頑張って良かったぁ!」
「バリッと行くぜ!」
リバイはスタンプを一回倒すと待機音が鳴り響く。プラナリアデッドマンは何とか立て直そうとしていた。
《バ!バ!バリ!バ!バリ!バーリバリバリ!》
しかし、リバイはもう一度スタンプを倒すと冷気によって周囲が暗くなっていく。そして、リバイが跳び上がると錐揉み回転しながらライダーキックの体勢へ。
「クソッ!」
プラナリアデッドマンは逃げようとするが、それを見たバイスが足止めする。
「逃がさねぇよ!」
そして、リバイから冷気が放たれるとプラナリアデッドマンを氷漬けに。そのままライダーキックを放つ。
《バリッドレックス!フィニフィニフィニッシュ!》
「はぁーっ!」
その一撃は氷ごとプラナリアデッドマンを粉砕し、再生させる間もなく爆発を起こさせた。
「「世界は……俺達が整える!」」
すると爆発の中からカウンが倒れ込む。どうやらプラナリアの生命力で完全粉砕までには至らなかったようだ。
「くっ……貴様……」
「やれやれ。ここは退く時ですね」
デモンズはまるで他人事のように言い放つとカウンを連れて撤退する事になる。リバイは変身解除するとバイスと共に笑い合った。
「やったな。バイス」
「ああ」
こうして、デッドマンズによる二度目のスカイベース襲撃は終わりを告げた。しかし、まだまだ戦いが終わることは無い。一輝達はそれを頭に入れつつ勝利の余韻に浸るのであった。
バイスタンプラリー
十八話目……バリッドレックスバイスタンプ
また次回もお楽しみに。