仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

68 / 300
犯人の想い 混ざる二つの遺伝子

大二が足止めを喰らっていた頃、一輝達は光陰階段の所属する事務所の社長と共に例の街ロケの方に移動をしていた。そこでは出てこれない光陰階段の二人の代わりに両翼の翼の二人が出ている。

 

「光村さん、陰野さん……。やっぱり出てきませんか?」

 

「はい……まだ恐怖でいっぱいだって……」

 

「………俺が説得しに行きます。二人の住所を教えてください」

 

「ですが……」

 

富永は迷っていた。光陰階段の二人を無理にでも連れてくるべきか、それとも彼等の気持ちを汲んでこのまま両翼の翼の二人にロケをやらせるべきか。

 

「私は……どうしたら……」

 

「……富永さん。富永さんは光陰階段のお二人をどう思っていますか?」

 

「え……」

 

「俺にはあなたが光陰階段のお二人を大切にしている事……よく伝わってくるんです」

 

そう言う一輝の声は真剣だった。根拠はない。それでも一輝は光陰階段の二人を信じているような声色だ。

 

「俺だってお二人が心配です。デッドマンズに負けて欲しくないって思ってます。だから、自分の気持ちをぶつけます。だからお願いします」

 

一輝はそう言って富永に頭を下げる。そこまでされては富永も頷くと二人の住所について伝える事にした。それから一輝は走っていく。

 

すると現場の様子を見に来たさくらとバッタリと出会う。さくらは驚きの声を上げた。

 

「一輝兄!?どうして……」

 

「さくら。俺の代わりに……さんを見張ってくれ。恐らく俺が離れた今がチャンスだと踏んで動くはずだ」

 

それを聞いてさくらは頷く。そして、一輝はさくらと入れ替わるように走っていった。

 

一輝が富永から教えてもらった光村の住所に向かうとインターホンを押す。すると扉が開いて光村と陰野が揃っていた。

 

「一輝さん」

 

「どうして」

 

「……やっぱり。スタジオに近い光村さんの家にお二人が揃っていると思っていました」

 

一輝からの言葉を聞いて二人は驚く。まさか一輝に自分達が揃っていると思っていなかったからだ。

 

「お二人共、怪物に狙われて怖い気持ちはわかります。……富永さんはお二人を心配されていました」

 

「そんな事わかってるよ」

 

「俺達だって富永には迷惑をかけてるってわかってる」

 

「……富永さんは昨日社長にお二人の休暇を提案していました」

 

一輝は二人を説得するために富永から聞いた話を出す事にした。しかし……。

 

「そんな事言われたって……」

 

「怪物に狙われて俺達は殺されるかもしれないのに」

 

「……それは無いです」

 

「「……え?」」

 

一輝はこの時点で確信していた。犯人の真の狙いに。それから一輝は自分の中の推測を二人に話す事になる。

 

同時刻。街ロケの方では両翼の翼の二人がスタンバイをしており、そのままロケも始まってしまう。そんな中、富永が社長へと光陰階段の事を話そうとする。

 

「社長……光陰階段のお二人ですが……」

 

「光陰階段?アイツらクビだよクビ!こんな大事な時に引っ込んでしまって。しかも問題ばかり起こすような奴らうちには要らない。これからは両翼の翼の成長に力を入れる事にしよう」

 

社長の言葉に富永は愕然とした。このままでは本当に光陰階段の二人が解雇されかねない。富永は胸が締め付けられる思いと共に人気の無い場所に一旦移動すると二つのバイスタンプを取り出す。

 

「このままじゃ……お二人が芸能人としていられなくなる……私が何とかしないと。お二人を……守らなきゃ」

 

《デンキウナギ!》

 

《トリケラ!》

 

それから二つのスタンプを自らに押印しようとしたその瞬間、さくらが声を上げた。

 

「ダメ!」

 

「………どうして、どうして私だと……」

 

「バイスが全部見ていたよ」

 

さくらがガンデフォンを取り出すとその中にバイスが飛んできて映像に映る。

 

「はーい!バイスちゃんでーす!さっき一輝と話していた時にあなたの鞄の中に乗り移ってましたー!」

 

実は先程、富永が関谷に呼ばれた際にバイスを憑依させたレックスバイスタンプを押していたのだ。これにより、バイスは鞄の中に潜むと二人の話を気づかれずに聞く事に成功していた。

 

「ふへへ。一輝はちゃんと気がついていたぜ」

 

「一輝兄、あなたが仕掛けたトリックに気が付いてたよ。あなたが一輝兄に見せた映像……あそこには二人の人間がいた。当然よ。あずきもちの二人がいるんだから」

 

そこまで聞いたところで富永はハッとする。完全にバレたと思い至ったのだ。

 

「でもあの映像には人の影が三人分いた。……その影はデッドマンが生み出された二人の後ろに重なってる。その幻の三人目がスタンプを押印した犯人でしょ。そしてその人に迷惑がかからないようにあなたはその人を動画から削除した」

 

「……お見事です」

 

カラクリはこうだ。富永があずきもちと第三者に相談して協力を取り付ける。それから富永があずきもちの二人の後ろから第三者が押印する動画を撮り、その第三者を後から消す作業をしてから一輝に見せたのだ。

 

「ただ、一輝兄でもその第三者までは目星が付かなかったけど……」

 

「あ、それも俺っちわかっちゃってるもんね!」

 

バイスがその人物について声を上げようとすると一人の女性がやってくる。

 

「それは私よ」

 

そこに来たのは両翼の翼のマネージャー。関谷だった。関谷は富永の隣に並ぶと事情を説明する。

 

「この子、私にも話を持ち込んできてね。この子は光陰階段の二人を助けるためにデッドマンズに手を貸したのよ」

 

「ここ最近光陰階段のお二人を悪く言う人が増えてきて……光陰階段のお二人は頑張ってるのに……。確かに昔と比べて態度が悪くなったのは本当かもしれない。でも、お二人は努力したおかげで今回の優勝も取れたんです」

 

富永は光陰階段の二人が大好きだったのだ。光陰階段の二人が努力してきたのに外野から悪く言われるのが気に入らなくて。二人を守るためにデッドマンズの力を借りた。だが、それは逆に光陰階段を追い詰める事になってしまう。

 

次第に光陰階段を守りたい気持ちと光陰階段を追い詰めているという罪悪感という二つの感情の板挟みになってしまっていた。

 

「もうこんな事はやめてください。そうすれば……」

 

「そうよ。今ならやめられるわ」

 

そう言ってさくらと関谷が富永を説得しようとする。しかし、富永の気持ちを制御する事は不可能だった。

 

「……もう、もう全てが遅いの。光陰階段のお二人はクビにするって社長は言った。こうなったら……全てをメチャクチャにするの!」

 

そのまま二つのスタンプを自らに押印する。その瞬間、後ろに二体のデッドマンが生まれる。更にもう一回スタンプを押すと上級契約を二体同時に発動した。

 

その瞬間、富永の体が二体分のデッドマンの赤い契約書に包まれていくとその姿を変化させていく。下半身は爬虫類のような鱗に覆われたオレンジの脚に腰からは昆虫の蜂の腹のような緑のパーツが生えている。上半身はヌメヌメとしたボディに上からコートを着ており、両腕には鞭のようなウナギの体が巻き付く。頭部はトリケラデッドマンフェーズ1のようなトリケラの頭に三本の角が生えて左手には盾を、右手には槍を手にしている。

 

このデンキウナギとトリケラの力を融合させたデッドマンに名前を付けるとすればキメラデッドマンとでも言うべきだろうか。

 

「もう……全てをメチャクチャにするの……あの二人を救うためなら何だってしてやる!」

 

「やっばぁ……私今ベルト持ってない!しかも大ちゃんは足止めされて来れないらしいし……」

 

すると光が走ってくるとさくらに狩崎が再調整を施したベルトを投げ渡す。

 

「さくらさん!狩崎さんからです!」

 

「ナイスタイミング!」

 

さくらが構える中、キメラデッドマンは暴れ始めるとロケの邪魔をする。

 

「私を無視しないでよ!」

 

さくらが止めようとするとさくらの前にフリオが現れてさくらを邪魔しにかかった。

 

「二つのデッドマンと同時に上級契約とはなかなか面白い進化を遂げてるな……。ひとまず俺はこの女を足止めするか」

 

《ウルフ!》

 

フリオはその姿をウルフデッドマンへと変化させる。そして、銃を撃ちまくった。

 

「フォ——————ッ!」

 

「変身!」

 

《コブラ!》

 

《リベラルアップ!》

 

《仮面ライダー!蛇!蛇!蛇!ジャンヌ!》

 

「いけーラブ!」

 

ジャンヌとウルフデッドマンが交戦を開始する中、ガンデフォンで話を聞いた一輝は光陰階段との話をつける。

 

「わかりました!」

 

「……そう、だったのか」

 

「富永が犯人……」

 

二人は少なからず動揺していたが、それでも犯人の狙いに気がついて安堵した表情になっていた。

 

「……富永さんはお二人が活躍するのを心の中では望んでいます。だから、一歩を踏み出してください」

 

「……でも、俺達のせいで富永は」

 

「苦労ばかりかけてしまって」

 

「大丈夫です。富永さんならきっと受け止めてくれます。だから……お願いします」

 

そう言って一輝は困っている人々を救うべく現場へと走って行く。残された二人は富永との出会ったあの日を思い出した。

 

(回想)

 

「富永真由です。今日からお二人のマネージャーとなります。よろしくお願いします!」

 

そう言って頭を下げる富永からは希望に満ち満ちた輝きを感じ取れる程であり、そんな彼女を見て二人は元気を分けられた気がする。

 

「光村亘です」

 

「陰野智です」

 

「「これからよろしく」」

 

三人はそれから一丸となって漫才を楽しみながら努力を重ねた。そして、その末に光陰階段はベスト・オブ・コントで優勝する事ができたのだ。

 

「やったぁ……」

 

その優勝を本人達よりも喜んでいたのは富永であったと二人は思い出す。

 

(現在)

 

「……やっぱり俺達はまだまだだな」

 

「こんな所でめげてしまって……。富永が苦しんでいたのにそれを俺達は……」

 

「行こう、陰野」

 

「ああ。あの時分けてもらった笑顔今度は」

 

「俺達がわけるんだ!」

 

二人は頷くと一輝の後を追うように街ロケをやっていた現場に向かう事になるのだった。

 

街ロケの場所ではキメラデッドマンの登場により撮影は中止。人々が逃げ惑っていた。

 

「く〜。一輝さえいれば俺っちも外に出られるのに!!」

 

バイスはその様子をただ見守るだけしかできずに悔しそうな顔つきをしている。するとそこに一輝がようやく到着。光へと事情を聞いた。

 

「富永さん……」

 

「一輝、待ってたぜ!」

 

「ああ……。沸きまくって来たぜ!」

 

《レックス!》

 

《Come on!レ・レ・レ・レックス!》

 

「変身!」

 

《バディアップ!》

 

《オーイング!ショーニング!ローリング!ゴーイング!仮面ライダー!リバイ!バイス!リバイス!》

 

一輝とバイスは仮面ライダーに変身するとキメラデッドマンへと立ち向かっていく事になる。




また次回もお楽しみに。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。