仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

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二十二話目
光と影のバランス 入れ替われない二人


エビルが暴走したその時、ウィークエンドの拠点ではギフが鼓動を放っていた。それを見た赤石は笑みを浮かべる。

 

「ふはははは!仮面ライダー達はなかなか良い働きをしてくれる。ギフ様の力は徐々に高まり、悪魔達の力も更に増大する!」

 

赤石がそう言っていると戻ってきたアギレラ、フリオ、オルテカの三人はそんなギフを見て確かな力の高まりを感じた。

 

「確かに力が漲りますね」

 

「ギフ様の影響で俺達の力も上がっているということか」

 

「早く目覚めないかな〜ギフ様」

 

そして、オルテカは赤石の元に行くと自らが持っていたデモンズドライバーを差し出す。

 

「赤石長官、今こそデモンズの力を更に引き出す時です。博士にデモンズドライバーの改修を頼みたいのですが」

 

「ああ。ならば博士にこのドライバーの中に潜む悪魔の力を最大限に使ってもらえるようにドライバーの力を高めてもらう」

 

そう言って赤石はオルテカからドライバーを預かるとそのまま奥の部屋へと入っていく。そんな中、フリオは不満そうな顔つきとなっていた。

 

「何故オルテカばかりがデモンズドライバーを……」

 

「フリオ、こればかりは長官の考えよ。諦めなさい」

 

「アギレラ様がそう仰るのでしたら仕方ありませんが……」

 

フリオはアギレラに宥められても尚、未だに中々納得できるような心境にはなれない。だが、実際問題デモンズドライバーの中に潜む悪魔がオルテカを気に入っている以上は使用者はオルテカで確定してしまっているのだ。

 

「とにかく、今はギフ様の復活を……」

 

するとそこにかなりダメージを受けてボロボロのライヤとカウンが戻って来た。

 

「お前ら、どうしたんだ?」

 

「カゲロウの奴が……」

 

「とんでもない進化を遂げやがった」

 

それから二人はイーヴィルエビルの事を他の四人へと話すとエビルのパワーアップを実感する。しかし、赤石は余裕そうな顔つきだった。

 

「なぁに、奴が悪魔である以上、ギフ様の力が高まれば暴走は免れない。捨て置けば勝手に自滅する」

 

赤石にそう言われてアギレラ達は納得し、ひとまずはエビルを捨て置いて自滅を待つ事になる。

 

そして、場面は戻り暴走したエビルとその場にやってきた一輝はスタンプを出すと変身した。

 

《レックス!》

 

《仮面ライダー!リバイ!バイス!リバイス!》

 

「うぁああああ!」

 

「落ち着け、大二!カゲロウもだ!」

 

リバイとバイスが二人でエビルを止めようとするが、その力は凄まじく、ただのレックスゲノム程度では相手にすらならないのか圧倒される一方だ。

 

「バイス、これを使って止めるぞ!」

 

「あいよ!」

 

《コング!バディアップ!》

 

《アーム!ストロング!戦いのゴング!鳴らせ!コング!》

 

リバイとバイスは腕力が高いコングゲノムでエビルを拘束して抑えようとする。しかし、エビルは影の中に潜ると二人の影を自在に移動しながら連続で不意打ちを仕掛けて二人へとダメージを与えた。

 

「ぐあっ!?」

 

「のわっ!!」

 

二人は倒れるとエビルは更に斬撃波を放つ。それを見たリバイはバイスの目を見るとバイスはリバイがやる事を理解して頷く。そして、二人は同時に地面を殴るとその衝撃波で斬撃波を相殺。その場に煙幕を張るとリバイはゲノムチェンジ。

 

《バディアップ!プテラ!Flying by!Complete!》

 

リバイがプテラゲノムになると赤いエネルギーを纏いながら超高速で突撃し、何とかエビルブレードに装填されているスタンプを引き抜くと変身を強制的に解除させる。するとカゲロウの姿で変身解除し、カゲロウは疲れからかその場に膝をついた。

 

「大丈夫か?大二、カゲロウ」

 

「ああ……すまないな、お兄様」

 

「兄ちゃんのおかげでカゲロウを止められた。ありがとう」

 

そう言って大二がカゲロウの中から声を上げる。それからカゲロウは大二と変わろうとした。

 

「ちょっと今回は流石に疲れた。大二、交代を……」

 

しかし、カゲロウが大二と交代しようとしても全く変わる様子は無い。それを見て不審に感じた一輝が声をかける。

 

「カゲロウ?どうしたんだよ、大二と交代するんじゃないのか?」

 

「それができねーんだ。どんなにやろうとしても交代ができない」

 

「ええっ!?」

 

どうやら今、カゲロウがどんなに大二と変わろうとしても不可能なのか交代ができなくなってしまったのだ。

 

「どうしてなんだよ」

 

「まさか、そのスタンプに何か特別な力でもあるのか?」

 

「知るかよ。俺に聞かれたってこれを作ったのは狩崎の奴なんだから」

 

バイスがガンデフォンを通して出てくると質問する。しかし、カゲロウは知らないと言った様子でのんびりとしていていた。すると場に居合わせた光が目を覚ますとガンデフォンに着信が入り、狩崎達からの指示を話した。

 

「狩崎さんや総司令官から一旦スカイベースに戻るようにと指示だ。さくらさんも向かっているらしいです」

 

「呼び出しか」

 

「そのようだなぁ」

 

それから三人が移動してスカイベースに戻ると狩崎と若林が待っており、まず初めに狩崎が口を開く。

 

「ヘーイ、ひとまずはカゲロウくん、生存おめでとう。私の見込みだと君は消えてしまう運命だったからね。だが、君と大二君の固い絆のおかげで生き残れたようだ」

 

「はっ、それで?結局あの暴走は何だ?まさかと思うが欠陥品のスタンプじゃねーんだろうな?」

 

カゲロウは狩崎へと文句を言う中、大二や光が宥める。狩崎はそんなカゲロウの質問に答える事にした。

 

「恐らくアレは君だけの力が強くなったからだよ」

 

「……は?」

 

カゲロウが意味がわからずに混乱する中、狩崎が説明の続きを行っていく。

 

「本来君達はどちらかが消えてそのスタンプの中に封印される事で正のパワーと負のパワーのエネルギーのバランスを取るはずだったんだ。しかし、君達はあの土壇場で更に一心同体となった。その影響で封印が発動せずに二人共が生き残ることに成功。したのは良かったんだけどね。そのせいでバランスを取るための機能が不十分になってしまった」

 

要するにカゲロウこと大二の中の闇のみが強くなった事で大二の光とのバランスが取れなくなってしまったのだ。そして、そこに付け込むようにギフの鼓動が重なってカゲロウでさえも制御しきれずに大二を巻き込んで暴走する結果となった。

 

「ふーん。あれ?でもそれと大ちゃんとカゲちゃんが入れ替われない理由とどう関係があるの?」

 

「理由としてはカゲロウの力が圧倒的になったが故に一瞬だけ入れ替わってすぐに主導権がカゲロウに戻ってしまってるという事だろう。入れ替わり自体はできているがあまりにも一瞬すぎてカゲロウのままに見えているだけだと私は考える」

 

しかし、このままでは大二はカゲロウと入れ替わる事ができずにライブが実質機能停止。加えて、エビルも暴走によって強化形態になる際のリスクが跳ね上がる始末である。

 

「どうにかできないんですか?」

 

「方法はあーる!これを使うんだ」

 

そう言って見せたのはイーヴィルウィングバイスタンプに変化する前の原型。クロウバイスタンプだ。

 

「それは……」

 

「エビルの力がこのバイスタンプの力で増大したのならライブの力を同じように増大させて釣り合いをとる」

 

「なるほど、傾けた天秤を水平に戻せば……」

 

「ただし!一つ間違えれば両方消滅のリスクもある」

 

「……え?」

 

スタンプを手にしようとしたカゲロウからスタンプを引くと一輝にスタンプを渡した。

 

「今言ったようにこのスタンプはライブの力を強くするための物だ。今エビルサイドであるカゲロウが強く出ているままだとまたエビルの力を増大しかねない。つまり、ライブである大二君が表になる瞬間にこのスタンプを使わなければならないんだ」

 

「でも、現状では大二が表に出られないんですよね?どうすれば……」

 

「そこまではこの私でもわからない」

 

「ダメじゃん!」

 

正に手詰まりとも言えるこの状況。打開策も意味を成さないのではどうしようもならない。

 

「……何かしらのキッカケさえあれば恐らくできるんですよね?だったらカゲロウことエビルにライダーキックを当てれば……」

 

光からの提案に一輝とさくらは確かにそれなら上手く行くと考える。だが、狩崎の考えは違った。

 

「確かにそれなら上手くいくとは思う。それでもイーヴィルエビルの出力はリバイのバリッドレックスを遥かに上回る。果たして暴走状態のイーヴィルエビルに上手く決められるか……」

 

「とにかく、今は可能性ばかり話していても仕方がない。五十嵐一輝、機会ができ次第実行しろ」

 

若林からライダーキックの指示が入り、方針が決まったところでその場は解散となる。それから一輝、カゲロウ、さくらは幸せ湯に戻るとまた元太が限界突破のチャレンジに挑戦していた。

 

「お、おかえり一輝、大二、さくら」

 

「えっと……何してるの?」

 

三人が元太の方を見ていると何故か逆立ちをしており、その状態で真下にお菓子が置いてある。

 

「何って、逆立ちしたままお菓子を何個食べれるかのチャレンジだよ」

 

「……くだらね」

 

「はぁ……」

 

カゲロウはこの元太のチャレンジをくだらないと切って捨て、さくらは呆れる始末である。

 

「取り敢えず、どうにかしてカゲロウから大二を引き出せないか俺達もやってみようぜ」

 

「良いけど……どうするの?」

 

「取り敢えず腹ごしらえだ。あのカレー寄越せ」

 

「アンタはそれしか食べたい物無いわけ?」

 

カゲロウにそう言われてさくらは苛立つがカゲロウは普段大二の中に潜むばかりなので自ら食す事はあまりしない。よって、食べたいと言うのも無理は無いだろう。

 

「あ、俺っちの分も!」

 

「何でバイスも食べたがるんだよ」

 

「だってぇ!前の時は目の前で美味しそうに食べてたし!食べたくなるのも仕方ないだろ!」

 

バイスもバイスで食べたそうにしていたのでひとまずさくらは台所へと行き、その間に色々とカゲロウを元に戻せるか試してみた。しかし、どれも効果は無く結局はライダーキック以外では強制的に戻す事はできないのだと思い至る事になる。

 

「ダメだ……やっぱり上手くいかない」

 

「というかカゲちゃん、普段大ちゃんとどうやって入れ替わってるの?」

 

「あ?そんな事言っても俺が勝手に入れ替わってるだけだしな。特にやり方とかは考えてない」

 

「「………」」

 

さくらの辛口カレーを頬張りながらそう言うカゲロウに一輝達は打つ手が無いのだと思い知った。ちなみにバイスも隣で美味しくカレーを食べているが、その口元があまりにも怖い絵面のために一輝とさくらはドン引きする始末である。

 

「ふへへ、初めての食事は美味いぜ!」

 

「ああ、脳が痺れてきやがる!」

 

バイスとカゲロウがカレーを堪能する中、一輝とさくらは前々から気になっている事を話していた。

 

「そういえば、どうしてここ最近悪魔達の力が増してるんだろ」

 

「ラブちゃんもそうだったんだよね」

 

「それはギフの影響だと思います」

 

するとそこに光が入ってきた。二人はいきなり現れた光に驚く中、光は二人に一度断ってから話を続ける。

 

「あ、急にお邪魔してすみません。狩崎さん曰く、ギフの力の増幅がそのまま悪魔の強化につながっているのだそうです」

 

「アギレラやオルテカも同じような事を言ってたような……」

 

「とにかく、今は大二とカゲロウを元に戻すことが先決だな」

 

一輝にそう言われて二人が頷くとバイスとカゲロウが食べ終わり、皿を同時に机に置くのだった。




また次回もお楽しみに。
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