数時間後、ウィークエンドの拠点ではオルテカが赤石からデモンズドライバーを返してもらっていた。
「感謝しますよ。赤石長官」
「ああ、君の働きには期待している。そのドライバーの中にいる悪魔の力を十分に引き出して戦えば良い」
「アギレラ様。カウンを借りますよ」
「わかったわ」
「って、私?」
「えぇ」
それからオルテカはカウンの手を無理に掴むとそのまま引っ張っていく。それをアギレラは手を振って見送った。
「……何故カウンを?」
「さぁ?オルテカにはオルテカの考えがあるんじゃないのか?」
「……理由は単純だろう。プラナリアデッドマンの特性、分裂能力を使い数で攻めるつもりと見る」
忘れがちだが、プラナリアデッドマンには分裂増殖能力があるために生半可な攻撃だとただいたずらに分裂と増殖を促進させるのみだ。そして、数で攻めるのもエビル/ライブが戦力にならないこの瞬間を狙うつもりだろう。
その頃、幸せ湯の方では一日経っても結局大二とカゲロウは元に戻らずにまだカゲロウの状態だった。
「やっぱり寝ただけじゃあ元には戻らないよな……」
「どうすれば良いんだろ……これ」
二人共完全にお手上げ状態である。しかも問題はもう一つ有り、狩崎曰くこのまま入れ替われないままだと大二は餓死してしまうそうだ。
「大ちゃんがご飯を食べられないとなると……」
「カゲロウ共々消えてしまうなんて……」
早い所打開しなくてはならないのだが、色んな手段を用いてもどうする事もできなかったのだ。このままでは本当に二人共消滅する危険がある。
「だが、現時点でどうしようも無いんだろ?だったらジタバタしても仕方ねーんじゃねーのか?」
「何でお前はそんなに冷静なわけ?」
「兄ちゃん、さくら。今の所はまだ大丈夫だからあんまり気負いすぎないでくれ」
「大二……」
するとガンデフォンから着信が鳴るとまた街にデッドマンズが現れたとの事だ。今回はオルテカ、カウンの二人とデッドマンが一体である。
話を聞いた三人が現場に到着するとそこにいたのはダイオウイカデッドマン、プラナリアデッドマン、そしてフェーズ2となった下半身が獣型で体は紫の翼を生やし、両肩には巨大な嘴を持った鳥の頭部のような物に頭にはナースのような帽子。そして体には白衣のようなものを着たハシビロコウデッドマンだ。ちなみにナース姿なのは変身者の信者の特徴のようなものと思われる。
「ようやく来たな。五十嵐三兄妹……今度こそお前らを仕留めてやる」
「焦る必要は無いですよ、カウン。まぁ、仕留めるのには変わりありませんが」
それからダイオウイカデッドマンはオルテカの姿に戻るとデモンズドライバーとスパイダーバイスタンプを取り出す。
「……改修によって進化したデモンズの力……お見せしましょう」
《スパイダー!》
《Deal……》
「変身!」
《Decide up!》
《Deep.(深く) Drop.(落ちる) Danger……(危機)(仮面)rider Demons!》
オルテカはデモンズへと変身すると複眼が光り、威圧感を示す。そして、それを見た三人もベルトを出した。
「カゲちゃん、変身したら……」
「……恐らくただのバットゲノムなら暴走はしない。やるぞ」
「湧いて来たぜ!」
《バリッドレックス!バリバリ!》
《バット!》
《コブラ!》
《バリバリィアップ!》
《バーサスアップ!》
《リベラルアップ!》
「「「変身!」」」
《バット!仮面ライダーエビル!》
《仮面ライダー!蛇!蛇!蛇!ジャンヌ!トリケラ!》
《My name is!仮面ライダー!リバ!バ!バ!バイ!リバイ!》
三人はそれぞれバリッドレックスゲノム、バットゲノム、コブラゲノムにラブコフトリケラゲノムを武装した状態となる。
「さぁ、行きましょうか」
オルテカはリバイ、バイスのコンビと、エビルはハシビロコウデッドマンと、ジャンヌはプラナリアデッドマンとそれぞれ戦闘を開始。エビルがハシビロコウデッドマンに素早い攻撃を仕掛ける中、なかなかハシビロコウデッドマンは反撃をして来ない。
「おいおい、反撃が無いと準備運動にもなんねーなぁ!」
エビルが挑発しても山の如く動かないハシビロコウデッドマン。そんな中、エビルは一気に決めるために必殺技を発動した。
「さっさと終わりにしてやるよ」
《必殺承認!バット!ダークネスフィニッシュ!》
エビルがエビルブレードに必殺のエネルギーを高めるとそのまま斬撃として繰り出す。その瞬間だった。ハシビロコウデッドマンは不動の構えからエビルの攻撃を見切るとカウンターの一撃をエビルの腹に突き出す。そして、それはまるで心臓マッサージのような手の形でその一撃はエビルを吹き飛ばす程だった。
「ぐああっ!?」
「カゲロウ!?」
「ふっ、やはりあのデッドマンを甘く見ましたね」
デモンズはしてやったりとばかりに笑みを浮かべる。それに対してジャンヌが疑問をぶつけた。
「どう言うことよ!」
「あのデッドマンは獲物を確実に仕留めるために敵が隙を作るのを待っていた。そのタイミングでカウンターを決めたまでの事。まるでハシビロコウのようにね」
ジャンヌはそれを聞いてエビルのフォローに向かおうとするが、ジャンヌはプラナリアデッドマンの相手で手一杯。何しろ何回攻撃しても再生してくるのだ。これではキリが無い。
「ちょっとアンタ、どんな生命力してんのよ!」
「あまり私を舐めてもらっては困るんだよ!」
「だったら!」
ジャンヌは大技で決めるためにベルトを起こしてからもう一度倒す。そして、エネルギーを銃口に高めた。
《トリケラ!スタンピングスマッシュ!》
ジャンヌがトリガーを引くと大量の弾丸が連射されてプラナリアデッドマンの体を穴だらけにする。
「これでどうよ!」
「やられたぁ……なーんてね」
だがプラナリアデッドマンはそれでもそう大したダメージにはなってないのか全く意に返さない様子で余裕をかましていた。
「ッ!?」
「ここからは私の反撃の時間だ!」
その頃、デモンズと交戦するリバイとバイスはデモンズからの攻撃に二人で対応しつつ戦っていた。
「「はあっ!」」
リバイとバイスがオーインバスターとオストデルハンマーによる同時攻撃を繰り出す中、デモンズはゲノミクスで対抗する。
《Add……!》
《アノマロカリス!》
《Dominate up!》
《アノマロカリス! ゲノミクス!》
デモンズが両側からの攻撃を両腕に武装を展開。そして攻撃を凌ぐとそのまま二人へとダメージを与える。
「ぐっ……」
「そう何度もやられる私ではありません。それに、真の力を引き出したデモンズドライバーの力の前ではあなた方など敵では無い」
余裕そうな顔つきを浮かべるデモンズ。するとエビルがハシビロコウデッドマン相手にかなり苦戦をしているのかダメージをそこそこ受けている様子だった。
「……バイス!」
リバイがそう言うとバイスは頷き、その瞬間リバイがハシビロコウデッドマンのいる方へ。バイスは一人でデモンズの相手をする。
「ほう?二手に分かれて宜しいので?」
「お前なんか俺っちだけで十分って事よ!」
それから二人は再度戦う中、ハシビロコウデッドマンへと不意打ちでリバイがキックをぶつけるとハシビロコウデッドマンは後ろに下がった。
「おいおい、お兄様、助けてくれとは……」
「今はそんな事を言ってる場合じゃ……」
するとハシビロコウデッドマンは両手に紫の炎を纏わせると炎弾を放つ。それに対してリバイは手から氷のエネルギーを放つと炎と相殺させる。
「がっ!?」
「バリッと、行くぜ!」
そのまま契約解除のためにリバイはライダーキックを放つべくスタンプを二回倒す。
《バリッドレックス!フィニフィニフィニッシュ!》
リバイが跳び上がると体から冷気が発せられると同時にハシビロコウデッドマンが凍結。そのままライダーキックが命中すると信者とデッドマンが分離。そのままデッドマンは火花を散らすと爆散した。
「……何?」
リバイは速攻でデッドマンを倒せた事は喜ばしい事なのだがあまりにもアッサリ倒せたので違和感を感じていた。
「……おかしい……どういう事だ?あまりにも簡単に倒れて……」
するとデッドマンが倒された所から赤いエネルギーがどこかに飛んでいくとその少し後。突如としてバイス、エビル、そしてラブコフが苦しみ始めた。これは悪魔を倒した影響でギフが鼓動を放ったからだろう。
「ぐあああっ……」
「バイス!?」
「ラブ!?ラブゥ……」
バイスやラブコフはいきなり苦しんだ影響で戦闘どころでは無くなってしまう。それだけなら良かったのだが、問題はエビルだ。
「ゔぁあああ!」
すると突然イーヴィルウィングバイスタンプが強制的に出てくるとエビルはその姿をイーヴィルエビルに強化変身してしまう。
《イーヴィルウィング!》
《Confirmed!》
《Wing to fly!Wing to fly!》
《ウィングアップ!》
《イーヴィルアップ!》
《Wrath!Wicked!Warning!イーヴィル!イーヴィル!イーヴィル!イーヴィル!イーヴィルエビル!》
エビルがパワーアップした途端暴走を開始。デモンズやプラナリアデッドマンだけどころか、バイスやジャンヌにも見境なく攻撃を仕掛けていく。
「ねぇ、カゲロウ強すぎない?」
「カゲちゃん……」
「俺が止める!」
そう言ってリバイがエビルを捕まえるが、パワーの差は大きい。すぐに引き剥がされると何度も肘打ちを喰らってから斬撃を命中させられる。
「はあっ!」
何とかリバイはエビルの脚を凍結させようとするが、すぐに破壊されてしまってまるで意味がない。
「だったら!」
《ジャカジャカ!カマカマ!リボーン!》
《ジャカジャカ!カマカマ!バリバリスタンプフィーバー!》
リバイがリバイスジャッカルとリバイスカマキリを召喚するとエビルの注意を少しでも周囲に逸らさせる。
「はあっ!」
更にリバイは跳び上がりつつ氷の礫を連射。エビルの顔面に命中させて怯ませた。
「があっ!」
エビルがそれを喰らって動きを止めたその瞬間、リバイはスタンプを出して再び読み込ませる。
《レクレク!リボーン!》
すかさずリバイは更に必殺技を発動してエビルの足元を凍結させると同時に空高く跳び上がった。
《バリッドレックス!フィニフィニフィニッシュ!》
「はあっ!」
そのキックにリバイスレックスのキックが重なり、威力が増大。エビルへとキックを命中させるとエビルはそれに必死に抵抗。リバイは押し込まれそうになってしまう。
「ぐううっ……」
それを見たバイスはエビルへと走り込む。デモンズがそれを逃すまいと糸を射出する。だがそれはリバイスカマキリが切り裂く。そして、リバイスジャッカルがデモンズへと連撃を叩き込んで下がらせた。
リバイはバイスを見ると手にクロウバイスタンプを出すと同時にそれをバイスに投げ渡す。
「バイス頼む!」
「おうよ!大二、カゲロウ、戻ってこーい!!」
《クロウ!》
《Confirmed!》
その直後、エビルから発せられた衝撃波によってリバイとバイスが吹き飛ばされると同時にエビルは頭を抑えると苦しみ始めた。
「ぐっ!?……がぁあああっ!」
次の瞬間、エビルは火花を散らすとその場に倒れ伏してしまう。
「大二、カゲロウ!?」
「大ちゃん!!カゲちゃん!!」
「嘘だろ!!」
火花を散らして倒れてしまったエビル。果たして、大二とカゲロウの運命は……。
また次回もお楽しみに。