場面は戻ってリバイ達の方へ。サーベルタイガーデッドマンが再度スピードを上げてリバイへと連続攻撃を仕掛ける中、リバイは地面から氷の壁を召喚すると固い守りでサーベルタイガーデッドマンの牙を寄せ付けない。
「ッ!?」
しかし、氷の壁と言えどいつまでも耐えられるわけでは無い。少しずつヒビが入っていくと割れてしまう。そして、そのタイミングでサーベルタイガーデッドマンは襲いかかった。
「今だ!」
リバイはサーベルタイガーデッドマンの攻撃に合わせるように砕かれた氷の破片をサーベルタイガーデッドマンへと飛ばす。
「何!?ぐっ……」
サーベルタイガーデッドマンはそれを喰らって下がり、ダメージを受けた様子だ。
「コイツ、調子に乗りやがって……」
ウルフデッドマンの方ではウルフデッドマンが射撃を放つ中、バイスはそれをオストデルハンマーで跳ね返す。
「なっ!?」
「へーん、俺っちがただ防ぐだけしか脳が無いと思ったら大間違いだぜ!」
バイスが得意げになる中、ウルフデッドマンはスピードを上げる。しかし、以前レックスゲノムでは太刀打ちできなかったスピードでももう今は戦いを重ねて慣れが生じていた。
「ここだ!」
バイスのオストデルハンマーによるカウンターが決まるとウルフデッドマンは吹き飛ばされる。
「どんなもんじゃい!」
プラナリアデッドマンと交戦するジャンヌはプラナリアデッドマンからのエネルギー弾の弾幕を見て鉄扇では不利だと感じ取り、スタンプを取り出すと別の武器を使う事にする。
《バッファロー!リスタイル!》
《リバディアップ!Ah~!バッファロー!ダダダダーン!》
ジャンヌは乾坤圏となったラブコフを盾ように構えると射撃を凌ぐ。それから乾坤圏を投げると同時にプラナリアデッドマンに再生する暇も与えないぐらいの連続攻撃を仕掛けた。
「ちょっ!?待っ!?」
「待つわけないでしょ!」
プラナリアデッドマンは突然の猛反撃に慌てるが、ジャンヌが待ってくれるはずもない。プラナリアデッドマンはダメージこそ再生できても反撃ができないサンドバッグと化してしまう。
エビルもダイオウイカデッドマンを相手に高い機動力で圧倒。伸びてくる触手はことごとく切り落とし、ダイオウイカデッドマンからの攻撃は影分身で躱す。
「どうしたぁ?デモンズにならないとこんな物かよ」
呆れた様子のエビルにダイオウイカデッドマンは苛立ちを覚える。やはりデッドマンの姿よりもデモンズの方が出力が高いためにダイオウイカデッドマンはエビル相手に苦戦する始末だ。
「良し、このまま行けば……勝てる!」
「油断は禁物だよ。奴等が何も手を打たないとは限らないからね」
ただ、現状はリバイ達フェニックス側がデッドマンズを押しつつあるのは間違いない。このまま何も無ければリバイ達は勝てるだろう。
「チッ、こうなったら援軍です」
ダイオウイカデッドマンが指を鳴らすとギフテリアンが二体登場。それぞれダイオウイカデッドマンとサーベルタイガーデッドマンのサポートに回らせる。
「「があっ!」」
「ここに来て増援か……」
「流石に幹部とギフテリアンの両方相手は厄介だな」
「だったらこれで!」
「カゲロウ、ここは交代だ!」
《メガメガ!ライライ!》
《ホーリーウィング!》
《リボーン!メガメガ!ライライ!バリバリスタンプフィーバー!》
《ウィングアップ!》
《ホーリーアップ!ホーリーライブ!》
リバイはリバイスメガロドンとリバイスライオンを召喚するとそれぞれサーベルタイガーデッドマン及びダイオウイカデッドマンと戦わせて時間を稼ぎつつリバイとライブでギフテリアンをすぐに倒しにかかった。
「大二、連携攻撃だ!」
「わかったよ、兄ちゃん!」
ライブはリバイが走り込むのに合わせてホーリーウィングバイスタンプの翼部分を畳むと激鉄を引く。
《ウィンドチャージ!フライングアップ!》
《ネオバッタ!》
《スタンプバイ!必殺承認!》
リバイはネオバッタの力でスピードを上げるとギフテリアンに突撃。更にライブも水色の弾丸のエネルギーを銃口に高める。
《ウイニングジャスティスフィナーレ!》
《ネオバッタ!スタンピングスラッシュ!》
ライブから放たれた水色のエネルギー弾がギフテリアンに命中すると二体纏めてエネルギーの中に閉じ込める。そして、その直後にリバイからの斬撃が決まり、ギフテリアンはあっという間に爆散。最早この二人の前ではギフテリアンはものの数に入らないだろう。ただ、ダイオウイカデッドマンの狙いは足止めとは別で存在したが。
「やった!」
「いや、待て……幾ら何でもアッサリすぎる……」
「まさか!?」
その直後、突如としてバイスが頭を痛め始めると同時にライブも変身解除。理由はカゲロウの力の急激な増幅でバランスが保てなくなったからだ。
「カゲロウ、平気か!?」
「何とかな……だが、こんなのに来られたら俺にはどうしようもできないぞ……」
「バイス!?大丈夫か!」
「頭が……痛てぇえっ!」
そして異変はジャンヌにも。ラブコフが突如として武器化が解けるとジャンヌへと体当たりしてきたのだ。
「ラブ!ラブ!コブッ!」
「え?ちょっとラブちゃん!?」
困惑するジャンヌにプラナリアデッドマンが追い討ちとばかりに射撃を放つとジャンヌは変身解除してしまう。
「うわあっ!?」
「さくら!」
一瞬にして形勢は逆転。まともに戦えるのがリバイだけとなってしまったのだ。
「くっ……」
「さて、そろそろトドメを刺してやるか」
そう言って構えるウルフデッドマン。更に他の三体のデッドマンも四人を取り囲む。
「このままじゃ……」
絶体絶命の窮地に陥る五十嵐三兄妹。しかし、もっと絶望的な何かがやってくる事に。
コツコツという足音を聞いて五十嵐三兄妹に狩崎、光が振り向くとそこに立っていたのは五十嵐元太だった。
「父ちゃん!?」
「……何だよ、そのベルトは」
「まさか、パパも……」
元太が巻いていたベルトはデモンズドライバーの色違いであり、そしてそれはベイルが乗り移ったドライバーでもある。
「……五十嵐三兄妹にトドメを刺すのは俺だ。余計な事はしないでもらおうか」
その声は元太では無くベイルの物となっており、これは元太がベイルに乗っ取られてしまったという事に他ならない。
「元太さん……何を言って……」
すると元太はカブトムシの意匠が入ったバイスタンプを取り出すとそれを押す。
《カブト!》
それからすかさず元太はスタンプをベルトの朱肉に押してから液晶部へと押印。それからポーズを取る。
《Deal……》
「……変身」
その瞬間、無かったはずの元太の心臓が生成。そして、ベルトから金色のカブトが飛び出すと元太の周りを旋回。更に元太の背からは鼓動のような赤い光が瞬く。同時に赤い目がついた赤黒い闇が出現すると元太を一気に呑み込んだ。
《Bane Up!》
《破壊!(Break)世界!(Broke)奇々怪々!(Broken)仮面ライダーベイル!》
そして闇の中で装甲が生成されると最後に元太の右側からカブトが取り付き、角の部分が顔の左側に合体すると変身を完了。
その姿は全体的に将校の軍服にも見えるようなミリタリー風のデザインで、カブトムシが右肩から抱き着いているかのようだ。カブトの翅にあたる部分が肩から伸びる半透明の外套があり、複眼にあたる部分はガスマスクの形をしている。こうして、五十嵐元太は仮面ライダーベイルへと変身を遂げた。
「嘘だろ?」
「こんなことが……」
ベイルとなった元太はゆっくりと三兄妹へと歩み寄る。するとその様子が気に入らないのかサーベルタイガーデッドマンやプラナリアデッドマンが前に出た。
「おい、後からノコノコ出てきておいて手柄を横取りかよ」
「流石に見過ごせないな」
「ふん。お前らこそ俺の邪魔をしようものならどうなっても知らないぞ?」
そういうベイルは余裕そうな声色であり、挑発に乗った二人はまず小手調べとしてギフテリアンを呼び出す。
「……いかにも小物だな。自らの手を汚さず俺に勝てるとでも?」
次の瞬間、ベイルの姿が揺らいだかと思うとギフテリアンの前に移動。そのあまりの速さに瞬間移動と見間違える程だった。
「なっ!?」
次の瞬間、ベイルが拳を突き出すとその衝撃波でギフテリアンは一瞬にして吹き飛ばされる。
「「がっ!?」」
そして、ギフテリアンの中の一体の頭部を掴むとそのまま持ち上げた。ギフテリアンはたったそれだけで赤黒い電流の流しつつ苦しみ始める。その直後、ギフテリアンは粉々に爆散。
「ギフテリアンを……あんなにアッサリと……」
更にベイルはもう一体の方を向くとギフテリアンは尻尾を伸ばして攻撃するが、それをベイルは軽々と掴むと粉砕。
「……失せろ」
ベイルはまたギフテリアンの前に瞬間移動すると拳を突き出した拳圧でギフテリアンを壁に叩きつけさせる。
《カブト!》
ベイルはギフテリアンにトドメを刺すためにスタンプを押すとベルトに押印。それから両側を押し込む。
《Charge!》
《ベイリングインパクト!》
音声と共にベイルが拳を連続で叩き込む。ただし、直接当てずに発生する拳圧のみでダメージを与えていたが。それでもギフテリアン相手にはオーバーキルなのか、一瞬にしてギフテリアンは爆散して撃破される。
「………」
それからベイルは“まだやるか”と言わんばかりにデッドマンズの方を向くとデッドマンズは仕方ないとばかりに全員が撤退。その場には五十嵐三兄妹とベイル、狩崎や光が残されるばかりとなった。
「さて、ようやくお前らを始末できるな」
それからベイルはリバイや大二、さくらへと攻撃しようと近寄る。それを見たリバイは二人を守るように構えるがベイルが瞬間移動し、リバイの頭を掴む。
「がっ!?」
「……お前も仮面ライダーになったのか……坊主!」
リバイはそれを聞いた途端突如として変身解除。そして、何かを思い出すと頭を抑え始める。
「うぁああっ!?」
「一輝兄!」
「兄ちゃん!」
「やめろ一輝!思い出すな!」
しかし、もう一輝の記憶の再生は止まらない。そして、ベイルはそんな一輝にトドメを刺そうとする。そんな様子を見た大二とさくらは一輝を庇うように前に出た。
「やめてくれ父ちゃん!」
「パパ!やめて!」
「……これがお前の欲しかった家族か」
ベイルはそう言ってくだらないとばかりに手に赤黒いエネルギーを集約するとそれを放とうとする。
「消えろ」
それを見て大二もさくらも目を閉じ、死を覚悟した。その時、ベイルの左手が勝手に動くと右手を掴む。
「なっ!?貴様っ!」
「ベイル、俺の家族に……手を出すな!」
ベイルはそれを聞いて苛立ちを露わにするとそのままどこかへと飛び去ってしまった。
「パパ……」
「何なんだよ、アレは」
「元太さんが、仮面ライダーだったなんて……」
「まさかこのような事になるとは」
一輝以外の四人が口々にそういう中、一輝は一人封じられていた記憶を思い出す。そしてそれは長い事忘れていたはずの過去の記憶だ。
「……大二、さくら、全部……全部思い出した」
一輝達は光や狩崎と共に幸せ湯に戻ると一輝は一旦バイスをレックスバイスタンプを使い呼び出す。
《レックス!》
「……一輝」
「バイス、全部思い出した。……あの日の事、話しても良いよな?」
「わかった」
バイスの了承も得た所で一輝は他の面々に話し始めた。自らの過去の記憶を……。
また次回もお楽しみに。