仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

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デッドマンとの交渉と怒れる兄

ウルフデッドマンが手にした銃をリバイとバイスに向けるとすかさず放ってくる。咄嗟に二人はそれぞれリバイスガッシャーとシールドで防ぐ。

 

「くっ……」

 

「オラよ!」

 

その瞬間ウルフデッドマンは素早い動きで二人を次々と殴り飛ばす。そのスピードはまるで今までのデッドマンとは格が違った。

 

「何!?」

 

「なんかコイツ、速くない!?」

 

「俺達はギフテクスと言ってなぁ。普通のデッドマンとは格が違うんだよ」

 

ギフテクス。それはデッドマンの中でも上級位の存在である。人間から分離した普通のデッドマンはフェーズ1。その状態で上級契約を結び、フェーズ2となった上である条件を満たす事でフェーズ3……ギフテクスへと至れるのだ。

 

「見せかけの幸せも終わりだぁ!フォー!!」

 

ウルフデッドマンは叫ぶとリバイとバイスと戦いを始める。二人は何とか対応しようとするものの、まだまだ戦闘経験が豊富とは言えない二人ではフェーズ3ことギフテクスには敵わない。

 

「おらおらおらぁ!」

 

ウルフデッドマンからの素早い攻撃に加えてプテラデッドマンからの斬撃攻撃。二人のデッドマンからの波状攻撃を前に二人は押され続ける。

 

「一輝、どうにかする方法は無いの!?」

 

「あったらとっくに伝えてるよ!」

 

二人が揉めながら戦闘を続けると突然フリオが攻撃を一時的に止めた。

 

「お前らでは俺には勝てないだろうが、より確実な方を選ぶか」

 

「何の事だよ」

 

リバイの質問にウルフデッドマンは笑いながら質問の答えをリバイスへと返す。

 

「お前の持つバイスタンプを渡せ。そうすれば人質の二人は解放する」

 

そう言ってウルフデッドマンはリバイが装填しているマンモスのバイスタンプを銃で指差す。

 

「そんな事、許す訳……」

 

「許すね。何しろ、こっちには人質がいるんだからよ」

 

「ッ……」

 

そう、ここで忘れてはならないのが人質の存在だ。工場の奥には不審者がさくらと彩夏を人質として取っている。下手に戦えば人質の命は無いだろう。

 

「二つに一つだ。スタンプを渡すか……妹が死ぬか」

 

「一輝、ここは家族を救うためにもスタンプを渡すのが正解なんじゃないのか?」

 

「……多分それが一番早い。でも、アイツがそう簡単に約束を守るとは……思えない」

 

最悪なのはスタンプだけ取られて人質をそのまま取られ続ける事。そうなってしまえば形勢は一気に向こうに傾く。リバイが悩んでいると突然大二がどこかへと走っていった。

 

「ああ!大二!逃げたな!」

 

するとプテラデッドマンが上空からエネルギー弾を放ちつつ、高速で滑空して斬りつけてくる。

 

「空からの攻撃が厄介すぎる……」

 

「もうさっさとスタンプ渡そうぜ。そうすれば……」

 

「そうそう。妹が可愛いのならスタンプを渡す事をお勧めするよ」

 

ウルフデッドマンがそう言ってリバイにスタンプを渡すように迫る。そんな様子を見ていたヒロミ達はリバイ達がデッドマンズを引きつけている今がチャンスとばかりに裏手から侵入を試みた。

 

「光、今のうちに囚われた人質を解放する」

 

「はい」

 

しかし、そこにもギフジュニアが揃っており、仮面ライダーでは無いヒロミ達では圧倒的に不利だ。

 

「くっ……せめてギフジュニアがいなければ……」

 

「強行突破です。誰か一人でも中に入れれば……」

 

「落ち着け光、そんな事をして中に敵がいないとは限らないだろ」

 

ヒロミは先走ろうとする光を落ち着かせつつ様子を伺う。もし外のギフジュニアを突破したとして中にも誰かしらの敵がいればあっという間にやられてしまう。そこでヒロミは慎重に攻撃の隙を伺う。しかし、なかなかギフジュニアは隙を見せてくれず、突破のタイミングが掴めない。

 

「くそっ、五十嵐の奴……何やってるんだよ。仮面ライダーになった兄も、ビビった弟も、力不足のくせに……何が仮面ライダーの資格があるだ。こんなのおかしいだろ」

 

光が中々状況を打開できない二人への苛立ちを募らせる中、ギフジュニアの中の一体がこちらへと向かってくるのを確認。ヒロミ達のあいだに緊張感が高まっていく。

 

「光、もしバレたらお前の作戦で行く」

 

「ッ!良いんですか?」

 

「ああ。バレたらどちらにしても強行するしかない。だが最初に言っておく。やられるなよ」

 

ヒロミからの言葉に頷く光。それと同時刻、フェニックスのスカイベースに戻っていた大二は若林と狩崎のいる司令官室に入っていた。

 

「敵前逃亡か?五十嵐大二」

 

「いえ、俺にバイスタンプをください!そうすれば……」

 

大二が若林へと進言すると隣で狩崎が嬉しそうにスタンプを調整しておりそれが完了する。

 

「コンプリート!ほら、出来立てホヤホヤの二つがあるよ」

 

狩崎が大二へと渡したのは以前ゴルフ場にて二体のデッドマンと戦った時に手に入ったイーグルのバイスタンプとバッタのバイスタンプだ。どちらも空中での戦いをする上で重要になってくるだろう。

 

「ありがとうございます!」

 

それから大二が司令官室を出て行こうとするとケースに入ったドライバーに目が行った。そこにあったのは液晶付きで両側に筋肉のようなパーツが付いたベルトだ。

 

「これは……」

 

「それは調整中のドライバーだ。まぁ、まだ装着者は見つかってないけどね」

 

それを聞いて大二の胸の鼓動は更に高まっていく。そしてそのベルトを手にして若林へと詰め寄った。

 

「これを……俺が使えるようにする事はできませんか?」

 

それを聞いた狩崎は大二を嘲笑うかのように馬鹿にした目線を向ける。

 

「ワッツ?ビビってリバイスになれなかった……君が?随分と言ってくれるねぇ」

 

「もう弱いままの自分で居たくないんです!だから……」

 

「貴様の事情など知るか!!」

 

そう声を上げたのは若林だ。若林は大二の気持ちを踏み躙るかのように冷酷な言葉を告げる。

 

「目的を履き違えるな。お前の使命はデッドマンズから市民を守る事……私情で道を間違える事などあってはならない」

 

「しかしこのままでは……」

 

若林は一度溜め息を吐くと大二にとって一番致命的な言葉を言い放つ。

 

「ならば何故就任式の場で変身しなかった。それさえしていればお前は念願の力を手に入れていたはずだろう」

 

「それは……」

 

「……これが最後の通告だ。今のお前に出来ることをやれ。でなければ……分隊長を解任する」

 

「……はい」

 

大二は若林にそう言われてしまい押し黙るとそのまま司令官室を出ていく。残された若林と狩崎は話をした。

 

「随分と厳しい言い方をするねぇ」

 

「今のアイツには仮面ライダーとなる資格は無い。仮にそれを使って力を得たとして……その力に頼るようでは本当のライダーとは言えん」

 

「まぁそう言う面では兄の五十嵐一輝の方が上だよね」

 

「それに、お前も今はその時ではないと考えているのだろう?」

 

「その通り。彼には強くなってもらわないと」

 

その頃リバイとバイスはデッドマンを相手に大苦戦を強いられていた。何しろ地上には普通のデッドマンを超える力を持つギフテクス、空中にはプテラデッドマン。吹き飛ばされてマンモスゲノムからレックスゲノムに戻ってしまい、このままでは確実に負けてしまう。

 

「バイス、一か八かあのデッドマンが攻撃のために降りてきた瞬間を狙って俺がアイツを捕まえる。その時に俺ごと撃ってくれ」

 

そう言ってリバイはオーインバスターとマンモスバイスタンプを手渡す。

 

「良いの?俺っち、外すかもよ」

 

「その時はその時だ。とにかくこの状況を切り抜けるにはどちらかを倒すしか無い」

 

二人で話しているとウルフデッドマンが話しかけると近くの突起に腰掛ける。

 

「良いのかなぁ、人質がどうなっても」

 

「……やっぱりスタンプを渡した方が……」

 

「ダメだって言ってるだろ。今は俺達でどうにかするんだ」

 

そうやって話していると戦線離脱していた大二がバイクを操り戻ってくる。すると大二がバイクから降りるとウルフデッドマンの前にやってきた。

 

「……あん?」

 

「バイスタンプを持ってきた……だから人質を解放してくれ」

 

そう言って大二が差し出したのはイーグルのバイスタンプ。それを見たリバイは驚き、大二に抗議しようとする。しかし、大二の目は本気だった。

 

「ほう。あはは!兄貴よりも物分かりが良いじゃないか」

 

そう言ってバイスタンプを手にしようとするウルフデッドマン。そしてそれがウルフデッドマンの手に渡るその直前。

 

「兄ちゃん!使って!」

 

その瞬間、大二はバイスタンプをリバイへと投げ渡す。その行為にウルフデッドマンは驚きを隠せなかった。まさかこんな自殺行為を大二がするとは思わなかったからである。

 

「馬鹿な……お前、そんなに死にたいのか?」

 

「……俺は俺の出来ることをやる……そうすべきだと俺は思ってるからだ」

 

「そうかよ。兄貴よりも馬鹿野郎だな」

 

その瞬間、ウルフデッドマンは大二を殴り飛ばすと大二は吹っ飛んでリバイがそれを受け止める。

 

「大二!大丈夫か?」

 

「……兄ちゃん。これも使って……」

 

そう言って大二はもう一つ持ってきていたバッタのバイスタンプも渡すと気を失う。それを見たリバイは怒りに燃えた。

 

「うわぁああああ!!」

 

「ははは!実に滑稽だな、その馬鹿な弟も今捕まってる妹もそしてお前も全員ここでくたばるんだからよ」

 

プテラデッドマンが上空から攻撃を仕掛けるために飛んでくる。それを見たリバイはまずバッタのスタンプのスイッチを押す。

 

《バッタ!》

 

それを自身の体に押印すると足にエネルギーが付与されていく。そのまま跳躍すると低空飛行しながら飛びかかってきたプテラデッドマンの上を取り、キックを叩き込む。

 

「がっ!?」

 

プテラデッドマンはそれにより墜落。バイスはそれを見てそのまま一気に倒そうとオーインバスターをアックスモードで構える。

 

「今がチャーンス!」

 

「させるか!」

 

そこにウルフデッドマンが来るとバイスを銃で撃ちまくる。それに邪魔をされてバイスは近づけなかった。

 

「もう!良い所だってのによ!」

 

「おいおい、お前ら人質を取ってるのにこんな事して良いのかよ。このままだと殺しちゃうよ?」

 

ウルフデッドマンからの煽りに対してリバイはスタンプの効力切れで着地するとウルフデッドマンへと言い放つ。

 

「大二を、さくらを、こんな目に遭わせて……それに彩夏も人質に取って……許さないぞ……五十嵐家を、舐めるんじゃねぇ!」

 

そう言ってリバイは先程大二から受け取ったイーグルのバイスタンプを取り出すのであった。




また次回もお楽しみに。
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