仮面ライダーリバイスIF   作:BURNING

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悩める戦士達 迷いを乗り越えて

サーベルタイガーデッドマンが撤退し、結局ライヤを救えなかったリバイは悔しがるが、それでも今はどうする事もできない。狩崎が新たなバイスタンプを開発するまではまだまだ時間がかかってしまう。

 

「工藤……」

 

心を痛めている安藤を助けたい気持ちだが、そのためにはサーベルタイガーデッドマンを本気で攻撃する事ができない。下手に倒してしまうとそのままギフに吸収されてしまうからだ。そのため、一輝は悩んでしまう。

 

「どうすれば良いんだ……ライヤを工藤を助けるには今は全力で倒しに行けない」

 

するとバイスが霊体として出てくるとそんな悩める一輝へと話しかけた。

 

「なぁ、一輝。俺っち達、今までデッドマンズと本気で戦わなかった時ってあったか?」

 

「そんな事無い!いつだって全力で……」

 

「……じゃあ、何も悩む必要は無いんじゃねーのかよ?」

 

バイスの言葉に一輝は顔を上げる。そして、バイスは言葉を続けていった。

 

「一輝は今まで全力でデッドマンズと戦ってきた。今回は全力で相手できないって言ってたけど、それは間違いだろ。ライヤを救う事を全力で頑張れば、きっと解決策は出てくると俺っちは思うぜ」

 

バイスにそう言われて一輝は微笑むと頷く。そして、一輝の顔つきは吹っ切れたように変わった。

 

「そうだな。ありがとう、バイス」

 

「良いって事よ。あ、でも何かご褒美があると嬉しいな!」

 

「何でそうなるんだよ!」

 

そして、二人は笑い合う。こうして、一輝はライヤを救う事に全力を尽くすと心に誓うのであった。

 

そんな中、ウィークエンドの拠点ではライヤがアギレラから文句を言われている。

 

「何でリバイスを倒さなかったの?あの場面、相手が全力を出してないんだからさっさと倒せば良かったじゃん」

 

「それじゃ意味がないんだよ。俺は全力の五十嵐一輝を叩き潰す。それしか俺が満たされる方法は無い」

 

「ふーん。じゃあ、負けて醜態を晒すのは無しだからね」

 

アギレラがそう言う中、そこに元太ことベイルもやってきてライヤに話しかけた。

 

「ならば五十嵐一輝以外の五十嵐家の奴等は俺が足止めしておいてやる。お前は全力で五十嵐一輝を潰せば良い」

 

「ああ、そうさせてもらうよ」

 

するとベイルは続けてオルテカの元に向かうと彼へとある物を要求する。

 

「オルテカ、信者から生み出したデッドマンを一体貰うぞ」

 

「どうぞご自由に」

 

オルテカからの許可を得るとベイルは桃色の紙で作ったクモ型の折り紙を毛むくじゃらの悪魔が身につけた様な容姿。そして、両腕に長い蜘蛛足上の両腕を備えるスパイダーデッドマンを連れるとそのままウィークエンドの拠点から出ていく。

 

その頃、さくらは一人公園で悩んでいた。理由は自分一人が一輝や大二とは違って明確なパワーアップがされてない事についてである。

 

「はぁ……私、無敵になりたいのにここ最近全然無敵じゃないよ」

 

さくらはここ最近の戦績を振り返ると中々兄二人に比べてこれといった目立った活躍をしていない。その点においてなかなか自信が持てずにいたのだ。

 

「ラブラブ、さくら!」

 

さくらの近くではさくらの悪魔であるラブコフが元気そうにしていた。ラブコフの力は日に日に増してきている。それこそ、宿主のさくらに徐々に迫りつつあった。それでもまだラブコフの戦闘能力は高いとは言えないが。

 

「ラブちゃん……」

 

「ラブ、さくら。気にしたらダメラブ!」

 

ラブコフはさくらを励まそうとあまり得意では無いと思われる普通の言葉を話す。

 

「ラブちゃん、励ましてくれるの?」

 

「ラブラブ!」

 

「ありがと」

 

さくらがそう言っていると光がやってくる。そして、さくらは思い切って光に悩みを話してみた。

 

「光さん、私……どうしたら無敵って言えるようになるんでしょうか?」

 

「え……」

 

「ここ最近、私。一輝兄や大ちゃん、カゲちゃんと比べるとなかなか勝てなくて。無敵になりたいのに全然無敵じゃない……」

 

「……僕はさくらさんが羨ましいですね」

 

光から出た言葉はさくらが羨ましいという事である。その理由はすぐに光の口から話された。

 

「僕はさくらさん達とは違ってライダーになる事ができない。僕はライダーになれないなりに今まで頑張って来ましたが、それでもやっぱりいざって時に戦えない自分が恨めしく思えます」

 

それを聞いてさくらはやってしまったと思った。自分は戦う力を持っているのにそれを持っていない光相手に言ってはいけない事を話してしまったと。しかし、光の顔つきは残念そうな顔をしてはいたがそれでもその事を気にはしていないように見えた。

 

「ですが、そんな弱い僕でも全力を尽くせばやれる事があると思います。今、この場にいないヒロミさんならそれこそどんな事でも命を懸けてやり遂げるでしょう」

 

「……やっぱり光さんはヒロミさんを尊敬しているんですね」

 

「はい。……ヒロミさんの事ですから今でもどこかで密かに生きてくれていると僕は信じています」

 

光は薄い望みだったが、ヒロミが生きてくれていることに賭けている様子である。ただ、デッドマンズによってデモンズドライバーのみが回収されていたためにヒロミが生きている可能性は限りなく低いと思われる。それでも光はヒロミを信じている様子だった。

 

「……じゃあ私もヒロミさんが生きている事を信じますね」

 

「さくらさん」

 

「ラブラブ!ヒロミ、きっと生きてる!」

 

「ラブちゃんもヒロミさんが生きてると信じていますしね」

 

「そうなんですか?」

 

それから二人は他愛も無い話に花を咲かせる。その様子を何者かが遠くから見つめていたのだが、二人はそれに気づく事は無い。そして、その人物は無言で立ち去っていく。

 

スカイベースのメディカルルームでは大二が定期検診を受けており、朱美から検査されていた。

 

「体に異常は無いわ。健康そのものよ」

 

「ありがとうございます、朱美さん」

 

それから大二は部屋を出ようとすると朱美がそれに待ったをかけるように声を上げた。

 

「大二君、少し話をしない?」

 

「何ですか?朱美さん」

 

大二は一旦戻ると席に座る。朱美がコーヒーを出す中、大二はそれを手に取った。

 

「……ここ最近、無理してないよね?」

 

「大丈夫ですよ。カゲロウもいてくれますし。何より、俺は一人じゃありません」

 

「そう。……私は少し心配」

 

朱美からの言葉に大二は疑問を抱く。自分が心配されるような何かをしていたのかと考えるが、それでも朱美に聞く事にした。

 

「どうしてですか?」

 

「……この前のカゲロウとの入れ替わり事件にあなたのお父さん、元太さんの事件。色々と重なって疲れが溜まっていないか私は心配よ」

 

「それなら平気です。心配していただきありがとうございます」

 

「なら良いのだけど、あなたのまっすぐな所。ヒロミにそっくりだから。ヒロミに影響を受けたのが正しいのかもしれないけど」

 

大二はそれを聞いて考える。思えば、ヒロミがデッドマンズベースでの戦いで死亡扱いになってからヒロミの穴を埋めるためにかなり頑張ってきたという自覚があった。

 

「……ヒロミさんは俺の心の中でちゃんと生きています。だから、ヒロミさんもきっと安心して俺達を見守ってくれていますよ」

 

「そうね。……大二君に一つ言っておくわ。ヒロミを心に宿すのは良いけど、ヒロミのような生き方はしない方が良いわ」

 

「………」

 

「ヒロミはあなた達を守るために犠牲になった。それは、ヒロミがかつて自分を生かすために同期から庇われた事と同じ事をしたんだと思う。だけど、それをあなたがやってはいけない。命を懸けるのは本当にどうしようも無くなった時にする事ね」

 

「はい……」

 

二人が話を続けようとすると突如として警報が鳴り響く。どうやらデッドマンズが街に出現したらしい。大二は朱美に挨拶をしてから出撃すると街でスパイダーデッドマンを引き連れたベイルが暴れていた。

 

「父ちゃん!」

 

「……ほう。今回は弟の方が来たか」

 

「大二だけじゃないぞ!」

 

「お待たせ!」

 

そこに一輝、さくら、光も到着。ベイルやスパイダーデッドマンと向き合う。

 

「父ちゃん、目を覚ましてくれ!」

 

「お前らの父親は俺がいただいた。もうお前らと顔を合わせる事は無い」

 

「いつまでそんな事を言ってられるのかしら。私達三人なら」

 

「お前にも勝てる!」

 

「三人?お前らは何を言ってるんだ」

 

するとガンデフォンが鳴り響くと共にライヤが別の地点に出現したという知らせが届く。しかも、安藤もライヤのいる現場付近に出てきているそうだ。

 

「こんな時に……」

 

「……兄ちゃん、ここは俺達に任せて、ライヤを!」

 

「でもコイツは……」

 

「私と大ちゃんならきっと止められる。だから一輝兄はライヤを!」

 

「……わかった。頼むぞ!」

 

一輝はライヤのいる方向へと走っていく。そんな中、ベイルは思惑通りとばかりに笑みを浮かべた。

 

「これでお前らは俺には勝てなくなったな」

 

「いいや、俺達だけでも止めてみせる。さくら、デッドマンを素早く倒して戻って来れるか?」

 

「当然。私、無敵だから」

 

そんなやり取りをして大二とさくらはベルトを装置。そして、ベイルもドライバーを出して腰に巻いた。

 

「カゲロウ、今回は俺にやらせろ」

 

「へっ、仕方ないなぁ」

 

《ホーリーウィング!》

 

《コブラ!》

 

《カブト!》

 

《Confirmed!》

 

《Deal……》

 

《Wing to fly! Wing to fly!》

 

《What's Coming up!? What's Coming up!?》

 

《ウィングアップ!》

 

「「「変身!」」」

 

《ホーリーアップ!ホーリーライブ!》

 

《リベラルアップ!蛇!蛇!蛇!ジャンヌ!》

 

《Bane Up!》

 

《破壊!(Break)世界!(Broke)奇々怪々!(Broken)仮面ライダーベイル!》

 

三人はそれぞれホーリーライブ、ジャンヌ、仮面ライダーベイルに変身するとライブはベイルと、ジャンヌはスパイダーデッドマンと交戦する。

 

そして、一輝の方はライヤの元に辿り着いた。ライヤは一輝を見つけると彼を睨みながら声を上げる。

 

「覚悟は決まったか?臆病者が」

 

「ああ。おかげさまでお前を救う覚悟は決まったよ」

 

「ふん。そいつは無理だな。お前は俺に殺される」

 

するとそこにライヤを探していた安藤が姿を現すとライヤへと叫びつつ話しかける。

 

「工藤!もうこんな事は止めろ!お前はそんな事をするような奴じゃない!」

 

「……ふん。安藤か。お前は俺の事をわかってくれてるかと思ったが、見込み違いのようだ。俺は何も変わってない。元々こんな性格だったんだよ。アレは一時の気の迷いだ」

 

「嘘だ!そんなはずはない!」

 

「ならこれを見てもそう言えるかな?」

 

《サーベルタイガー!》

 

ライヤはサーベルタイガーデッドマンに変わると安藤をその迫力で威圧した。

 

「ッ……」

 

「安藤さん、ここは俺達に任せてください」

 

一輝にそう言われて安藤は頷くと下がる。そして、一輝はスタンプを出した。

 

《レックス!》

 

「はぁ……」

 

《Come on!レ・レ・レ・レックス!》

 

「変身!」

 

《バディアップ!》

 

《オーイング!ショーニング!ローリング!ゴーイング!仮面ライダー!リバイ!バイス!リバイス!》

 

一輝がレックスゲノムに変身したのを見てライヤは失望したような声を上げる。

 

「おいおい、覚悟まで決めておいて結局手抜きかよ」

 

「いいや、俺は……俺達はいつだって全力だ!」

 

「ふん、お前のそういう所、ムカつくんだよ!」

 

「「一緒に、行くぜ!」」

 

それから二人も自分達へと向かってくるサーベルタイガーデッドマンとの戦いを始めるのであった。




また次回もお楽しみに。
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