未知なる敵 アナザーライダー登場
ボルケーノの力を手にして暫く時間が経った。一輝の体も順調に回復し、まともに動けるようになったためにまた、銭湯の手伝いをする事になる。
「あ、いらっしゃいませ!」
「お、一輝ちゃんも復活したね!」
「ぶーさん。今日もありがとうございます!」
一輝が笑顔で客達への対応をしていると一人の青年が幸せ湯を訪れていた。
「うぉおおっ!ここはまさか、幸せ湯!?って事は本当にリバイスの世界だ……」
それは茶髪の青年であり、興奮した面持ちで幸せ湯の中へと入ってきたのだ。
「えっと、お客様……申し訳ありませんがお静かにお願いしま……」
一輝がそう言った瞬間である。青年は突如として一輝を見ると高かったテンションを更に爆上げして一輝へと詰め寄った。
「ほ、本物だ……沸きまくってきたぁあああっ!五十嵐一輝さんだ!」
「え……どうして俺のこと……」
「ファンです!サイン下さい!」
そう言って青年はペンと色紙を差し出すと一輝はそれを戸惑ったような顔つきで受け取る。
「えっと……取り敢えずこれで良いかな?」
そう言って一輝がサインを書いてから色紙を返すと青年は興奮冷めぬ様子で一輝を見つめていた。
「君は?」
「俺の名前は常葉ハルト!年齢は……」
ハルトがそう言った所で突然言葉を止める。そして、ハルトは何かを感じ取ったかのようにキョロキョロと辺りを見渡した。
「この気配……まさか、アイツら。やっぱりこの世界に来ていたのか!ウォズの予言通りだぜ!」
ハルトがいきなり訳の分からない事を口走っているのを見て流石の一輝も困惑した表情を隠しきれない。するとハルトは一輝へと頭を下げるようにして話を切り上げる事に。
「すみません一輝さん!急用ができてしまって……。また話は後程伺いに来ますので!今日はこの辺で!」
そう言ってハルトは嵐のように出ていくとどこかへと走って行ってしまう。そんなハルトを一輝は唖然としたような顔つきで見ていた。
「行っちゃった……」
「んだよアイツ、いきなり一輝の元に来たと思ったらはしゃいでくれて。そこは俺っちにもサインを求める所だろうがよ!」
バイスはサインを要求されなかった事に不満を覚える。そんなバイスを見て一輝は冷静にツッコミを入れた。
「いや、何でだよ」
「ねーえ、さっきからうるさいんですけど」
そこに騒がしい様子を聞きつけてさくらが出てくる。ちなみに大二はいつものようにフェニックスのスカイベースにいた。
「それにしても一輝にファンがいたなんて、パパさん感動だよ!」
「だから、感動のハードル低すぎ」
「まぁまぁ、ひとまず仕事の続きをやるよ!」
それから一輝達が仕事に戻ろうとしたその時。突如として一輝の持つガンデフォンにのみ着信が入る。
「もしもし」
『ヘーイ、五十嵐一輝。急用だ。すぐにスカイベースに来てくれ』
「え……?さくらは……」
『空手ガールにはまだ詳しい事は言わなくても良い。むしろ、君だけの方が混乱しなくて済む。だから来たまえ』
狩崎にそこまで言われては仕方ない。一輝は元太と幸実にのみ緊急招集を受けたと説明すると急いでスカイベースへと向かう。
「来たか。五十嵐一輝」
そこにいたのは若林と狩崎の二人だ。ただ、何故かスカイベースにいるはずの大二や光はこの場にはいない。
「大二や光にも伝えないんですね」
「ああ。今回は君にだけ伝える特別任務だからだ」
「マジで?それって俺っち達しかできない事って事だろ?チョーテンション上がるんですけど!」
狩崎がモニターを表示する。するとそこにはチカチカと光る二つの点が存在しており、それはここからほど近い人気の無い山の開けた場所にいた。
「えっと、これは?」
「つい先程、君達に連絡を送ったタイミングで現れた反応だ。面倒な事にここにはカメラの類は無い。だが、悪魔とは全く違う反応を示している」
「それって、デッドマンズとは別の敵って事ですか?」
「確証は無い。だが、放っておけば後々厄介な事になるかもしれない。だから今のうちにこれを叩く」
それを聞いて一輝は頷くとそれを了承。ひとまずスカイベースのその地点の近くにまで移動し、一輝はスカイベースから降りると自転車に乗り込む。
「バイス、久しぶりに頼むぞ!」
「あいよ!」
一輝がレックスバイスタンプを自転車に押印するとバイスが自転車に宿り、それは以前も行った物への憑依である。
「ふへへ、それじゃあ行っくよ〜!」
バイスはそのまま動き始めると自転車とは思えない超スピードで爆走。それは、良い子は絶対に真似したらダメだと言えるほどである。幸いにも車には出会わなかったために問題にはならなかったが、普通はこのような行為は危険と言えるだろう。
「到着だぁ!」
そして、あっという間に現場へと到着すると一輝は自転車から降りるしかし、バイスがあまりにもスピードを出したために軽く酔ってしまったが。
「ううっ……バイス、少しは手加減しろよ……」
「ごめんごめん。でも早く着けただろ」
「これ、歩行者とか車がいたら相当迷惑だからな?」
二人でそう言い合っていると二人の前に二人組の何かがいた。それは、仮面ライダーリバイ、そして仮面ライダーバイスにそっくりではあったものの髑髏のような仮面をしており、その体にレックスの姿を模した機械的な装甲を装着。カラーリングもリバイやバイスにそれぞれ似ているが、リバイとバイスよりも禍々しい姿である。そしてそれはさながら仮面ライダーリバイ、仮面ライダーバイスのそっくりさんと言えた。
「湧いてきたぜ……」
「俺っち参上」
リバイとバイスのそっくりさんである二人がそれぞれ言葉を発する中、一輝と霊体のバイスは驚きを隠せない。
「な、何だよコイツら!」
「俺っち達にそっくりなんですけど!?」
そして、モニター越しにそれを見ていた若林及び狩崎がその姿を見て目を見開いていた。
「まさか、あの容姿……アナザーライダー……」
「知っているのか?狩崎」
「本来ならば仮面ライダージオウに登場する怪人達だよ。だが、アナザーライダーとして出てきているのはゼロワンとディエンドが最後のはず」
それを聞いて若林は考え込む。だとしたら何故今この場にアナザーリバイ、アナザーバイスがいるのか。その理由に思い至る事はできなかった。
場面は戻り、一輝達の元へ。アナザーリバイとアナザーバイスを前にした二人はこの状況を打開するべく一輝がスタンプを取り出す。
「とにかく、どうにかするぞバイス!」
「おう!」
《レックス!》
《Come on!レ・レ・レ・レックス!》
「変身!」
《バディアップ!》
《オーイング!ショーニング!ローリング!ゴーイング!仮面ライダー!リバイ!バイス!リバイス!》
一輝とバイスは変身するとレックスゲノムへ。二人が変身すると早速アナザーリバイとアナザーバイスの二人が攻撃しようと走ってくる。
「バイス、これを使え!」
リバイがオストデルハンマーをバイスに渡すと自らはオーインバスターを持つ。
「っしゃあ!やるぜ」
「はあっ!」
そのままリバイはアナザーリバイとバイスはアナザーバイスと戦う。するとアナザーリバイ、アナザーバイスもオーインバスターやオストデルハンマーのような武器を手にしていた。
「はあっ!」
「とりゃあっ!」
それぞれ自分のアナザーと戦うリバイとバイスだが、二人が攻撃を命中させるとアナザーリバイ、アナザーバイスは割とダメージを受けている様子だった。
「へっへーん。お前のような偽物が俺っち達に勝てると思うなよ!」
「バイス、油断するなよ!」
「おう!」
するとアナザーリバイ、アナザーバイスは一度武器を捨てると二人でその姿を組み体操のように重ねる。そしてアナザーリバイスレックスへと変化した。
「なっ!?リミックスもできるのかよ!」
「細かい所まで真似しやがって!」
「こっちもリミックスだ!」
《リミックス!》
「おう!」
《バディアップ!》
《必殺!繰り出す!マックス!レックス!》
リバイとバイスとリバイスレックスへと変化。二体のレックスは激突すると強靭な大顎でお互いを噛み砕こうとする。
「「偽物なんかに……負けてたまるかぁあっ!」」
二体のリバイスレックスの戦いは本物に軍配が上がるとアナザーリバイスレックスへと噛みつき、振り回して投げ飛ばす。
「「がああっ!?」」
そして、そのまま一気にリバイスレックスはトドメを刺そうとしたその時。突如としてリミックスが維持できなくなるとリバイとバイスへと分離してしまう。
「なっ!?」
「えっ……」
「勝手にリミックスが解けた……」
更にリバイがベルトに装填しているレックスバイスタンプが光と共に点滅を開始すると二人の体にノイズが走る。突然起きた事態に二人は混乱した。
幸いにもアナザーリバイスレックスも地面に叩きつけられた衝撃で分離していたために反撃を貰うことは無かったが、それでもこの異常事態にどうすべきか戸惑う。
『不味い!一輝、バイス。ぐずぐずせずに速攻で倒せ!』
狩崎が慌てた様子でガンデフォン越しに連絡を入れる。それを聞いたリバイは理由を聞こうとした。
『今は説明の時間が惜しい!早く!』
狩崎からの悲痛とも取れる叫びにリバイは頷くとリバイスラッシャーを構え、オーインバスターに取り付けられているスタンプを押印する。
《スタンプバイ!》
《Here We Go!Let's Go!Here We Go!Let's Go!》
リバイが走っていくとアナザーリバイとアナザーバイスをすれ違い様に斬り裂く。
《リバイバイスラッシュ!》
二人がよろけた所にバイスが走り込むと百烈拳を繰り出す。そしてそれは二体のアナザーライダーへと大きなダメージを与えた。
「
すかさずリバイはベルトを二回倒すと必殺技を発動。反対側にいたバイスもすかさず跳び上がる。
「一気に行くぜ!」
《レックス!スタンピングフィニッシュ!》
二人から繰り出されるダブルライダーキックはアナザーライダーを両側から挟むように命中し、アナザーライダーはそれを受けて火花を散らす。
「はい!3!2!1!ドーン!」
バイスのコールと共にアナザーライダーは爆散。するとアナザーライダーの中からは一人の見知らぬ人間が倒れ込むと共に人間から出てきた時計のような何かが砕け散った。するとレックスバイスタンプの点滅が消えて事なきを得る。
「結局何だったんだ……」
「とにかく勝てたから良いじゃんよー!」
バイスがそう言う中、リバイは何かの嫌な予感が拭えない。そんな事を考えていると何かの音が聞こえて二人は後ろを振り向く。するとそこにいたのは先程のアナザーライダーと纏う雰囲気がそっくりな怪人がいた。
その姿は白を基調としており、体躯は筋肉質でマッシブである。また、所々にマゼンタのラインが入り、顔は人体模型のようで額には一時五十分を指しているかのような形をしている。腰にはベルトを付けてその右側に時計のような何かが装着されていた。そして顔にはZi-Oと描かれており、それがこの怪人の名前と見て取れる。
そんな怪物は手に時計のような何かを持っているとそれを先程までアナザーリバイ、アナザーバイスだった人間に近づける。すると時計が何かの光を宿した。
《リバイ!》
《バイス!》
「なっ……」
「アイツ、何をして……」
二人が困惑する中、怪人はリバイとバイスに気がつくと硬直。それはまるで悪い事をしてバレたかのようだった。
「一輝……アイツさ、さっきの奴等に似てね?」
「あぁ。仲間か新しいデッドマンか……取り敢えず倒すぞバイス!」
「あいよー!」
リバイとバイスは問答無用とばかりに怪人へと襲いかかる。怪人の方はそれを見て混乱すると声を出した。
「え?ちょっ!!まっ!!」
しかしもう遅い。リバイとバイスは怪人へと攻撃を開始。そのまま戦闘に入る事になる。
また次回もお楽しみに。