腐った蜜柑の二枚舌   作:かりん2022

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ミッション1:一級術師を誘い込め!/新米呪詛師を教祖に献上せよ!

俺、虎杖悠仁は、新人呪術師である。

色々あって死んだ事にして、ナナミンの仕事を手伝うことになった。

 

任務の内容は、順平少年への事情聴取。なのだが。変な奴を見なかったかという話を聞くと、順平はあっさりと答えた。

 

「君、学生? 望むなら、僕らのクラブに入れてあげるよ」

「クラブ?」

「そう。不思議な力を得られるクラブ。クラスの皆には内緒だよ☆」

 

 パチンっと、ウィンクする順平。俺はすぐに聞いた。

 

「それってナナミンも連れて行っていい?」

「ナナミンって友達? 大人?」

「ナナミンは格好いい大人だよ。多分、順平の力になってくれると思う」

 

 だって、どう考えてもやばい会だ。報告だって必要だろう。

 

「大人はダメだよって言いたい所だけど。これを飲めば、今晩招待してあげるよ」

 

 コロンとした大きめの丸薬を渡される。真っ黒で、若干怪しい。

 

「これ何?」

「大人への招待状。1個しか持ってないけどね。一時的に子供にするんだ」

「子供への招待状は?」

「見えれば問題ないよ。ああ、それと。この薬は半日で元に戻り、一時的に子供になる以外に害はない。縛るよ」

 

 俺は頷いて、招待状を受け取って場所と時間を聞いた。

 

 報告を聞いたナナミンは、頭を痛そうにした。

 

「なんですか、その怪しげな薬は。罠なのはわかりきっていますが……」

 

 ため息を吐いて、俺に縛りを確認して、ナナミンは薬を飲んだ。

 中学生くらいの年齢になったナナミンは、ちょっと訓練をして体を鳴らしてから俺と一緒に出かける事とした。

 

 そうして、集合場所のお店の前へと向かう。

 そこには小さな呪霊が待っていて、新たな場所を告げた。

 

 公園に行くと、複数の中高生がお喋りをしていた。

 それを見て、ナナミンは表情を険しくする。順平も来ていた。

 

「皆、時間だから案内するよー。私に触れて、同意して」

「「はーい」」

 

 そうして、女の子が言って、次の瞬間、俺達は下水道に来ていた。

 

「うわっ びっくり」

「すごいでしょ。これが私の能力!!」

「虎杖くん。僕のも見てよ、すごいから」

 

 順平がふわりとクラゲを出す。

 

「おお、すげぇ。みんな使えんの?」

「残念だけど、当たり外れがあるんだ」

 

 話しつつ、下水道の奥まで行く。

 

 奥まで行くと、広い空間が広がっていた。

 

 薄暗闇の中に、スポットライト。

 

「ルウェディース アンド ジェントルメェェン! ようこそ、真人様の人体改造教室に!!」

 

 ファンタジーアニメの貴族のように着飾ったオールバックの男が現れる。

 仮面もしていてとても怪しい。

 

「おい」

「やあやあ、お客人! お客様は神様です! いつでも歓迎しようっ!」

 

 バサァっとマントをはためかせて宣う。

 

「おい」

「それでは、順番に技を見せていくとしよう! まずは私から!」

「そこで何をしているんですか、二舌っ!! 虎杖くん、あなたは撤退を!」

「え。でも」

 

 進み出て蹴りを入れるナナミン。

 

「あふんっ♡」

「気色悪っ」

「何って、呪詛師養成学校への潜入だが?」

「はぁ!?」

「二舌はダブルスパイなんだよね。本当の忠誠はどちらにあるのやら。あ、呪詛師学校は発案主導二舌ね」

 

 現れたのは、ツギハギの人型の呪霊だった。あまりに人間にそっくりで、びっくりする。

 

「ああん真人様ぁっ 好き好き好き♡ もちろん私の本心はどっちも死ねだともっ」

「あはは。別にどっちでも利用したおしてその後殺すのは変わりないけどね。ようこそ、呪術師。ナナミンだっけ? 歓迎するよ。さ、皆」

 

 順平は笑う。

 

「じゃあ、虎杖くん。呪い合いっこしようよ!!」

「順平!? なんで……!」

「なんで? なんでかな。僕に一番最初に手を差し伸べてくれたのが、二舌さんだからじゃないかなぁ。ここにいるのは、居場所のない子たちばっかりなんだよ。ま、目覚めない子は殺されちゃったんだけどね」

「順平っ!!」

 

 クスクスと笑い、楽しそうに順平と学生達? は襲ってくる。

 殺し合いをしてるなんて思えないほど、すげー無邪気に無垢に、笑いながら攻撃してくる。

 

「でもちょうど良かったよ。ちょうどいい呪術師と戦えるなんてね」

「二舌は後で〆るとして。こんな流暢に喋れる呪霊がいるなんて……」

「ふふ。さあ、俺の糧になってよ」

 

「争え……争え……そして皆相打ちになるのだ……おや、おっと本音が。フレー! フレー! じゅ・ん・ぺ・い! フレー! フレー! ま・ひ・と! さまぁん♡!」

 

「死ね!!」

 

 いつの間にやらチアガール風衣装に着替えて応援する二舌さん? に叫ぶナナミン。どうしよう。なんとかしねーと。

 順平の他にも、割と人がいて多勢に無勢って感じだ。

 

「二舌さんってなんなんだよ!」

「おっと! 問われたならば答えてあげるが世の情け 二舌! 誠司! 二枚舌で誠を司ると書いて二舌誠司だ! どうぞお見知り置きを! 宿儺の檻、いや、虎杖悠仁くん!」

「ダブルスパイって!」

「その名の通りだが? 我がマイゴッド五条悟曰く、腐った蜜柑の子飼いの家! 代々汚れ役を引き受けていた家で! 自分の秘密を語るとバフが係るというクソみたいな術式を得て! 現在もスパイという汚れ役を一手に引き受ける、呪術師呪詛師呪霊皆マルっとまとめて滅びねぇかなぁ!!!!!!!!! なんて思うけど実行はできなくて全てに腹を見せてへーこら従うしがない社畜! それが!! 私!! さてここで秘密の開示タァァァィイム! 私は五条悟を神と崇め、夏油傑を教祖と崇めている! 五条悟を呪具にして頬擦りしたい舐めたりしゃぶったり奉ったりしたいと思っているし、教祖系アイドル夏油傑オンステージの説法で名指しで猿と呼ばれて罵られたいと思っている! なので二人をコレクション・洗脳する為に私はなんでも! しよう!」

 

 うわこいつ! 変態さんだ!

 

 なんとか倒してナナミンの手助けをしようとすると、二舌さんが立ちはだかる。

 

「待ちたまえ! 虎杖 悠仁くん! 君は錬成された至高の器、霊の牢獄! その特性から、人の魂を司る真人にダメージを与える事ができる可能性があーる! 故に! 私が相手をしよう!」

「虎杖くん! スイッチです!」

「二舌ぁ!」

 

 相手を変えて、真人と戦う。

 ナナミンは子供の背に不相応な刀をブンブン振り回して二舌さんの相手をする。

 

「子供を唆して呪詛師にするなど、何を考えているんですか!」

「はーっはっはっは! 私が! 何か! 考えていると思うのかね!!」

「思わないですよ畜生!」

 

 二舌さんはあっという間に追い詰められる。

 

「待ちたまえ! 私を倒すと呪専の任務がこなせなくなるぞ!」

「やかましい! 死ねぇ!」

 

 ナナミンがヒートアップしている。珍しい。

 

「やれやれ、仕方ない……術式、自分語り「灰原を植物人間にしたのは私だ」」

「!?」

 

 その瞬間、二舌さんの動きが変わった。目で追うのがやっとの姿で、ナナミンを吹っ飛ばしたんだ。

 

「ナナミン!」

 

「バフが効いているうちに逃げようか、真人。実力を知るという目的は果たしただろう」

「仕方ないね」

 

 そうして、二人は沢山の改造人間を出して、逃げてしまった。

 倒れる順平達を庇いながらそれらを倒し、俺達は帰還した。

 

「こっぴどくやられたようだね。七海。報告を読んだよ」

 

 呪専で治療を受けていると、長髪のお坊さんが現れた。

 

「夏油さん……。二舌の馬鹿は殺してはダメなんですか? 貴方が殺さないなら私が殺します!」

「彼は演技力が高いからね。本当はそんな子じゃないんだよ」

「絶対!! そんな子ですよ、彼は!!」

「あ! 教祖系アイドル!」

「アイドルではないね。七海。灰原の事は私も気に掛かっている。一度話してみるよ」

「私も行きます」

「駄目だね」

「俺、もう一度二舌さんに会いたい。順平のこと、聞きたい」

「いいよ。一緒に行こう」

 

 そうして、俺は夏油さんと二舌さんに会いに行った。

 真夜中の薄暗い路地裏の最奥。

 二舌さんは髪を下ろしていて、真面目そうな好青年って感じだった。

 服も普通だし、控えめに言って同一人物と思えない。

 

「夏油さん、七海、灰原のこと怒ってましたよね」

「灰原のこと、君がやったんだって?」

「事実です。私には、灰原抹殺の任務が来ていて……せめて、植物状態にと。それなら、いつか五条さんが秩序を取り戻してくれた時に、目覚めさせられるから……」

「目覚めさせられるんだね? それは今じゃダメなのかな」

「はい。私の身を案じているのではなく、以前言った大きな計画が動いていて、信頼を損ねるような真似は出来ないんです。虎杖くんにも、申し訳ない……」

「順平たち、呪詛師に誘ったのって二舌さん発案って聞いたけど。いっぱい殺されたって」

「1000人までなら、犠牲として許容できる範囲と判断しています」

「そんな……!」

「それと、夏油さん、今月の報告書と台本です」

「ああ、助かるよ。台本はいらないかな……まあ、説法の参考にさせてもらうよ」

「台本?」

「話す内容から演出から楽曲まで! 私が作詞作曲しました! 曲名はラブリー教祖様です!」

「やっぱり洗脳狙ってるんだー!」

「だからそれは演技だって。二舌の小粋なジョークだよ。順平達だって、結局は呪専で保護できるんだろ?」

「夏油さん、順平たちの言い分聞いた?」

「言い分?」

 

『二舌さんは言いました。マイゴッド五条悟の曇る姿は美しい……萌える! ということで、五条悟に足手纏いの守るべきものを設置する事で、たまに曇らせたり足を引っ張ったりもしくはてぇてぇしたりしたい。その為に、僕たちには五条悟の寵愛を得て欲しいと! 五条悟への貢物にもなり、人質にもなり、一石三鳥だと! 二舌さんの為に、僕たちは、五条悟に絶対服従を誓います!』

『それってさぁ。僕が死ねって言ったらどうすんの?』

『それはそれで五条悟が曇って美しいので、その際の写真か動画を二舌さんに送らせてください。僕達は大丈夫。五条悟の処刑は優しいと聞いてます』

『それ、僕が大丈夫じゃないんだよなぁ』

 

「それは口実だよ。でもそうだね。悟が難しいなら、こちらで引き受けるよ」

「それはお任せします。あの子達を頼みます」

「任された」

「そうかなぁ……!?」

 

 ナナミンの気持ちがよくわかる。

 俺は全くもって納得がいかなかった。

 

 

 

 

こうして、虎杖こと宿儺の器は二舌 誠司と出会ったのだった。

二舌 誠司。嘘だらけのこの男の真実を、これから話そう。

 

これは、嘘と呪いと戯言の物語。

            




次回、明日19時更新
「ミッション2:六眼の評価を貶めろ/六眼の死亡を防げ」

本日20時過ぎ、かりん2022活動報告にて裏話公開。
ネタバレにお気をつけください。

ここ好き、匿名感想等もお待ちしてます!

原作(呪術廻戦)について

  • 本誌を読んでいる
  • 本誌は読んでいないが、アニメは見ている
  • いずれかの媒体で見たことがある
  • 二次創作しか知らない
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  • 知らない
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