ここから、そして永遠に   作:ネマ

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まあその重い感情に凄まじい過去が隠れてないとは言ってないんやけどな


1つの終わり。或いは始まり

 

 

「これを以て貴方は永遠に楽園に至る術を失う。」

 

本当に宜しいのですか?先生。

 

荒廃した街中を2人の男は歩く。

ただその男2人とも着ていたであろう白衣がスーツが見るも無惨にボロボロになり中に着ていたはずのシャツがワイシャツが見えその中では砂埃で汚れ、血を思わせるドス黒い赤黒色が付着している。

 

「愚問だな。今更それを聞くのかい?【黒服】」

 

【先生】と言われた白衣の男は頭に包帯を巻き、風でたなびくシャツの裏側にも包帯であろう白い布に今も尚、血が滲んでいるように赤く染まりつつある。そんな中でも【先生】はおぼつかない足をどうにか動かし歩いている。

 

【先生】と呼ばれた男はニヒルに笑い【黒服】と呼ばれた男を見る。

【黒服】という男も案外酷いことになっている。スーツは相変わらず酷いことになっているし、特徴的な顔面に至っては一部分欠けていたり歪んでいる。

だというのにそれを覗かせない足取りは重く何度も何度も【先生】に問いかける。

……そんな【黒服】におかしなことだ。と笑う。──────かつて、我々は敵だった、というのに。

 

「ええ。何度でも問わせていただきます」

 

この結末は許されざる行いではないかと。

 

【黒服】は何度も何度も警告を、忠告を促す。

今からでもこの【先生】が考えを改め、歩みを止め元の子供たちの楽園キヴォトスの守護者として【先生】を全うしてくれないか。と。

だが、悲しきかな。むべ哀しきかな。もうこれ以上、最善の手段は何処にも存在しないということに。

 

「………じゃあもう一度聞こうか」

 

そんな【黒服】の姿に先生は振り返り【黒服】を見つめる。

その瞳にはなんの感情も宿ることもせずに。

 

「あの【終末】を超える手段を…ね」

 

【終末】それはある日突然キヴォトスを蹂躙した“神秘”とも“恐怖”とも“色彩”とも違う“何か”。全てを無に還すかの様な滅び…【終末】を前に【先生】の主導する“シャーレ”も、その“シャーレ”の敵対組織であった“ゲマトリア”もなす術が無かった。

 

「あの【終末】を乗り越えるためにこのキヴォトスを真の意味で方舟にする」

 

「そうだ。それが」

 

シャーレとゲマトリアの出した【終末】を乗り越える方法。

だが…その方法は到底キヴォトスの住人であり、先生を慕う【生徒】たちにもそしてあろう事か敵であった“ゲマトリア”でさえも理解…そして容認できるモノでは無かった。

 

「ですがその方法は……っ!!」

 

堪えきれないとばかりに【黒服】は呻く。我ら“ゲマトリア”の計画を次から次へと打ち砕いた【先生】には思うところしか無いがそれでも今回の手段はあまりにも度し難いと言わざる負えなかった。

 

「貴方が方舟になるという事では無いですか……!」

 

絞り出された【黒服】の言葉に【先生】は正解だと言わんばかりに頷く。

この計画は、そう。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()【先生】という存在を犠牲にして、だ。

 

「生徒のためだ。……分かってくれとは、言えないね」

 

「先生。貴方は全てを失うんですよ。文字通りに」

 

犠牲とは何も生命だけでは無い。文字通り“先生の全て”が犠牲になる。

【先生】の魂も、記憶も、想いも。果てには【先生】という存在も、因果も、文字通り【先生】を構成する肉体から“神秘”に至る全てを犠牲にするという事。

人聞き良く言うならば先生は“神秘”の果てに至り、かつての“ゲマトリア”が目指した『崇高』の領域…神に成るという事だ。

 

が。勿論、そんなモノまやかしに過ぎなない。方舟になった【先生】は文字通り死んでしまう。“キヴォトス”という神秘をその背1人で背負うのだ。ただの人間が耐えられるはずがない。それが例えメシア【先生】だとしても。そんな運命を今まで“生徒”のために尽力してきた【先生】に課してしまうのか。

 

「なぁにもう全て失った様なものさ」

 

カラカラと笑う【先生】はその口調だけ切り取れば心底おかしいと言わんばかりに陽気な声。…だというのにその表情はまるで凍りついて消えてしまったように“無表情”であった。その理由など、決まりきっているからこそ。

 

「私は【先生】である事も棄ててここに立っているのだから」

 

【先生】が箱庭キヴォトスを護る方舟になる計画。

通称、project: Ark方舟を設立した際、それを認める生徒など1人も居なかった。当たり前だろう。今までこうして苦難を共にし、それを超える歓びに満ちた旅路の1人であり立役者だった【先生】をそんな生贄にするなんて認められる筈がない。と。

 

だが迫り来る【終末】にもはや手段も選んでいられなかった。

確実に滅びに向かうキヴォトス。そしてこの後に来る絶対的な【終末】。

生徒全てが巻き込まれ、そして【先生】の目の前でいかにも誇らしげにヘイローを喪っていく死んでいく生徒たちの姿を見るのは()()懲り懲りだ。

 

()()()()()()()()()()()()()()()で【先生】はこの逃れられぬ【終末】に対抗する手段がこれしかなかっただけの話だ。どんな展開でも、どんな奇跡でも、どれほどの神秘でもこの【終末】を乗り越えられる手段なんて存在しなかったのだから。

 

「……………悲しいことです」

 

【黒服】が酷く残念そうに呟く。ある日突然【先生】から“シャーレ裏切ったからいーれて!”とモモトークで入ってきたから疑心暗鬼で迎えにいったらこれだ。いつものすけこましであろうとも生徒から背中刺されそうなこの男がこんな人でなしの計画を立てて自分が犠牲になろうなどと……

 

「【先生】は生徒に悪いことをしたと思わないのですか??」

 

「う…それ言われると痛いんだけどねぇ……」

 

まあ“キヴォトスが無くなるの”と“【先生】が居なくなる”を天秤に掛けたらそりゃ前者の方が重いでしょ。そうサラリと言える。言えてしまう【先生】に【黒服】も目を顰めることしか出来ないが【先生】の言っている事もあながち間違いでないことは分かっていた。

 

たった1つの命で数万を超える命が救えるのならきっと誰だってその1つを捧げるだろう……その1つが捧げられなければ数万が失われるのだから。

 

 

「着きましたよ。【先生】」

 

「ああ。……最後までありがとう。【黒服】」

 

そして【黒服】と【先生】は至る。このキヴォトスの中心そこに“ゲマトリア”が幾重にも襲来する“生徒たち”を退け命からがら敷いた幾何学模様の魔法陣の中心にして祭壇場に。

 

「ここから先は…【先生】お一人で」

 

ここから先は文字通り【先生】1人で行かなくてはならない。下手に“神秘”に干渉できるゲマトリアが準備が整った魔法陣の上に行くなんて地雷原の上でタップダンスするより恐ろしい事になる。

 

それにゲマトリアはこれから魔法陣を維持するという何人にも変わることのできない重要な最初で最期の使命。“色彩”を超える【終末】を相手にして()()()事が出来るのだからまあ及第点にしておくか。と最後までゲマトリアとして共にする“マエストロ”と“ゴルコンダ&デカルコマニー”も納得した。

 

「ああ………ここまで、ありがとうね。“私の盟友”」

 

「それは………」

 

これ以上【先生】が救済者メシアになっていく様子を見たくないのか【黒服】は背を向けたと同時にその背中に先生からまるで遺言と言わんばかりの声がかかる。

何を思ったのか。直後【黒服】が振り向くともう祭壇に登り始めた先生の姿に一言呟いた。

 

「さようなら……愚かで、誰よりも勇敢だった大人よ」

 

 

 

 

シッテムの箱を片手に【先生】たる私は祭壇を登る。

ここまで、長かった。いや長かったという言葉では表しきれない那由多の時だった。一体いつからだったか。自分はあのキヴォトスの中で何度も何度も回帰を繰り返し続けているという事に気がついたのは。……回帰する理由はただ一つ。もう摩耗が激しく殆ど思い出せないけど“色彩”と呼ばれるプレナパテスに任されたからだろうか?それとも自分が繰り返す時間の中、例え自分という存在を喪ったとしても護りたいと決めた生徒たちが居たからだろうか。

 

【終末】それは繰り返す時間の中、必ず私はこれに敗北し生徒たちの大半を死なせてしまう。この【終末】を覆すために何千回、何億回やり直しただろうか。もはやそれも思い出せない、回帰の果てに残った手段がこれだった。

 

「みんな怒るだろうな……」

 

ふと呟いた一つの言葉。ここに至るまでの生徒たちとの素晴らしく輝かしい日々が思い出される。どの時間軸も同じ生徒だとは思っていない。どの時間軸でも私にとって大切な“生徒”であることに違いないからこそ。

 

だからこそ泣きながら、泣き叫びながら私を止めようとする生徒たちを押し退けてここまで来たのだ。生徒たちの未来を創るために。生徒たちの輝かしい明日を創るために。………生徒たちが明日も笑っていける様な。そんなキヴォトスを創るために。

 

「アロナも…付き合わせてすまなかったね」

 

アロナ。それはこのシッテムの箱のメインOS「A.R.O.N.A」。

私が繰り返した時間のその全てを共に過ごしてきてくれた相棒…どころかもはや半身に等しき少女。……だけどアロナは少し前、生徒たちとの最後の大抗争で力を使い切り今日この日まで眠ってしまっている。

 

それでも良い。それで良い。今までこの子を付き合わせてしまったのは私の責任だとシッテムの箱を小さく撫でる。塗装は剥げて画面には砂埃が付いている……ふと最期に拭いて綺麗な状態にしても良かったかな。なんて

 

「………さぁ」

 

祭壇の頂上。ゲマトリアが敷いてくれた魔法陣の中心。

そこに立つと自然と祈るかの様な体勢に入り瞳を閉じて瞑想状態に入る。

 

もうすぐそこに【終末】は迫っている。ここでこの計画を完遂させなければ私はまた取りこぼしてしまう。また失ってしまう。……そんなのもうごめんだ。

覚悟を決めて私は口を開く。これで【終末】を超えられると期待して。

 

 

我々は覚えている

 

 

メシア【先生】がその命をこのキヴォトスに捧げ箱舟になっている時、“生徒”たちは一体何を思っただろうか。

夜の深い闇に包まれたキヴォトス全域でその目で見る事が出来る極光の柱を。

まるで蝋燭が最期に燃え上がる様なそんな儚くとも力強い光に少女たちは何を思ったのだろうか。

 

 

数多の嘆きを

 

 

ある1人は光の柱に涙を流し、ある1人は地面をただひたすらに殴りつけ。また1人はこんな現状を認められないと言わんばかりに焦点の合っていない目で業務を続け。また1人は今からでも助け出そうと魔法陣の中心に向かおうとする。だけどどれもこれももう手遅れで。

 

 

我々は望む────

 

 

今までに感じたことないほどの“神秘”の奔流に魔法陣を維持する3人のゲマトリアはなんと惜しいことだと歯噛みするが今はそれどころではない。暴れ回る暴風雨の様な“神秘”の波に今に至って尚、先生を取り返そうと死に物狂いで暴れる生徒たち。

 

ただ、もう手遅れに過ぎないが。

 

 

あの子たちに輝かしい明日を────!!

 

 

その全ての騒乱は先生に届かず、先生はついに最後の一言を声高らかにそして誇らしげに口にする。それが引き金となり極光の柱はまるで爆発するかの様に満ち─────────────────────

 

 

 

 

解けていく。解けていく。

意識が、記憶が、魂が。

 

今までに積み重ねた記憶が薄くなっていく。

今までに積み重ねた罪禍が薄くなっていく。

 

消えていく刹那。

ふと生徒たちが脳裏によみがえる。

 

楽しかった記憶。楽しかった思い出。楽しかったあの時。苦難と涙でそれでも明日を迎えたあの記憶。

 

 

──────────────ああでも

 

 

きっと“この一瞬”を逃せば自分は自分で無くなると分かった最期の時。【先生】としての自分がポツリと“願望”を口にする。

 

 

もっと【先生】として──────────────

 

 

 

「先生1人で逝くなんて水臭いですよ」

 

「私は先生の相棒なんですから」

 

「何処までも一緒に」

 

 

 






ってここから…いいや(先生の記憶だけ)0から始まる青春(自嘲)の物語ブルーアーカイブが読みてぇぇぇぇ!!!
勿論、生徒たちは先生が方舟になった世界線の記憶据え置きでね❤️
初手からめちゃくちゃ(感情と湿度が)重たい生徒達に囲まれて幸せになれっ!先生。
まあ多分十中八九ゲマトリアの3人も覚えてるから生徒たちは頑張って先生を支えてね❤️勿論、迫り来る【終末】に誰か1人でも犠牲になったら先生また繰り返しちゃうからどうにかしようね。まあ生徒こどもに出来る事なんてたかが知れてるけど。


………つまりですわ。初手脳破壊(される側)なブルーアーカイブはどうですか??
続きを書いてくれても良いのよ??

とりあえず設定集だけ置いとくね!


【先生】

少なくとも書いてる中で一番イカれてるの誰だろうなとなると真っ先にこの人。
那由多の時を回帰して尚、生徒のために“正気で”尽くすその姿はまさに救済者メシアと言って過言ではない人。
最後、救済者メシアは自らの身を捧げて子供たちの楽園キヴォトスを“その時”は守ったが“その後”はどうだか分からない辺り“大人”としての悲哀を感じますね。まあもうなんも覚えてはおらへんのやけどな。



【ゲマトリア】

先生とは計画ぶっ壊されたり色々とあったけどふーんおもしれー大人という評価で互いが収まった。先生と共に死ぬぐらいの覚悟と友情(を超えた“熱い何か”)はあった悪い大人たち。


【終末】

“神秘”とも“恐怖”とも“色彩”とも違う絶対的な滅びの要因。
どの時間軸もこの【終末】にキヴォトスは滅ぼされる運命にある。
【終末】は非存在物体でありあくまで影の様な深い闇のような深淵が形取ったような姿をしているらしい。………ただ一つ分かっているのはこれと相対した生徒は必ず“嫌悪感”がするらしい。



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