ここから、そして永遠に   作:ネマ

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アビドス三章ってま……?


この小説が墓から蘇るっ!!




セリカ救出作戦!!

 

 

 

「………そろそろですかね」

 

私、奥空アヤネは1人、セリカちゃんの部屋の前で立って待っている。

それでも手持ち無沙汰になってしまうのは仕方ないので指でスペアキーのリング回しをしてしまうのはご愛嬌、と言えるだろう。

 

前回の時は、あまりに遅くまで帰らないセリカちゃんを心配して部屋に入るとそこにはまだ帰ってきた形跡もなくヘルメット団にも狙われていたという現状だったから誘拐の可能性を考えて“先生”に助けを求めたら、“先生”は快く力を貸してくれてどこに誘拐されたのか簡単に割り出すことが出来た。

 

今回、やる事は変わらない。セリカちゃんには悪いけど“わざと”誘拐されるか、返り討ちにして敵の装備を奪ってくる事で私たちの敵がブラックマーケットにつながっていることを先生にわからせる事が出来る。

 

(……先生は大人だ)

 

少なくとも私たちより頭は回るだろうし“悪い事”には敏感だ。

だけど残念ながら“キヴォトスでの事件”は初めてなら。

 

(私たち2回目の方が主導権を握る……)

 

「…………セリカちゃーん?開けますよー?」

 

どうせいないことは確定しているのだけどそれでも一応のためだ。

先に先生も呼んでしまっている今、開けずに帰ってしまうことは出来ない。

 

「………まだバイトから……」

 

帰ってくるはずもない。けどセリカちゃんが“攫われる”と分かっていてそんな簡単に攫われるような質だろうか?……断じて否。きっと戦っていてもおかしくはない。けどそれならもっと早くに連絡が来るはず───連絡なし。つまりは攫われたと見ていいかもしれない。

 

「───アヤネー?どこにいるのー?」

 

遠くから先生の呼ぶ声が聞こえる。

 

 

 

 

 

 

「アヤネー?どこにいるのー?」

 

セリカのアビドスツアーと幽霊との会合。そして柴関ラーメンを食べた後アビドスでの雑務を終え、私は帰路に入ろうとしたその時だった。モモトークにアヤネからの通話が入っていたと思ったら、“セリカがまだ帰ってきていない”との事だった。

 

アヤネの住まいとセリカの住まいは比較的近いらしい(というかほぼ同じ場所?)ため、とりあえず私はアヤネの家までモモトークで案内された。夜になったアビドスは暗く月明かりと仄かに光る空の光帯だけが輝いていた。

 

「……先生!こちらです。」

 

「どう?状態は?」

 

首を横に振るアヤネ。まだ帰ってきておらず(こんなことは一度も無かったのに)、そしてあまり治安もよろしくない今、嫌な想像と予感が脳裏を走る。

 

「………分かった。とりあえずアヤネは情報共有急いで」

 

「っ!はい!……先生は……?」

 

「私は………」

 

生徒の一大事となれば私のシャーレの権限の使い所というものだ。

シッテムの箱からアロナに頼んで“とある物”への閲覧を頼む。本来ならこれはやってはならない事だが生徒の一大事だ。これぐらいは許してもらおう。

 

「セリカの位置を探すね」

 

「……………!了解です!」

 

ドローンも駆使しながら走っていくアヤネの後ろ姿に私はアビドス高校集合ー!とだけ声をかけられた。……果たしてそれが聞こえているのか怪しいけれど聞こえていて欲しい物だ。

 

 

 

「……せんせ〜待ってたよ」

 

「……ホシノ!?」

 

パスを取るのに少し時間がいると言うことで(それでも超特急で準備するとは言ってくれたが)私は先にアビドス高等学校に向かうことにした。そこにはすでに突っ立っている1人の影、ホシノが立っていた。

 

「どうしてここに?」

 

「ん〜?……後輩の危険となると黙っては見てられないでしょ〜」

 

ほらほら。先生も早く中に入って〜と手招くホシノにやっぱり騙せないなと私は苦笑しながらも“セリカが誘拐されたかもしれない”と単刀直入、簡潔にホシノに伝える。

 

「ヘルメット団………?」

 

「それはまだ分からない」

 

いつものヘニャ…とした何とも癒される笑みではなく、真剣な表情で呟くホシノを片目にようやく私のシッテムの箱に権限が授与された。

そう。それは連邦生徒会が所有している“セントラルネットワーク”の閲覧権。つまり、キヴォトスで正規に接続されているネットワークから端末が記す位置情報までこの“セントラルネットワーク”の管轄内だ。……そして今からこれを使って最後にセリカのスマホが記録した位置情報を入手する。

 

「………これか。」

 

「………?どしたの?先生」

 

「ホシノ。ここに見覚え、ある?」

 

指差した先、アビドス高等学校から進んで数キロ圏内。

まだその辺りは地形的に私が把握しきれてない場所。

 

「そこは〜………境だね」

 

「境?」

 

「そう。街の一番端っこ〜っていうべきかな?」

 

詳しい説明はみんなの前でしようか。そう言い立つホシノを見ていると横から声が聞こえる。どうやらみんな揃ったようだと私も急いで立ち上がりホシノの後ろを歩いて行った。

 

「はいはい〜みんな一旦落ち着いて〜」

 

教室に入ると急いでここまで来たのだろうなと分かるかのように少女たちの額には汗が滲んでいた。ドアの開く音とホシノの手を叩く音と共に集中がこちらに回された。

 

「とりあえずセリカちゃんの場所は分かったよ〜」

 

「“セントラルネットワーク”からちょいっと、ね?」

 

「でも先生それは〜……」

 

まあバレたらクビは流石にないとは思うけど始末書モノであることは間違いない。

ニハハ〜と笑って誤魔化すがまあ緊急だったという事で今回は黙っていてほしい切実に。

 

「ん。先生もナイスアウトロー」

 

「……緊急時だったので私は何も見てません」

 

私の態度に気がついたのかシロコは得意げにサムズアップしているしアヤネは知らんぷりしてくれている。……褒められるの不思議な話ではあるがそれでも今だけはそれもいいかもしれない。

 

「セリカちゃんのスマホが最後の情報を示したのはここ」

 

「アビドス居住区の端っこですね」

 

「ちょっと前にヘルメット団が居た場所じゃないですか〜?」

 

「「「「「……………………」」」」」

 

ノノミの呟きに全員目を合わせる。もはやここまで状況が揃ってしまったというのならやるべきことは一つだけに決まっている。

 

「セリカの救出に向かうよ!!」

 

「「「「おう!」」」」

 

 

 

「…………うぅん」

 

暗い闇の中、月明かりがか細く入ってくる光にセリカは目を覚ます。

覚えている事はひとつだけ。襲われたヘルメット団以外の“何か”に私は殆ど一撃とも取れるかの様に卒倒した事だけは確か。

 

「っ!やられた……」

 

まさかあんな手練がいるとは思わなかった。とセリカは歯噛みする。想定にない…或いは“前”には居なかった筈の敵。その姿は隠れて見えなかったけど間違いなくホシノ先輩レベルの実力者。そんな存在が在野にいる訳がない。……きっとどこかの戦力だと考えた時だった。

 

「……………あれ?」

 

じゃあ誰だ?そう考えた時にセリカは答えに困った。

これほどの実力者なら“前”を覚えている。そしてそれなら、今のヘルメット団…もとい某カイザーに手を貸す様な生徒はいない筈。

 

「ま、まさか………」

 

私は、私たちはまるで何か大きな勘違いをしている様な──────

その思考を遮るかの様に、戦闘音が鳴り響いた。

 

 

 

 

「お仕置きのじかんですよ〜♢」

 

「うお…すげぇ弾幕……」

 

「うん。ノノミは凄い」

 

見る見る内にノックダウンされて行くスケバンたちを遠目で眺めながら私はノノミの活躍に瞠目する。ああしてノノミのマシンガンが猛威を振るうまでたった1人で耐え続けるホシノの実力の高さも伺えるが、ああしてマシンガンを軽々振り回すのもロマンである。そうして感心しているといつの間にか隣に立っていたホシノがしたり顔で頷いているのに、健気な可愛さを思ってしまう。

 

『先生。今のうちにコンテナを』

 

「そうだね……ありがとう。アヤネ」

 

いえ。助けていただいてるのはこちらですから…と言うアヤネの案内の元、辿り着くはとあるトラックの荷台のひとつ。窓もドアもないコンテナにシロコの小型ミサイルが刺さり、爆発して中からセリカの姿が見えた。

 

『セリカちゃん発見しました!!』

 

「ん。半泣きのセリカが見える」

 

「だ、だ、誰がぁ!?半泣きになんてぇぇ……」

 

目が少し赤いところを見ると泣いていたんじゃ無いのだろうかという邪推はセリカの名誉のために止めて、立ち上がるように手を差し伸ばす。特に暴力を振るわれたとかでは無いみたいで良かったと私はとりあえず安堵した。

 

「本当に大丈夫かい?」

 

「せん…アンタたち……どうやってここまで?!」

 

まさか全員来るとは思っていなかったのだろうか。

そんなセリカの驚き様に、私はキメ顔でこう言うのだった。

 

「攫われたお姫様を助けに来たよ!」

 

「……っ!バカじゃないのバカじゃないのバカじゃないの!?!?」

 

耳まで真っ赤にして赤面している今のセリカが照れていると思いたい。

流石に私もクサい事を言ってしまったかなと少し照れてしまうが、今はそんな事を言ってられない。幾らホシノとノノミとシロコの無双と言うか、これ私本当に必要だった?と言いたくなる様なアビドス無双が始まってるがそれでも戦闘区域には違いない。

攫われたお姫様には悪いが、今すぐにでも退避しないとと差し伸ばした手を掴んでくれたセリカの手を引き、立ち上がらせる。

 

「うへ……照れてるのか〜い?このこの〜」

 

『良かった……セリカちゃん…私、セリカちゃんがヘマしたんじゃないかって……』

 

いつものうへ〜という顔でセリカを茶化すホシノだが、その目の奥には確かな心配と安堵が浮かんでいてアヤネも涙ぐんでいる辺り本当にアビドスはみんなの仲が良いんだなと大変な環境ながら、優しい世界に私は微笑む。

 

「アヤネちゃん……」

 

「ん。大体は蹴散らしたけど油断は禁物。」

 

「だね〜人質を乗せトラックが破壊されたとか、敵からしたら怒り狂って……まあ既にこっちにはアヤネちゃんを人質にされて怒り狂ってるノノミちゃんがいるけどさ〜」

 

向こうでスケバン相手に単騎してるノノミが『無駄な努力ご苦労様♤』とか『君達まとめてこれ一枚で十分かな♤』とか言いながら無双ゲーしている時点でノノミがブチ切れているのがよく分かるが、それはそれ。そろそろ参戦したいとウズウズしているシロコとこっちもキレている事を明確に伝える様に関節を回すホシノを見て、敵陣に突っ込んだのだった。

 

『あの……カタカタヘルメット団が包囲網……ってまあですよね』

 

巨大な銃火器に改造した重戦車という物量差も何のそのと言わんばかりの一騎当千、万夫不当ぶりの戦いをするアビドス&先生の指示に流石のアヤネも苦笑する他無かったのであった。

 

 

 

 







アビドス3章。ユメパイセンとホシノパイセンの過去編が始まりましたね…
日々リア友とユメパイセンは「悪くなかった」か「後は頼みます」か「楽しかった……」のどれが遺言なんだろうかと過酷な議論を続けておりますがまあそれはそれ。そんな事をしているからこの小説を思い出したし、本編の3章の結末によってはこの小説の根本的な設定が荼毘に伏して続き書けないみたいな事が発生するのを恐れて続きを頑張って執筆しております。

それよりユメパイセン。めちゃくちゃデカかったですね。何処とは言いませんが、あれはベルトで縛ってないとカーテンが出来るというかカーテンが出来る姿も見たかった……ホシノもホルホル(動詞)してなかったし、色々と衝撃的な3章の始まりでした。ここからどうやって青が澄んでいくんだろうなぁと恐怖して参りましたが。

それでは!ブルアカのこれからとこの小説の行き着く先を祈って!!
…………次書いて来ますね………

感想、評価お待ちしてます。


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