ここから、そして永遠に   作:ネマ

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みなさま大量の評価、感想ありがとうございます。
ゆっくりですが少しずつこの物語を進めていこうと思います!




“ 連邦捜査部S.C.H.A.L.E”

 

 

「ここからシャーレまでかなり距離があるので…」

 

そうしてリンの案内の元、シャーレまで歩いていくことになった。

最初はヘリを用意していたらしいが、敵の持つ兵器に色々とマズイ代物があるということで歩けない距離でもないということで全員で歩くことになった。

 

「とりあえずそこの暇人の皆さまは【先生】に正式に挨拶をするべきだと思いますが」

 

確かに…と私は思う。そういえば今の今まで人伝で聞き流した程度でしか名前を知らない。向こうはこんなに親しげにしてくれるというのにその当の私がこれからの生徒(暫定)の名前を知らないのは些かどうにかならんものかと思っていた所だったのだ。

 

「ええ。それもそうね…」

 

「ああ…そういえば挨拶していなかったですね…」

 

リンと共に前を歩いていたユウカ…らしい子が真っ先に振り向き、自分の胸元に手を当てて自己紹介を始める。

 

「私の名前は、“早瀬 ユウカ”」

 

ミレニアムサイエンススクールの生徒会で会計をしています。気兼ねなくユウカと呼んでください……呼んでくださいね??

最後の呼んでくださいね。とか一文字一文字区切って念押ししてくるあたりユウカは中々押しが強い子なんだなと認識する。…一言、ユウカよろしくね?と声を掛けると犬の尻尾が見えてくる様だ。

 

「私は“守月スズミ”…トリニティ総合学園で自警団をやってます」

 

まああくまで部活の範疇ですが…と口を濁すスズミ。

この子もその後に名前で呼んでくれと強い念押しをしてくるものだからキヴォトスは人見知りしない子が多いんだなぁ…とふと思いながらもユウカと同じ様によろしくと声を掛ける。

 

「私は“羽川ハスミ”…スズミさんと同じくトリニティ総合学園所属ですね」

 

ちなみに私は“正義実現委員会”…風紀委員会の1人でもありますよ。

と色々と大きい子が(スズミの隣にいたからかスズミが相対的に小さく見えたみたいだ)これまたユウカやスズミほど強い念押しではないが目で名前で呼んでくれないかなあ…チラッチラッと見てくるものだからこれまた宜しくと声を掛ける。

すると凄い勢いで綺麗に整えられた黒い羽根が嬉しそうに動くのが見えた。

 

「……私は、“火宮チナツ”と言います。ゲヘナ学園で風紀委員会をしています。」

 

どうかチナツとお呼びください。

そう言ったチナツに私は最初ベージュの髪の子と認識したが光の下ではどちらかといえばブロンドや赤色に近いのだろうか?という印象を受けた。どうか…というのに酷く強い懇願の印象を受けて、ここではそれほど名前で呼ばれないといけないのか…と一瞬不思議に思ったのは内緒だ。

 

 

「………さて。着きますが……」

 

リンとユウカの導きで着いた先は。

どう形容しても“戦場”以外の何物でもない場所だった。鳴り響く銃声に火薬の独特な匂い。更には何か爆薬でも使ったのか盛大な爆発音まで鳴り響く。……一言で言うならそう。今この場所だけ世紀末が始まっていた。

 

だと言うのに。何故か私の心は至って平常心そのものだった。

まるでこの空気を識っているかのような自分。無意識だろうか。慣れた手つきと目視で()()()()()()()()()()()()()()()の後に先生はリンを除くユウカたちに声を掛ける。

 

「みんなどう?いける?」

 

「…………先生?」

 

リンの訝しむ声も今の私には届かない。

ただなんとなく、あやふやな想いの中に確固たる“何か”がある。きっとこの場を簡単に切り抜けられるその“何か”が。

 

「先生…………!!」

 

「はい!問題ありません。」

 

「先生の随意に。」

 

「私に……お任せください!」

 

後ろを振り向くとそこには戦意を激らせたユウカがスズミがハスミがチナツが立っている。そうだ。私は識っている。知らないはずなのに知っている。

 

「先生………はぁ」

 

【先生】ですからね。ご武運を

そう一言口にして、リンは一歩後ろに下がる。それでも視線は私を写したままで少しくすぐったかったけど──今だけはそれが心地よい、暖かいモノだ。

 

今の私には◼️◼️◼️“相棒”が居なくて、◼️◼️◼️◼️◼️◼️ずっと手にしていたモノも無いけれど。

それでも先生として

 

「それじゃ」

 

まるで手慣れた様に上げた右腕を振り下ろす。

これが当たり前の様に。これがこれこそが自分の場所だと言わんばかりに。

 

「作戦開始」

 

「「「「了解」」」」

 

真っ先にユウカが飛び出す。

片手に銃を持ったユウカが斉射を始め、その後ろからハスミとスズミがユウカが仕留めきれなかった敵(こっちも少女だけど)を卒倒させていく。実弾だというのに卒倒で済んでいる辺り、そもそも種族としての力の差がある様にも見えるが果たして

 

「先生、一応私たちも銃弾が当たれば痛いものは痛いです」

 

ふとそんな生徒と私の差を考えていると横から銃を構えたチナツが呟いた。

私なら痛いで済むはずがなくほぼほぼ即死か瀕死になるだろうなと考えながらもチナツに医療支援をユウカに行う様に指示する。

 

「了解。投薬開始」

 

「勝利は────証明されたわ」

 

チナツの回復弾がユウカに命中すると同時に、ユウカは片手で持っていた銃を指揮棒の様に一回転させ次の銃弾が放たれた瞬間ユウカの全身を覆うかの様に青い半透明なドーム状の壁が生成されていた。

 

「………スズミ。」

 

「閃光弾────落ちろ」

 

聞こえる筈のないスズミに私は小さく呟く。だというのにスズミは()()()()()()()()()()()()()()()()()()胸の内ポケットから一つの筒状のモノを取り出す。私はそれをなぜか“閃光弾”だと分かった瞬間、物陰から殺到し始めたワルイ子たちの元に閃光弾が落ちると共に強い光で怯んだ瞬間、前に出ていたユウカと遮蔽物で玉込めしていたハスミが卒倒させる。

 

「あれは巡航戦車………」

 

「クルセイダーI型…なるほど」

 

チナツの声とリンの気になる呟きの直後。そのクルセイダーとやらが火を吹き地面を抉る。スズミとハスミはどうにか消えゆく遮蔽物を盾にユウカは相変わらずバリア(仮称)で防ぐ……がこのままでは徐々に削られる。

 

「先生っ!」

 

幾つかの案が脳裏に浮かんで一番生徒に負担が少ない方法を口にしようとした瞬間、目の前のユウカが大声で私を呼んでいた。

 

「あれは不正に流失したもの!!ぶっ壊して構わないわ!!」

 

「……そうか。なるほど。」

 

ありがとうユウカ。ととりあえず視線で感謝を示すとユウカは華が綻ぶかの様な綺麗な笑みを浮かべてまたクルセイダーを削るために勇敢に突っ込んでいく。

なら私がここで切るべき手段は。

 

「────ハスミ」

 

「はい……目標補足───ぶち抜きます」

 

弾丸のリロードを終えたハスミが遮蔽物から姿を出し、その狙いをクルセイダーの砲身に定める。手慣れた…もはや熟練と化したハスミの技術は一瞬のブレもなくクルセイダーの砲身をぶち抜き、跡形も無く破壊しつくしてしまう。

 

「とりあえず……状況終了、かな?」

 

シャーレの前で起きていた動乱はとりあえず鳴りを潜め、そこには私とリンとユウカたちが立っていた。私は無事かどうか聞こうとこっちに来て欲しいと片手を振ると、ユウカたちは笑みで手を振り返してしてくれたり、Vサインをしたりと無事であることが分かりいつの間にか張っていた肩の力を脱力した。

 

「凄いですね…これが」

 

「ええ…【先生】本来の力……!!」

 

スズミの驚嘆の声にチナツが同意の声を上げる。

【先生】の指示を一番最初に受けれたのは私たちであるという自慢と自負を持っていたのは間違いない。それ故に色々と言われたこともあるけどそれでも【先生】の初めては私たちのモノだった。そしてそれは今回も。

 

「分かっていた事ですが…明確に違いますね」

 

「そうね……悔しいけれど“あれ”とは天と地ほどの差があるわ」

 

ハスミの呟きにしたり顔でユウカも同意する。

私たちがこのキヴォトスで目覚めてからしばらくの時間が経ち、ミレニアムとトリニティそしてゲヘナの仲のよろしくない三校が手を取りミレニアム主導で作り上げた機構。

ミレニアムの“十字架”、トリニティの“杯”、ゲヘナの“杖”

三校が所持している“第一級聖遺物”を惜しげもなく利用して作り上げた【先生】の紛い物。基本的に顔を見合わせたら眼を飛ばして、その数秒後には撃ち合いになる三校だが“あれ”を作る時だけ、作っている間だけ非戦闘状態になったとは有名な話だ。

 

まあ出来たのは劣化にも満たない──────

 

過ぎ去った過去の出来事をふと思い出してしまってからかユウカは人知れずその表情を歪ませる。まあ今となってはどうでもいい事だ。こうして【先生】は隣に居るのだから。

 

 

 

「着いたわ…ここが」

 

「シャーレ。という事だね」

 

顔を見上げるとそこには4から5階建の白塗りの建造物が建っていた。

日の光を反射して輝くその白亜の壁は如何にもな空気を漂わせ、私は気が付かぬままに感嘆ともとれる様な脱力した息が口から漏れ出る。

 

「お待ちください」

 

「リン?」

 

「はい。まずは私からシャーレに入らせていただきます」

 

“中”に入った“危険人物”がまだ居るかもしれませんので。そういうリンに私は説明された危険人物とやらの大まかな情報を思い浮かべる。

 

『…………災厄の狐?』

 

『はい。名前を“狐坂ワカモ”と言います』

 

その“災厄の狐”が今回の騒動の主犯だとリンは断定する。その名前と二つ名らしいモノを伝えられてもどういう子か分からないと視線でリンに続きを伝えるように訴える。

 

『“狐坂 ワカモ”は元々所属していた“百鬼夜行連合学院”をある日突然8割方破壊し、逃走』

 

それ以降、連邦生徒会にも何度か“同じように二つ名持ちの悪名高い生徒と連合を組み”襲撃を仕掛けてくる問題児であると。リンは語る。

 

『その子の目的とかあるの?』

 

『………っ!?いえ。不明ですが』

 

恐らく、ただ暴れたいだけの存在であると。

二つ名の由来にもある様に突然現れて、暴れ狂い多くの被害を出して去っていく故に災厄。そんな子が何故シャーレを狙っているのか。

 

「というわけで先生は……先生?」

 

「……………いや。」

 

知らず知らずのうちに私は声を上げていた。

どうしてか分からない。どういう意図か分からない。……でも

 

こうしないといけない。そんな気がした。

 

「私も行くよ」

 

「…………!?何を言って…」

 

リンの驚愕する声に私は一つ考えていた事があった。

その狐坂ワカモ…という子はどうやら“暴れて、多くの被害を出している”子らしい。だというのにこのシャーレの建物には至って異常は見当たらなさそう。つまり今回の一件ではその狐坂ワカモという子はまた別の要件があるのではないかと考えた。

 

「………いえ……たし、かに……あばれて、る感じは、ないですね」

 

「でしょ?」

 

その考えを簡潔にリンに告げるとリンはどうにも歯切れの悪い返事で私の考えに賛成してくれた。リンとしてはそれでも危険が有ると言いたいのだろう。それは私も重々承知している。けど。

 

行かないといけないような、気がして止まないのだ。

 

「………………………分かりました」

 

では先生。まずは地下に向かってください。

諦めたように認めてリンは一息ついて私に指示する。言いたいことはいっぱい有るだろうにそれでも呑み込んでくれたリンに感謝を込めて少しだけ目を伏せる。

 

「地下にはこれからの【先生】を助けるための“とあるモノ”があります。」

 

なにより色々とモノを保管している地下は特段頑丈に作られているのでそこに行けば先生の安全も確保できます。とリンはわざわざ私の安全まで考えて送り出してくれる。

 

「リン…………本当にありがとう……!!」

 

「これぐらい、問題はないです」

 

どうか、どうかご無事で。

リンの万の想いが込められたその優しさに私はこの恩は必ず返すと覚悟を決めて首を縦に振りシャーレの中に突入していった。

 

 

 

シャーレの外観が真っ白だったということもあり、中も白一色で統一された見ようによっては目がチカチカする様な気もしなくない道を歩く。地下への道は一本道だったということもあり、意外と早くその地下のドアの前に着いた。

 

「……………よし」

 

一回、深呼吸してその部屋の扉を開ける。その扉のドアノブは自分が思っていた以上に冷たくて、そして重かった。ような気がした。

 

「おかえりなさいませ。あなた様」

 

「………………うん?」

 

ドアを開けた先に、目の前に狐耳をした黒髪の少女が立っていた。

もう一度言おう。両手を胸の前で組み、赤面した少女が立っていた。

 

「た…ただいま……?」

 

「はい!おかえりなさいまし」

 

“おかえり”と言われたのだからつい私も“ただいま”と返してしまった。

するとその少女はその返事を待っていたと言わんばかりに満面の笑みで私の手を握ってくる。そしてその少女は衝撃的な一言を口にする。

 

「これからもよろしくお願いしますね。旦那様?

 

「………えっ」

 

一体いつからこんな可愛いお嫁さんが出来たのだろうか。それにどうしてこのシャーレの建物の中に居たのかも気になる。色々言いたいことが湧き上がってきたその時、先に少女が口を開く。

 

「わたくしの名前は“狐坂 ワカモ”……いつまでも貴方様のお側に置いてくださいましね?」

 

「ワカモ…君が…」

 

そうその少女は…ワカモは先程リンから語られた“災厄の狐”その子らしい。

ペコリと頭を下げて私を見上げるその姿に前情報として伝えられた“災厄の狐”とは全然違う少女の姿がそこには有った。

 

「感動の再開に水を指すなど無粋な真似は許しませんよ」

 

「………?」

 

どうするべきか。考えていた所、ワカモは私には聞こえない声で小さく何か呟いたらしい。一体何を言ったんだろうかと首を捻るとワカモはもう一度微笑み私から何を言うのか待っていた。

 

「じゃあ。君はどうしてここに?」

 

「ここにですか……?それは勿論。」

 

まるでその問いを待っていたと言わんばかりにワカモが額の右側に着けていた狐の仮面を手慰みみたく触り、顔の半分まで下ろす。その顔をもっと見ていたかったな…と私は少し残念に思ったがその後の一言でまたワカモに驚かされる事になる。

 

「旦那様の帰りを待つのは妻の役目でしょう?」

 

「…………うん?」

 

一体いつからこんな可愛いお嫁さんが出来たのだろうか。(二回目)

相変わらずキヴォトスの生徒たちは距離の詰め方がおかしいとも思いながらワカモをどうしようかと考え始めた。私を慕ってくれるのは純粋に嬉しい話だけどこのままだとワカモと敵対している連邦生徒会の子と鉢合わせる。(それをいうなら私の所属も連邦生徒会だが)

 

「このまま蜜月を続けても宜しいのですが……」

 

些か煩くなってきましたね…と不穏なワカモの呟きに私は少しヒヤリと肝を冷やす。まさかここでリンたちに喧嘩を売るなど流石にしないと……しないと思いたいが。

 

「ふむ…また会いましょう。あなた様。」

 

今度は満月の夜にでも。と言い、どういう理論か分からないが気がついた時にはもうワカモは目の前から消えていて。実は夢でも見たのではないかと言わんばかりに地下の無機質な反響だけがそこには有った。

 

 

「先生っ!!ご無事ですか!?」

 

数秒…いや数分経った頃だろうか。後ろからリンが飛び込んでくる。

リンはとても急いでいたのかその額から汗を滲ませている、その姿にただ大丈夫と声を掛け背中を摩ってあげるしか出来なかった。

 

「まさか…“狐坂ワカモ”が()()()()()にでるとは」

 

「暴挙……?」

 

何か危険な事をしたのだろうか。そう考えているとまたリンから気になる単語を含んだ呟きが聞こえたのだった。

 

「ええ。聖遺物を利用した擬似的な防壁の展開」

 

って。これはどうでもいい事ですね。とリンは呟きを強引に断ち切ったが、やはり気になる物は気になる。“聖遺物”とは一体なんだろうか。とてもご利益のある神秘的なモノだとは分かっているがここキヴォトスではまた何か別の意味でもあるのだろうか?

 

そうまた考えていたらリンから一つの端末が手渡された。

タブレット型の至ってどこにでもある様な端末。これが最初リンの言っていた“とあるモノ”なんだろうか。

 

「……これは“シッテムの箱”」

 

今は失踪した連邦生徒会長が先生に残したモノです。

そう言って手渡されるタブレット。あまりにも普通なそのタブレット…シッテムの箱には私を呼び出したであろう連邦生徒会長が用意したモノでこれを私が使う事で今キヴォトスで起こっている混乱を止めることが出来るらしい。

 

 

私はそれを手に取る。

 

何故か懐かしい。まるで今まで何度も手に取ったことがあるかの様なフィット感。

 

新品らしいこのタブレットに何故か懐かしさを覚えながらタブレットの電源を付ける

 

 

 

 

Connecting To Crate of shlttm…

 

Please enter the system connection password

 

 

パスワード…は。

 

考えるよりも先に、手が動いた。

 

まるで何度も何度もこれを入力していると、言わんばかりに。

 

 

我々は望む、七つの嘆きを。

 

 

我々は覚えている、ジェリコの古則を。

 

 

パスワードを確認

 

接続者情報を確認………

 

神秘情報  一致

 

「シッテムの箱」にようこそ先生

 

メインオペレーションシステム「A.R.O.N.A」起動します

 

 

 

 






言い忘れてましたがこのキヴォトスでは全生徒の絆ランクが100超え(最低100)です。
先生から生徒の好感度は0(まだ会ってないから)なのにね。可愛いね。

ちなみにヘラったカヤは色んな苦労人愛用のデフォルメ先生ぬいぐるみを抱きしめてメンタル回復中


感想や評価お待ちしてます。


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