悪魔の孫と悪魔のスタンプと海賊   作:MTHR

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入間くんオンリーです。
変身もしないし、独自設定、解釈が多いと思われます。


2話 迷い混んだ悪魔の孫

 “新世界”の鎖国国家ワノ国は、首都“花の都”を中心に“希美(きび)”、“鈴後(りんご)”、“白舞(はくまい)”、“兎丼(うどん)”、“九里(くり)”という、食べ物を連想させる名前の5つの里がある。しかしその5つの里は、15年以上前からワノ国の将軍【黒炭オロチ】が各郷に建てさせた武器工場の影響で大地は荒れ果て、流れる川は汚染されている。民は皆貧乏で常に腹を空かし、ボロボロの家でボロボロの衣服を着て、武器工場で水も満足に変えない程に安い賃金で働かされている。

 

 そして“花の都”は、他の郷と違い、住民は裕福で、日々笑顔の絶えない街だ。

 

「相変わらず賑やかな所だなァ…他の里は荒れ果ててるのに」

 

 水色の着物*1に身を包み、“認識阻害グラス”をかけて花の都に潜入していた入間は、茶屋で典型的な三色団子を食していた。

 

 入間がこの世界に来たのは3ヶ月前の話だ。

 入間はアリクレッドと共に、仮面ライダーリバイスとして人類と悪魔の滅亡を目論んだ【ギフ】を倒して地球にすむ生命の危機を救った。

 だが、ギフを倒したと同時に空間に開いた亀裂にリバイ(入間)バイス(アリクレッド)と共に吸い込まれ、気が付いた時には“鬼ヶ島”にいて、そこで出会ったのが、なんだか誰かと声が似ている気がする人物、ヤマトだった。

 最初は入間が百獣海賊団かと疑われて一触即発になりそうだったが、自分に敵意がないことを知ると意外なことに直ぐ仲良くなった(なお、ヤマトが自分を男だと言った時には流石に入間も混乱し、ヤマトの言動に慣れるのに1ヶ月はかかった)。

 

 そして、入間はヤマトと親しくなった事で、この世界に関するあらゆる情報を手に入れた。

 

 “海賊王”ゴールド・ロジャー、“ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)”、大海賊時代、四皇、世界政府、海軍、王下七武海etc…

 

 どれもこれも、入間の記憶にある人間界の歴史とは全くといって良いほど違う。なまじ経験があるだけに、どうやら自分は魔界とも人間界とも違う“異世界”に飛ばされたのだと理解した。

 勿論、入間はこの世界に長居する気はない。入間の居場所は魔界であり、それ(自分の居場所)を守るために入間はギフを倒したのだ。決して、右も左も分からない世界に来る為じゃない。

 

「…アリさん。どう?直りそう?」

『いや、全然だ。ギフの細胞がこの上ないの程弱体化してやがる。魔力を注いで活性化させようとしたんだが、効果は微々なもんだ』

「やっぱり直ぐには無理か……」

 

 入間は懐から“ガンデフォン50(フィフティ)”を取り出し、声を回りから聞こえなくさせる“盗聴防止(パーフェクトスピーク)”を使いながらガンデフォンに話し掛けると、ガンデフォンに一つ目のタキシードを着た魔人の姿が写った。

 彼こそが、入間が右指に嵌めている“悪食の指輪”の化身にして入間の相棒、【仮面ライダーバイス】の変身者である【アリクレッド】だった。

 

 アリクレッドの言葉を聞いて、入間は懐から新たにティラノサウルスの頭を模したようなアイテム──“ギファードレックスバイスタンプ”を取り出す。しかし、本来マゼンタを基調としているそれは、まるで燃え尽きているかのように灰色になっており、試しにスイッチを押してみても反応がない。

 この世界に来た途端、ギファードレックスはこのように色を失い起動できなくなったのだ。

 空間にも干渉できるこの力(ギファードレックス)なら、それなりの高確率で魔界に帰れるかもしれない。だがその“帰る手段”がこの有り様な為、入間は自分の意思で帰ることが出来ない。

 そのために最高位の隠密魔術と“認識阻害グラス”を使うことでこうしてワノ国に潜入して情報を集めてあちこち回っているのだが、魔界のまの字すら出てこない。まさに詰みだ。

 

(でも、ヤマトの事も放っておけないしな……)

 

 アリさんとの通信を切った入間はふと、この世界で友となったヤマトの事を思い出す。

 ヤマトからこの国の過去や、ヤマトが自称する【光月】という人物についての話を聞いてはいるが、入間にはワノ国(この国)に深く入れ込む理由がないし、完全に余所者である為に、この国の問題に口出しする権利もない。

 だが、誰も味方のいない鬼ヶ島(あの島)で、孤独と戦いながらも、何処かその境遇に心を縛られている彼女()を、放っておくことが出来ない。相も変わらずお人好しである。

 だからこそ、何度も一緒に戦おうと言った。

 だが常に断られ続けた。

 ギファードレックスが使えなくなっているとは言え、入間の実力では勝てない、これは僕の問題で君を巻き込めないからと言われてしまい、本人が助けを求めていないなら無理に干渉はできないと諦めて、ヤマトの負った傷を治療するのは今では新しい日常と化してきている。

 

「……そろそろ、鬼ヶ島(アッチ)に行くか」

 

 なにも答えが浮かばず、帰る方法も見つからず。

 そんな現状から逃避するように、入間は立ち上がって団子屋の勘定を済ませると、ヤマトがいる鬼ヶ島に向けて歩を進めた。

 

*1
魔入りました!入間くん×くじメイトの和装をイメージしてください。





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