忘れてたわけではないんですが、他の小説に夢中になり過ぎて中々執筆が進まず、こんな時期に投稿となってしまいました。
「……入間、僕をここから連れ出す事って、出来ないかな?」
「……急にどうしたの?」
ワノ国の明王呼ばれる海賊“百獣のカイドウ”の拠点となっている鬼ヶ島。
魔界からこの大海賊時代に迷い混んだ少年、鈴木入間は、目の前に正座をして真っ直ぐにこちらを見つめてくる美女──ヤマトの言葉に目を見開いた。
「……これを見てくれ」
「これって確か……ビブルカードって言う紙だよね?」
ヤマトが手のひらの上に乗せて入間に見せてきたのは、小さな紙切れだ。その紙切れはヤマトの手のひらの上で、風も吹いていないのにヒラヒラと何処かへ向かうように進んでいき、まるで炎に燃やされているかのようにチリチリと焦げて小さくなっていく。
これは“ビブルカード”、別名『命の紙』。相手の爪や髪といった身体の一部を混ぜて創られる特殊な紙で、離れたカード同士が引き合う事で、距離は掴めないが世界中何処にいても持ち主の居場所を知ることが出来る他、持ち主の生命力を啓示する物で、本人が弱れば縮み、回復すれば元に戻ると言う不思議な紙だ。
魔具研究師団の団長をしていた入間は、未知の道具に興味を抱いていた為、この紙の事は割と記憶に強く残っているし、数日前にヤマトに創ってもらって今も所持している。
「焼き焦げてるね……確か、そのカードの持ち主って……」
「うん。エースのビブルカードだ」
ポートガス・D・エース。
カイドウと同格の四皇の一人にして、世界最強の海賊と名高い“白ひげ”エドワード・ニューゲート率いる“白ひげ海賊団”二番対隊長。
元々は“
「……エースの弟の、“麦わらのルフィ”がエニエス・ロビーを落としたって新聞がでた辺りから、エースのビブルカードが縮んでいっているんだ。きっと、エースに何かあったんだと思うんだ」
「ヤマトの話だと、ビブルカードは持ち主が弱ったら縮んで、元気になると元のサイズに戻るんだよね?」
「うん。エースがワノ国を去ってからしばらくした後に、一度だけビブルカードが縮んだ事がある。でも、翌日には元に戻って、その後にエースが白吉っちゃんの船に乗ったっていう新聞が出てきた。でも、今回は全く元に戻る様子がないんだ。どうにも胸騒ぎがする……」
「……どうでも良い事かもしれないんだけど、その白吉っちゃんって何?」
「白ひげの呼び名さ。光月おでんは白ひげをそう呼んでたから、光月おでんである僕がそう呼ぶのは当然だ」
「あぁ、そっか……」
相変わらず自分を光月おでんと称し、振る舞うヤマト。故人に憧れを持ったり、憧れの人物の真似をするのは別に良いと思っている入間だが、やはり度を越しているように思えるヤマトに思わず苦笑する。
「話を戻そう。ビブルカードを見るに、エースに何かあったんだ。君の魔術で、僕の枷を外してこの島から出ることは出来るかい?」
「……海賊の救出かぁ……」
入間は少し躊躇いを覚える。
海賊、夢とロマンを求める自由な男達と言えば聞こえは良いが、そもそも海賊は略奪を生業とした犯罪者。度を越したお人好しの入間でも、会った事もない犯罪者を救うという提案には簡単に首を縦に動かせなかった。
仮に海軍に捕らえられて処刑されそうになっているなら、それは世間一般的には『正しい』事とされるのだ。
この世界に来てから自分が見てきた海賊が百獣海賊団しかいないのも一因であった。全ての海賊が悪人と決めつけるつもりはないが、ヤマトの話でエースは百獣海賊団とは全く違うときいているが、百聞は一見に如かずという諺がある。結局、百獣海賊団という極悪非道の海賊しか目にしたことがない入間には、『良い海賊』というイメージが全くわいてこないのだ。
同時に、入間はヤマトに視線を向ける。
彼女(彼と言うべきか?)の目は、出会ってから始めて見たと言って良いほど真剣なものだった。
「……前々から気になってたけど、何でヤマトは自分から鬼ヶ島に出なかったの?その枷を外したら島に出られるっていうことは……その枷に呪いでも掛けられてるの?」
「いや、呪いの類いじゃない。この枷には、島から出れば爆発する仕掛けになっている。実際に体験した訳じゃないから本当に爆発するかしないかは分からないけど……」
「いやいや、何その物騒な枷!?」
明かされた新事実に入間は驚愕する。
とても実の親が子供にする所業とは思えないが、入間自身幼少期に実の両親から「お前ら、人の心とかないの?」と本気で問いただしたくなるような事ばかりされており、ヤマトが日頃から父親から受けている傷のこともあるので、自分でも驚くほどすんなり信じることが出来た。
入間は一度深く深呼吸して、ヤマトの腕に嵌められた枷を視線を落とす。
「……それで、枷を外せるかだよね?出来るか出来ないのどっちかだとすれば、多分出来るよ」
「!そうなのか!!」
「うん……でも、良いの?その枷を外してこの鬼ヶ島から出ることは出来るけど、君のお父さんとの因縁とか、この国の事とか……」
入間は言いにくそうにしながらも質問する。
ヤマトをここから連れ出すことは出来るが、それだとヤマトの身の回りの問題を放棄することと同義だ。既に彼女を友達だと認識している入間としては、彼女が危ない事をしなくて嬉しいと思う反面、この国の事を放って良いのかと思う。
そう尋ねると、ヤマトは難しい表情を浮かべて、その質問に答えた。
「……この国を見棄てるつもりはないよ。でも、エースの事だって見棄てられない!友達が危ない目に遭っているのに、知らん顔してられないよ!だから僕は、エースを助けて、必ずここに戻ってくる!」
ヤマトの決意を聞き、イルマは真っ直ぐに彼女の目を見つめ返すと、イルマは懐あらあるものを取り出しながら、口を開いた。
「……分かったよ、ヤマト。君を信じる!」
入間は取り出したそのドライバー──“リバイスドライバー”を腰に当てると、左右から帯が延びて腰に巻き付いた。
そして、恐竜の王者T-レックスの意匠が施されたスタンプを取り出すと、上部のスイッチを押した。
入間は“レックスバイスタンプ”をヤマトの手錠に押印する。
すると、入間の右手の指輪の中にいるアリクレッドが霊体となってヤマトの枷に吸い込まれる。
その時、ヤマトの枷が音を立てて外れ、重力によって地面に音を立てて落ちる。アリクレッドが枷の中に入って外したのだ。
呆然と自分の手を見つめるヤマトと、それを見つめる入間。
その時、入間のガンデフォン50に入り込んで画面に姿を表したアリクレッドが大声を上げた。
『イル坊、早く逃げねーと爆発するぜ!』
その瞬間──、
鬼ヶ島に轟くような凄まじい爆発が起こる。
「えぇええええっ!!?」
「あのクソ親父ィイイイイイッ!!」
アリクレッドの警告と長年の危機回避スキルにより、“
このままでは不味いと、入間はレックスバイスタンプを再び起動させる。
起動したバイスタンプを、リバイスドライバーのスタンプ台「オーインジェクター」に押印した。
入間の背後にLINEのチャットのようなものが現れ、悪食の指輪から大きなスタンプを抱えたアリクレッドの姿が現れる。
レックスバイスタンプを「バイスタンプゴースロット」に装填し、バイスタンプをレバーのように倒した。
「変身!!」
アリクレッドが抱えたスタンプが入間を包み、中のインクが入間に纏わりつくようにスーツとなって定着され、その姿が変わっていく。
同時に、LINEのチャットから飛び出したアーマーがアリクレッドに装置されるとアリクレッドはその姿を変えていった。
入間はピンク・水色を基調とし、ティラノサウルスを模した姿に赤い複眼と耳まで割けているように見える牙が特徴の戦士──仮面ライダーリバイへと。
アリクレッドは、全身黒のボディにティラノサウルスを模した被り物と装甲を身に付け、青い二つ目の複眼を持つ姿──仮面ライダーバイスへと変身する。
姿を変えたリバイは、直ぐ様新たなスタンプを取り出して、リバイスドライバーに押印、レックスバイスタンプと取り替えて、ベルトを操作する。
リバイは複眼が黄色く、複眼の間のVの字に開いた部分からはプテラノドンの嘴を模したパーツが伸び、胸部はファイズの中間フォームであるアクセルフォームのよう展開してプテラノドンの翼のような意匠をもった姿に、バイスはプテラノドンの要素をいれたようなエアバイクの姿──プテラゲノムに変身した。
「ヤマト、乗って!」
「ヘイヘーイ!いっちょ飛ばすぜぇ!」
「う、うん!!」
バイスの上にまたがったリバイは落下中のヤマトの腕を掴んで後ろに座らせると、空を飛ぶバイスの速度を一気に加速させ、一気に鬼ヶ島から離れていった。
・次回予告
「あの海賊旗、エースの弟の船だ!」
「ヨホホホホッ!」
「そんな事よりお前、俺の仲間になれ!!」
「何で?」
「不気味な島だね~」
「とうとう『ワノ国』を出た!僕の冒険が始まったんだ!!」
次回『長い夜の始まり』
感想、評価お待ちしております。