ライザのアトリエ 不思議な工房と秘密の多い錬金術師   作:もふもふたぬきねこ

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久々にアル視点主体に戻ります。
今回のメインキャラは、本編で二回くらいしか登場がなかったあの人です。


それからご報告を。
外伝最終話までの予約投稿が完了しました。今後は推敲を行っていきます。
という事で、完成度はともかくエタはなしです! あーよかった! 一方で別作モチベがマズい。
これも読んでくださっている皆様のお陰です。UAも40万越え、本当にありがとうございます。
まだ先の事になりますが、最後までお付き合い頂ければ嬉しいです。


では、今回もよろしくお願いします。


136. 3年前    この世界の実力者たち

「…………こいつぁ驚いた。氷菓子なのに柔らかい。この時期に凍ったものを出されるってだけでもすげえ事だが……」

 

「そんな事より味ですよ店長。ヤギミルクだったと思えないのに甘すぎるわけでもない。無限に食べられるんですけど」

 

「食べ過ぎると太りますよ。結構な量の砂糖類を使っていますから」

 

硝石(しょうせき)が出回っている気配は無し。まあクーケン島周辺を基準にすべきじゃないけれど。

氷菓子や生クリームの概念はある。だけど糖分とのバランスが面倒だしゼラチンなどのコストもかかるから、作るとしてもなかなか機械無し生産は流行らなさそうだ。

 

にしても、なら先日見る機会があった爆薬(フラム)は何で出来ているんだ?

無煙火薬ではなかった。そもそもニトロが一般的ならもっと色々なものが出回っているはず。

 

 

 

行き着く答えは「こちらの世界の錬金術」。魔力とエレメントに基づいた物理法則の改変。

ロミィさんから買わせてもらった錬金術の本にレシピの記載はなかったけれど、理論の解釈があっているならお湯を沸かすセキネツ鉱(石ころ)彗星石(まだら石)で火薬モドキが作れてしまう。

他にも僕が知らないだけで火薬を代替できる素材がいくらでもありそうだ。

 

 

 

なかなかにもどかしい。存在している事は実証されていて、ある程度誰でも知覚する事が出来ていて、特に魔法の素質に優れる人には能動的に扱う事も可能。

なのに僕は本当に曖昧な形でしか知覚する事が出来ない。属性すら不明。精々流れと大小だけだ。

来たばかりの頃に比べればマシにはなったけど、それでも全く以て理解は不十分と言える。

 

これを「体質」と片付けてしまうのは簡単だけれど、この世界で生きていく上ではかなりの不利になりえる要素だ。この辺りを理解できれば、先日の街道のガーディアン発生メカニズムとかを解明できるかもしれないのに。

 

何とかして一度はこちらの世界の錬金術を目で見てみたいものだけど、未だに錬金術師……じゃないのか、()()()()には会った事がない。本の知識では限界がある。

遠くにはあるらしい大きな町に行ってみたいものだけど、数日島から離れるのは問題だしなあ。

偶々ここを訪れてくれる事を願いたい。

 

「これは挑戦状だな、今の俺じゃ作れる気が全くしねえ。味もそうだが、何よりこの触感がどうなってやがんのか考えねえと」

 

「そんなつもりは欠片もないので、よろしければレシピをお渡ししますよ?」

 

「ダメだよアルフォンス君。店長を甘やかすとコスト度外視でムチャクチャ作り始めるから。ちょっとは苦労した方が良いんだよ」

 

「元からレシピをもらう気はねえ、これは俺が自力で辿りつかなきゃいけねえ代物だ。つっても、流石に凍らせようがねえから冬場まで待つしかねえか」

 

「ボオス君に相談しないとですけど、それは何とかしてみますよ。僕も色んな味を食べてみたいですからね。林檎とかピーチとか」

 

「ピーチ?」

 

しまった。こっちでは桃の呼ばれ方が違うんだった、ええっと。

 

「甘露の実みたいなものだったかと。あれの甘さは格別ですから」

 

「冷えた甘露の実か、それだけで十分すぎるデザートだな。一々あっちに報告する必要はねえ、俺も外のもんを勝手に持ち込んでる。所詮意味も分からず先人の知恵とやらに縋りついてる軟弱者の集まりだ、こっちに口出ししてくる気概なんざねえだろうさ」

 

「店長が出るまでもないよ、私だけで十分さ……さて、そろそろこっちは上がらせてもらうよ」

 

「ははは……お手柔らかにお願いします。またお邪魔しますね」

 

この二人――ダッフィーさんとミラさん。シグさんと師匠(先生)にそっくりなんだよなぁ……。

ご結婚もお付き合いをされているわけでもなく店長と店員でしかないんだけど、ダッフィーさんの腕っぷしはシグさんに引けを取らないものがある。ミラさんのキップの良さも。

 

さて冷凍技術をどうにかするといっても、毎度硝石の吸熱反応を使うわけにはいかない。

氷を作れる薬剤だなんてこの島で表沙汰になったらとんでもない事になる。

とはいえ、機械を作って音が出るだの排熱が大きいだのはそれ以上に論外だ。

これはこっちの世界の素材を使って何とかする方向で考えよう。

 

 

 

ここに来て7年、か。そろそろ踏ん切りをつけるべきなのかもしれない。

 

あちらの世界への帰還を諦める。この世界の、単なる人間の一個体として生きる、という。

 

ロミィさんと関わった事で、島の外についての情報はかなり手に入れる事が出来た。

だけど……少なくとも僕のように異世界から来た可能性がある人物に関する話は見る事が出来なかった。あっちの世界に関する情報は言わずもがな。

 

身体こそまだ若いけれど、本来の僕の年齢は27。あと2年であの頃の大佐やヒューズさんと同じ。

どういう立場であるかは確立している歳だろう。今の僕はあっちの世界の住人じゃない。

仮にあちらに帰れたとして、これほどの期間メイを蔑ろにしてしまっている。

謝罪はしたいけれど、その手段もない。せめて充実した生活を送っていてほしい。

 

ロミィさんにもかなりの負担をお願いしている状態だ。彼女は笑っていてくれているけれど。

外国の情報すら集めてもらえるのは本当にありがたいけど、移動手段や通信技術が乏しいこの世界では並大抵の事じゃないはず。一般人ならまず不可能なレベルだろう。

お金のやり取りはあるとはいえ、彼女に不要な苦労を背負ってもらうなんてもってのほかだ。

ロミィさんは20歳、他にやりたい事が山のようにあるはずなんだから。

 

少なくともアガーテさんが戻られるまでは今の役目を続けるつもりでいるけれど。

それが終わった時は……単なる島の道具屋として静かに生きるか、更には島に迷惑を掛けない為に島を出るという選択も現実的な話になる。

 

 

 

この世界に「アルフォンス・エルリックという錬金術師」は必要ない。

それが、今までこちらで生きてきた僕に対する自己評価。ハッキリ言ってただの異物で危険物だ。

こちらの世界の錬金術の話はあるけれど、それを含めても僕の錬金術は真っ当とは言えない。

 

既に島にはかなりの変化をもたらしてしまった。

ボオス君による管理が無ければ更に広まっているだろう。そんな力、この島に必要なんだろうか?

ないだろう。いたずらに彼の負担を増やしてしまっているだけかも。

 

島に関する疑問は解消したいところだけど、進退は決めないと、かな。

 

 

 

いつの間にかこんな時間か。戻ったらそっちを考えつつ、タオに貸してもらった本から解読を――

 

 

 

「…………んお? アルフォンスじゃねえか!!」

 

 

 

このパンチ力のある声は。

 

「こんばんは、ザムエルさん。釣果は如何でしたか?」

 

「でっけえセリヨルが釣れたぜ? やっぱカールんとこの裏手は穴場だな」

 

今日はラーゼン地区にいらっしゃったのか。

ライザに巻き込まれたレントと鉢合せしたって線は薄そうかな。

 

「今から祝い酒だ。お前もいい加減成人しただろ? ちったぁ付き合え」

 

「いや、まあ…………そうなんでしょうか?」

 

「そうなんだよ! お前みたいにちいせえ事気にしてたら、何時まで経っても酒が飲めやしねえ。レントのクソガキみてえなもんだ」

 

今までは「成人しているか分からないから」という事で断って来たけど、計算上の身体は21歳のはずだ。酔わない身体なのは分かり切っているけど、そろそろお付き合いしよう。

 

「分かりました。お手柔らかにお願いしますね?」

 

「男の祝い酒にほどほどもクソもあるかよ! ダッフィー! いいやつ出してくれ、アルフォンスの酒解禁祝いだ!」

 

「テメエが飲みてえだけだろうが……が、アルフォンスが酒を飲む祝いってんなら乗ってやる。2杯までタダにしてやらあ」

 

「話が分かんじゃねえか! これこそ(おとこ)だぜ!」

 

「ありがとうございます、ダッフィーさん」

 

今日のザムエルさんは上機嫌だ。このまま上手くいってくれればレントの夜が平和になる。

 

 

 

♢♢♢

 

 

 

「ハンター、ですか?」

 

「おう、魔物の中でも更に飛びぬけた怪物を狩る事に特化した連中だ。俺もそれなりに名を馳せた傭兵だが……奴らは違う。奴らもバケモンだ、ありゃあもう人間辞めてやがんぜ」

 

中々ザムエルさんから聞けるお話は貴重なものが多い。ロミィさんと同じくクーケン島の外どころかロテスヴァッサ王国外の情報を体験のままに聞く事が出来る。

レントの言う通り「ホラに決まってんじゃないですか」的なお話は確かに多いけど、ところどころに本当の事と思わしき内容が入って来る。

 

ご自分を過度に持ち上げない辺り、このお話も多分真実だ。とんでもない人達がいるもんだなあ。

 

「俺の剣はお前も知ってんだろ?」

 

「ええ。他に見た事のない大きさの剣ですよね?」

 

「俺も昔はちいせえ男だった。だから剣も周りの野郎共と変わらねえ普通の剣だったんだ。だけどよ、あいつらが使う剣はぶっ飛んでやがった。身の丈を超えるなんざ当たり前、自分の身体より遥かに重てえだのクソ長えだの色とりどりでよ。しかもそれを平然と振るってやがった。だから俺も今の剣に替えてやったんだ、よりデケえヤツになれるようにな」

 

「……という事は、その方々が使われていたシロモノは?」

 

「更にデケえ。怪物の部位をそのまま使ってやがるようなのも居たな。だが……凍り付いたソーンフィッシュだの、柄を口にぶっ刺しただけの太刀魚だの。もうあれは剣じゃねえよ、それっぽく使っているだけの何かだ。ま、そのくらいじゃねえとアイツらの力に耐え切れねえんだろうよ」

 

これは……これも真実なの? 識別が付かないぞ? 冷凍マグロでどう魔物を斬るんだ?

ただまあ、口にしているザムエルさんですら変に思ってるくらいだ。本当にあるんだよね。

 

「凄まじいものですね。どんな人達だったんですか?」

 

「あん? そうだな、見た目は……俺達と変わんねえ奴が大半だ。俺よりデケえ身体のやつもいれば、何でこいつが持てるんだと言わんばかりの女やジジイやチビも居た。あとは……数は少なかったが「獣人(じゅうじん)」も居たな」

 

「獣人?」

 

初めて聞く言葉だ。合成獣(キメラ)の人達の一種なのか?

 

「確かにこの辺りじゃ見ねえか……身体の一部に獣の特徴を残していてな? 分かりやすくは腕やら脚やら背中やらに毛が生えてる奴らだ。足がクソ速かったり馬鹿力だったりアホみてえに魔法を連射しやがったりでよ。だがガキの頃は俺達よりひ弱で、まともに育つ奴は少ねえって話だ。だからこそ、生き残ってるやつは強えんだろうさ」

 

「そんな方々がいらっしゃるんですか。世の中広いものですね」

 

進化の過程で人の形に完全に独立したんじゃなくて、一部それ以前の身体能力を残した血筋か。

合成獣とは全く別の存在かな、失礼だった。

繁殖に特化した人と違って身体能力に特化させたせいで、数が少なくてこちらで見る事も中々ない感じなのかな。

 

「そういやよ、アルフォンス。お前、いい加減女は作らねえのか?」

 

話が飛んだ――こっち方面のお話かあ。

 

「いい加減って……今日初めてお酒を飲んでいるくらいの年齢の筈ですよ?」

 

「バカヤロウ、別にガキをこさえろなんざ言ってねえ。お前の年くれえで今まで一度も女遊びしてねえのがおかしいっつってんだよ。タマついてんのか」

 

正論が飛んできた。こっちの世界では十代の結婚も珍しくなさそうだもんなあ。

 

「いえ、まあ、今までは仕事に夢中でそういった事に目を向けていなかったのは事実ですけど」

 

「お前の器がデケえのは分かる。何時まで経っても島から一歩も出ねえ連中に、古老のクソジジイを筆頭にした「掟バカ」共。そいつらと比べてお前が明らかにチゲえのは俺も分かってらあ。それにお前の周りの女でライザのガキなんざ論外、ロミィはちいせえ、アガーテはつまんねえしよ。だがな、女は知っておけ? じゃねえと俺みてえにクソガキの世話を延々と見る羽目になんぞ」

 

いやいやいや……貴方の息子さん、自力で相当真っ当に育っていますよ?

正直レントがそこまでグレていないのが信じられない。反面教師的なものなのかな。

 

ライザは14歳で僕を兄代わりに見ているだけだし、ロミィさんはお仕事のパートナーで身長は関係ありませんし、アガーテさんはそもそも義理の姉ですし……本当にメイは今頃どうしているんだろうな。あっちの世界で今の僕の年の頃の前からメイと一緒に過ごす事も多かったから、その辺りに理解が全くないわけではないんだけど。

 

 

 

とはいえ、僕の事情をこちらに持ち込むべきでは……ないよね。

 

 

 

「追々考えてみますよ。突然彼女を、というお話は現実味が――」

 

「くよくよ言ってんじゃねえよ! 今ここで決めようじゃねえか」

 

ああぁ、これは嫌な予感がする。

 

「俺と力比べしてみろ。お前が俺に勝ったら俺が思ってるより更にデケえ器って事だ、なら相応の女を見つけるにも時間がかかんだろ。だが俺が勝ったらとっとと作れ。無駄に生きてきたわけじゃねえんだ、人生の先輩の言葉は大事にすべきだと思うぜ? ダッフィー!! 樽一つ出してくれ、簡単にはぶっ壊れねえやつをな!」

 

「バカヤロウてめえ、それでアルフォンスの腕なんざ折ってみろ。まずはライザあたりから最低でも腕が治るまでミオの強化付きで延々とうにを投げつけられるぞ。エレナがアガーテのやつに手紙を寄越したら、てめえの首を落とすためにすっ飛んでくる。一番ヤバいのはロミィだ、怪我なんざ関係なしに俺達の誰も気付かねえ形でこの世から痕跡すら消されるぞ、ザムエル」

 

ライザはともかく、アガーテさんはそこまで危険な……いや、話に聞いた前科未遂(古老様襲撃)があるか。

ロミィさんから「消される」って何ですか? 彼女がそんな技能を修めているようには見えないんですが……。

 

腕相撲か、こっちに来てからやった事が無いんだよね。

まあ以前はあの細腕だったし、そもそもこの島でそんな事を挑んでくる人がいない。

護り手の活動の真実を知ったらレントくらいは来るかもしれないけれど。

 

そして、この世界における今の僕の実力が分からない。

初めてシャイニングぷにと戦って以降も鍛え続けて、島周辺の魔物であれば問題は無くなった。

けど、相手は傭兵として世界を回られていたザムエルさんだ。世界基準となると予想がつかない。

一瞬でへし折られる事は無いとは思うけど、負けちゃったら後々残りそうだ。

 

「心配すんな。腕の太さを見てみろ、本気の俺に勝てるわけねえだろ。ちったあ手加減してやる、根性見せろっつってんだよ」

 

という事は、ザムエルさんにとっての常識の範疇って事かな? それならありがたい。

粘りに粘れば何とか延長を認めてもらえるかもしれない。

 

「分かりました。よろしくお願いします」

 

「……本気か? アルフォンス」

 

「何事もなかったらくよくよしそうなのは本当の事ですから。気合い入れさせていただきます」

 

「それでこそ俺の見込んだ男だ! 財布はしっかり持っとけよ? 王都までの道だけでも金がかかるからな」

 

王都での夜遊び、目的はそっちですか……根性見せなかったらそこまで本気なんですか?

絶対負けられないじゃないか。王都に行く機会には出来そうだけど。

 

「……審判は俺がやる。結果につべこべ抜かしたら問答無用で拳を叩きこむ。それでいいか?」

 

「ええ」

 

「おうよ!」

 

マズいな、初めてシャイニングぷにと戦った時より緊張しているかもしれない。

とは言えザムエルさんも手加減はしてくれるって事だし、それはこの世界における常識のレベルを測るチャンスだ。なんとか数秒でも耐えて、その辺りを知っておかないと。

 

互いの右手を組む――どう見てもザムエルさんの方が僕の1.3倍はある。大丈夫かな?

まずは動きを止める! 気合い入れないとね!

 

 

 

「いいか? ……カウント3! 2! 1! ファイ!!

 

「ふん!」「おぅらぁっ!!!」

 

 

 

……………………?

ザムエルさん? ザムエルさん?? 手加減し過ぎじゃないですか???

見ているのがダッフィーさんだけなのに相当な演技派だ。誰かが見ている可能性を懸念して?

思っていたより結構優しい所があるんだな、ザムエルさん。気分が良いからかな?

 

おっと、いけないいけない。勝負は勝負。だけど粘りつつ。

 

「…………んぐ、ぐ、ぐが、が、がぁ、お゛い゛、冗談だろ……っ!?」

 

「負けられ、ない、ものですから、ねぇっ!」

 

 

グググググ…………

 

 

すごい調整だ、流石サムエルさん。じゃあ、こんな、ところ、かなっ! ふんっ!

 

 

ドッ!

 

 

「そこまで。勝者、アルフォンス」

 

「がぁああ゛ぁ……はぁ……はぁ……お前、どういう、絡繰りだ?」

 

「ぷはぁ。ありがとうございました、相当腕にきてますよ」

 

「どっかにペンダントとかリングとか付けてんじゃねえん――」

 

 

バキャァッ!! ガッシャァァアアアン!!!

 

 

「ガタガタ抜かすなって話だったはずだ。ご苦労だったな、アルフォンス」

 

「いえ。僕は大丈夫なんですけど、ザムエルさんが……」

 

ぶっ飛ばれてますよ? ついでにさっきの樽もぶっ壊れましたよ?

この辺もシグさんみたいだ。

 

「このくらいで痛いだの言ってくるやつかよ。片付けはこっちでしておく。コイツの目が覚める前に早いとこ戻れ」

 

「分かりました。ありがとうございます」

 

ここはお言葉に甘えよう。お返しは製氷方法を頑張って考えるという事で。

取り敢えず勝負には勝ったんだし、暫くは大丈夫だよね?

にしても、結局世界の傭兵級の力ってのが分からなかったなあ……。

 

 

 

♢♢♢

 

 

 

「…………あいつも奴らの同類か? 同じようなニオイがしたぞ」

 

「なにボソボソ言ってやがる。とっとと破片を集めやがれ、さもねえと明日ミラにも殴らせるぞ」

 

「アイツの一発は不思議と効くんだよなあ……しかし信じらんねえぜ」

 

本気(マジ)だったのか?」

 

「アルフォンスの金で遊ぶ気満々だったからな。俺は直接見ちゃいねえが、バカみてえなリハビリを延々としてやがったんだろ? 気合いでどうにかなるもんじゃねえよ……多分アイツの身体も普通じゃねえな、世の中分かんねえもんだ」

 

「少なくとも、てめえよりアルフォンスの方がよっぽど島民に受け入れられてる。少しはまともに鍛えねえと取柄がなくなるぞ」

 

「冗談じゃねえ、ガキどもに舐められるのが一番屈辱的なんだ。ちったあ勘を取り戻すか」




早い段階でアルの異常性を正確に把握していたのが、実はザムエルだったという。
このやり取りが無かったら、レントはもっと早くケンカに勝っていたと思います。
ザムエルが遇った誰かさんは、角の生えた金色ゴリラを倒してきたのかもしれません。

一応の設定ですが、店長の名は「ダッフィー・メイスン」、店員の名は「ミラ・ハーネット」としています。元ネタは大体ハガレン側です。

次はひっさしぶりの人物が登場します。今後はまた二週間おきの予定です。
次回も楽しんで頂けたら嬉しいです。
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