ライザのアトリエ 不思議な工房と秘密の多い錬金術師   作:もふもふたぬきねこ

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1日前というより、他に入れる場所がなかっただけです。

久しぶりに本編を書いた気分でした。
特に最初は意図的に読みにくくなっています。ご了承をば。

読みやすくする方法は後書きに記載してありますが、
一度眺めて頂ければ幸いです。

公式さんがまさかの成分補給。こっちのキャラ崩壊が大進行。

今回もよろしくお願いします。


145. 1日前?    とあるガキ大将の〇〇日記

7月8日

 

お母さんが字のれんしゅーしなさいって、にっき? の紙をくれた。

紙ってたかいらしいし、どうせならあたらしいおにんぎょうとかがほしかったな。

 

なにを書いてもいいんだって。ならアルお兄ちゃんのことだよね!

 

アガーテおねえちゃんのおうちにいったら「まってた」って!

やっぱりとってもやさしかった! なにをきいてもぜんぶ教えてくれる!

とってもおもしろいおはなしばっか!

 

なんだかお兄ちゃんとおはなししてるよりは、おねえちゃんとおはなししてるみたいだった。

きいてるとここちよくて、なんだかあんしんして、ねむくなってくる声。

今日はとちゅうでねちゃったみたい。もったいないことしたなあ。

 

 

 

6月9日

 

まだちょっと耳がキンキンしてる。

なんでアルお兄ちゃんはアレが平気なのかなあ。

 

お店からものすっごい音がしてたから、入ろうと思ったけどカギがかかってた。

でもまどから見えてたから、顔をおしつけてたらまどごと取れちゃった。

タオにはダメって言われたけど、あんな面白そうなの近くで見ないなんておかしくない?

 

でも耳をあけちゃったのはしっぱいした。あそこまで大きな音だったなんて。

 

アルお兄ちゃんとは、カーテンがしめてある時は入っちゃダメってやくそくをした。

またキンキンしちゃうのはダメだもんね。がまんだ。

 

 

 

10月10日

 

さいきんアルお兄ちゃんがお店にいない事がふえた。

この前、夜にたまたまお店の前を通ったら真っ暗だった。

今日は会えたけど、なんだかかぎなれないにおいもしてた。

なんていうのかな、草や水のにおいの感じがどこかちがうというか。

 

アルお兄ちゃんが言うには、アイツの家でお仕事してるせいだって。

いそがしいアルお兄ちゃんに一体何をさせてんのよ。バカボオスのくせに。

アルお兄ちゃんの指はとってもきれいだった。あんなにハンマーふってるのにすごい。

エドワード先生にみてもらってたりするのかな?

よくきくお薬があるなら、お母さんたちのカサカサ指もよくなるのかな。

 

 

 

2月10日

 

今日はちょっとやりすぎたかもだ。

 

カナヅチを治そうとずっと思ってたけど、やっぱりこわかった。治し方分かんないし。

 

だけどあたしはひらめいたんだ!

おぼれるよりこわい事があったら、それどころじゃないんじゃない? って。

冬の水おけはたまに氷が出来てる。つまり冷たい水にいたらあたしもこおるって事よね。

おふろにつかってるより寒い方がいやだ。だからこおる方がこわい。多分ぜったい。

前は泳げてたんだし、水がこわいと思えなきゃいけんじゃない? カンペキよね!

 

そう思って、思い切ってきゅーしがいの橋から水路にジャンプした。

 

寒すぎてこわいとかおぼれるとか考えてるひまがなかった。やっぱりだ。

冬の水路があそこまであぶなかったとは。新発見だったね。

 

水路から上がれたのは良かったけど、寒すぎて服重くて身体がふるえて動けなくなっちゃった。

たまたまアルお兄ちゃんに見つからなかったら、かなりヤバかったかもしれない。

 

お店でおふろを借りる事になって、だけどあたしがちっとも自分で動けなかったからアルお兄ちゃんも手伝ってくれるって言ってくれたけど……。

なんでだろう? 前なら大よろこびでいっしょに入ったと思うのに、そこからあたし一人で入った。

アガーテお姉ちゃんもアルお兄ちゃんといっしょに入ってたって聞いた事はあって、すっごくうらやましかったのに。本当になんでだったんだろうね? もったいない事したと思う。

 

服をかわかしてもらってる間にココアをもらって、その時アガーテお姉ちゃんの話になった。

アルお兄ちゃんに「アガーテお姉ちゃんをおよめさんにするの?」って聞いたら、姉弟みたいなものだからしないんじゃないかなって。そういうもんなんだ? じゃああたしともダメなのかな。

 

何でなのかも教えてもらったけど、あたしにはむずかしくて分からなかった。

れっせいいでんがどうのとか、たようせいがせまくなるとか。今回は特にチンプンカンプンだ。

 

アルお兄ちゃんのお話はおもしろいけど、時々とってもむずかしいお話になる事がある。

こういう時はものすごくねむくなる。やっぱり頭がいいんだなあ。

 

でもあたしは分かったんだ!

アルお兄ちゃんがあたしのお兄ちゃんじゃなくなったら、あたしはアルお兄ちゃんのおよめさんになれるって事! アルお兄ちゃんのおよめさんになったら、きっと毎日がもっと楽しくなる!

 

だから、明日からアルお兄ちゃんをアルさんってよぶ!

カナヅチも治ってあたしもおねーさんになったんだから、いいタイミングよね!

 

 

 

8月11日

 

今日は色んな事があった!

 

アガーテ姉ちゃんがひさしぶりに帰って来た!

身長がすっごくのびてて、もう大人みたいだった。16ならふつうに大人なのかな?

なでてもらった手はなんだかゴツゴツしてた。アルさんより男の人みたい。

格好も島を出て行った時より地味というか、全然女の子っぽくないの。

都会って女の人もみんな長ズボンなのかな。あつそうだ。

 

それと新しい行商人のロミィお姉ちゃん。

アガーテ姉ちゃんよりずっとせは低くてむねはぺったんこだったけど、1つ年上なんだって。

あたしより6つも上。アガーテ姉ちゃんより大人……大人ってこんなもんなの?

もう少ししたらあたしの方がせをぬきそう。ひょっとして、あたしもあのくらいで止まる?

 

ミルクを飲むと身体がおっきくなるんだっけ。

明日からもっとたくさん飲もう! バジーリアさんにお願いしよっと!

 

あたしがアルさんのおよめさんになるって言ったら、なんだか二人ともくさったクーケンフルーツを食べたみたいな顔をしてたけど、何かあったのかな?

アルさんにかた車をしてもらうと、とっても見える景色が高かった!

きっとお父さんよりザムエルさんより高い! またしてもらおう!

 

 

 

5月12日

 

今日のお母さんのお説教は中々長引いたわね……。

 

お母さんが使ってたまほうのつえを勝手に持ち出したのがバレてしまった。

物置のおくに突っ込んであっただけなのに、使っちゃダメだなんて思わないじゃない?

お母さんにはあぶないって散々言われたけど、ふったらちっさい光の玉が出たくらいだったし。

あれのどこがどうあぶないんだか。タオの火のまほうの方がずっとやばいって。

 

結局つえは取り上げられちゃって、あたしがもっと大きくなるまでダメって事に。

いつだったらいいのかなあ? 学び舎でも習わないんだよね?

 

そんな事よりレントだよ! これ書いてても頭冷えないよ!

あたしがしかられてるのをいい事にアルさんと二人でつり!? あたしもまだしてないのに!

つったソーンフィッシュをみんなで食べて、よかったねー的な感じにしてたけど許すまじ。

明日投げる用のうにはもう準備した。かくごしておきなさいよ、レント。

 

 

 

9月13日

 

アイツも何様のつもりなんだか。

たまたまボーデン地区で息切らしたタオと遇ったら、理由はボオスから逃げてきたって。

別にいいじゃない。タオは一人でやってるんだし仕事もしてるんだし。

それをあたしが言うのもどうかとは思うんだけど。

 

古代文字の解読の面白さってのはあたしにも分かんないけど、タオって他に趣味があるわけでもなし。あたしからのお誘いをスルーするくらいには熱中してる。

スルーしてきた報復は当然として、取り上げる事はないんじゃない?

 

しかもアイツだって理由がはっきりしてない。いつも通り「掟だから~」って。

掟で「古代文字の解読すんな」なんて言われてないじゃない。

誰かに迷惑をかけたわけでもなし、真面目なタオが仕事をサボったわけでもなし。

言いがかりもいいとこよ。

 

でも、そこからアルさんの工房に連れて行った後は笑ってた。

アルさんも調べ物をするのは好きって話は聞いてたし、その辺りはあたしよりタオと話が合ったのかな。ちょっとうらやましいけど、そのくらいは許そう。お菓子も美味しかったし。

 

 

 

8月14日

 

日中久々にザムエルさんを見かけた。

なんだかおかしかったのは、ザムエルさんがレントみたいに鍛錬してた事だ。なぜに?

お酒を飲んでないだけでもレアなのに、まさか鍛錬してるだなんて。

 

護り手になるとかじゃないよね? 傭兵に戻るとか? 奥さん探しに島をまた出るとか?

色々不思議だったけど、話しかけるとめんどくさそうだったからやめた。

レントに聞いたら分かる、事はないよね。あたしより興味なさそうだ。

 

関係あるかどうかわからないけど、バーの店員さんが大笑いしてた。ハリボテかって。

あそこの店長さんはザムエルさん並みに太い腕。実際にザムエルさんを抑えられるんだっけ。

ケンカでもしたのかな? その割には二人ともそれっぽいケガはなかったみたいだけど。

 

工房でアルさんとその話をしたら「へええ」って感じではあったけど。

珍しくなんだか目線が定まってなかったわね。多分何があったか知ってるんだ。

ザムエルさんが店長さんと勝負して負けたんだけど口止めされてんのかな。まあそんなとこよね。

 

もしザムエルさんの相手がアルさんで、アルさんをケガさせてたら死ぬまでうにの刑だ。

アガーテ姉ちゃんにもお手紙出す? ロミィお姉ちゃんも手伝ってくれそうだね。

 

 

 

4月15日

 

最近のアルさんは工房に居ない事が多い。つまんない。

 

お父さんとお話してる事もあるけど、ロミィさんともうんうん悩んでたり。

まぁたブルネン邸でお仕事してたりだ。道具屋のお仕事はいいのかな?

 

うちに来てもらってる時はお話しできるタイミングではあるんだけど、お仕事中だから止めなってお母さんに言われちゃった。まあこれは仕方がないか。

下手にお母さんたちに聞いたらやぶ蛇で農作業させられそうだし、聞きにくいよなあ。

 

今日はアルさんにお話を聞く事ができたけど、「ちょっと先の事についてね」って。

先の事……お嫁さん? いや、それならわざわざ何度もお父さんに相談したりしないよね。

あたしがアルさんのお嫁さんにいくなら相談の必要なんて全然ないんだし。

 

レントとタオは全然知らなかったみたいだった。レントはともかくタオの家も関係ない?

フェイズおじさんとセレナおばさんも詳しく知ってるわけじゃないみたい。

何かに向けての準備? らしい。 麦刈りのお祭りみたいなのを増やすのかな?

まあそれならお父さんが忙しいのも分かるかもだね。一応ウチの農場は大きいらしいし。

 

ロミィさんにも話を聞いてみたけど、まだあたしには早いかなって。もやもやする。

つまり知ってるんだよね。アルさんと何か秘密にしてる……なんだか書いててすっごいくやしい。

 

一応お嫁さん話も聞いてみたら、「もしそうだったらロミィさんも黙っちゃいられない」って。

ちなみにロミィさんにアルさんのお嫁さんになるのか聞いてみたら、「選んでもらえるならね」って結構真面目な顔してた。何回か聞いてる感じ、ロミィさんはアルさんが好きなんだ。

 

アルさんもロミィさんが好き? そんな感じはしないけど、だとしたらどこに惹かれた?

見た目? もうあたしロミィさんの背越しちゃったんだけど。胸とかどうしろと? つぶせる?

以前と比べると時折雰囲気が変わるんだよねえ。アレが大人の気配ってやつ? む~ん。

一応身だしなみをちょっとは気をつけるかあ。アルさんに汗臭いとか思われたくないし。

 

お嫁さん……あんまり考えずにあたしもそうやって思ってた時期があったけど。

読み返すとよく分かるわ。だけど、本当にお嫁さんになるってどういう感じなんだろうね?

 

 

 

7月16日

 

今日はひっさびさにアルさんとお出かけ!

服変えててよかった! なんだか新鮮な気分だった。

 

いつもと同じカッコでもよかったけど、たまにああいうのを着ると特別な感じになるわね。

でもスカートってスースーするんだよねえ。それなのにちょっと暑い。

流石にアルさんの前で大っぴらにスカートで仰ぐのは気が引ける。着替えた意味がないというか。

 

普通にお散歩のつもりだったけど、まさかのあたしがアルさんの魔法の先生をやる事に。

いつも後から思うけど、その場のノリで言うもんじゃないわね。

アルさんが魔法を使えないのは本当だけど、結局アルさんから教えられる感じになっちゃった。

 

どういうわけか上手くいかなかったあたしの魔法。

タオもお母さんも首をかしげてたし、ロミィさんは変な顔をしてた。

タオみたいに火が出ろ! とかレントみたいに雷流れろ! って思っても全然ダメなのよね。

なにをどうやっても「光の玉」が出るだけ。なんだかなあ状態だったんだけど。

 

それが、アルさんが教えてくれた事をやってみたらそれっぽくなった!

光と星の魔法。別に四つのエレメントを考えなくてもよかったんだ!

あたしが好きなものを魔法で作る。それでレントを吹っ飛ばす! のはまあ一例として。

星の魔法かぁ、なんだかワクワクするね!

 

ただその後は大失敗で、まさかのアルさんの前でリバースしかけるっていうね……。

そうなる前に寝落ちしちゃったみたいだからよかったけど、もしやらかしてたらしばらく立ち直れなかったかも。

 

魔法、か。何回か触っては分かんなくて止めてを繰り返してたけど。

せっかくアルさんに教えてもらって、ちょっと前進した感じになったんだから、そのままにしておくってのはないわよね。お母さんの説得を考えなきゃ。

 

そういえば……最近のお仕事について教えてもらったんだったっけ?

浮かれてて忘れちゃったなあ。またそのうち聞こうっと。

ロミィさんも何であそこまで血相変えるような反応したのかな? どこがダメだったの?

 

 

 

1月16日

 

また最近アルさんは忙しいみたい。

ブルネン邸に行ってる事が多いみたいではあるけど、なんか結構前に嗅いだ事がある不思議な匂いがまたするようになってた。読み返した限りでは6年前。流石に覚えてないわね。

 

忙しいと言えばロミィさんもだ。

行商人のはずなのに売り物を持っていない事が多いし、やっぱり露店も開いてない。

大体ブルネン邸かアルさんの所に居る事が多いみたい。デート感はないけれど。

 

突撃して話を聞きたいところだけど……お店のカーテンが閉まってる以上はルール違反。

札もちゃんと「CLOSE」になってるし。あーもやもやする。

 

アレかな? 最近知ったけど、アルさんも護り手をしてたって話。

アルさんに聞いたら「見習い」って言ってたし、島の外に出ていくのを見た事はないから島内のお役目だったみたいだけど。今まで夜回りで、今度からロミィさんの護衛の専任をするとかかな?

 

ボオスのバカですらロミィさんには大きく出れないっぽいし、本当は露店に出しているものより高級品を扱ってるのかもしんないわね。銀食器とか?

 

アガーテ姉さんが言うには、やっぱりアルさんは「強い」らしい。あの体格だもんね。

というか、あの細かった身体からよくあそこまでガチガチになったよね。レントが腕相撲しても一瞬で負けそうなくらいに。今ならザムエルさん相手でも負けないんじゃない?

 

そんな、どこか蚊帳の外感のもやもやを原動力に、昨日はかき集めたうにを使ってあたしなりの「魔物」を作ってみた。

モデルになってるのはロミィさんから聞いた「ぷに」って魔物だ。あんな感じよね?

 

ボオスに飾る場所を考えとくよう投げた結果、アイツは相当悩んでたくさいけど、今朝ロミィさんによって破壊された挙句焼きうににされちゃった……。

あれだけ「うがー!!」って感じのロミィさんは初めて見たわね。魔物に似てたから?

まあ寒い日にみんなで食べる焼きうにもいいもんよね。また作るとしよう。

 

 

 

4月17日

 

どうしようかなあ。まさかそんな事になってただなんて。

 

ピーターさんの号外新聞で判明したお話。

クーケンフルーツを外とやり取りするために、島外の商会の人をお客さんとして招くってビッグニュース。外からお客さんを正式に招待するだなんて17年で初めてのはずだ。

 

前からアルさんやロミィさん、お父さんたちも忙しかったのはこのせいだったみたい。

道理でお父さんがクーケンフルーツ畑にいる時間が長くなってたわけだ。

でもロミィさんの荷物とか、アルさんのお仕事については謎のまま。お付き合いではなさそう。

アルさんのそばにいる時間は、あたしが一番長い。誰よりもずっと長いはずだもん……まさか夜?

 

まあアルさんの事だから、またなんかに関わってるのよね。前にそれっぽい話を聞いたっけ?

ロミィさんは行商人なんだから、その辺をモリッツさんと話してたのかも。

 

そんな事は置いておいて、だよ。あたし。

 

島ですら何かが変わろうとしてるっていうのに、17になったあたしの退屈な日常は変わってない。

タオも学び舎を卒業してから大体古代文字解読に掛かりきりになっちゃってるし、レントは前から鍛錬バカだ。あたしも試したい事のアイデアが尽きてきた。

このままじゃ、あたしもみんなと、島の大人たちと一緒だ。

 

という事で、考え付くのはやっぱこれよね!

 

 

「自力で島の外に行く!」

 

 

外からお客さんを招くんなら、それと同じくらい逆の事も出来るはず。

まあ流石に対岸の更に向こうに行くのは危ないだろうから、誰よりも先にそのお客さんを見るってのが目標だね! これなら謎の塔に行きたがってるレントも乗ってくるんじゃない? タオは連行。

 

ただまあ、真面目に考えないといけない事がある。

魔物。危ないとは昔から耳にタコができるくらい聞かされてるし、行商の人がケガさせられてるってのもロミィさん曰く本当らしい。出来る限りよけてくるって。

 

あたしが戦う方法っていうと、まあ魔法だよねえ。練習しなきゃか。

結局去年アルさんにアドバイスをもらいつつも、杖に触れなかった事もあって練習できなかった魔法。17になったんだから、いい加減触ってもいいよね? もう一回お母さんと話をしないと。

あの時聞いた事を思い出しつつ、どうにか形にしてみよう。

 

まずあのボロを直さないとだけど、まあ何とかなるわよね。手先は器用だと思うし。

直してもらうにしてもお金ないもんね……。相談したら多分タダになってしまう。自重。

とはいえ、これが中途半端なのはよろしくない。一回はアルさんに見てもらうとしましょうか。

島の外に行くためだなんて言ったら絶対止められちゃうから、嘘じゃない範囲で考えないと。

 

せっかくここまで大きな事をやるんだから、単なる「島の外に行きました」はない。

冒険だよね! 商会の人が来るのは夏らしいから、ひと夏の大冒険にしなきゃ!

 

となると……なんだっけ、冒険譚? ってタオが言ってたっけ。

紙芝居みたいに語りから始まるんだよね。ならその文章も考えないと。

 

どんな感じにしよう? 書きながら悩んでるけど、そんな文章考えた事がないぞ?

これをアルさんに聞くのは流石になあ。あたしの冒険じゃなくなっちゃう。

なんとか作ってみよう。クーケン島に関わる言葉……ただの島じゃん。特徴無いんだけど。

言い回しを変えるなら……「なんてことない」ってとこ? まあこの辺はどうにかするとして。

 

夏までに間に合わせるぞ! 素晴らしい冒険にするために!

 

なんてことない島、なんてことない村、なんてことないあたし、なんてことない日々……

 

 

 

♢♢♢♢♢♢

 

 

 

「ライザ、このポエム集は何?」

 

「ポエム集? …………ああっ!? ちょっと何勝手に人の日記見てるんですか!? というか何でここに居るんですか!?」

 

「いや、ここ私も寝る部屋……」

 

「のわけないでしょう! なにしれっと同衾宣言してるんですか!? ここはアルさんの私室であって貴女の居候部屋じゃありません! オーナー権限で不許可ですよ! つうか抜け駆けであんな事しておいて、昨日の今日で許すわけないでしょ!! あとマジでロミィさんに()がれますよ!?」

 

「アレ冗談じゃないんだ……じゃあまた私は野宿なの? 寮はないでしょう? 昨晩みたいに氷の簀巻きで一人中枢に吊るされるよりはマシだけど。越権行為じゃない?」

 

「寮という規模じゃありませんけど、ウチ(商会)でお借りしている一帯はありますから。少し準備に時間が掛かるので、申し訳ないんですが暫くは私と同じ屋敷に住んで頂けたらと。安心してください。最近は秒単位でズレずに起きられるようになりましたから、遅刻のご心配はなさらなくても大丈夫ですよ。早起きって健康的でいいですよね」

 

「ハッハイっ! 店長に起こされずとも自力で起きるよう頑張りマス……簀巻きの方がマシかもしれない

 

「悪かったねライザ、確かに兄さんのコートをそのままにしてしまっていたよ。管理していてくれたんだね、ありがとう」

 

「いえ、あたしにとっても目指すべきシンボルですから。こっちに持ってきますか?」

 

「ううん。よかったらそのまま持っていてもらっていいかな? もう僕が持つ必要があるわけじゃないから、気持ちを込めて見てくれる人の手元の方が良いかなって」

 

「分かりました。じゃあそのままお預かりしておきますね」

 

「…………ベッドに掛けた魔法がかなり薄れてるし、この匂い。ライザ、貴女結構ここで――」

 

「ブゥウラァアスゥウトォオオオオオオオオ!!!!!!!!」

 

「!?!?!? ちょぉっまっ」




△月〇日の〇の部分がライザの年齢です。本作のライザは4月前半生まれかな?
前半の読みにくい部分は、よろしければ「ここすき」からご覧ください。

レントとタオのエピソードは書くのにひと月以上軽くかかっていますが、
この話を書くのは4時間かかりませんでした。やっぱりライザは書いていて楽しい。
なおこれをロミィに見られた場合、ライザも対象になります。何の、とは言いませんが。

この作品の巫女さん、こんなのばっかですね。
公式さんではゴニョゴニョっぽいですけど、どんな感じになるのでしょう。
こんなキャラにしてしまった作者の胃にさらにダメージが入るのは確実っぽいですが。

次話で本編に合流します。
次回も楽しんで頂けたら嬉しいです。
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