ライザのアトリエ 不思議な工房と秘密の多い錬金術師   作:もふもふたぬきねこ

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ちょっと短めです。
与えられた第一課題ですが、原作だと放置されてる部分があるんですよね。
なのでそこを補うならどうするか。腕力は全てを解決する。

ただ次話も含めてファンタジー感はなくなり、リアルに寄り過ぎました。
もっと楽しい展開に出来なかったものかなあ……想像不足です。

誤字報告ありがとうございます。毎話当たり前のように申し訳ないです……。

昨日やっと最後の戦闘描写を書き終えました。
おかげで何とかエタらずに済みそうです。


今回もよろしくお願いします。


19. 50日目②  第一課題 ものづくりとは

お話の結果、ルベルトさんに課題を貰える事になったね。

アトリエで待ってたレントとタオに報告だ。

 

「よかったぜ。あのクソ親父を抑えてた甲斐があったってもんだ」

 

「何してたの?」

 

「毎日ケンカ吹っ掛けてやっただけだ。バカだから絶対噛みついてくる。勝たなくても騒ぎを起こさねえようヘバらせりゃいいだけだからな。リラさんとの訓練に比べりゃお遊びだぜ」

 

「強くなったねレント、別の意味で。僕は結構楽しかったかなぁ、シンシアさんとの教科書作り」

 

「レントには今から頑張ってもらわなきゃね。最低でもあの剣の値段分は」

 

「わあってるよ。俺としても感謝してるんだ、出来る事はやるぜ」

 

武器用の素材も集めないとなあ。まずはスタルチウムを自分で調合できるようにならないと。

そんなお昼前ってところで、アルさんがあたしたちを呼んでくれた。

 

「ライザ。クラウディアが来たよ」

 

「さっきはありがとうございました。アルさん、ライザ」

 

「ううん。気にする事じゃないよ? あたしたちも一緒に居たいって思ってるんだしさ」

 

「そうだぜ。そのうちクラウディアもライザに振り回されんだからよ」

 

「被害者が増えるね。ストッパーも増えるといいなあ」

 

あんたらの武器、手抜きにしてやる。それよりも。

 

「それでお話はついたの?」

 

「ついたというか、早速ライザの錬金術でお願いしたい事があるんだよ。それを課題って形で依頼させてもらう事になるかな?」

 

なんかすでに困り事があったと。決まってたってそういう事ね。

 

「それじゃあ早速行きましょうか!」

 

「俺たちも行った方がいいか?」

 

「2人もルベルトさんにご挨拶しておいた方がいいだろうね。行ってくるといいよ」

 

「そうですね。行ってきます」

 

 

 

4人そろってもっかいクラウディアのお屋敷へ。

そろって街中を歩くのはなんだか久々な気がするなあ。最近色々あったせいかな?

 

お屋敷の中ではルベルトさんが待ってくれていた。

 

「課題を決められたってクラウディアから聞きました」

 

「ああ。こっちに来てもらえるかな?」

 

そう言って――地下かな? 下り階段を進んでいく。

すると。

 

「……うわぁ」

 

「これはまた……」

 

「使い物になんねえな」

 

水浸しというか、もはや一部水没してる地下室があたしたちを出迎えた。

 

「10日程前に地震があっただろう? その時に地盤に亀裂でも入ったのか、こうして水浸しの状態でね。これを解決してもらいたい」

 

「ボオスの野郎、ちゃんと見とけよ……でも地震なんてあったか?」

 

「夜にだけどね。そこまで大きくはなかったけど」

 

「私にはそれなりの規模だと感じたが……クーケン島では地震は珍しくないのかね?」

 

「そうですねぇ。昔は全然なかったって聞きますけど、たまにはあったりです」

 

10日前……リラさんの試験日の辺り?

 

キチンと覚えてないけど、最近地震があったってのはあたしも記憶にないんだよね。

でもタオとルベルトさんは感じたんだ。地震ってそんなもの?

 

何世代か前、ブルネン家が水源を見つけた時期から地震が起こるようになったって聞いた事はあったかな。地震で岩盤に割れ目が入って、それで水が出るようになったんじゃないかって話。

 

「まあそれは置いておこう。この部屋の惨状を何とかしてもらいたくてね」

 

「ちょっと見せてもらいますね?」

 

ジャブジャブと水の中を歩いていく。靴? 脱ぐのめんどくさいし水路に飛び込むのと変わんない。こんなものあたしにとっては日常である。

壁をぐるりと見てみると……あ~。

 

「ここに亀裂が入っちゃってますね」

 

「旧市街の地盤は脆いらしいからね。そこから湖の水が浸みちゃってるんじゃないかな」

 

「湖に囲まれたクーケン島ならでは、といったところか。学びが多いな」

 

タオは雑学に詳しいよね、さすが本の虫。

見た感じ亀裂が入ってるのはここ一か所だけ。ならここを水漏れしないよう塞げばいいかな。

 

「分かりました。穴を塞ぐ物はあたしが用意します。排水は……ちょっと考えますね」

 

「宜しくお願いするよ」

 

さすがに錬金術で水を消す事はできない……できないよね? あったらこわいんだけど。

だから排水は道具のプロに相談するとして、あたしは穴塞ぎの材料を作りましょ。

 

「ごめんねライザ。雑用みたいな事をお願いしちゃって……」

 

「いいのいいの。あたしがやってる島の人たちのお手伝いも似たようなもんだし」

 

「俺たちはどうする?」

 

「ん~あたしは一回レシピを考えてみるからさ。排水の話をアルさんに相談して、必要ならそのお手伝いをお願いしていい?」

 

お屋敷からアトリエに戻るまでの間でそんな話をしつつ到着。

アルさんは話を聞いてすぐに「わかったよ」って返答をして、レントとタオに素材集めを指示してた。頼りになるぅ。

 

子どものころから道具屋で生計を立ててるアルさんだし、同じような注文があったのかもね。

ただまあ、排水はアルさん任せになっちゃった……不合格にならないよね? 穴は塞ぐんだし。

 

さてお昼ご飯を食べて何を作ろうか? って所で一つ思いついたんだけど。

 

お米って麦と同じで生えてる時は硬い穀物だけど、食べる時は炊いて柔らかくなる。

だけどほっとくとカピカピになって、元のお米よりも硬くなるじゃない?

糊なんかにも使えるらしいしね。

 

水に強くないからクーケン島で稲は栽培されてないんだけど、アイデアとしては「使う時に柔らかく、時間が経ったら硬く」。そんな感じかな。

さてまずやわらかいもの、やわらかいもの……あれかぁ。

 

 

 

 

 

 

夕方。

調合を試してたあたしをクラウディアが訪ねてくれた。

 

「お疲れさま。ライザ」

 

「こんばんはクラウディア。何かあった?」

 

「ううん。ライザとアルさんにだけお仕事してもらって申し訳ないなって思って作ってきたんだ」

 

そういって、クラウディアはカバンから焼き菓子を取り出してくれる。本格的にお菓子職人さんになってきたね。凝ってるや。

 

「ありがとう。いただくね」

 

「うん。アルさんは……」

 

アルさんも隣のスペースで作業中だ。

すぐそこにいるんだけど……。

 

 

ガァンッ!! ガァンッ!! ガァンッ!!

 

 

「……聞こえてないし、気付いていらっしゃらないよね、多分。鍛造(たんぞう)っていうんだったかな?」

 

「あたしも耳栓貰ったからね。なんにしても今は手が離せないんじゃないかな」

 

タオが両腕で何とか振ってるハンマー、アレよりずっと重そうなやつを片腕で振り続けてる。

あたしじゃ一回両腕で振り上げるのもキツそうなのを何十回も。

 

「鍛冶場って初めて見るけど……すごい迫力なんだね」

 

「道具が生まれるってこんな感じなんだ~って思うよ。大昔は全部力技だったっていうんだからビックリよね」

 

話を聞いたアルさんはレントとタオにアマタイト鉱の採取をお願いすると、いろんな大きさの自前のインゴットをいくつか選んでた。レントたちに頼んだのは補充用だね。

 

そしてインゴットをゴウゴウと燃え上がる炉の中に突っ込んで、真っ赤になったら叩いて延ばしてはまた熱して……それをもう何時間も続けてる。

ちなみに炉の燃料にはあたしのミックスオイルも使ってもらってるよ。

 

集中力もそうだけど……信じられない体力だよ。まったく休憩してないよね?

作業前に耳栓を渡された後に話した記憶ないし。

 

「作業中のアルさんっていつもこんな感じなの?」

 

「う~ん。集中してるっていうのはそうだけど、ここまで迫力があるのは初めてかな」

 

「……これがお仕事をするって事、なんだね」

 

あたしも遊んでるつもりは全然ないけど、やっぱり違う。

 

普段はちゃんと休憩の時間をとるアルさんだけど、今はそれだけ急いでるって事だ。

――あたしが遅らせるわけにはいかないよね。

 

「ところでライザの作業台に置いてあるのって……」

 

「あぁ~コレ?」

 

ようやくクラウディアの意識があたしの作業台の上に置いてあるものに気づいた。

何かは見たらわかるよね?

 

「ぷに玉だよ?」

 

「やっぱり?」

 

だって……やわらかくて、固まりそうで、魔力を含んでそうなものってこれしか思いつかなかったんだもん。ゼラチンじゃ無理でしょ。

だから、ぷにを倒した時にたまに残ることがあるコレ――ぷに玉を採用したよ。

 

なんでか知らないけどぷに玉は中和剤と混ぜると固まるのだ。

調合した場合はガッチガチに、手で混ぜた場合は少しずつ弾性があるものになる。

後は中和剤の色の組み合わせとか砂を混ぜたりとかで、いい感じになるよう調整だね。

 

「ホントに何でも素材になるんだね」

 

「魔物も植物も動物も、生き物って意味では一括りだからね。まあ気が引けちゃうとこはやっぱりあるんだけど」

 

錬金術に使えるって知った以上は割り切る事にした。

そう思って、気づいた――あれ? 音が止んでる。

 

「ふぅ……やあクラウディアいらっしゃい。五月蠅くしていてゴメンね」

 

「いえ! 全然大丈夫です! お仕事お疲れさまです」

 

「お疲れさまですアルさん。やっと休憩ですか?」

 

「主な鍛造は終わったからね。炉の温度を下げると再昇温に時間がかかっちゃうから一気にやる必要があったんだ。ただ鍛造するにはちょっと大き過ぎたね、やっぱり鋳造(ちゅうぞう)にすべきだったかな」

 

あ~そっか。温度を上げるにはもちろん時間がかかるんだから一気にやっちゃったんだ。

それを考えても根詰めすぎな気はするけど……。

 

というか。

 

「錬成はしないんですか?」

 

「どうしても必要があるなら使うけど、基本的には使わないよ。便利だけどありがたみがないし、大変な箇所や工夫すべき要素っていうのに考えが至りにくい気がしてね。まあライザの錬金術の場合はそれしか方法がないって感じがするけど」

 

便利だけど頼りすぎちゃいけない、か。

あたしも調合でしか出来ない事と、そうじゃなくても出来る事を分けなきゃね。

 

 

 

アルさんの素材を採取しに行ってたレントとタオも帰ってきて、みんなでお菓子を食べつつ(レントは甘くないのを探してた)あたしは作業に戻った。

うん。これならいけるかな。

 

アルさんは組み立てがあるって事で、晩ごはんを用意してあたしはそろそろ帰るとしましょう。

それにしてもアルさん、何作ってんのかな?




アルが作っている、とある物。
これはリアルに存在する物ですが、本来鍛造ではなく鋳造で造る物です。
でも鋳造だと派手さがないのでアルに頑張ってもらいました。
最初にこれを考えた人はすごいなあ。2000年以上前の技術だそうです。

次は第一課題の結果編です。
次も楽しんでいただければ嬉しいです。
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