ライザのアトリエ 不思議な工房と秘密の多い錬金術師 作:もふもふたぬきねこ
初めて「白南風」が流れるのも印象的です。
作者は「啓蟄、嬰の足」が好きだったりします。
本話を編集しつつ思うのは、
何故作者は戦闘描写のある作品を選んだんだ? という事ですね。
難しすぎる……。
毎回誤字報告ありがとうございます。本当に申し訳ない……。
ご指摘を頂く事なく迎える話は来るのか。
今回もよろしくお願いします。
4人で塔の頂上、竜の下に繋がる階段へ駆けだす。
――ええいままよ!
「前衛はレントとあたし、後衛はタオとクラウディア! ブレスはどう見てもヤバいからしっかり避けて! クラウディアは今朝渡した回復薬をお願い!」
前も見たけど、でっかい。広げた翼は……15メートルくらいある? 腕と一体化した感じの翼。
これもワイバーンってやつなのか。
あたしらを食べる気かしらね、高度を落としてきたよ。
なんでこんなのに挑もうと思うかな! バカボオス!
ボオスたちは……あの火柱の向こう側? あっちに意識を向けさせちゃダメだ。
先手必勝!
「気を付けて戦わないと……いくよ! たくさん降ってきて! シャイニートレイル!!」
まずは範囲攻撃で動きを縛る!
避けもしない。けど怯んでもない。ちょっと鬱陶しそうなくらい? ふざけてんわね。
「ちょっとくらい怯みなさいよ! かったいわねえ!」
「任せろ! さあ行くぜぇ! ブラッドスラスト!」
「これでどうだ! 闇夜の
レントが突きから剣を回転させて打ち付ける。
追撃でタオの黒い魔力刃。毒付きだっけ、考えてるね!
あたしはアイテムメインでいきますか! 2人より器用だしね!
「これならどう!? プラジグ!」
出来たばかりの電撃爆弾を力いっぱい投げ付ける。
ビリビリッって音。大したダメージじゃなさそうだけど、効いてないわけでもないよね!?
……げっ、やば!
「避けて!」
ボッ!
ドォン!ドォン!ドォン!
火の玉を連射してきた!? こんな真似も出来んのかい!
「うおおおっ!?」
「うわあぁぁ!」
「援護するよ! 回復を!」
余波だけでもおかしいよ! そりゃ気絶もするっつうの!
アルさんの「炭になる」って表現、誇張でもなんでもないじゃない!
上から吐き続けられたらおしまいだ、なんとか動きを……っ!?
ブォン!!
「尻尾!?」
「ライザッ!!」
後ろに振りかぶられた尻尾が、鞭のようにあたしに向かって飛んできた。
とっさにレントが剣を盾に庇ってくれたけど。
バシィッ!
「ふぐっ!?」
「がぁっ! ……っああ、ライザ! ぜってえ俺より前に出んな! 食らったら終わりだぞ!」
「げっほ! っ分かった! ありがと!」
レント越しでもこの威力かい! まだ身体揺れてんだけど!?
「2人とも大丈夫!? ――僕が打ち込む!
「落ち着いていこうね! 凍り付いて!
あたしはやわい。打撃だろうが食らっちゃオシマイよね。
レントにかばってもらっちゃ邪魔になる。気をつけなきゃ。
何気にタオも新技出してんじゃないの!クラウディアの魔法で翼もちょっと凍った!
火を吐く竜だから氷がきらい? なんでもいい!
「当たれ! レヘルン!」
「いいタイミングだぜ。ぶっ飛べ! タービュランス!」
レントの追撃が入るけど……見た目のわりに効いてない?
物理ってよかエレメント的な方の……あいつが一気に降ってくる!
おおうっ、踏みつけ!? 飛び退けあたし!
ドォン!
「うおっっと! あっぶないわねぇ! ……多分あの竜、火と風はダメ! 気を付けて!」
「ちっ! タービュランスはあんま効かねえってか」
「僕の炎は言わずもがな、かな。なら、鎚術・岩穿ち! よいしょっと!」
こんなもん勘だけどね! わりと勘はいい方なのよ!
それにしてもこの数日でタオに何があったのか……後だ後!
「氷は効くかな? ――即興でいくよ! 力強く一気に。セイクリッドコード!」
「援護するよ!
クラウディアって何気にフルート吹いてる時、宙に浮かんでるの気づいてるかな?
ああもう色々考えちゃうわね。とりあえず追撃! こっちもお披露目だ!
……どういう身体してんのよ、もう氷が溶けた!? 風圧が来る!
身体を低くっ!
ゴオゥゥ!
「うおっ!? クソったれ、こいつ攻撃効いてやがんのか?」
「えほっ……見た目じゃ全然わかんないね。でも攻めるしかないでしょ!?」
「ふぅ……そうだね、いこう! みんなに力を。フェアリーズギフト!」
振るったフルートの旋律で、一気に力が湧いてくる。
みんな唖然としているからかもね! フルートいるのかなこれ?
クラウディア監督のスパルタ魔法の正体はコレだったか。いい判断だよ!
「ありがとうクラウディア! できるだけ拘束するよ――コーリングスター! それそれぇ!」
「せいっ! おりゃあ!」
とにかく攻めるんだ! 攻撃させたら……マズい!
――飛んだ!
「また来るよ!!」
ドォン! ドォン! ドォン! ドォン! ドォン! ゴオォォォゥ!
グギャァアアーーーーーーーーーッ!!
周囲に炎弾をまき散らしてきた!
幸いみんなに当たってないけど周り一帯に炎が……逃げ場を塞いできた!? これが狙い!?
空気が熱くなって息が出来なくなる、肺が痛い。汗が噴き出る。目の前がぼやけてくる。
しかも、なんか。
グゥオォォォォォォォオウ……
あのデカい翼で身体を包むように、踏ん張りの体勢に。
でもって。
「もしかしなくてもコレ、ヤバいわよね……?」
「赤い魔力光みたいなものが……ひょっとして力を溜めて!?」
「や、やばいよ。食らっちゃったら僕たちじゃひとたまりもないよ!」
「剣を盾にする! ないよりずっとマシだ! みんな俺の後ろへ伏せろ!!」
ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ!!!
みんな走ってレントのそばに寄るけど……間に合わない!
「クソッ……!」
竜から溜めの一発が放たれ……
パンッ!
バチバチバチッ!
バキャッ!!
――竜が真横に吹っ飛んだ。
「は?」
暴発? いや違う。ちゃんと見ればわかる。落ち着こうあたし。
城壁からでっかい岩の拳が伸びてきてるじゃない。
あれに当たったらそりゃ吹っ飛ぶよ……いやそうじゃなくて!
「……君達には助けられてばかりだね」
聞きなれた……落ち着く、とっても安心する声。
でもここには間に合わないはずの人。
その人は、伸びた岩の先端から飛び降りてきた。
「「「「アルさん!!!」」」」
「遅刻してゴメンね。ここまで時間がかかってしまった」
珍しくアルさんの服もボロボロで、葉っぱとかも付いたまんまだ。
「話は後で。まずアレを無力化しないと。あの一発を受けても飛べる元気はあるみたいだしね」
ヤバそうな攻撃は止まったし、ふら付いてるけど……たしかにまだ飛んでる。
でも確実に今の一撃は効いてるね!
今の城壁パンチの風圧で周辺の火もけっこう消えた!
「ここからは僕も参加させてもらうよ。皆、よろしく!」
「はい!」
「もちろん!」
「助かります!」
「お願いします!」
みんなの声に活気が宿る――うん、頑張ろう!
アルさんと初の共闘、絶対勝つんだ!
「皆は皆の戦い方を続けて。僕はそれに合わせて動くよ。さてと……」
パンッ!
そう言ってアルさんは――手合わせ錬成だ、地面に片手を向けて……向けるだけでいいの!?
石材で出来た槍が生えてきた。かなり長い。
ええぇ……。
「戦場の地形を維持するなら、かな。長得物は久々なんだけど、リーチが欲しいからねっ!」
ゴウゥッ!
アルさんのとんでもない速度からの突進突き――竜の翼膜が裂けた。
避けかけたアッチも大したもんだけど、アルさんの方が上らしいわね!
「うっへえ、こりゃ負けてらんねえや! いくぞライザ!」
「あっ、うっうん! 槍っていうならあたしも――敵を貫け!
考えるのは後だ後! さっきからこればっかだ!
どうせ「アルさんだし」で終わる話よ!
翼を裂かれてバランスを失ってる今がチャンスなんだから!
「僕も続くよ! 操術・絡繰り!」
「私も続くね! ノーブルストレイン!」
「こいつも食らいな! ドゥームインパルス!」
みんなも見た事ない技がポンポン出てくるじゃないの!
どのくらいかはわかんないけど、それでも絶対ダメージは入ってる! 士気は高いもんね!
なら、あたしもコレを試しますか!
「絡まっちゃえ! イバラの
使いどころが見極められなかったけど、ふら付いてる今ならいける!
毒液付きのイバラを展開できる薬品。なんでか作れた危険物とっておき!
どうだ、うっとうしいでしょ!
ゴォァアア……
「っブレスが来るぞ!」
「させないさ。足元注意ってね!」
パンッ!
バチバチバチバチッ!!
行動制限されてブレスを吐こうとしてた竜が、突然地面から突き出た岩山に打ち上げられる。
――もう錬金術っていうよりは魔法よね? アレ。
そして。
ドォゴッ!
初めて地面に墜落した。
「やった!」
「安心するには早いよ! せえのっ!」
そのままアルさんが追撃。頭に思いっきり振りかぶった槍がバキィッ! って叩きつけられる。
うわあ痛そう……初めてギィッ!? って悲鳴を上げた。
「やっぱすげえぜ! マネさせてもらいます! ソリッドブレイクゥ!」
高く飛びあがったレントの兜割り。よくまあ即興でやるもんだわ。
イバラで拘束し、地面に打ち付けられ、頭に2発の強打を受けた竜は……まだ生きてるけど起き上がれてもいない。
――チャンスは今!
「ライザ!」
もちろん!
「はい、いきます! はぁぁあああああああっ!!」
ギュゥゥウウウオオオオオオオオオオオ!!
あたしの全身全霊、ありったけの魔力を込めて。
小細工なしにぶっ放す!
これでもくらえ!
「すごいのいくよ!
全エレメントが同じくらいのあたしだからこその、杖をコアにした虹色の魔力砲。
あたしだって、だてに魔法の練習してたわけじゃないんだから!
ボッ!
ドォカアアアアァァァァァン!!!
って音と衝撃がして、土煙が晴れて。
竜は……動かなくなっていた。
「はぁっはぁっはぁぁ……か、勝てた、の?」
「多分、ね。でも、とどめは確実に――これは皆が背負うものじゃない」
そう言って。アルさんは竜に近付くと、両手で槍を頭に向かって振り構えて。
なんかの音……目を瞑っちゃった。
「……俺たち、本当に竜を倒せたんだよな?」
「そう、だね。なんとかなったんだね……」
「信じられないよ……僕らが、おとぎ話の竜を」
「お前達、全員無事か!」
あたしたちが思い思いにふけってる中、回復したらしいアガーテ姉さんがやってきた。
周囲の炎もいつの間にかほぼ完全に鎮火したらしい。
アルさんは竜のいた先へ……ボオスたちだ。
意識はあるみたい。見た感じはやけどとかもしてなさそうだ。
「大きな怪我は……大丈夫そうか。立てるかい?」
「……また、貴方の世話になったのか。俺は」
「僕は遅刻組だ。君達を守ってくれたのはライザ達だよ」
「ボオス!無事か!」
「寄るな!!」
おもいっきり拒絶された――何か思いつめてる?
「何故だ……なんでお前達に助けられなきゃならないんだ。お前達にだけは、助けられたくなかったのに!!」
……そっか。
ボオスを追い詰めてたのは、あたしたちだったんだ。
ブルネン家の跡継ぎとして、将来の島の顔役として当然のボオスに対して、適当な生き方をしていると思われてるだろうあたしたちがなにかしら成果を上げていく。
それで、何とかして自分も目に見える成果を上げようとした。
その結果がこれ、か。後味悪いなあ。
「手当てをしないと。クラウディア、回復魔法を使ってもらってもいいかい?」
「はい! 大丈夫です。アガーテさんも大丈夫ですか?」
「私は大丈夫だ、後でいい。すまないなクラウディア、君は客人だというのに。他の連中を宜しく頼む……アル君、よく間に合ってくれた」
「いえ、僕は間に合わなかった。手遅れにならなかったのはライザ達のお陰ですよ」
「……そうか。後で礼をしないとな」
「お咎めなしでいいんだってば。姉さんもまだ休んでて」
アルさんと姉さんにそういうの言われるとむず痒いんだから。
「そういやあ、アルさんはどうやってボオスたちがここにいるって事を?」
「北の宿場から浜に戻った際、護り手の人から状況を聞いてね。火山経由じゃ時間がかかるから僕一人で小妖精の森の奥地を突っ切ってきたんだ」
あの森ってここに繋がってるんだ? まあ位置関係的には分かるんだけどさ。
そこを無理やり突破したから、アルさんですらボロボロになって葉っぱとかも付いてたんだ。
「さて、まずは僕の来た下層の道で戻りましょう。魔物はこちらで始末します」
さも当然のように魔物を全滅させる方針のアルさんが……少しこわい。
今回の件、アルさんの中にも色々思う所があるんだろうな。
間に合わなかったって事、ボオスたち、そしてあたしたちも勝手に動いちゃった事。
結果論だけど、早期に話を決められなかったって事もあるんでしょうし。
という事でボオス、ランバー、護り手の人たち3人、アガーテ姉さん、あたしたち4人とアルさんの11人で小妖精の森経由で島に戻る事になった。
宣言通りの魔物はアルさんが文字通り瞬殺していった。それこそあたしたちが見る事もかなわない速さで。
アルさんが先行して少し音が鳴って、残ってるのはぷにの残骸やら古い盾……ちょっとホラー。
ちなみに隊列は先頭がアルさん、そしてあたしたち4人、護り手の人たち、ボオスとランバー、殿はアガーテ姉さん。ボオスたちがまたどっかにいかないようにお目付け役だ。
「下層は水路になってたんだね」
「こういうのがしっかりあるってこたあ」
「それだけクリント王国の人が
「下層って事もあるんだろうけど……私たちが通った地上よりは壊れていないね?」
戦争だってんならどこにでも人が流れ込んできそうなものだけどね。
タオが目で追ってるけど、小部屋に書物も残ってる。また後日だね。素材にもできそうだし。
そのまま水路に沿って進んで……あーたしかに。
「あの森ってここに繋がってたんだ」
「そうなんだよ。だけど城との道はこの大岩に塞がれていてね」
森に入ったあたしたちを迎えたのは、7、8メートルはありそうな壁のような大岩。
これじゃ向こう側からは道があるように見えないよね。
「どうやって通ってきたんですか?」
「向こう側をみれば分かるけど……錬金術は使わない方がいいか、少し待っていてね。アガーテさん、僕は先行して道を作ってきます」
「作ると言っても……一体どうやって?」
アガーテ姉さんのもっともな反応。
このサイズじゃあたしのフラムをいくら投げてもムリだよね。
そんなあたしの考えを他所に、アルさんは大岩に近付いて鉱石砕きのタガネを打ち込んでいく。
それを足場にさらに上に打ち込んで、を繰り返してどんどん登って。岩の向こう側に消えた。
「……軽業師っていうんだっけ?」
「とび職の間違いじゃねえか?」
「彼は本当に多芸だからな。10年見てきた私でもまだまだ計れない事が多い」
加えて、姉さんはアルさんの錬金術を知らないんだもんね。
そういえばアルさんの錬金術で「分解」を使うのは他の人の戦い方って言ってたっけ?
今回は使わなかったけど、そんな人たちが何人かはいる
ん? なんか……バラバラって音がするけどあっちを削ってるのかな?
少しするとアルさんが岩の上から顔を出し、丈夫そうな蔓を垂らしてくれた。つかめそうだ。
「お待たせしました。こっちで蔓を持っていますので掴まりながら足場を登ってきてください」
「男どもは後ろへ下がれ。クラウディア、君からいこう」
「はい。ありがとうございます、アガーテさん」
スカートだもんね。登っても降りても気にする事になるから、先に行ってもらった方がいいか。
アルさんなら安全確保してるだろうし。仮にいたとしても、氷像が増えるだけの気がする。
しかしまあ森の中で崖登りみたいだ。
さて、そんなクラウディアなんだけど……わりとスイスイ登ってくのはなんなのかな?
「クラウディア、マジで度胸据わってんのな」
「あの竜にもひるんでなかったもんね」
「僕には真似できないなあ」
そこは見習うって言おうよ、タオ。
クラウディアがあちら側に降りきったのか、次はあたしが呼ばれた。
「ふんしょ!」
登れない事はないし、蔓もあるから落ちる事もないけど、わりと一歩が広い。
よくまあこれをスカートで登っていったなあ。
岩の頂上に着いて、アルさんがどうやってこの岩を越えたか分かった――反則技だ。
「コレ、地面を隆起させたんですか?」
「そうだよ。さっき粉砕しといたけどね」
何かに吸われるように抉れた地面、周辺に散らばる岩石。あの城での登場みたいに地面の一部分を伸ばしたんだね。
その破片をクラウディアが脇に退けていってる……証拠隠滅だね、あたしも手伝おう。
この大岩を超えるどころか、これで城まで飛んだって事ないよね? 出来そうなのがヤバい。
あたしの後はタオ、レント、アガーテ姉さん、ボオス、ランバー、護り手の人たち3人。
アルさんはタガネの回収のためにもっかいあっちへ降りてから戻ってきた。城の魔物がさっきのを足場にこっち側に来たら大変だもんね。
「しかし……アル君はどうやってこの岩を? 時間を掛けなかったのだろう?」
「爆薬の爆風で飛びました。流石にヒヤッとしましたよ」
「……勘弁してくれ。君とは長い付き合いなんだ。友人としても家族としても、君に何かあるのは堪える」
「善処しますよ。アガーテさん達に助けてもらった身ですから」
しれっと作り話をしてるけど、ホントにできそうな気がするのはあたしだけだろうか?
残ってた破片もその話の信憑性のためだったり?
さて目線を岩から離した森の先は――フィルフサに遭遇した切り株の所だね。
みんな、ほとんど話さずに森を歩く。
森の魔物はそんなに好戦的じゃないから避けてけばいいしね。
ボオスは城の一件から一言も口を利いていない。今後どうしたものかなぁ。
隠れ家を通過して森を抜けた所で。
「おお! 皆いるぞ! 無事だ!」
他の護り手の人たちが浜で待機してくれてた。姉さんが話を聞きに先行する。
「こちらの状況は?」
「アルフォンスは一人で飛んでっちまったが、俺達じゃムリだと思って人数を集めていた。じきに火山に向けて出発しようとしていた所だ」
「では、まだ誰も火山には向かっていないんだな?」
「ああ、それは大丈夫だ。アガーテも帰還できて何よりだぞ」
じゃあこれで全員そろってるわけだ。
入れ違いにならなくてよかった。
「そっちはどうだった?」
「見ての通り無傷とはいきませんでしたが、という所です。竜は……殺しました」
「っ……! いや、そうか。とにかくまずは島に戻ろう。船頭は俺達が務める」
あたしたち4人、アルさんとアガーテ姉さんとボオスとランバー、他の護り手の人たちの3組に別れて舟に乗った。
戻ってからの事を考える。
モリッツさんは喜ぶよね。竜は倒されてボオスは無事。
ルベルトさんはクラウディアの安否が第一。当然だ。
古老は……まあグチグチ言ってくるんでしょうね。気にしたってしょうがないけど。
あとはアンペルさんたちへの報告と、あっちからの報告も聞きたいかな。
前を通過した時はいないみたいだったし、今も調査中なんだろうね。
「……これから、僕たちどうなるんだろうね」
「結果だけみりゃ「竜がいなくなった」。それだけだろ?」
「けどあたしたちに限るなら……ボオス」
「ライザ、気にすんなよ。アイツが勝手にやった事だ」
「…………?」
どうしたもんかな。
と、いうわけで初のボス戦終了です。
あームズい!この辺臨場感マシマシで書ける方々はほんとにスゴイです。
読んでも真似できないんですよね。
初のアル戦闘参加です。
現状戦闘力が突出してるのは今までの通りですが、
1人ボスに突撃するような事はしません。
ライザの物語ですしね。
ライザがアルを「錬金術士」と呼んでいますが、意図的です。
「錬金術師」を知りませんから。
これで一日が終わりそうなものですが……まだお昼過ぎ。
ということで57日目が続きます。
次回も楽しんでいただければ嬉しいです。