ライザのアトリエ 不思議な工房と秘密の多い錬金術師   作:もふもふたぬきねこ

26 / 150
前話で竜と戦ったのはお昼過ぎまでの話です。
本話は夕方のお話です。忙しいですねライザ達。

日常回と状況整理の回になります。
オリ要素を成り立たせるためのオリ要素です。
体力要りますよね、お菓子作りって。

誤字報告ありがとうございます。作者の日本語力は一体……?

目次に記載しておりますが、下書き段階ではあるものの
全話予約投稿を完了しました。
よろしければ今後もお楽しみください。

今回もよろしくお願いします。


26. 57日目③  動いた後には甘いもの

「おお! よく戻った! よくぞボオスを、ブルネン家の跡取りを救った! よくやったぞ!」

 

トレッペの高台。

そこに建つブルネン家の邸宅前で、ここ数年で一番上機嫌なモリッツさんに出迎えられた。

褒められたのって実は初めてじゃない?

 

 

 

浜に待機していた護り手の人が先行して知らせに行ってくれたみたい。

あたしたちはその後にブルネン家に向かって歩き出した感じだ。

 

順番は護り手の人たち、ボオスたちとアガーテ姉さん、アルさん、最後尾があたしたち。

結局ボオスはだんまりだ。ランバーはかすり傷程度でしょ? うるさいなあ。

 

あたしたちもアルさんも特別話をする事もなくトレッペの高台を上った。

疲れた身体にこの階段はキツいなあ。警戒しなくていいからその辺は楽だけどさ。

真夏じゃないとはいえこの暑さ、クラウディアは大丈夫かな?

 

 

 

で、モリッツさんのこの様子だ。

ボオスはモリッツさんと二言三言話をして、敷地内に消えていった。

 

「うむ! 竜も退けられたようでなによりだ! これはお前達に報酬を出さねばならんな!」

 

退けたっていうか倒しちゃったんだよね……。

あたしたちや島の人が思ってた形とは違っただろうけど――たしかにあの城を守っていた竜を。

 

「モリッツさん。今回の一件について……」

 

「話は後でいいぞアガーテ! お前も相当な鉄火場を潜った様子! まず休むといい!」

 

悪気はないんだろうけど、周りの話を聞かないモリッツさん。らしいといえばらしい。

 

そういえば……この件ってホントにモリッツさんが指示を出したのかな?

タオが聞いたボオスの言葉のままなら、()()()()()()()とは言ってても()()()()()って指示が出たかは分かんない。それに溺愛してる跡取り息子を竜討伐に出すとも思えないんだよねえ。

護り手の人たちに丸投げするか、外部からザムエルさんみたいな人を雇う方がまだありそう。

 

ハイテンションのまま、モリッツさんも屋敷に戻っちゃった。

 

「はぁ……今回の件、本当に感謝するよ。モリッツさんとは明日私が話をするとしよう。それが仕事だからな」

 

「姉さんも休んだ方がいいんじゃあ?」

 

「ありがとうライザ。私は貰った薬のおかげで随分マシになったからな。後は大人に任せろ……お前が優しい子に育ってくれて嬉しいぞ」

 

 

ポンポン

 

 

頭を撫でられちゃった。久しぶりだな。

アガーテ姉さんはレントくらいに背が高いから、ホントに姉さんって感じだ。

 

「皆も疲れているだろうから今日はもうお休みよ。時間もいい所だし」

 

「アルさんはどうするんですか?」

 

「僕も工房に戻るとするよ、流石に疲れたからね。何をするにしても明日かな」

 

日も傾いてきて乾期前のこの時期じゃもう夕方前だ。

アルさんは今日だけじゃなくて最初に竜が現れた時から働きづめ。

 

今回の件も、気付いてからどのくらい急いで来てくれたかはわかんないけど……浜から森を通って城まで全力疾走した後に戦闘とか。もう体力の想像ができない。

 

「……よかったらお菓子を焼きますけど、いかがですか? 疲れた時には甘い物って言いますし」

 

クラウディアから甘美な提案。お昼抜きで動きっぱなしのあたしたちにもよだれ物の提案!

……いけない。音が鳴らないように、お腹に力を!

 

「それはありがたい申し出だし楽しみだね。だけどクラウディアも疲れているだろう?」

 

「大丈夫ですよ。行商って強行軍も多いですし、私はみんなほど動き回っていませんから」

 

「そう言ってもらえるなら……今回はお言葉に甘えさせてもらおうかな」

 

「はい! ここ数日での成果を見てくださいね、オーナー!」

 

うっ、話に入りづらい! 二人だけで話が進んじゃってる!

 

「なあクラウディア。俺も食わせてもらっていいか? どんなもんなのか見てみたくてよ」

 

「島にないお菓子って興味があるよね。僕もいいかい?」

 

「うん! 一気に作れちゃうから大丈夫だよ。だけどレント君は甘い物大丈夫だったかな?」

 

「得意じゃないだけで嫌いじゃねえから大丈夫だ」

 

あっちょっレントどころかタオまで!? あたし一人乗り遅れてる!?

 

「――ライザ。よだれが垂れているよ?」

 

「……はっ!!!」

 

クラウディアの一言。

――お腹鳴るよりダメじゃない!?

 

「おいライz」

 

「天誅ーーーッ!!」

 

 

ガッ!

 

 

「うわあレント!? ちょっとライザ!」

 

こっちを振り向こうとしたレントの側頭部めがけて、あたしの杖の先端がクリーンヒットした。

――乙女のよだれ顔を見るんじゃない! 罪だよ大罪だよ!

 

「君達は元気が有り余ってるね。若いなあ」

 

別にアルさんだってあたしたちとそこまで歳の差ありませんよね? 多分ですけど!

 

そんなやりとりをしてレントにブーブー言われつつ、あたしもご相伴に与る事になった。

たしかに逆の立場だったらこんなもんじゃ済まさないけど、これは乙女の沽券ってやつよ!

 

 

 

工房に到着して、クラウディアのお菓子作りのスタートだ。

ちなみにそのお菓子だけど――これもアルさんの手が入った。さすがオーナー。

 

今朝クラウディアが言っていたメレンゲ。作るのが大変って聞いたけど……意味が分かったよ。

相当に速く、きれいに混ぜ続けて、しかも時間がかかるんだもん。体力が持たない。

お手本としてアルさんが作ってくれたメレンゲはとってもキレイだった。本人曰く「慣れ」。

きめ細やかっていうのか、なめらかっていうのか……卵の白身ってこうなるんだね。

 

ちなみにレントにもやらせてみた。それっぽくはなったけど泡が粗くなった感じだ。

レントでも「これキツイぜ」って言うくらいの体力仕事。ちょっとこれは考えてなかったね。

 

クラウディアが「鍛えないと」って呟いたけど、いつかクラウディアの腕がレントみたいになっちゃう日が来るのかな?

 

 

 

更に()()()って事で、アルさんがもう一つ作ろうと言ってくれたものがあった。

それは。

 

「シャンティークリーム! 自前で作れるんですか!?」

 

「道具が無いからちょっと大変だろうけど、まあ試しにやってみようよ」

 

クラウディアは知ってるらしいお菓子の素材。ただしかなりの高級品らしい。

材料は生クリーム――ヤギミルクを「えんしんぶんりき」とやらにかけると分かれるとの事。

 

知らなかったけどバターってこれが固まった物らしくって、今から作るシャンティークリームはその中間なんだそうだ。バターなら錬金術でいけるんだけどなあ。

これにエルツ糖を加えてメレンゲみたいに混ぜるらしいんだけど。

 

「クラウディア、この器を魔法で冷やせるかい?」

 

「やった事ないですけど、やってみますね!」

 

気合が入りまくった結果、冷やすどころか凍り付きかけたけどとりあえず成功。

で、当たり前のようにレントを実験台にして、アルさんと同じように作業を……。

 

 

バッシャバッシャバッシャバッシャ!

 

 

「……これっホントに固まるんすか!?」

 

「混ぜるって感じよりシャバシャバする感じのイメージだね。ちょっと器が小さかったかな」

 

「ほらレント! 飛び散ってる!」

 

「うっせえな! ライザもやってみろよ!」

 

というわけであたし、クラウディア、タオの順でやってみたけど。

 

「……きっつ! これ、難しい……!」

 

「飛び散っちゃう……」

 

「もう僕……腕がぁ」

 

てな感じで形にならなかったよ。普段こんな動きしないせいで余計に疲れちゃう。

アルさんの方はあたしがやってた時には固まり始めてた。逆に言うならそれだけかかるって事。

 

メレンゲよりちょっと水っぽい感じ? どっちも白いけどね。

アルさんが言うには、混ぜればそれだけ固まるらしいけど、舌触りが悪くなるらしい。

むぅうん、奥が深い。

 

 

 

「これがシャンティークリーム……!」

 

「高級品ってのも分かるね。単純に大変だわ」

 

「菓子作りって体力要るんだな、知らなかったぜ。鍛錬にいいかもな」

 

「レントの体力とはまた違うと思うけど、慣れはいりそうだよね」

 

「調理器具は揃えないとだね、毎度フォークじゃ大変だ。大きなボールとクランクビーターは必要か。今回はヤギミルクでやったけど油分があれば原理的には同じだから、アブラ木の実でもいけるかもしれないね。動物性と植物性の比較をしないと」

 

ちょっと異世界言語入りかけてたけど、まだなんとか分かる範囲だ。採取してこよう。

味見はまだお預けとの事。なかなかにツライ。

今は窯の中に入ってる――マドレーヌの生地とメレンゲを混ぜて、枠に流し込んだものが焼き上がるのを待ってる状態だ。すでに匂いがヤバい。

 

「……これ、まだなのか?」

 

「大きいのは初めてだからわからないんだけど……そろそろいいのかな?」

 

「取り出した後に冷ますから、その時間の余熱で火が通ると思うよ」

 

「それじゃあ出しますね……うわぁ、すごい!」

 

結構膨らんでる! パンみたいなモッタリ生地じゃなかったのに。

でも見た目がパンとは違うね。マドレーヌっぽく泡でプツプツした感じだ。

 

「良さそうだね、こっちはしばらく冷ましておこう。じゃあこっちも始めようか」

 

生地は全部使わずに一部はメレンゲ無しで置いてあったんだけど……こっちは?

 

「分かりやすくフライパンで焼こうか」

 

「パンケーキですね!」

 

こっちは聞いた事あるね。食べた事はないけど。

 

作り方はシンプル。さっきの生地をそのまま焼くだけらしい。

ただあの生地だと水っぽすぎるらしいから、小麦粉でモッタリ気味にして熱したフライパンに丸くなるよう流し入れる。

シンプルだから小細工が利かないらしくって、作り手の腕にかかってるって――焼きながらもクラウディアが楽しそうに話してくれた。これが女子力かぁ。

 

フライパンは3つ使えるからクラウディア、あたし、タオでチャレンジだ。

レントにはフレスベリーの採取を頼んどいた。そこらにしげってるしね。

 

「……うん。こんな感じかな」

 

「タオ君上手だね! 私のはちょっと焼きムラが出ちゃったなぁ」

 

「――げっ、焦げてる!」

 

手先は器用なはずなのに……。

慎重なタオの方がパンケーキを焼くのには合ってるらしい。

 

さてアルさんの方はというと、すごい事になってた。

アレがこうなるんだ。

 

「真っ白になってる!」

 

「すごい! ナッペってこんな感じなんですね!」

 

「見ておけばよかったよ。あのヘラで塗っていったんですよね?」

 

「瓶を作ってる気分だったよ。応用が利いたのは運がよかったね」

 

さっき作ったシャンティークリーム? が、冷めたおっきなマドレーヌ(ホールケーキとかスポンジケーキっていうんだって)をきれいに覆ってるわ。

というかこれも手間がかかるなあ。混ぜるだけでも大変だったのに。

 

「戻ったぜー……うお、何だこりゃ!?」

 

「お帰りレント、ありがとうね。これで形にはなったかな」

 

「普通にお店で出せません?」

 

「まさかだよ。プロの人は拘りが違うのさ」

 

お菓子作りの経験はあんまりないそうだけど、知識と器用さが極まるとここまで出来ます、と。

……まずあたしはパンケーキを焦さないようにしないと。

 

あたしたちが焼いたパンケーキにはハチミツとかを。アルさんがクリームを塗ったホールケーキにはベリーや七色葡萄をトッピングして。

 

「完成ですね!」

 

「そうだね。皆お疲れ様」

 

「昼間に竜と戦ってたってのが信じらんねえぜ」

 

「だからこそ甘い物はありがたいよ。こんなに大変だとは思わなかったけど」

 

「なんでレントはこれが得意じゃないのかしらね。まあ頑張った分美味しく食べれるわよ」

 

と、いうわけで!

 

「いただきます、だよ!」

 

あたしたちのお菓子作り担当クラウディアの挨拶で、ついにお菓子を!

 

 

パクッ

 

 

「んん~! おいしい! やっぱり甘いっていいなあ」

 

「このパンケーキってやつは甘さ控えめで助かるぜ。腹持ちもよさそうだな」

 

「ここでそれを考えるかなあ。うわあこっちのホールケーキすごい! こんなの食べた事ないよ!」

 

「クリームの口当たりが凄く滑らかだね。生地は……思ったよりパサついた感じ? フレスベリーとエルツ糖はこのままでも合う。牛乳の代わりにヤギミルクだから私にはちょっとクセを感じるけど、クーケン島の人たちにはその方がいいのかな? 植物性を使った場合は……」

 

「今回は各材料の量が目分だからキチンと決めておくといいね、分量が合わないと膨らまなかったりボソボソしたりするから。後は火力調節に慣れてもらわないと一回ずつに焼きムラが出そうだ。メレンゲやホイップはビーターで安定させるとして、ナッペは練習して貰わないとかな。冷却は……夏だし水瓶の気化熱が限界か。この辺で作れる金属で一番熱伝導率がよかったのは……」

 

「魔法で冷やせないか練習してみます」

 

「そうだね。やっぱりその方がよく冷やせそうだ」

 

単に味の感想を口にする島生まれのあたしたちと、すっごい分析してる経営陣2名。

この空気の違いよ。レヘルン(氷爆弾)でやれないかなあ?

 

そして。

 

 

バァン!

 

 

「甘い匂い!!」

 

「五月蠅いぞアンペル」

 

匂いに釣られたらしいアンペルさんたちが作業場にやってきた。ひさびさだね、元気そうだ。

 

「アンペルさんリラさん。おかえりなさい!」

 

「4日振りといったところか? お前達も元気そうで何よりだ。アル君、お邪魔するぞ」

 

「言う順番が逆だ……すまないなアル、久しぶりの甘い匂いで飢えているようでな」

 

「いえ、お二人ともお疲れ様です。ご無事で何よりですよ」

 

「よければケーキいかがですか? みんなで作ったんです」

 

「もちろんだ! これでダメだと言われたら泣き崩れていた」

 

子どもか。

 

「そこまでなんですか?」

 

「リラさんと一緒だと何でも食う事になるからな。普通の料理でもごちそうだぜ?」

 

みんなが一か所に集まるのがとっても久しぶりに感じるけど、あれから4日しか経ってないんだ。

今日1日が濃すぎたんだよね。だって午前中に竜倒してきたんだよ?

 

 

 

アンペルさんはホールケーキを「こんなところでホイップクリームが食べられるとは!」って言ってたけど、シャンティークリームと同じなのかな? すごい勢いで食べていく。

リラさんは味付け無しでパンケーキを食べている。

腹持ちがよさそうだって感想、レントはここから感染してたらしい。

 

ある程度アンペルさんが落ち着いた所で、アルさんから話を切り出された。

 

「島へ戻られたという事は……何か収穫が?」

 

「そういう事だ。報告を、と思ってクラウディアの屋敷にいると思ったが、こちらだとはな」

 

「こっちもアンペルさんたちに話したい事があって」

 

「お前達も成果あり、か。まあまずこちらから話そう――西側にフィルフサの痕跡を見つけた」

 

……!!

じゃあ、フィルフサは悪魔の野からやってきてたんだ。

 

「あの橋を渡った先に、比較的綺麗な遺跡が残っているだろう?」

 

「ライムウィックの丘、稀なる者の祭壇の事ですね」

 

「そういう名なのか。あそこの南側、そこから西に向けてフィルフサの足跡が続いていた」

 

あそこらへんの……南?

なにがあるんだろう? 位置的には坑道の北って事になるけど。

 

「南は確か高い岩壁でしたか。つまりフィルフサはその向こうから?」

 

「そう考えるのが自然だな。あちら側の地形がどうなっているか分からんが、やつらはある程度の崖は登ってくる。ナニカがあるんだろう」

 

「岩壁っていうなら……アルさんの錬成なら?」

 

「うん、行けるかもしれないね。以前僕が行った時は向こう側があるなんて思ってもなかったよ」

 

今日みたいな状況だと大変だろうけど、普通に錬成を使えるなら壁から足場作りも地面から階段も作れちゃうもんね。

 

「だが……あの辺りは聞いていた通り魔物が強力だな。調査に時間がかかったのはそのせいだ。まさか「シャイニングぷに」が居るとは」

 

なんだそのぷに。リラさんが真剣に口にしてるのが何だかおもしろい。

 

「シャイニング、ぷに、ってなんすか?」

 

「金色に近い()()()()だ。他の金ぷにを集める性質があって本体もかなり強い。面倒だった」

 

レントと同じく色の想像が出来ないわね。あたしのトレイルとおんなじ意味かな?

 

「そして北側の峡谷にも行ってはみたが、あそこは痕跡の識別が付かなかったな」

 

「北……塔への道って事ですか?」

 

「そうだ。だがあそこも進めないな、完全に途中で道が寸断されていた。私の全力の跳躍でギリギリ届くかどうかだ。底が分からん深さだから落ちれば想像に難くない」

 

塔には今のまま突撃しても行けないのか。

レントががっかりしてるけど、あそこを目標にしてたんだし。しょうがないかな。

 

「つむじ風はあったから、風の精霊の加護があればなんとかなるかもしれない。話を戻すがアル、あそこをお前はどう思う? 加えてお前の錬成なら通れるか?」

 

「……戦場跡だと思います。戦争の跡なのか、フィルフサとの戦闘か、さらに昔の話なのか分かりませんが。それと橋を作るのはおそらく難しいです。地面に血と魔力が染みすぎて……壁面沿いの通路なら作れるかもしれません」

 

「単なる地面と認識できなくなる、か。リバウンドの話もあるんだ、無理に行う必要はないだろう。何が居たかも分からん。人が使うにはありえん大きさの剣なども見受けられたからな。大昔にいたとされる石巨人の物と私は見ている」

 

「戦場跡……今日の、あのお城みたいな感じなのかな?」

 

クラウディアの言う通り、たしかにそれっぽいね。何かでキズついてボロボロになった感じ。

 

「ありえそうだね。島の周りでこんなに戦いが起こってたなんて」

 

「城のよう? お前達、あの城に入ったのか?」

 

コッチのお話をしてなかったね。

 

「まさに今朝です、リラさん。ボオスの野郎が竜退治に勝手に向かいやがって。俺たちもそれを追って……最終的に竜を倒した」

 

「それが僕らから出来る報告ですね」

 

レントとタオでさっぱりとあたしたちの今日一日の出来事を伝える形になったね。

さすがの2人も驚いたらしい。

 

「なんと。例の竜を倒したのか」

 

「強くなったものだ」

 

「ううん。あたしたちだけじゃ多分……」

 

「危ない所でアルさんが間に合ってくれて」

 

「僕はただの援軍だよ。頑張ったのは君達だ」

 

「その救援が無かったら、俺たち今ここに居られなかったと思いますよ?」

 

あの溜め攻撃、受けてたらタダじゃすまなかったよね。ボオスたち共々全滅してたかも。

 

「そうですよアルさん。あぁそれと城の石碑も読んでみました。やっぱりあの竜はフィルフサのために召喚された魔物だったみたいです」

 

「ほう? 具体的には何と書いてあったか分かるか?」

 

「「召喚されし炎の翼、フィルフサを殺せ」。そんな感じでいいと思います」

 

それを聞いてアンペルさんが「ふうむ」と考える。

 

とにかくフィルフサが西の悪魔の野から来てる事、城からは竜が飛んで戦っていた事、塔への道は戦場跡になってて今は行く方法がない。分かったのはそんなところだね。

 

「……そうか。やはりそういう事か」

 

「アンペルさん?」

 

アンペルさんが何か納得したらしい。何をだろう?

 

「アンペル。もう話してもいいんじゃないか?」

 

「そう、だな。竜を倒す程になったんだ、本格的にお前達の力を借りる時が来るだろう。ならばこちらも事情を話しておくべきか」

 

「……中々に黒いお話でしょうけれど、宜しいのですか?」

 

「アル君。君の思いはありがたいが……事は深刻だ。我々だけでは限界があるし、借りられる力は借りたい。それにライザの性格ならば心配もないだろう」

 

うん?

 

「あたしの性格?」

 

「進んでトラブルを起こす事っすか?」

 

「こっちの都合関係なしに周りを振り回す事とか?」

 

「のめり込むとどっぷりな事じゃないかな?」

 

ヒドイ! クラウディアまで!

 

「錬金術を悪用しないって事だよ。それこそ……誰かに危害を加えるとか、ね」

 

それは何度もアルさんから注意されてきた事だ。

 

「もちろん! そんな事に使わないよ! でも今からの話って……そういう事?」

 

「そういう事だ。錬金術で繫栄した――クリント王国という愚かな国の罪だ」

 

クリント王国の、罪?




実はアガーテって結構背が高かったりします。174cmです。
大体のキャラの身長は

ザムエル>ルベルト≧アル>カール>レント≧モリッツ>アガーテ>ボオス≧
アンペル>ランバー>リラ>クラウディア>ミオ>ライザ>タオ>ロミィ

となります。なんと161cmのライザが小柄な部類です。

お菓子を目分量で作るのはやめた方がいいです。悲惨な事になります。

次回はライザストーリーの背景の判明、そして新しい問題が?
次も楽しんでいただければ嬉しいです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。