ライザのアトリエ 不思議な工房と秘密の多い錬金術師   作:もふもふたぬきねこ

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話に絡ませる都合もあって、アルの白兵戦闘力は相当に高めです。
まあハガレン世界の住人だしね? とお考え下さい。

今回もよろしくお願いします。


8. 33日目②  戦う道具屋と各々の進む道

ああぁ~ごめんなさいぃアルさん……。

 

あたしのせいでアルさんの実力に興味を持ったリラさんの要望で、少し南の水汲み場まで移動したあたしたち。ある程度の広さと足場がしっかりした近場という事でここになった。

幸い他に人はいないね。

 

「ごめんなさいアルさん……」

 

「大丈夫だよライザ。受けたのは僕だしね」

 

相変わらずの微笑みで返すアルさんは、あたしたちから離れてリラさんと向き合う。

 

「アルさんの組手、初めて見るぜ」

 

「一体どんな戦い方なんだろう?」

 

「ライザ、アル君の強さはどのくらいのものなのかね?」

 

「少なくともあたしじゃ触る事もできないです」

 

唯一見た事も経験もあるあたしがアンペルさんに答える。

軽く準備運動をするアルさんにリラさんが声をかけた。

 

「街中だからな、勿論軽くで構わない。こちらとしても怪我は避けたい」

 

「分かりました。いきましょうか」

 

その一言で――2人の空気が少しピリつく。

 

リラさんは拳を握り、片脚を引いて低く構える。

あれなら飛び出しも迎撃もできるかな。力があれば一気に跳べる。

 

一方のアルさんは――あたしの時と違って初めて構えた。

肘を曲げつつ両腕を身体の前に、拳は握らず、右肩を軽く引いた。

どちらかと言えば受けの姿勢。あたしでもやりそう。

 

それを感じたのか、踏み込みはリラさんからだった。

 

「ふっ!」

 

 

ブォン!

 

 

ひとっ飛びでアルさんに接近し、右腕をアルさんの右手に向けて振るう。

 

速っ! 軽くって話はどうなった!?

 

「……ふぅむ」

 

 

バシッ!!

ドゥ!

 

 

一方のアルさんは動揺もせず、向かってきたリラさんの右拳に自分の右手を添え、左側に打ち払い、突っ込んできたリラさんの胴に向けて左の掌で打ち上げた。

 

――アルさんも軽くって話、忘れてない? 平然とお腹殴ってますけど?

 

そのままアルさんの頭上を飛び越えたリラさんは、何事もなかったように着地してすぐ反転。再びアルさんに突っ込んでく。

次は打ち上げないにしても、迫るリラさんの腕を弾くように払っていくアルさん。

そんな攻防を十数秒続けたのち、アルさんが口を開いた。

 

「本来の得物は手甲の刃……いや、鉤爪ですか? 徒手の間合いより若干遠いし縦振り気味な気がします。脚の攻撃であればいつも通りの動きなのでは?」

 

「分かるか、いい目だ。だが軽くと言ったし付き合ってもらっている立場だ、使う気はない。アルこそ来ないのか? 本来は技巧派ではなくもっと大振りに攻めるタイプと見える」

 

あたしじゃ眺めるだけでいっぱいいっぱいな中、冷静に対処し、動きの予測まで立てている。

 

――世界が違う。なんなのこれ。

 

「実はそうでもないんですけど……受けるだけじゃ失礼ですね。今度はこちらから行きます」

 

「分かった。私も一段階上げるとしよう」

 

今度はアルさんから接近する。

シャイニートレイルを潜ってきた時みたいに流れるような走り方で。

そのまま分かりやすく、右の――正拳だっけ? それをリラさんの打ち込むように振りかぶる。

 

「破ぁっ!」

 

 

ビュゥオッ!!

 

 

「っ!」

 

こんな気合の入ったアルさんの声を聞くのは初めてじゃないかな?

そんな掛け声に乗った正拳をリラさんは間一髪で避ける。避けれるんですね?

 

「コッチは脚も使わせてもらいますよ!」

 

避けたリラさんを回し蹴りで追撃する。次はリラさんも避けずに両腕で防いだ。

 

 

ドォン!!

 

 

「っ重い! 中々に動けるし、何より闘い慣れている者の動きだ。器用なものだな!」

 

「光栄ですねっ!」

 

受けたら吹っ飛びそうな蹴りを受けたにもかかわらず、なんか楽しそうなリラさん。

バトルジャンキーってやつかな?

そのまま攻め続けるアルさんもアルさんだ。

ケンカを否定しないっていうか、むしろレントより足突っ込んでるんじゃ……。

 

「すっげぇ!」

 

「ホントに強いんだね!」

 

「あのリラを相手に大したものだな」

 

そのまま格闘を続ける2人を見据えて、一緒に見ていた3人が声を漏らす。

同じような感想しか出ないね。あたしの時の手加減、大変だったんだろうなあ。

 

「いいぞ、まだまだいけるな!」

 

「そうかもしれないですけど、そろそろ締めようと思うんで……」

 

離れた位置から一気に疾走するリラさん。

一方アルさんは……うん? 自分の身体の前で両手をパンッ! と合わせ。

 

「ちょっと……ズルさせてもらいますよっ!!」

 

地面に両手を押し付けた。

 

 

バチバチバチバチッ!!

 

 

っと電撃がアルさんの手から地面に伝わり、近づくリラさんの下へ。

そして、地面から土壁が一瞬で「生えた」……はい?

 

「なっ!?」

 

 

バカンッ!

 

 

勢いを止めきれずに頭から壁に突っ込むリラさん。

壁が薄かったおかげかそのまま突き破れたけど、さすがに動きは止まったよ。

 

「っつ~~。痛いじゃないか」

 

「すみません。これ以上ヒートアップするとマズそうだったんで」

 

音どおりのダメージはあったみたいだけど、ケガしてないみたいでよかった。

というか。

 

「いっ今のも、錬金術なの!?」

 

アルさんの錬金術は錬成陣が必要って聞いたばっかだよね?

だけど。さっきのは手が触れた所から電撃が伸びて、周りの地面を抉って壁になった。

 

さっきアルさんが言った通りなら地面を土に分解して、壁に再構築したって事かな?

でもそのための錬成陣と、構築式? がない、よね?

 

「そうだよ。言ったようにちょっとズルしたけどね」

 

「今のも錬金術だと? 私にとってもあり得ない現象だな。ああ大丈夫だ、怪我はしていない」

 

リラさんの具合を確認し、抉れた地面を直しつつもアルさんが答えてくれた。

錬金術ではあるらしい。

 

「原理は分からないが、その錬成陣とやらが無くても使用する手があるわけだ。私達の知る錬金術という概念より、もはや物質に干渉できる魔法に見えるが――なんにせよ凄まじいものだな」

 

「その錬金術を使わずともよく鍛えられている。礼を言うぞ、思いがけない収穫になった。血が滾ったのは久々だ」

 

こちらこそ、と応えるアルさんがリラさんと握手。

さすがに少しは汗をかいてるみたいけど息は切れてない。

リラさんは頭を打ったけど汗をかいてすらない。

すごい世界だなぁ。

 

アンペルさんの言葉の通り、魔法は人に纏わせて強化するとか、魔物に衝撃を与えるとか、エレメントでの干渉は出来るけど……これはそんな枠を飛び越えてる。しっくりくる感想だね。

 

レントがアルさんの真似をして、手を合わせて地面を触ってみてる。

当然何も起こらない。当たり前でしょうが、それで出来たら苦労しないっての。

 

「レント、リバウンドが御所望かい?」

 

「うえっ!? 勘弁してください! コレそんなにヤバいんすか!?」

 

「本来あるべき手順を省略しているんだからね」

 

使い方が分からないあたしたちなら発動の心配はないけどね、とアルさん。

軽くとはいえ、格闘中にその裏技じみた事をやってのけたんだ。

 

にしても。単純な格闘だけでアガーテ姉さんどころか、昔は世界各地を傭兵として巡ってたっていうザムエルさんより強い気がする。

レントのお父さんってだけあって大剣使いだから、そのままじゃ比べられないけどさ。

 

 

 

見た目通りの実力を見せたリラさんと、人柄を知っているあたしたちの想像を斜め上に超えていったアルさんの「軽い」らしい一戦を終えて、アンペルさんの借家に戻ってきた。

 

「正直この島に大した期待はしていなかったんだが……これまでのやり取りだけでも予想以上のものを得られた。改めて礼を言おう。これほどの戦士がこんな辺境に居たとはな」

 

「こちらこそ本当の錬金術を見せて頂いて、久方振りにまともな運動をさせてもらいました。ありがとうございました」

 

運動って……。

ああ、と短く答えるリラさんはリラさんっぽい。それでもご機嫌良さそうなのは分かるね。

 

「それで、アンペルさんは本来遺跡の調査に来たと伺っていましたが?」

 

「その通りだ。私達はクリント王国時代の古代遺跡を調べて回っている。錬金術士ではあるがやっている事は考古学者だな。ここに島があるなど最近まで知らなかったのだが」

 

このクーケン島の周りには、大昔にあったらしい国の遺跡が各所に残ってんのよね。

タオの言う通りなら、森にあった建物もその一つだ。

ただその国――「クリント王国」ってのについてはほとんど知らなかったりする。

 

「あ、あのっ。アンペルさん」

 

控え気味だったタオが前に出る。珍しいね。

 

「その古代遺跡関係なんですけど……古代文字も読めたりしますか?」

 

下げていたカバンから、いつも解読しているって本を取り出しアンペルさんに見せる。

 

「全て読めるというわけではないが……っこれは!?」

 

アンペルさんが分かりやすく反応した。おおっと?

 

「どうした? アンペル」

 

「……お前さん、この本を何処で?」

 

「え? えっと……家の地下に書庫があって。その一冊なんですけど」

 

食い入るように本を見つめてる。なにか知ってるみたい。

 

「まさかこんなものを目にするとはな。リラ、ここは「当たり」らしい」

 

「なに?」

 

リラさんも反応した。なにか2人に思う所があったみたい。

 

「その……良ければこの文字の読み方を教えてもらえないですか!?」

 

精一杯の声でタオがアンペルさんにお願いする。

一方のアンペルさんは「ふぅむ」と一声。

 

「よし。お前さんの家の本を見せてもらえるなら基本くらいは教えよう。アル君が言う所の等価交換というやつだ」

 

「ホントですか!? ありがとうございます! 後で案内しますね!」

 

跳ねる声のタオ。ずっと解読作業をやってたんだもんね。

アルさんも「よかったね」って声をかけている。

そんな様子を見ていたら、今度はレントまで声をあげた。

 

「あの、リラさん!」

 

「なんだ?」

 

告白でもするの? リラさん美人だもんね。

 

「俺に武術を教えてもらえませんか!?」

 

違った。

強くなりたいってよく言ってるレントから、そのお願いが出る事自体は分かるけど。

アルさんじゃなくてリラさんにお願いしたのは意外だね。

 

「ブルーフィン程度にのされていた子供を世話する自信は私にはないが? それに何故アルではなく私なんだ?」

 

「ブルーフィン? メイプルデルタから流れてきたんですか?」

 

「アレが森に居た理由は分からないが、ブルーフィンには間違いない」

 

アルさんは知ってたんだ、あの青イタチ。

そのなんたらデルタがどこだか知らないけど、ここまで来るとは思ってなかったと。

 

「その……さっきの2人の組手を見て、先ずスゲェってだけ思ったんですけど。なんつうか、どっか柔らかいアルさんの戦い方よりは真っ直ぐなリラさんの戦い方が俺には合ってると思ったんです」

 

「それは言うなれば私は「剛」、アルは「柔」というスタイルだ。まあアルの本気がどちらかは分からないが、その差は感じとれたわけだな」

 

「やり方はどうあれ、レントは強くなろうと毎日訓練しています。根気強いですよ」

 

アルさんがフォローしてくれる。その言葉にリラさんも一息つく。

 

「そうか……レントといったな。お前、島の案内は出来るか?」

 

「え、はい。一通りは問題ないと思いますけど?」

 

「なら、それと引き換えに少しだけ見てやろう。強くなりたいという意志は尊重してやる。ただし弱音は吐かせんぞ」

 

「っ本当ですか!? ありがとうございます! 宜しくお願いします!」

 

レントも了承を貰った。

すっごい喜んでる。ホント、ずっと強くなる事を目指してたんだもんね。

 

 

 

2人はやりたいことを為すため、一歩を踏み出した。

 

あたしは? あたしは今何がやりたい?

毎日、それを探す、そのために行動していたはず。

 

考えよう。よく考えるんだ。

 

この一か月は色々あった。

始まりはアルさんへの杖の補強のお願い。

そして助手という名の勉強と訓練。

島の外への冒険。

クラウディアとの出会い。

錬金術との出会い。

今のこの場。

 

 

 

――アルさんから、貰ってばかりだ。

 

 

 

考えて……考えるまでもない。

錬金術で杖を組んでくれて、あたしを鍛えてくれて、そのおかげで冒険出来て、クラウディアを助けられて、青イタチを止められて、2人とお話の機会が出来たんだ。

 

なら――あたしがやる事は一つ! やれる事も一つ!

 

「アンペルさん!!」

 

アンペルさんに向き直り、思い切り頭を下げる。

 

「あたしに錬金術を教えてもらえないですか!」

 

アルさんに出来なくてあたしに出来る――分かりやすく、数少ない事の一つは魔法。

でもって、アンペルさんの錬金術には魔法の素養がいる、んだと思う。

 

「……何故錬金術を? 分かっているとは思うが習得には素質が要るし、それが有ったとしても一人前に修めるのは困難な道だ。子供の興味本位で踏み入れる分野ではないぞ」

 

あたしが思っているよりずっと難しいんでしょうね。

 

だけど!

 

「あたしは、アルさんの力になりたいんです!」

 

「ライザ?」

 

珍しく驚いた感じのアルさんの声が耳に入る。

この声に助けられてきたんだ。

 

あたしよりずっと色々なことが出来るアルさん。

そんな人の助けになろうというんだから、難しいなんて当たり前だ!

なら、片っ端から試す!

 

「あたし……今までアルさんに助けられてばっかりで、何一つお返しできていなかったんです。さっきアンペルさんの錬金術、「リンケージ調合」のお話を聞いてそのイメージは出来ました。ならアルさんが使えない魔法を使った錬金術を教えてもらって使う事が出来れば、少しでもお返しできるんじゃないかって! 一度見て貰うだけでもいいです! お願いします!」

 

頭下げっぱなしで一気に喋り切る。

隣で何となく、オロオロしている感じがするアルさんがいる気がする。

こんな時になんだけど――見てみたい!

 

「ほぅ? リンケージ調合のイメージを一度話を聞いただけで描けたか。なら本当に素質があるかもしれん。それに会得したい理由も、まあ真っ当だしな」

 

どことなく嬉しそうなアンペルさんの声があたしの頭の先から聞こえる。

それじゃあ!

 

「いいだろう。一度錬金術の才能があるか見てみるとしよう」

 

「ありがとうございます!」

 

お礼を口にし、頭を上げる。よっしゃあ!

 

「そんな事を気にしていたのかいライザ? よかったんだよ?」

 

「アルさんは優し過ぎるんですよ。もっとそういうものを期待すべきだと思います!」

 

「ならライザはもうちょい自重を覚えろよ……」

 

「うっさいわよ!」

 

そんなやり取りをしている間に。アンペルさんが机の上に島でよく生えている雑草ことナナシ草と木桶に入った水を準備して、あたしには数枚の紙を手渡してくれる。

 

「錬金術の基本、「中和剤」のレシピだ。どの錬金術士もまずこの中和剤を調合する事から始め、中和剤調合を極める事は錬金術を極める事と同義とすら言われるほど、基本であり奥が深い。材料は見ての通りナナシ草と水で足りる。錬金釜も貸してやろう。それを一回で調合してみせたらお前さんに錬金術の手解きをしてやろう」

 

一発試験!? でもやってやるわよ! それくらいできなくてどうするよ!

 

渡されたレシピを上から通しで読み切る。

素材はナナシ草、というより風のエレメントを持った植物。それから氷のエレメントを含む水だ。

 

やる事自体はナナシ草を最初に釜に加え、水を注いで混ぜる。それだけ。

それだけなら誰でも出来ちゃうけど……これが錬金術であって、出来るものが「中和剤」という物なのを考えなきゃね。

 

中和剤はいろんな調合の「つなぎ」みたい。

なら錬金術っていう枠組みの中での受け皿が大きい物かな。

 

あとは必要なエレメントの量。最初に説明された時にあった、品質で変わるってお話。

全部入れるとバランスが崩れちゃうから、品質の良いものを選んで必要分だけ入れるんだ。

 

一旦ここまでイメージして机の前に。

水の入った桶は一つだから水の品質は変えられない。ナナシ草で調整する事になるね。

 

まずは水の品質の確認かな。

 

ぽちょんと水の中に人差し指を入れ、魔力を流してみる。

感じるものはある。でも、それが大きいのか小さいのかは分かんない。

 

次はナナシ草、こっちも何本かで試してっと……うん、違う。

大きな差はないけど、エレメント量の大小の違いが間違いなくある。

 

液体状のつなぎなんだから、比率は水の方が大きくなる。

品質の良い少量のナナシ草と必要な分の水。これを選んでマテリアル環――レシピにも書かれてる調合への地図のピースをイメージして魔力で繋げて、一つにまとめるんだ。

 

 

「ライザの奴、なに草をじっと見つめてんだ?」

 

「何か違いがあるのかな?」

 

「ライザが知っているのは最初に私が見せたフラムの調合での出来事と、渡したレシピだけのはずだがな。それだけでここまでたどり着けるのか……出来るやもしれん」

 

「ほう」

 

「…………」

 

 

品質の良い、一握りできる分くらいの選んだナナシ草と桶を持って錬金釜の前へ。

既にお湯が入っているけど魔力は帯びていない。あくまで単なる調合の場よね。

 

まずは中和剤の成分のベースになる風のエレメントを持ったナナシ草。

これをマテリアル環の形で水と繋がるようにイメージし、魔力を込めて釜に半分ほど入れる。

風のエレメントが混じった感じはあるけど……氷のエレメントとは結び付かない、かな?

 

残りのナナシ草もパラパラと釜の中へ。

すると環が開き、次の過程に繋がるイメージを持てた。

なるほど、これがリンケージってやつね。

 

あとは必要な分の水。中和剤としての性質を損なわないように濃すぎず薄すぎず。

魔力を含めて少しずつ釜の中へ。

 

……繋がった!

あとは側に立てかけてある大きなお玉でゆっくりかき混ぜていけば。

 

 

 

来たっ!

 

 

 

そう思った時、釜の中身が光った。

光が止んで中に残っていたのは――ガラスの小瓶に入った薄い緑色の液体が4本。

中身はともかく……この小瓶はどこから出てきたんだろう?

深くは考えないでおこう。

 

あたしが釜底から小瓶を取り出したところでパチパチと手を叩く音。アンペルさんだ。

 

「合格だ、初めてとは思えん。見事だぞライザ」

 

「あっ、ありがとうございます! それじゃあ!」

 

「約束通り錬金術の手解きをしよう。ひょっとすると今の私を超えられるかもしれん」

 

やたっ! アルさんの力になれる第一歩!

アンペルさんへの弟子入りに成功だ!

 

「よく分かんねえけどうまくいったんだな。ライザの奴、やるじゃねえか」

 

「うん、同じようにできる気がしないよ。素質があったんだね」

 

いつもの2人の驚きの声と。

 

「よかったな」

 

さっぱりしてるけど、どこか笑ってくれているリラさんと。

 

「すごいじゃないかライザ。初めてなのにこんな事が出来るなんて」

 

アンペルさんと同じく、拍手してくれているアルさんの称賛が迎えてくれた。

うへへ、照れるぜ。

 

「ふむ、それではライザには機を見て面倒を見よう。自分でも考えてやってみるといい。一つのレシピから他のレシピを閃く事もあるからな」

 

「錬金釜とか持ってないんですけど?」

 

「小さ過ぎる物は不適だが、基本的にはただの鍋と変わらん。必要なのは道具よりも本人の素質と素材だからな。それと、簡単なレシピが載った本を渡しておこう」

 

うちの鍋でも出来る……錬金術が一気に身近な存在になった気がする。

というか、うちの鍋でも小瓶が出てくるわけよね?

 

「それからタオ、一度その本を読ませてくれ。他の本も早めに見せてもらえるとありがたい」

 

「わかりました!」

 

「お前は明朝6時にここに来い。素質の確認と基礎体力強化、そして戦士の心得からだ」

 

「はっはい! よろしくお願いします!」

 

タオとレントも指示をもらう。やる気十分だね。

 

「3人とも一気に前進したね」

 

「きっかけをくれたのはアルさんですよ?」

 

「……あれ、そうなっちゃうのかな? でも、ホントにお礼とかを考える必要はないからね? 見つけた才能を思うままに伸ばしてよ」

 

「錬金術は自分から勉強しますけど、ちゃんとアルさんの力にはならせてくださいよ?」

 

あいかわらず控えめのアルさんの言葉を聞いて、今日の集まりはお開き。

クラウディアに会えるかなーと思ったけど留守みたいだね。残念。

モリッツさんのとこかな?




ゲーム内の調合はシステム内で済みますけど、
実際に文章にすると長ったらしい事この上ないです。
もう少しわかりやすくする文章力がないものか……。

次は原作との違いが出てきます。
リアルに考えたらこうじゃない? って考えてみました。
次回もよろしければ、ご覧いただければ嬉しいです。

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