デリ○ル呼んだら先生が来た   作:海之

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ブラックマーケットの治安って実際どのくらいなんですかね?九龍城みたいにマフィア同士が牽制しあって逆に治安良かったりするんですかね?
個人的には人の死なないロアナプラぐらいだと思ってます。


第四話 金返したら巡ってた

ブラックマーケットと呼ばれる場所がある。

 

あらゆる犯罪の温床にして治安の終わっているキヴォトスでも一等治安の悪い場所。中退、停学、退学の学生が集まり、悪徳企業が集う場所。

 

曰く、

─適当に入った店で盗品が平然と売られている。

─学園によっては違法指定されている武器弾薬も金さえ積めば簡単に手に入る。

─なんなら学園制式の兵器なんかも置いている。

─一般生徒が足を踏み入れてしまえば一瞬にして誘拐、カツアゲのコンボで身包みを剥がされる。

 

そんな無法地帯が学園数個規模で存在しているのだから世も末である。

 

世も末とは言ったものの、社会の闇とも言うべきその場所に助けられている例も存在する。

例えば、存在しない人間が存在できたり、とか。

 

 

 

 

俺は不思議と懐かしい気分に浸りながら先生やアビドス一行と共にブラックマーケットに入った。

 

「先生、皆も絶対に離れるなよ」

「は〜い」

 

全員の存在を確認して、ブラックマーケットを進む。

 

「本当にここにあるの?」

「確証がある訳じゃないが、一番可能性が高いのは確かだ」

 

シロコの疑問に答えつつココに来た経緯を思い出す。

以前襲撃してきた武装集団の使用する兵器が既に取引されていない兵器だった事が判明したため調査しようということになった。しかし、ブラックマーケットは規模が大きく混沌としており、道案内が無ければ碌に調査できないだろうということで、かつて住んでいた俺が道案内を買って出たのだ。

 

「取引されてない兵器の流通経路なんぞ物好きの金持ちだろうと不良の武装だろうと出処はココに帰結する」

「詳しいね」

「住んでたからな。と言っても、連邦生徒会長がまだいた頃だから二ヶ月以上前の記憶だが」 

「十分最近じゃん」

 

先生の言葉に俺は素直に頷けなかった。普通の街ならそうなのだろうが、ココはブラックマーケットだ。

 

「そうとも言えない。ココじゃ、二日前にあった建物が今日は無いなんてことが日常茶飯事だったからな。二ヶ月あったら記憶違いなんて普通に起こり得るぞ」

「不可思議ダンジョンか何か?!」

「紅蓮のレスキュー隊は来ないけどな。それに連邦生徒会長の失踪で犯罪率も上昇しているんだ。まともに調査できるとは思ってない」

 

先生とアビドスの皆は半信半疑のようだった。信じられないかもしれないが朝の挨拶のような頻度で爆発音がするので建物が物理的に消失するのは本当である。マーケットガードによる自治は行われているが、それで防ぎきれるなら苦労はしない。

 

「屋台はたくさんあるが買わない方がいい。どうしても買うならあっちのエリアで買うことを勧める。ノーマルな街に隣接しているからマトモな屋台が出ているんだ。分かったか?」

「は〜い」

 

談笑しながらも警戒は怠らず、視線だけで辺りを見回していく。

あ!やっぱあの店無くなって道になってる!あそこ直線だったはずだろ!道を屋台で塞いで強引に曲がり角にするんじゃないよ!

 

「そこどいてくださ〜い!」

 

記憶との変貌ぶりに困惑していると猛スピードで人が突っ込んできた。大きな鞄を背負った二つ結びの少女は「ごめんなさい」と平謝りしながら立ち上がる。

この制服はトリニティか。ん?この娘なんか見覚えがあるような気がする。

というかなんでそんな慌てて?などと考えていると、少女の後ろから不良が駆けてくるのが見えた。

 

 

 

 

 

ああなんだ、ただの誘拐か。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ペロロ様を手に入れたところまでは良かったのですが」

 

不良を撃退すると阿慈谷ヒフミと名乗る少女はこうなった経緯を話しだした。

限定グッズを買いに来たら目をつけられたと、そのためだけにココまで来たのかよくやるわ、と半ば呆れつつも、俺は既視感の正体を探っていた。

 

─住んでた頃にちょくちょく見かけたペロロ狂いの少女か。

 

そうこうしていると、遠くに不良の援軍が見えた。

 

「何度来ても構わない」

「これ以上戦っちゃ駄目です!逃げましょう!」

「どうして?」

「だってここの治安組織に見つかってしまうかもしれませんし」

 

やる気のシロコをヒフミが宥めて端的に説明する。

 

わかるわかる、マーケットガード厄介だもんな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「少し休憩しましょうか」

 

不良を撒いて一息吐く。あれから情報を探し回ったが例の兵器については何も出てこなかった。ヴェリタスに頼んて空振った闇銀行の件といい、アビドスに関わる物が不自然な程に隠されている。

 

「銀行が犯罪を煽っているようなものじゃない」

「気持ちは分からんでもないな」

「お取り込み中すみません、そちらに武装した集団が」

 

セリカが憤るのもわかる。と話しているとマーケットガードの一団が現金輸送車を護送して現れた。

車から降りた銀行員がヘルメット団らしき生徒に封筒を渡す。現金か?

 

「アイツは毎月ウチに来る銀行員」

「知り合いか?」

「はい、利息の集金にくる銀行員で、ってよく見れば輸送車もカイザーローンのものです」

 

すぐに輸送車のルートを調べるアヤネだがやはりオフライン管理のようだ。頭を悩ませているとヒフミが集金確認の書類を見れば証拠になるのでは?と提案してきた。確かに良いセンだと思うが、銀行の中の書類をどう確認したものか。

再び頭を抱えようとした時、シロコが口を開いた

 

「ん、他に方法は無いよ。ここは例の方法しか」

「あれか〜。あれなのか〜」

「そうですね、あの方法なら」

「まさかあの方法じゃないよね」

 

アビドスの皆は何かしらの共通認識を持っているらしいが。

 

ん?いやまて、あの方法とはまさか……!

 

困惑する俺の横でシロコは(気の所為とは思うが)ウキウキした様子で言葉を続ける。

 

 

 

「ん、銀行を襲う」

 

 

 

 

 

 

 

 

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