遊☆戯☆王デュエルモンスターズ Virtual   作:おこめ

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海馬社長の口調ってムズい…


決闘者の意地(デュエリスト・プライド)

 海馬コーポレーション『コンピュータルーム』。本来は人間が立ち入ることは殆ど無いこの部屋で、2人の人間が対峙していた。

 

 『海馬瀬人』と『ときのそら』。立場は違えど、互いに優れた実力を持つ決闘者だ。

 

 しかしその雰囲気は緊迫していた。張り詰めた空気がその場に漂い、一触即発の状態であった。

 

「…貴様、何者だ?」

 

『何者って、ライブデュエリストのときのそらですよ〜』

 

 海馬はより一層睨みを効かせる。

 

 違う、と海馬は断言した。海馬とそらは1度、エキシビションマッチとして決闘をした事があった。その時に感じたその勇敢さは、今の彼女とは似ても似つかない。

 

「この俺にそんな嘘は通用せん。前に貴様を見た時とはまるで人が違ったように見えるぞ」

 

 まるで誰かに成り代わられたようにな、と続けようとした海馬の口が止まる。

 

 

 

 そらは笑みを浮かべる。彼女の魅力である優しい微笑みではなく、道化のような不気味で、妖艶な笑みだった。

 

 彼女の纏う雰囲気は、最早隠す気もないほど明確に自身を『偽物』だと明かしていた。

 

 かつて体験した、怪物たちに襲われる幻覚。それに近い得体の知れぬ悪寒が、彼の背筋を伝う。

 

 海馬の中に浮かんだ、1つのイメージ。大口を開けた化け物が、自分を見据えるイメージ。一歩でも動けば噛み千切られる、そんな連想を彼は無意識に抱いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しかし―――。

 

「………フン、」

 

 彼はその逆境すら、意に介さなかった。

 

「ワハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!」

 

 

 

 余りにも爽快で豪快な、海馬の笑い声。コンピュータのノイズ音が静かに鳴るのみの部屋に、その笑い声が響き渡る。

 

 それは威圧でも虚勢でもなく、ただ純粋な『決闘への期待』。

 

「まさかこんな所で俺をここまで昂らせる決闘者に会うとはな、いいだろう…俺の『青眼の白龍』で貴様を直々に打ち倒し、その化けの皮を剥いでやる!!」

 

『化けの皮…いいですよお父様(・・・)、その決闘乗りました』

 

 『お父様』という単語に何か引っかかるものを感じた海馬だが、そんな事を気にしている暇は無かった。

 

 互いにデュエルディスクを展開し、対峙する。

 

『「決闘(デュエル)!!」』

 

 戦いの火蓋は、切って落とされた。

 

 

 

 

 

「俺のターン!『ドラゴン・目覚めの旋律』を発動!手札から『太鼓の白石(ホワイト・オブ・エンシェント)』を捨て、『青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)』と『青眼の亜白龍』*1を手札に加える!そして手札の『青眼の亜白龍』の効果!『青眼の白龍』を相手に見せ、このカードを特殊召喚できる!!出でよ『青眼の亜白龍』!!」

 

 白く眩い光沢を放ち、巨大な翼竜が現れた。

 

【『青眼の亜白龍』LEVEL8 ATK3000 DEF2500】

 

「そして手札から『古のルール』を発動!『白き霊龍』を特殊召喚!!」

 

 仄かに輝く白竜が『青眼の亜白龍』と並び立つ。

 

【『白き霊龍』LEVEL8 ATK2500 DEF2000】

 

「更に俺は『トレード・イン』を発動!『青眼の白龍』を手札から捨て、2枚ドローする!」

 

 ドローしたカードを見た瞬間、彼は得意気な笑みをこぼした。

 

「『竜の霊廟』を発動!!デッキから『青眼の白龍』を墓地へ送る!更に通常モンスターを墓地へ送った事によりさらにもう一枚『白き霊龍』を墓地へ送る!!」

 

『墓地に送って一体何を…まさか』

 

魔法カード『龍の鏡』を発動!!このカードは墓地からモンスターを除外して融合することができる!俺は墓地から『青眼の白龍』2枚と『白き霊龍』を除外し―――現れろ『青眼の究極亜龍』!!!!

 

 咆哮を上げながら現れた三ツ首の竜。三つの首はそらを囲い、グルルルと威圧を放つ。

 

【『青眼の究極亜龍』LEVEL12 ATK4500 DEF3800】

 

「そして手札から『青き眼の賢士』を召喚!」

 

【『青き眼の賢士』LEVEL1 ATK0 DEF1500】

 

 白髪の青年が竜たちの間をかき分けるように現れる。白き霊龍は彼に頭を寄せた。

 

「『青き眼の賢士』の効果で手札に『青き眼の巫女』を手札に加える……貴様に新たなブルーアイズの力を見せてやろう!!『青き眼の賢士』と『白き霊龍』でチューニング!!来い『青眼の精霊龍』!!

 

 更に白竜が現れる。竜は翼を羽ばたかせ、天空に向かって吼えた。

 

【『青眼の精霊龍』LEVEL9 ATK2500 DEF3000】

 

「カードを1枚伏せエンドフェイズ、『太古の白石』の効果発動!!出でよ『青眼の白龍』!!

 

 4体目の白竜が咆哮を上げ登場する。他の竜たちも共鳴するように吼えた。

 

「ターンエンドだ!!」

 

【海馬瀬戸】

・モンスター

『青眼の亜白龍』

『青眼の究極亜龍』

『青眼の精霊龍』

『青眼の白龍』

・魔法&罠

『???』

 

 あまりにも圧倒的な威圧感を放つ龍達。その絶望的な雰囲気は、寧ろ神々しさすら感じさせる。

 

 この絶望的な状況、そこでそらは―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

笑った。

 

 

 狂笑。新しい玩具を見つけた子供のような無邪気さと、何か吹っ切れたような狂気が混ざり合い、海馬をたじろがせる。

 

「ッ……!?」

 

『………私の、ターン。私は―――』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『グリッチ/ディメンション』を発動」

 

 

 

 

〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰

 

 一方、その頃。

 

 遊介は、廃音から貰った『グリボー』を訝しげに見ていた。

 

 このカードについて廃音に訊いても『僕にもよく分からない』と言った。

 

「クリボーに…ノイズがかかったみたいな…?リングリボーなら知っとるんやけどな…」

 

 スレ民もこのカードの存在を知っておらず、やはり『この世界のみのカード』なのだと彼は確信していた。

 

 

 

「まぁアニオリカードなんてもんもあるし、そこまで気にする必要はないか…ひとまず効果見てみよっと」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まず最初に、彼の目に入った一文。

 

「【このカードはルール上『グリッチ』カードとしても扱う】………?」

 

〰〰〰〰〰〰〰〰〰

 

【グリッチ/ディメンション】

フィールド魔法

このカード名の②③の効果は1ターンに1度しか発動できない。

 

①フィールドの『グリッチ』モンスターは効果では破壊されない。

 

②相手の効果で『グリッチ』モンスターがフィールドを離れた場合に発動できる。デッキから『グリッチ』カード1枚を手札に加える。

 

③自分が『グリッチ』モンスターを特殊召喚した場合に、このカードを墓地へ送り発動できる。特殊召喚したモンスターの種類によって以下の効果を適用する。

融合・ペンデュラム・リンク:自分はデッキから2枚ドローする。

儀式・シンクロ・エクシーズ:相手の手札を1枚選んでデッキに戻す。

 

 2人の周囲に、大量のノイズがかかる。辺り一面がテレビの砂嵐のようなエフェクトに覆われた。そらの背後では、城、森、海、火山と様々な光景がノイズ混じりに目まぐるしく入れ替わっている。

 

 確かにフィールド魔法をデュエルディスクで使用すると、ソリッドビジョンが周囲をソレの光景に変える。

 

 しかし、コレは余りにも異質で、異常。

 

「貴様……何だそのカードは!?」

 

 海馬の問いに答える事なく、そらは展開を続ける。

 

『私は「ガガガ/グリッチ」を召喚、効果発動。このカードを墓地へ送って「グリッチ/シンクロン」を召喚』

 

【『ガガガ/グリッチ』闇/魔法使い/LEVEL4 ATK1500 DEF1000】

このカード名の効果は1ターンに1度しか発動できない。

①このカードを墓地へ送り、1から4までの任意のレベルを宣言して発動できる。デッキから宣言したレベルの『グリッチ』モンスターを特殊召喚する。その後、自身はこの効果で特殊召喚したモンスターのレベルの数デッキの上からカードを裏側表示で除外する。

 

【『グリッチ/シンクロン』闇/戦士/チューナー/LEVEL3 ATK1300 DEF500】

①このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、自分の墓地の『グリッチ』モンスターを1体選んで発動できる。そのカードを攻撃力・守備力0で効果を無効にし特殊召喚する。

 

 それぞれ『ガガガマジシャン』と『ジャンク・シンクロン』にノイズがかかった様なモンスター。外見は殆ど変わらないにも関わらず、その纏う雰囲気からは不穏さが滲み出ていた。

 

『ガガガ/グリッチとグリッチ/シンクロンをL素材に、現れて「グリッチ/トーカー」!!』

 

【『グリッチ/トーカー』闇/サイバース/ATK1300 LINK2↑↓】

このカード名の②の効果は1ターンに1度しか発動できない。

①このモンスターのリンク先の『グリッチ』モンスターは効果では破壊されない。

②このモンスターのリンク先の『グリッチ』モンスターを破壊して発動できる。『グリッチ』カードを手札に加え、相手のモンスターを1体破壊する。

 

『そして私は2枚ドロー「グリッチ/フュージョン」を発動!!』

 

【『グリッチ/フュージョン』通常魔法】

自分の手札を1枚裏側表示で除外して発動できる。自分の・墓地から『グリッチ』融合モンスターによって決められた融合素材と元々の名前が同じモンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。*2

 

『墓地のガガガ/グリッチと手札のグリッチ/シンクロンを選択、2体を墓地へ送り…現れて「グリッチ/フレイムウィング」!!』

 

【『グリッチ/フレイムウィング』融合/闇/戦士/ATK2100 DEF1200】

『グリッチ』モンスター×2

自分の『グリッチ』カードが戦闘・効果で相手モンスターを破壊した場合、そのモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える。

 

『そして仕上げに「グリッチ/リザレクション」!!「グリッチ/シンクロン」と「白き霊龍」を私のフィールドに特殊召喚!!』

 

【『グリッチ/リザレクション』通常魔法】

自分の墓地の『グリッチ』モンスターと1体選び、発動できる。そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚し、特殊召喚されたモンスターのレベル以上の相手の墓地のモンスターを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはルール上『グリッチ』カードとして扱う。

 

 そらのフィールドに現れた白き霊龍は、やはりノイズがかかっていた。

 

『さらにグリッチ/シンクロンの効果でガガガ/グリッチを蘇生―――そしてグリッチ/シンクロンとガガガ/グリッチとグリッチ/フレイムウィングの3体を生贄に捧げる!!

 

「何っ!?」

 

 3体を生贄に捧げる。その召喚方法で召喚するモンスター…いや、()

 

 海馬はまさか、と心の中で呟く。来るはずがない、コイツならやりかねん。その2つの反する考えが海馬の中をグルグル巡り、心臓の鼓動を加速させる。

 

 

 

 

 

 

 

 そして、たった今。

 

 海馬の『疑念』は『現実』へと変わる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『「グリッチ/オベリスク」を召喚!!!!』

 

 

【『グリッチ/オベリスク』闇/幻神獣/LEVEL10 ATK4000 DEF4000】

このカードは自分フィールドのモンスター3体をリリースした場合のみ特殊召喚できる。

このカード名の①②の効果は1ターンに1度しか発動できない。

①自分フィールドのモンスターを任意の数リリースして発動できる。リリースしたモンスターの数まで相手フィールドのカードをリリースする。

②自分フィールドのモンスターがリリースされた時に発動できる。デッキ・墓地から『グリッチ』カード1枚を手札に加える。

③このカードは特殊召喚されたターンのエンドフェイズに手札に戻る。

 

 

 

 

 

 

 そらが召喚したモンスター、その外見は海馬がかつて所持していた『神のカード』。

 

 しかしその神々しさ、崇高さではなく、禍々しさが海馬の体中に伝わってくる。

 

 

「貴様は…貴様は何者なんだ!?」

 

 海馬は堪えられなくなり、叫んだ。

 

 

 

 

『何者だなんて…私は、貴方が作ってくれたんじゃないですか

*1
読み仮名が文字制限で入りませんでした☆

*2
分かりづらいけど墓地のモンスターを選択し、その同名モンスターを墓地へ送って融合




完全エアプ青眼ソリティア

【グリッチ】
既存のカードをバグらせたようなカード群。あらゆる召喚方法を使用して相手を蹂躙する。

『グリッチ/ディメンション』
クロシープと三戦の才を足して炭酸水で割ったみたいなフィールド魔法(要するに割れてない)。
ついでに破壊耐性と受動的なサーチ持ち。
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