間違えて極振りしてしまったのでこのまま進めようと思います。 作:名もなき駅員
今日も変わらず、通学路を自転車で爆走する三人の姿があった。会話は続行しているが。
「よし、今日は何して遊ぼうか?」
「周回だろ」
それに対して、
「えぇ…もう少し皆で盛り上がれるものとかやらないのかい…?あ、そういえばだけど」
そして的確なツッコミが入る。彼女…ではなく、彼は
「忘れていたけど、皆の家にはVRがあるだろう?それで、新しいゲームが少し前に発売したじゃないか。【new world online】というのだけど」
【new world online】。VRのフルダイブ技術を利用してかつてないほど広大なマップを探索し、スキルを使ってモンスターを倒したり、PvPをしたり…可能性が無限大であることを陬は思い出しつつ気丈に話を続ける。だが、二人はどこかピンと来ていない表情を浮かべる。
「ああ、あれか…買ってないわ俺」
「俺も買ってない…すまん」
そう、二人ともそのゲームについての前情報をあまり所持しておらず、聞いた事がある程度になってしまっているのだ。しかし、陬は用意周到なので、知っていたというような素振りをする。
「まあ、だろうね。じゃあ早速で悪いけど、家に来てくれないかな?」
「「?」」
陬に突然家に誘われ、困惑しながらも取り敢えずは着いていく二人。友達を信用して疑わないところは三人の仲の良さが見てとれる。
「はい」
「こ、これ…!」
「【new world online】!?何で二本も…」
二人とも動揺が隠せていない。それはそうだろう。友達の家に三本も最新ゲームソフトがあるのだから、驚かなくてどうするという話である。
「ふふふ…実はね、こうなる事を予想して三本買っておいたんだ」
予知でもしたのかという程の先見の明である。そして実際に買う躊躇いの無さもえげつない。陬は思い立ったら止まらないタイプであった。
「金の使い方が惜しみねえ!」
「俺たちに出来ない事をやってのける!そこに痺れる!憧れるゥ!」
感動した二人は陬を褒め讃えるが、彼自身は割と冷静で、早く帰って各自レベル上げをしようと提案をしてきた。
「三人じゃダメなのか?」
文兎から珍しくツッコミが入る。だが、
「それも一理ある。だけど、三人で行動するよか一人の方が強力な武器やスキルをゲットしやすい可能性が高いからね」
と、即座に一瞥した。
「成る程…んじゃ、一旦帰るか!」
「そうだな~。じゃ、また明日!」
二人も納得して帰る準備を始めようとリュックにゲームソフトを丁寧に入れていく。
「うん、また明日」
別れの挨拶を交わし、陬はVRのゲームハードを起動しながら会話ツールを始める。
北海道に住まう、言わばネッ友のような関係である
[陬:というワケで、千尋は出来るかな?]
[千尋:おん…ちょい待ち]
[千尋:持ってないわ]
[陬:そうかぁ…]
[千尋:一週間くらい遅れるかも…ごめん]
[陬:大丈夫だよ、無理言ってすまないね]
[千尋:じゃ、そんな感じで]
[陬:うん]
「…そうか、千尋は難しいか」
ため息を大きく吐きつつも、起動準備が整ったゲーム機を一瞥し、頭に被る。
そして全く同じ時間に、凜々と文兎もゲームを始めている。流石は親友と言ったところか。
「「「いざ、ゲーム開始」」」
そして三人は、電脳世界に没入する。
え?まだゲームに入ってない?
プロローグだからしゃーないしゃーない(適当)