間違えて極振りしてしまったのでこのまま進めようと思います。 作:名もなき駅員
学校が終わった後、NWOではなくオンライン通話を始め、四人が会議を行う。
「はぁ…」
陬は憂鬱な顔で唸っている。というのも、最近アップデートによって一部スキルの修正がされたのだ。【見通す目】のダメージカットが10%にまで下がり、【自動作製】の作成時間も大分伸びてしまったためである。
「余りに酷すぎる修正だよな。まあ、苦肉の策と言えなくもないだろうけどさ…」
そう。
のりまんじゅうは明らかに運営の悪意を感じる弱体化を施されていた。
実は凛々の【八方塞ぎ】や文兎の【
「でも、攻撃の無効化は少しかかるけど変わらず出来る…んだっけ?」
ゲームが大人気なため未だにソフトが買えていない千尋も色々なサイトを見漁って情報収集し、ログインしたときに優位に立ち回れるようにしていた。それが功を奏し、今回の話にも何とか食らいついて行けている。
「うん、まあそうなんだけど…」
「防御貫通では抜かれるみたいだし、そうなるとHPが必要になってくるよな…」
凛々が陬の言いたい事を代弁し、解決策を提案する。本人も異論はないらしく、陬は今後はそういったスキルの獲得に向けて動くことにした。
ーー
のりまんじゅうにああは言ったが、自分も余裕をかましている暇はないと凛々は意気込む。弱体化されたが、【八方塞ぎ】しかり、罠が効かない敵への対策、言わばいざという時の攻撃系スキルは必要不可欠だ。マップを見ながらクエスト探しの旅を始めんとしている。
「どれどれ…ステータスはと」
ブレイブ
LV 19 HP 37/37 MP 65/65
【STR 10】【VIT 10〈+10〉】
【AGI 40〈+75〉】【DEX 40】
【INT 30〈+25〉】
装備
頭【漆黒の髪留め】
体【宵闇Ⅹ】
右手【夜宴ノ黒缶:常闇の缶音】
左手【空欄】
足【空欄】 靴【初心者の足袋】
装飾品
【空欄】
【空欄】
【空欄】
スキル
【スラッシュ】【ダブルスラッシュ】
【挑発】【儚き体力】【孤立】【八方塞ぎ】
【極限集中】【手練れ】
【ディフェンスブレイク】【状態異常攻撃Ⅳ】
【愛飲者Ⅱ】【魔剤兵器】【魔剤魔法】
【火魔法Ⅲ】【水魔法Ⅱ】【風魔法Ⅱ】
【土魔法Ⅰ】【闇魔法Ⅰ】【光魔法Ⅰ】
【気配遮断Ⅵ】【気配察知Ⅳ】【忍び足Ⅰ】
【遮断】【採掘Ⅰ】【採取Ⅱ】【器用貧乏】
【毒耐性大】【麻痺耐性大】【スタン耐性大】
「うーん、攻撃スキルねぇ…」
魔法はちょくちょく使っているため割とランクが上がってきている。どちらかと言うと、今は物理系の攻撃が望ましい。ブレイブは暫し悩んだ後、二層の町を歩いてみることにした。
「すみません、そこの方」
「ん?」
ブレイブは顔を下に向けて声のした方向を見る。するとそこにいたのは、ベレー帽を浅めに被り、頬に絵の具が付着している典型的な絵描きの姿をした少女だった。
「どうしたんだ?」
「あの、私絵が下手で、練習しようと思ったんですけど絵の具が買えないんです…お願いします、素材を取ってきてくれませんか?」
そして白く光るパネルが表示され、そこには『クエスト』と書かれていた。
「どうせなら二人に隠れて格好いいスキルでも入手して、驚かせてみるか!」
そんな軽めな気持ちで『クエスト:芸術の戦場1』を迷い無く選択し、クエストを始めるブレイブ。どうやら場所は指定されているようだ。高い【AGI】で景色を楽しむ暇もなく着いたのは、今まで行った事のない特別なマップ、七色の湖が綺麗な、平原だった。
「綺麗だな…この七色の湖が絵の具の原料か?取り敢えず、探索始めるか…」
ブレイブはそう言い終わるや否や、湖に潜って探索を始めた。絵の具の原料になるものは無いか、隅々まで。そして三十分程探索をし、ノルマを達成した頃、とある宣告が響いた。
『クエスト【芸術の戦場2】が発生しました』
ブレイブは迷うことなくクエストを選択。直後、天空より騎士が舞い降りた。呆気にとられながらも観察すると、首がない。その大きな特徴は間違えようがなく、全員が口を揃えてこう言うだろう。死の騎士デュラハンであると。
「綺麗な湖を荒らすのは貴様か!」
「は?」
湖から上がり疲れているところにそう叫ばれ、呆気に取られて何とも言えず適当な言葉を返すも、聞く耳を持たないデュラハンはその手に宿る大剣を隙無く振るう。
「っぶね…わっと!」
それから少しして。
ブレイブは新規プレイヤーとは思えない程高い反応速度で一時間もの間殆どの攻撃を避け繋いでいるが、このままでは先に自分の方が限界だろうと悟る。一撃でも食らったらアウトという馬鹿げた攻撃力に加え、数々のスキルを使いこなし自分の【AGI】に対応する機動力など、どれを取っても初見殺しだ。ジリ貧だと考えたブレイブはなけなしの金で罠を買い、それを自身の足下に投げる。
「何ッ…!?」
動揺したデュラハン。
それはそうだろう、今し方優勢だった相手に、いつの間にか攻撃を食らっていたのだから。
後ろにいたのは、緑色のゲル状スライム六体。デュラハンに襲いかかる。このスライム、『モンスター』は単体の戦闘力こそ低いが、集まった結果は決して侮れるものではない。
加えてゲル状なため、数体でまとわりつかれると動きにくくて厄介この上ない。
「くっ!」
たまらず距離をとるデュラハンだが、その判断がいけなかった。ブレイブはトラッパーであり、距離があればあるほど有利になる。デュラハンがそれに気付いた時には、既に遅かった。
「所持金が結構減るが…まあいい」
40000Gもの大金を支払い光に包まれたその手には、太陽の如く朱色に輝く缶が握られていた。
「【カオス】だ。味わって飲めよ!」
直後、ブレイブとデュラハンの動きが鈍る。
範囲内にいる全員を混乱状態、毒状態にし、毒状態と【AGI】低下と【VIT】低下を自動発動、加えてあらゆる状態異常の耐性を強制的に小にする、それがブレイブの主要スキル【常闇の缶音】の切り札【カオス】。それは、その名に恥じない混沌を生む、悪魔のようなアイテムだった。
「【八方塞ぎ】【極限集中】」
自分の動きの遅さに感覚が着いていけず、剣撃が全て空を切る最中、形は缶でも分類上のクナイがデュラハンの前に飛んでくる。耐性の消えた彼がそれに耐える事など出来るわけがなく。とどめを刺されたデュラハンは地に倒れ伏した。しかし、普通なら紫電のように目映い光に包まれ消滅するはずのモンスターが、今回は膝を突くのみに終わった。これが意味する事、それは…
『クエスト【芸術の戦場3】が発生しました』
やはりなと思い、ブレイブはクエストを選択する。すると、先程のデュラハンが立ち上がり、ブレイブに向かって懇願の意を示してきた。
「まさか、貴殿は…王…なのか…?」
「え?」
いきなり言われた事に呆然としつつ、一応は反応しておくブレイブ。デュラハンはそんなブレイブなどお構いなしに説明を始める。
この平原は昔、小さいながらもかなりの発展を遂げた【美の小国】。皆が美しさを求め、国民一人一人が何らかの美学を持っていたその国では、とある王が政治を取り仕切っていた。デュラハンはそんな王を守る、腕の立つ剣士。だが彼はある怪物との戦いで王を守るために立ち向かったが首を断たれて死んでしまい、守るべき王国も滅ぼされてしまった。その事件によって痛感した自分の弱さと不甲斐なさ、それに対する悔しさの固まりが今のデュラハンらしい。
「王!我が王よ!再び出会えたこと、深く痛み入ります!」
「王王鬱陶しいな」
ブレイブはクエストを進めるため一旦その事はスルーし、何をすればいいのか聞く。
「先程の話の邪悪な怪物を追い払うことで御座います。ですが王よ、我も着いて行きます故!」
「おお、中々心強いなそれは」
そして湖に入り、デュラハンと共に泳ぐ。
すると、横穴に扉があるのを発見し、重々しく開いた扉を確認して飛び込む。
「ぷはっ!うお、息が出来る…」
「中には酸素もあるようですな」
すると、【AGI】がどれだけ高かろうと回避、予測不可能なほどに速い攻撃が降り注いだ。しかし、所定の位置に来れば自動発動するという特徴を持つ【罠】という類の武器の前には素早さなど関係ない。次の瞬間、耳をつんざく轟音が鳴り響き、その攻撃はデュラハンの目の前で阻止された。
「い、今のは一体…!?」
驚き、状況が理解できないデュラハン。しかし、ブレイブは対照的に冷静だった。
「ボスのお出ましってわけか」
出てきたのは、鮮血のような赤で身を染めた、巨大な竜。
「王国を滅ぼしたのは貴様か…! その体色…今までいくつの罪なき人々を塵芥同然に葬った…!」
「いや、まずは様子見を…」
デュラハンはブレイブの言う事など聞かずに突進し、重い剣撃を攻撃部分となるその翼へ叩き込んだ。が、ボスには通らない。そして、またも回避不能な攻撃がデュラハンへと伸び…ブレイブによって斬られた。
「もうお前寝てろ」
ブレイブはデュラハンに【睡眠】の罠を仕掛けて眠らせた後、一度落ち着いて一人で討伐を試みる事にした。
「つっても、攻撃が通らなかったよな…」
先程の攻防を振り返ってそう考えるも、ものは試しと体へ剣を投げつけた。咄嗟に翼でガードされ、スパっと斬れるもすぐに再生する。少し肩を落とすブレイブ。
「翼に再生機能が集中してるのか?だとしたら本体に攻撃しないとダメージが通らないみたいだな…ならこれで!」
水系統の魔法を使用し、竜の目を砕いた。これがかなり効いたようで、竜はその巨体でのたうち回っている。
「ウォーターカッターみたいなのが出来ればいいんだがなぁ…」
ブレイブはちょっとした思いつきで水魔法にトラップの缶に入っている内包液をバシャアとかけた。するとどうだろう、ピロンという音と共にスキルの取得通知が舞い降りたではないか。
【毒液魔法】
複製された【夜宴の黒缶】に入っている液体を自由自在に操れる。
液体にトラップの効果は付与されない。
「あっ、へぇ…ふーん…?取り敢えず使ってみるか」
ブレイブは少しだけ動揺しながらスキルを発動し、もう一つの目も打ち抜いた。視覚情報を得れなくなった竜に毒の状態異常が付与され、じわじわとHPが減っていく。ブレイブはのたうち回る竜を見ながら缶を呼び出し、そこで八木に電流走る。液体がまだ缶の中に入っている状態で【毒液魔法】を使用したら一体どうなるのかと。
結果、缶はベコベコと変形した。要領を掴めば粘土のように好きな形に変えられるため、ブレイブはこれで即席武器も作れそうだ、なんてのんきな事を考えていた。そして出来た試作第一号が、チェーンソーである。最早【毒液魔法】の使用限度を越えているようだが、プログラム上存在しているので反論は難しいだろう。
「じゃあこれで行くか!」
そこからは、ただ一方的な蹂躙劇だった。竜の胴体へ、チェーンソーを刺して待っていただけ。アイテムスロットからお茶を出して、竜の苦しむ様を見て邪悪な微笑みを浮かべながら湯飲みを啜る。などと、サイコパスな行為をしている内に竜はアッサリ消滅した。
「お、消えた」
すると、最初のクエスト発生の時に出会った、絵の具がないと嘆いていた少女に瓜二つな少女が現れた。
しかし、半透明なその身体は彼女が既に死亡している事を強く証明している。
「有り難う御座います、次なる王よ…」
「…王女様…」
いつ起きたのか、後ろからデュラハンの声が聞こえる。しかし、ブレイブはその少女から目を離さないままだ。
「…剣士殿?剣士殿なのですね!?」
「左様で御座います。御無事…ではなさそうですね…我がもっと強くなっていれば、決してこんな事にはならなかった…」
デュラハンは悔しげに拳を握りしめる。
「いえ、良いのです。…次なる王よ」
「ん?」
王だの次なる王だの好き勝手に言われまくっている所為か耐性がつき始めてきたブレイブは、特に突っ込みもせず首を傾げながら少女に応答する。
「はい。どうか、剣士殿を成仏させて頂けないでしょうか?黄泉路にいつまでも辿り着けなければ、寂しいでしょうし…」
「…否定は致しません。我はこの平原を一人で守って来ていた。しかし、民も王もいないこの国だった平原で、怪物も討伐し、我が守るものはもう…無いのかもしれません」
千年の孤独から晴れるのならば中途半端な命などいらない、というデュラハン。
「ふむ…」
悩むブレイブに、宣告が届いた。
『クエスト【芸術の戦場4】発生。また、エクストラクエスト【美の小国】が発生しました。どちらかのルートを選択してください』
「はい?」
エクストラクエストが発生した。
その事実に驚き困惑するも、ブレイブは最終的にエクストラクエストを選択した。
「なっ…!?」
少女は自分の願いが通らないことに驚き、感情が抑え切れていないように叫んでいた。
「これ以上民達を怯えさせたくはありません!どうか、一思いに…!」
覚悟を決めた様子のデュラハンを、ブレイブはいつまで経っても斬ろうとしない。
「…では、どうすれば…」
少女はそれだけ言い、黙りこくった。
「王は、我等の魂を宿せばいい、とお考えなのですか?しかし、王よ…あなたはそれに耐えられるのか…?」
デュラハンが懐疑的に問うているが、ブレイブは逆に『あ、成る程そういう事か』というような、何とも反応しづらい表情をしている。
「…かたじけない!」
デュラハンはそう言いながら朽ち果てた鎧を捨て、魂をブレイブに預ける。少女も同じように魂を宿し、国の民と思われる魂達もブレイブに集まっていく。
『私は…私達はいつでも見守っております。王よ、何卒、我等の思いの結晶を受け取って下さい!』
そんな声が響き渡り、ブレイブはいつの間にかスキルと装備品を取得していた。
【美の小国】
【
MP消費は可変式。
取得条件:エクストラクエスト【美の小国】を達成すること。
『王女のペンダント』
常時【威圧状態】となる。
【ブレイブ】以外装備不可。
他人が触れると【不幸】を付与する。
『英雄の成れ果て』
【STR+25】【VIT+30】【破壊不可】
【
「こ、これ結構凄いのなんじゃ…?」
ブレイブは驚きを心にしまい、街に戻って第二回イベントに向けたレベル上げを開始するのだった。
ーー
「ただ一人の前衛だし、俺が頑張らないとだよな…大盾専用スキルが欲しいなぁ」
ナプはそう言いながらステータス画面を開く。白いパネルに表示される、10の項目。
ナプ
LV 23 HP 1140/1140〈+450〉 MP 12/12
STATUS
【STR 0〈+15〉】【VIT 85〈+20〉】
【AGI 10】【DEX 0】
【INT 10】
装備
頭【空欄】 体【審判ノ骸】
右手【崩壊の要塞】
左手【破滅の要塞:炎子(カグツチ)】
足【罪ノ亡骸】 靴【鉄の靴】
装飾品
【空欄】
【空欄】
【空欄】
スキル
【大盾の心得Ⅳ】【防御の心得Ⅳ】
【シールドアタック】
【体捌き】【カバームーブⅠ】【カバー】
【毒無効】【麻痺耐性中】【スタン耐性小】
【最低最悪】【冥土の土産】
【
【
【毒耐性大】【麻痺無効】
【
「hmm…」
ナプは何か良いスキルが得られるようなところはないか、と頭を回転させる。
「あ、ダンジョン!」
そして、答えに至った。
この前装備を手に入れたように、何かダンジョンをクリアすればスキルが手に入るのではないかと考えたのだ。
ーー
そして、ナプは第二層を徘徊して回っていた。それもそのはず、物などは探したときにこそ全く見つからないものというジンクスがあるのだから。物欲センサーとは恐ろしいものだ。
「気分転換に店にでも行くか」
ナプズは暗い気持ちを切り替えリフレッシュしようと、NPCショップへと向かった。
「じゃあこのアイテムを十個と…古本?」
「ああ…それは儂が昔書いた本じゃよ…中には儂が使っていた武器庫の地図と鍵が入っとる…」
ナプは先程まで淡泊な返しをしていた老人にいきなり流暢な話をされて動揺しつつも、話に耳を傾ける事にした。
「儂はもうそこには行かん…その本は贔屓にさせて貰っとる礼じゃ…好きに使ってええぞ」
その老人の言葉を聞き、ナプは鍵と本をアイテムスロットに入れ地図を片手に新たなダンジョンへと向かった。
「えーと、あの木の前か…」
いつものスキルを使いつつ、盾サーフィンでその場所へ足を動かすナプズ。
そこに佇んでいたのは古びた廃屋。ギシギシと音を立て、今にも崩れそうな感じを放っている。一言で言えば、不気味だ。
「ま、まあ、入りますか…」
その扉を開け、中にある大量の武器を避けながら奥へと進む。小さな小屋なのですぐにボス部屋に到達するようだった。
「わっ…とォ!?」
ナプズの元に、鉛製の砲弾が飛んできた。二発、三発と止まることを知らない。
「盾パリィ!」
大盾で弾くと、どうやら砲弾ではなく片手タイプの盾のようだ。ただし、プレイヤーを守ってくれる盾の面影は存在せず、強引に丸められてただの鉄の塊と化しているが。
「うわぁ…何なんだこいつ…」
絶句するナプズ。
どのプレイヤーでも反応は同じ事だろう。その姿はそれぞれデザインの違う二つの短剣だが、宙に浮きこちらをジッと見つめている、まるで呪われているかのような武器だったのだから。
「危なっ!」
短剣がその武器庫にある武器や防具を弾き飛ばす。武器はその勢いで情けなくひしゃげながら力の向きに逆らえず飛んで行く。
「【重力操作】!」
ナプズは逆に砲弾を打ち返す事で本体を攻撃しようとするが、飛んでいくナマクラは短剣によって切り刻まれたり、打ち落とされてしまう。
「しょうがない…突撃ィーっ!」
ナプズはそう言いながら大盾を背中にしまい、その攻撃を一身に受けていく。近くまで来ると短剣も攻撃方法を変え、自分を使って防御貫通でナプズを切り裂いていく。しかし、ナプズは不適に笑うのみ。
「捕まえた」
そう、ナプズは戦闘ごとに体力が増える。ナプズの体力が半分削られても、全て削られても、すぐにストック分リカバーされるのだ。化物である。全てが作戦通り、二対の短剣は見事なまでにナプズの術中に嵌まったのだ。
「【
ナプズは大盾でそのボスを燃やし、HPバーをゼロにした。そして、落ちた短剣を拾おうとした、のだが…短剣は再び浮き上がった。
「復活!?」
ナプズは再び短刀と大盾を構え戦闘態勢に入るも、すぐに装備を戻した。
というのも、とある装飾品の取得通知がナプズの耳に届いたのだ。
【呪双剣】
【STR+25】【AGI+10】
スキル【呪剣の護衛】
ダメージが自分の【STR】以下の攻撃を弾く。
短剣が弾き返した通算ダメージが10000を越えるごとに呪剣は強くなり、自分の方から相手に攻撃するようになる。
なお、通算ダメージのリセットはない。
「うお、強…あ、つまりお前がずっと俺に着いてくるって事?」
ナプズはスキルの詳細とこの短剣を交互に見やり、そう呟いた。そして、短剣とレベル上げをするため、ナプズはまた新しい場所へと赴くのだった。
結構ヤバいスキルと装飾品ゲットしましたねこの二人。
アハハ。