間違えて極振りしてしまったのでこのまま進めようと思います。 作:名もなき駅員
正直、回避で行くか要塞で行くか迷いました。
でもどっちにしてもメイプル&サリーと被るんでどうせなら主人公どうし同じくくりに入って貰うことにしました。
「そういえば、まだこのスキルを使っていなかったね。【解析】」
のりまんじゅうは道中でもう一度出会したクワガタムシに、スキルを試してみた。すると、目の前にウィンドウが表示される。
【ジャイアントスタッグ】
武器:なし
「ふむ、今のところはモンスター相手には少し使いづらいのかもしれないね。後々性能が進化しそうではあるけども…」
そのジャイアントスタッグを屠りながら、森を悠然と歩くのりまんじゅう。暫く歩くと、洞窟らしきものが見えた。ツクヨが言っていた生産職限定ダンジョンとはこの事なのだろう。
【古びた採掘場】と書かれていたその洞窟には、文字通りどんよりと暗い採掘場のような光景が広がっていた。
「さて、入るとしようか」
洞窟内には大量の鉱床があった。
ハンマーを使い、その中の一つを砕く。すると宝石や特殊な石などがボロボロとこぼれていき、のりまんじゅうはそれをインベントリに余す事なく入れていく。
「これを取りながら行く事になるのかな?」
すると、何やら金属的な物音が聞こえる。全身鎧姿の魔物か、それとも…
出てきたのは、鼠だった。
「ふぅ…冷や冷やしたよ。【解析】」
【鉄鼠】
武器:なし
すると、鉄鼠が尻尾をぶんぶん回転させながら接近してきた。のりまんじゅうは相変わらずの柔軟さでそれを回避していく。
「確かに攻撃範囲は広いしダメージ量も多いけど、当たらなければどうという事はないよ」
ここには鉱石系モンスターが大量に生息し、その多くは動きが遅いので【AGI】が遅くとも攻撃を避けるのが楽勝なのだ。
まさに生産職用のダンジョンと言えるだろう。
『スキル【体捌き】【
【体捌き】
攻撃を1%カットする。
取得条件:攻撃を20回避ける。
【
HP、MP以外のステータスのうち四つ以上が戦闘相手よりも低い値の時にHP、MP以外のステータスが二倍になる。
取得条件:HP、MP以外のステータスのうち、四つ以上が戦闘相手であるモンスターの半分以下のプレイヤーが、単独で対象のモンスターを討伐する。
「さて、ここで取ったこの【暴れ石】というのを使って、何か一つ作ってみようかな」
『スキル【戦場工房】を取得しました』
「うん?」
のりまんじゅうは何故かスキルを獲得した。気になった彼がステータスを見ると、そこには先ほど聞いたスキルの名前が。
【戦場工房】
工房を展開中、姿を完全に消す。
取得条件:モンスターの徘徊する場所で合計10分以上生産をする。
これはかなり嬉しい誤算だとのりまんじゅうは考えるが、普通は獲得不能なスキルである。
そもそもモンスターが徘徊するエリアなんかで生産を行えるスキル事態がレア、なおかつ10分以上わざわざその場でやる鬼畜っぷり。やる事が出来てもやろうとする人は現れないに決まっている。
「よし、完成。これは…鉄の球、かな?」
【暴れ石】なんて物騒な名前の癖して何に使うのか微妙なアイテムができてしまった事に少しばかり不満を持つも、のりまんじゅうは再び歩く。
「…?」
何の変哲もないはずのただの壁に興味を持つまでは。
のりまんじゅうは急に止まり、壁、それもその一点を見つめる。不自然に凹凸が出来ている訳でもないのに、彼はそれでも目を離そうとしない。
やがて、そこに近づき、手に力を入れる。ガコッ、と音がして、目の前の壁が開いた。ボスへと繋がる隠し扉だ。
そう、このダンジョンの正規ルートでたどり着くボスは生産職でなくても倒せないHP無限の偽ボス、言わば超強力なギミックだ。
だが、のりまんじゅうは初見であるにも関わらず隠し扉を見つけてしまった。それが何を差すかは、もう誰でも分かる事だろう。
「…これは…隠しボス…かな?」
のりまんじゅうが見つめているのは、古びた鎧を身に纏う、豹型のロボットだった。古代の技術の弊害か、このロボットが一体何で出来ているのか、それは誰にも分からない。
突如としてロボットからの攻撃が襲来し、【DEX】では避けられないと悟ったのりまんじゅうは瞬時にスキルを発動する。
「【簡易工房】!」
咄嗟に【簡易工房】を発動。するとどうだ、【戦場工房】のおかげでさっきまでのりまんじゅうを襲おうとしていた爪がピタッと止まり、何でもないかのように過ごし始めた。
解除して進んで、攻撃が来たら【簡易工房】を発動する。そうして安全に豹のお膝元まで到着。
近くで見ても威厳のある格好である。
「【解析】」
【古代の将】
武器:鉤爪
因みにのりまんじゅうは知り得ないが、このロボットは前述したHP無限ボスには及ばないものの、全状態異常の耐性を持ち合わせ、物理にも強いタンクタイプのボスである。それに加えて攻撃も重く素早いというチートっぷりで、通常戦法ではまず倒すことが出来ないボスだ。
しかし、ここで好機が訪れる。
『スキル【解析】が【解析Ⅱ】に進化しました』
【解析Ⅱ】
対象者の武器種と武器の【STR】値を見る事ができる。
取得条件:【解析】を十回使用する。
唐突に耳に届いた進化の宣告。
その時、のりまんじゅうの頭に電流が走った。『合計回数』って、同じモンスターに使っても加算されるのか?と。
「【解析】【解析】【解析】【解析】」
【簡易工房】及び【戦場工房】を起動しながら繰り返す事50回。のりまんじゅうの耳に、またもや通告が来た。
『スキル【解析Ⅱ】が【解析Ⅲ】に進化しました』
【解析Ⅲ】
対象者の武器種と装備の追加ステータス値を見る事ができる。
取得条件:【解析Ⅱ】を五十回使用する。
これを繰り返せば何か出来るかもしれない。そう思ったとき、のりまんじゅうの頭に『勝利』の二文字が浮かび始めた。
そして、繰り返すこと一万回。
気が遠くなるほどの繰り返しの果てに、のりまんじゅうはとあるスキルを獲得する。
『スキル【解析Ⅹ】が【見通す目】に進化しました。
スキル【
【見通す目】
対象者の武器種と全ステータス値、装備の追加ステータス値を見る事ができる。
スキルを使用した数の50%ダメージを無効化する。
戦闘離脱と同時に相手のダメージカットはリセットされる。
取得条件:【解析Ⅹ】を一万回使用する。
【
生産する際、HP、MP以外のステータスのうち一つが必要素材の合計数より低いごとに、生産コストを15%カットする。
取得条件:【見通す目】でHP、MP以外のステータスのうち四つ以上が戦闘相手であるモンスターの半分以下のプレイヤーが対象のモンスターを解析する。
この時点で既に勝てるが、もっとやれば強いスキルを獲得できるかもしれないと考えたのりまんじゅうは、なんとそのままスキルの連呼を続けた。
"遊び"から"作業"へ脳内変換されたため、のりまんじゅうは止まらなくなってしまったのだ。
そして、繰り返すこと三万回。
のりまんじゅうは舌が回らなくなってきていた。それでも無心で言い続けた結果が、ついに実る。
『スキル【叡智の結晶】【探求心】を取得しました』
【叡智の結晶】
選んだスキルをMP使用を通常の十倍にすることを代償に、クールタイムを五分の一にして連続発動する。
MPが切れるかログアウトするまで止まらない。
取得条件:他のスキルを間に一切使用せずに一種類のスキルを三万回使用し続ける。
【探求心】
作製するごとに武器またはアイテムの【STR】+1。
同じものを作製しないと効果は発動しない。
取得条件:四時間ずっと工房に留まる。
これで絞るものは絞ったと判断したのか、【簡易工房】を解除し、のりまんじゅうは悠然と歩く。爪での攻撃が襲いかかるが、全て無視。避けなくても三万回も【解析】もとい【見通す目】を使用しただけあってダメージが全カットされる。それにそもそも避けるには【AGI】が足りない。
ロボットの背中の噴射口が開き、毒ガスと電流が襲いかかってくる。が、あえなくのりまんじゅうの【見通す目】と【叡智の結晶】によって無効化されてしまった。
挙げ句の果てにはスキル獲得の手助けにすらなってしまったのだ。
《スキル【
【
【毒無効】と同効果。
毒系アイテムの生産コストを10%カットする。
獲得条件:DEX以外のステータスが初期値の状態で【見通す目】で毒を10回解析する。
【
【麻痺無効】と同効果。
雷系アイテムの生産コストを10%カットする。
獲得条件:DEX以外のステータスが初期値の状態で【見通す目】で電撃を10回解析する。
【多趣味】
このスキルの所有者のDEXを二倍にする。【STR】【VIT】【AGI】のステータスを上げるために必要なポイントが通常の三倍になる。
獲得条件:一時間以上【見通す目】を使用し続け、かつダメージを受けないこと。またその間に魔法、武器によるダメージを与えないこと。
毒ガスのダメージが全てカットされていく。麻痺も当たり前のように無効化されていく。
ボスがのりまんじゅうに攻撃を与える手段は消えてしまったと言っても良いだろう。
しかし、それはのりまんじゅうとて同じだった。何故なら本人が無事でも武器の耐久力は別カウント。とっくに消えてしまった武器を手にしても、ダメージなんて与えられっこないのである。
「どうしようか…そうだ、これを投げてダメージでも与えられないかな?…多分無理だね」
のりまんじゅうが取り出したのは、ボスの部屋に行く前に作った鉄の玉である。
ダメ元で投げてみると、それは見事な爆炎を上げ、地を貫き、天を貫き、ボスを赤いダメージエフェクトで包み込んだ。
絶句するのりまんじゅう。
アレはどうやら超高性能の爆弾だったらしい。
【暴れ石】というのは爆弾の元のようで、のりまんじゅうは手に入れたソレを初心者が故に一つのアイテムにすべて消費した。
素材の消費量=威力
という図式に乗っ取れば、のりまんじゅうが生産した爆弾の威力も自ずと分かるというものだろう。
ともかく、のりまんじゅうはその圧倒的な洞察力と偶然の産物で歩くチートとも言うべき【古代の将】に打ち勝ったのだった。
倒した後、しばらくぼけーっとしていると、宝箱が重力に従い力なく落ちてきた。
開けてみると、どうやら装備品の報酬らしい。
【ユニークシリーズ】
単独でかつボスを初回戦闘で撃破しダンジョンを攻略した者に贈られる、攻略者だけの為の唯一無二の装備。一ダンジョンにつき一つきりで、取得した者はこの装備を譲渡できない。
唯一無二の装備という情報にアガり、着てもいないのに勝手に満足しているのりまんじゅう。とはいえ流石にそこで理性が働いたのか、ステータスを広げ、細かく見だす。
上から六角レンチらしき武器、トンカチじみた武器、つなぎのような装備、そしてキャスケット帽を連想させる装備だ。
『古代鎚・廻旋』
【DEX+35】【破壊不能】【自動生産】
『古代槌・重撃』
【DEX+35】【破壊不能】【接着錬金】
『古代服・精製』
【DEX+25】【破壊不能】【神業職人】
『古代服・探訪』
【DEX+20】【破壊不能】【光源発生】
武器なのに【STR】に振らず、防具なのに【VIT】がつかない。まともに『装備』とすら呼べない散々なものだった。ぶっちゃけて言えばネタ装備枠だ。だが、のりまんじゅう的にはこれで良いらしい。
着てみれば体になじむし、何よりもデザインが凝っている。まるで作業場にこもるメカニックという雰囲気がして、物凄くおしゃれである。
「よし、こんな感じで良いかな。取り合えずはツクヨの場所に戻ろう」
ーー
「…倒した?初戦で?……嘘」
案の定、帰って早々ツクヨに驚かれた。のりまんじゅうが【解析】があるので何とかいけたと伝えると、言葉では言い表せないほど驚いた表情をしていた。
のりまんじゅう
LV 18 HP 15/15 MP 45/45
【STR 0】【VIT 0】
【AGI 0】【DEX 150〈+115〉】
【INT 0】
装備
頭【古代服・探訪:光源発生】
体【古代服・精製:神業職人】
右手【古代槌・重撃:接着錬金】
左手【古代鎚・廻旋:自動作製】
足【古代服・精製:神業職人】
靴【初心者の探索靴】
装飾品
【空欄】
【空欄】
【空欄】
スキル
【生産の心得Ⅱ】【見通す目】【叡智の結晶】
【探求心】【簡易工房】【多趣味】
【
【やまびこ】【体捌き】【戦場工房】
【
【
【
【見通す目】と【叡智の結晶】に
「いくら何でもそれはチートじゃない?」
って思った人。多分あの運営ならやります。
メイプルが予想外の行動ばかり起こすの知ってるのに懲りずにチートスキルバンバン放り込んでる人達なので、まだメイプルの異常性も分かってないこの段階だと後々手に負えなくなるスキルとかおふざけで入れてる可能性が大。
【悪食】が良い例ですね。