間違えて極振りしてしまったのでこのまま進めようと思います。   作:名もなき駅員

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防振りにもっかいハマったんで初投稿です
マイユイは癒やし
まだ出ないけど


体力特化と炎の魔神。

そしてナプはイズからダンジョンの場所を教えて貰い来てみたのだが、『業炎の獄牢』と書かれていた。『炎上耐性中』がついているナプにはピッタリのダンジョンと言えるだろう。

 

入って早々、案の定とも言うべきか炎が飛んできた。

だがナプは『炎上耐性中』を保有しているので、炎系の攻撃は全面的にカットされていく。その万能感故か、ナプは完全に調子に乗っていた。

 

「WRYYYYYYYYYYY!!余裕だ余裕だ!にらみつけるさんとかホウオウ持って出直してこいこの間抜けがァ!」

 

そんなこんなでダンジョンを進み続け、ボスの部屋に到達。力を入れ…大きな扉が重々しく開いた。そしてその直後、ナプの持つ盾と短刀、そしてナプ自身が激しく燃えた。

 

「ちょっ、Oh no! AHHHHHHHHHHHHH!!(痛み)」

 

さっきまでの余裕ぶりはどこに行ったのか、何とも言えない痴態で走り回るナプ。恐らく耐性が中なので、強が必須な攻撃を出してきたのだろう。いや、無効でないと防げない可能性まである。

 

「hmm…」

 

炎をボスと思われる巨人に近づいて、【最低最悪】で状態異常ダメージを軽減する。物理攻撃は何とか燃え盛りながらもキチンと用途をこなせる大盾で防ぎ、このまま凌ぎきるしかない。

 

HPが残り三分の一を切ったとき、有り難い宣告が耳に通る。

 

『スキル【炎上耐性中】が【炎上耐性大】に進化しました』

 

「oh yes!」

 

しかし、HPの減りの勢いは落ちてこそいるがこのままではまずい。ポーションも保有していないナプでは回復手段が存在しないため、もしかすると死んでしまうかもしれないのだ。数十分後、ジワジワと減らされていくHPが、遂にゼロになった。

 

「っく…!」

 

しかし、何故か死なない。

目を開けるとそこには満タンのHPバー、そして白いパネルがあった。

 

『スキル【炎上無効】【冥土の土産】を獲得しました』

 

「ぇ?」

 

【炎上無効】

炎ダメージ及び炎上状態を無効化する。

取得条件:強力な炎ダメージを5回以上受ける。

 

【冥土の土産】

常時【HP】二倍。

戦闘になると【HP】がさらに二倍になる。

戦闘終了時超過した体力はストックされる。

取得条件:HPがゼロになった瞬間に耐性系スキルを獲得する。

 

「WOW…」

 

俗に言うぶっ壊れスキルだ。

こんなものを相手が使ってきたら、ナプは怒り狂うだろう。だがしかし、自身が持つとこうも楽しく、嬉しいものなのだ。ナプは完全にテンアゲだった。ともあれ、これで炎は効かない。ボスに、ナプに対する有効打となる攻撃手段が無くなったわけである。

 

「でも、俺も攻撃手段ねぇんだよなぁ」

 

盾も短刀も燃やされたため、仕方なく自分の持っている鋭利なもの…すなわち歯で倒す事にした。

 

「んっ!これアッツアツのステーキみたいでわりかしイケるぞ?」

 

ナプは意外と美味しいという事実を知った直後、とんでもないスピードで食べ始めた。小腹を満たす程度に考えていたものの、ここはゲーム内。いくら食べても食欲は満たされない。

結果として、巨人のHPを全て削りきるまで食べまくってしまった。

 

『レベルが12に上がりました。スキル【炎上無効】が【炎子(カグツチ)】に進化しました』

 

炎子(カグツチ)

炎子の力を意のままに扱うことができる。

MPを消費して炎魔法を使用できる。

触れた対象を死ぬまで燃やす。

取得条件:炎子(カグツチ)をHPドレインで倒す。

 

そして、目の前でおどろおどろしい宝箱が強い存在感を放っている。開ければいいのだろうが、ナプはその悶々とした空気に嫌な表情を隠す気も無くさらけ出している。

だが、やがてゆっくりと蓋を持ち上げ…

 

「AHHHHHHHHHH!!!!(ホラーな痛み)」

 

咆哮した。

そこに入っていたのは、艶が曇り一つ無く自然にかき消され、中央に掘られた骸骨の意匠が一際不気味な雰囲気を漂わせている実に重厚な鎧。そして、全体を鮮やかな白で統一しつつ、あちらこちらに神秘の光を灯す結晶の埋め込まれた大盾が二つだった。

 

「すげぇけどいらねぇ!不気味すぎだってマジで!」

 

ナプズは渋々ながらも一つ一つ手に取り、説明を凝視する。

 

『破滅の要塞』

【HP+200】【VIT+20】【破壊成長】

スキルスロット空欄

 

『崩壊の要塞』

【HP+200】【VIT+20】【破壊成長】

スキルスロット空欄

 

『不動ノ軀』

【HP+350】【破壊成長】

スキルスロット空欄

 

『罪ノ亡骸』

【HP+350】【破壊成長】

スキルスロット空欄

 

「くそぉ…無駄にいい性能しやがって…気は乗らないが、装備してみるか。スキルスロットは後で見る事にしよう」

 

装備のアイコンを素早くタップし、即座に手に入れたばかりの強力な鎧に着替える。

 

ナプ

LV 19 HP 1140/1140〈+1100〉 MP 12/12

 

STATUS

【STR 0】【VIT 70】

【AGI 15】【DEX 5】

【INT 5】

 

装備

頭【空欄】 体【不動ノ軀】

右手【崩壊の要塞】

左手【破滅の要塞】

足【罪ノ亡骸】 靴【罪ノ亡骸】

装飾品

【空欄】

【空欄】

【空欄】

 

スキル

【最低最悪】【冥土の土産】

炎子(カグツチ)】【生存本能】【絶対防御】

大物喰らい(ジャイアントキリング)

【毒耐性大】【麻痺無効】

 

ーー

 

「…」

 

早速手に入れた装備に少し微妙な気持ちになり、今にも眠ってしまいそうな眼で帰っていると、どこからか聞いた事のある元気な声が聞こえた。

 

「ナプ!」

 

「ん?ああ、メイプルか。ってお前、それ…」

 

「えっ、ナプ、その装備って…」

 

「「まさか専用装備?」」

 

メイプルは全身をメインカラーが黒で、鮮血のごとく赤いバラの意匠がダークな雰囲気を醸し出す、格好いい全身鎧で包んでいた。

 

「俺のは【HP】強化だ」

 

「私は【VIT】強化だよ!」

 

【VIT】強化。それはつまるところ、防御力に極振りしたメイプルにこれ以上ない程最高の装備という訳だ。コレに出会したプレイヤー達に黙祷を捧げるばかりである。

 

「私は宿でスキルを確認してからログアウトするつもりなんだけど、ナプも一緒にどう?」

 

「俺は今ログアウトするつもりだったが、メイプルの装備も気になるしついてくわ」

 

ナプはメイプルに聞かれた質問に迷いなく答え、雑談をしながら宿屋に向かう。

 

「メイプルのはどんな感じなんだ?」

 

「私のはさっきも言った通りの防御特化!…にしても、ナプは大盾が二つなんだね」

 

「ああ。何でだろうな?」

 

ナプは両手に大盾を持ち、疑問を持つように肩を竦めてみせる。

 

「それと、スキルスロットっていうのがあって…」

 

「あ、それ俺も」

 

ナプは空欄のスキルスロットに何を入れるか悩んでいた。使える攻撃系スキルは限られているため、使えるのは先程手に入れた【炎子(カグツチ)】くらいのものである。

 

「取り敢えずはまあ、これでいいか…」

 

気乗りせずにスキルを追加したナプだが、触れれば死ぬまで炎上効果を付与するという頭のおかしいスキルを大盾なんていうデカブツに追加すれば、どういう結果になるのかはお察しだ。

この場にのりまんじゅうがいれば、ゲームバランスの崩壊に嘆いていたに違いない。

 

「じゃあ、また明日!」

 

「ぽやしみ」

 

ナプズはメイプルと別れの挨拶を交えた後にログアウトするかの問いにはいを選択し、青い光に包まれてログアウトする。

 

「ふー…」

 

今の所いい感じに強くなっているし、明日は皆の予定を確認しよう。

そう思って、ナプはベッドに潜るのだった。




ナプの序盤にしては狂気の量を誇る【HP】は、スキルでさらに六倍され6840となります。怖ぇ…
【冥土の土産】のスキルが常時二倍+戦闘の度に二倍になるとか意味分からん、常時四倍でよくね?と思ってるそこのあなた。
当たり前ですが、戦闘の度二倍になるのは最大HPではなく残存HPの方です。と言うことは、体力が半分になっても次の敵とバトれば即満タンになるとかいう頭のおかしい性能を誇る事になる訳です。
それで前述の通り超過した体力はストックされるので、もしナプが敵を十連続でノーダメ撃破したらナプのHPは実質的に75240な訳です。
もう訳が分からん。
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