バカと運命と召喚獣   作:faker00

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短編
~僕と衛宮君と料理の方程式~ 前編


「あっ、これなんかも良いですね!」

 

「そうだな。全然酸化してないしこれなら変な苦味も出なさそうだ。…ところで姫路は一体何を作るつもりなんだ?結構いろいろ買い込んでるけど。」

 

「ええと…パエリアを作ろうかと。」

 

「姫路?パエリアに小麦粉は入らないぞ?」

 

「???」

 

あー、衛宮君がなんとも言えない表情をしてるよ…一体どうしてこうなったんだっけ…?

 

5月も中旬、初夏の陽気漂うなか僕は姫路さんと衛宮君と一緒に近所のショッピングセンターを訪れていた。

 

 

 

 

ーーーーー

 

そうだ、元を辿れば初めて衛宮君の家に行った時に姫路さんが「良かったら今度お料理を教えて下さい!」というのを衛宮君が快諾したのが始まりだったかな。

 

「あのー…姫路さん?やっぱり僕も選ぶの手伝おうか?」

 

ここはやはり僕も少しはフォローしないと…!姫路さんの料理センスを知らない衛宮君ではこの状況は打破できない!!!

 

「ダメです。いっつも明久君には頼りっぱなしですから今回は明久君の助けなしで美味しい料理を作るんです。フフ、頬っぺた落としちゃうから期待してて下さいね!」

 

「えっ、ああそういうことかーじゃあ僕は黙ってるね。」

 

姫路さんは人差し指でめっ、と言う風に僕のおでこを素敵な笑顔で指さす。

 

ダメだああ!!! 完全にやる気入ってる!!!

なんで衛宮君のアドバイスはOKで僕はダメなのかとかいろいろ聞きたいことはあるけどそんなことは現状問題ではない。

頬っぺたが落ちる(物理的に)のは時間の問題か…

 

 

『頼むぞ明久!俺達の命はお前にかかってる!』

 

『後生じゃ…』

 

『…健闘を祈る。』

 

 

 

いや!まだだ諦めるな僕! 皆の命運は僕が握ってるんだ!そう簡単に諦める訳にはいかない!

気持ちを奮い起たせ顔を上げる。

よし!幸いにも姫路さんはなにか探しにいったのか姿が見えない!今のうちにとにかく衛宮君に危機を伝えなければ…!

 

 

「あのさ衛宮君」

 

「明久、一体姫路は何を作ろうとしてるんだ?パエリアを作るといっていたけどあれで出来るのがパエリアとはとても思えないんだけど…」

 

なんというか若干困惑気味の表情で衛宮君の方から近づいてくる。

やっぱりか…良識と料理に対しての常識を多少でも兼ね備えている人物なら姫路さんの料理(殺人)スタイルに違和感を抱くのは当然のことだ。

 

「それなんだけどね。実は姫路さんは…」

 

「ふむふむ…なんだって!?」

 

姫路さんの料理スキルと数々の逸話を話していくうちに衛宮君の顔がどんどん凍り付いていく。

今になって自分がどれだけの無理難題を挑んでいるのか分かったようだ。

 

「それだからね、何とかして姫路さんが料理をするのを防がないと」

 

「いや、それが無理なんだ明久…」

 

「なんで!?」

 

どうして!?さっきの話じゃまだ伝わらなかったっていうの!?

 

一瞬そう思い更に恐ろしいエピソードを思い出そうとするがなにか泣きそうな表情を見て思いとどまる。

なにか…事情があるのか?

 

「実はな、教えるにしても元の味を知らなきゃダメだろうってことでまずは一回家の皆で食べてみてそれで感想、課題を出してそこから教えるって予定になってるんだ…」

 

「詰んだ。」

 

さ、最悪だ…この理由付けがある以上姫路さんは例え衛宮君であろうと調理時にアドバイスを聞くことはないだろう。

 

「済まない明久…」

 

「いや、いいんだよ衛宮君…僕らは何度も食べたりして耐性なあるから…それよりも問題は衛宮君だよ。初めてあの料理を食べた時は僕らでも全員一度三途の川を渡りかけてる。衛宮君の身の安全が…」

 

そう、僕らには慣れ(味覚破壊)と耐性(三途の川、あの世からの呼び声に対する帰還法、対処法)を知ってるから最悪数時間の昏睡ですむだろう。

けれど今回が初めての衛宮君は別だ。

下手をすれば一口で帰らぬ人に、なんてことも起こりかねない。

ん?ちょっと待てよ?さっきの会話の中でなにか考えたくもない単語が混じっていたような…

 

「(まずは一回家の皆で食べて感想を)」

 

「(一回家の皆で食べて)」

 

「(家の皆で)」

 

 

家の…皆…?

 

 

「ちょっと待って衛宮君!まさか今日呼んでるのって僕らだけじゃ!?」

 

「よくわかったな…実は家の同居人も今日はいるんだ。せっかくだから皆に紹介する良い機会だと思って…」

 

もう既に衛宮君は真っ青になっている。

無理もない。姫路さんの料理の威力は口で話すだけでもその時の悪夢を思い出して卒倒しそうになるほどだ。

自分の軽率な判断で同居人を命の危機にさらしている、なんて事実に気付いてしまったらそれは彼でなくても青くなるだろう。

 

「とにかく気を落とさないで!まだなんとかなるかも知れない!とにかく材料だけでもまともな物を揃えれば少しはましなものが…!」

 

「それも無理そうだ明久。」

 

「なんでさ!?そんな簡単に諦めたらそれこそ皆の命が!」

 

「俺だって諦めたくはない。けどあれを見ろ。」

 

ある方向を指差す。

 

「あれっ?あそこになにがあるって…あっ」

 

「薬コーナー。それも自由研究とかで賑わうようなちゃちなもんじゃなく本職の人が買いにいくような専門コーナーだ。なにが袋に入っているかは知らないけどあんなところで買う本物の「薬品」を用いて作る料理を俺は知らない。」

 

 

そこには満面の笑みで大きな袋をぶら下げ薬コーナーから出てくる姫路さんの姿があった。

 

 

 

 

 

 

ーーーーー

 

 

「明久てめえ…」

 

「ごめん雄二、それに二人も…」

 

僕は…無力だ。

 

 

「雄二、明久を責めるでない。明久とて全力を尽くしたはずじゃ。」

 

秀吉が僕を庇ってくれる。なんて優しいんだろう。こんな誰も救えない紙くずみたいな僕を庇ってくれるだなんて。

 

「明久よ、ちと離れてほしいのじゃが…」

 

少し胸が大きくなっているような気がしたが気のせいみたいだ。

 

「ところでだ、俺達はまだ良い。問題は衛宮含む初体験組だ。」

 

「…大量殺戮現場」

 

「しかしじゃ、わしらがいくら耐性がつき始めているといってもせいぜい食べれるのは1人前がせいぜいじゃぞ?」

 

 

今後の対策を皆で話し合う。姫路さんの言うパエリアがどれくらいの量なのか定かではないが、出来る限り僕達が消費して衛宮家の住人を守るしかない。

今日は皆覚悟は出来ている!

 

 

 

「ただいまー。連れてきたぞ。」

 

そうこうしているうちに衛宮君が帰ってくる。

同居人と一緒に帰宅したみたいだ。なぜ衛宮君が外出していたかというと僕らの提案でチェイサーだけは確保しておくべきという判断で大量のデザートを買いに行っていたからだ。

どれだけの効果があるかは分からないがないよりはましだろう。

 

 

「ただいま戻りました。もうお腹が空いているので瑞希の料理、楽しみです。」

 

遠坂さん…いつまでそう言っていられるかな?

 

「瑞希のご飯ですか・・・彼女は頭がよく、気も回る。きっと料理も美味しいのでしょうね。」

 

ごめんねセイバーさん、君の顔を見るのが今はとても苦しい。

 

 

「えー士郎ー今日は士郎のご飯じゃないのー!?」

 

あれ、なんで藤村先生いるの? それについては本当に申し訳なく思っています。

 

 

「そんなこと言っちゃだめですよ先生。あっこんにちは皆さん。私間桐桜(まとうさくら)って言います。1-Bクラスです。先輩に頼まれてお料理のお手伝いに来ました。」

 

「…!(ダバダバ)」

 

…!すごく…大きいです…!ってなにあの戦闘力!?後輩みたいだけど姫路さんに匹敵する破壊力だ!

衛宮君め!こんな後輩とも知り合いだなんて!

 

「そうですよ大河、素直なのは良いことですがあまりにも率直なのはどうかと。…申し遅れました。間桐アリアと言います。ツーリングが趣味なのでライダーと呼んでいただければ。2ーC組です。」

 

「!(ダバダバダバダバ!!!!)」

 

 

な、なんだと!?この超絶スタイルは!?もうなんていうか化け物だ!てかこれで高2!?そんなことあって良いのか!?

 

「雄二!もうムッツリーニも明久も限界じゃ!?」

 

「あーほっとけほっとけ」

 

 

 

「お兄ちゃーん!今日はなんでお兄ちゃんの料理じゃないの!?」

 

「…(チーン)」

 

 

ろ、ロリッ娘…最高…

 

 

 

かくして全員が揃い僕らの命をかけた食事タイムが訪れた。

 




短編はいろいろ別に書いてきます!

とりあえず前編を!

士郎は頑張ろうとする遠坂さんの料理は止められないかと。
あっもしもバカテスのこのキャラとFateこのキャラ絡ませてください!とかあったら是非是非感想欄などで意見ください!

見たいというものがあればそれについての短編出来る限り書きます!

それでは後編で!

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