文月リゾート、文月学園 学園長 藤堂カヲルがその莫大な資産を投入し築いた一大観光地。 文月学園学力強化合宿はこの施設内にあるホテルにおいて行われる。
最先端の技術を注ぎ込んだ8階建てのこのホテルは各方面から高い評価を受けており内部には温泉、プール、映画館など様々な設備が充実している。
「へぇ~かなり凄いのね。今回の合宿会場。学園長先生もやるじゃない。」
「遠坂さん学園長にあったことあるの?」
「ええ、一度だけね。入学テストを受けた後にAクラスでやらないか~って誘いを受けましたわ。まあ断りましたけど。」
パンフレットを見ながら遠坂さんが満足そうに頷いている。因みに私服なんだけどとんでもなく綺麗だ。赤いシャツに黒いスカート、ニーソ、トレードマークのツインテ含めてこれでもかと詰め込んだ属性のデパートと化した彼女の近くにいる僕達に浴びせられる怨みのこもった視線は忘れられないだろう。
今は合宿会場へと向かう電車の中。 いつものメンバーで揃って乗っているんだけど…
「あのな、翔子。少し離れてくれないか?」
「…いや。」
なんで霧島さんがいるのかは突っ込んじゃいけないみたいだ。
いつもの雄二なら振りほどく、いや、そもそも同行を許すこともないだろうに…
それに時々霧島さんが僕のことを威嚇するように見てくるのも気になる。
僕が一体何をしたというのか。
「坂本君と翔子ちゃん仲良しですね…羨ましいです…」
「私もあんな風に積極的になりたい…」
そんな様子を見て羨ましそうな表情を浮かべる姫路さんと美波、あれが幸せそうに見える二人の恋愛感はどこかずれているんじゃないかと心配になることもあるけどそんなことを言ったらただじゃ済まないから黙っておこう。
触らぬ神になんとやら、だ。
「…(キュッキュッ)」
「調整に余念がないね。ムッツリーニ。」
「…合宿会場にはプールと温泉がある。」
「なるほど。」
ムッツリーニはカメラの調整に精を出している。相変わらずエロの匂いが少しでもしようものなら目ざとく食い付く男だ。
「ムッツリーニ、今回は盗聴機は持ってきておらんのか?お主にしては珍しい。」
「…流石にそこまでやって引っかかると警察の厄介になりかねない。」
「普段の時点ですでにアウトだと思うワシがおかしいのかのう…」
そしてそのムッツリーニの隣に座っているのが姫路さん、遠坂さんと並ぶFクラス3大美女の一人、木下秀吉。
秀吉の考えることはもっともだ。ムッツリーニの行動は基本的にブラックだ。なぜかそんな感じがしないのが不思議だけど。
『間もなく文月リゾート、文月リゾート、お降りの方はお荷物忘れ物の内容にお気をつけてお降り下さい…』
「おっそろそろ到着だな。」
電車のアナウンスが鳴り響く。外を見てみるとビックリするような光景が広がっていた。
「おお…凄いなこりゃ…明久、お前たちは去年もこんな豪華なところで合宿したのか?これで成績上がらなきゃ嘘だぜほんと…」
「去年は半分くらい建設中だったからそうでもなかったんだけどね。」
「ご飯ご飯。」
セイバーさんの目が輝いていて何よりだ。
とにかく、今日からここで妥当Aクラスに向けて大事な合宿が始まる…!!
ーーーーー
初日の全体授業が終わりここから二時間半は自習となっている…んだけどこの強化合宿での自習は普段と違い2つのクラスが合同で行うことになっている。
AクラスとFクラス、BクラスとEクラス、CクラスとDクラス、だ。
僕らだと思いっきり足を引っ張っちゃうからAとB、CとDといった分け方のほうが良いんじゃないかと僕は思うんだけどそれを雄二に聞いたら
『これで良いんだよ。学力最高のAクラスと最低のFクラス、と見るとAにはんの価値も無いように見えるが、設備と意識も最高のAクラスと最低のFクラスと言う風に見れば話は変わる。Aから見ればFの惨状を見てこんな風になりたくない、て思うし逆にFの連中がAクラスを見てこんな風になりたいってなれば相乗効果が期待できるからな。まっうちの連中にそんな意識があるかと、言われたら甚だ疑問だがな。』
っと言っていたので意味はあるのだろう。
ということで今は教えてくれるAクラスのメンバーとお互い自己紹介をしている。僕らだけなら全員顔見知りなんだけどこっちにもセイバーさん達がいるし、あちらにも転入生がいるからこれは必要なことだ。
「それじゃあ知らない人もいるみたいだし自己紹介といこうか。僕の名前は久保利光。一応学生次席を努めている。よろしく。」
一番最初に自己紹介をしたのが進級テストで霧島さんに次ぐ点数を叩き出して学年次席となった学園の男子で一番頭が良い久保利光君。 知的な眼鏡がよく似合っている。それによく僕のことを助けてくれてとても感謝している。ただ時々変な寒気を感じるのと周りの目が白いのが気になる。
「やっほー、僕は工藤愛子だよ。特技は保健体育の…実技かな♪よろしく~」
次に出てきたのは短髪とニカッとみえる八重歯が目立つ活発そうな女の子、工藤愛子さん。ムッツリーニのライバルにしてちょっとエッチな女の子。この合宿で僕達が何回彼女のスパッツに絶望し、何回鼻血の海に沈むかは難しいところだ。
「木下優子よ。みれば大体分かると思うけどそこの秀吉のは双子よ。因みに私が姉ね。よろしく。」
秀吉に良く似た美貌の持ち主にしてなんでもできるパーフェクト・ガール、木下優子さん。ある意味では学園で一番の優等生かも知れない。
気の強い面も魅力的な文句なしの美少女だ。
「美綴綾子だ。転入生。遠坂、衛宮、セイバー以外は初めてになるのかな。みんな宜しく。」
ここからは僕の知らない、転入生になる。美綴さんはなんというか…格好いい。スタイルが良いとかそういうのももちろんあるんだけど見るからに頼れそうと言うか…表現が難しいけど同性のファンが多そうだ。雄二の話だと久保君に次ぐ点数を編入試験でとったらしい。
「同じく柳洞一成だ。この合宿でお互い交流を深められば幸いだ。よろしくたのむ。」
締めを勤めたのは同じく転入生の柳洞君。
ちょっと久保君と似た雰囲気がある。衛宮君の親友で前の学校では生徒会長を勤めていたらしくその交渉術は鬼のような強さだと言う。対抗できたのは学校でたった一人だったとか何とか。
なんだか古めかしい話し方をするけどそれはお寺の息子だからなんだそうだ。
「それじゃあ各々ペアを組んで各自自習を始めようか。苦手科目とかを重点的にこなしたくなったらその科目が得意なAクラスのメンバーのところに行くと良い。」
「…雄二は渡さない。」
「それじゃあ僕と組もうよ!ムッツリーニ君!今日こそ僕が勝つからね!」
「(コクッ)甘く見るなよ…!」
「勉強見てやろうか遠坂。」
「止めてよ綾子。…私は瑞希と一緒に勉強するわ。あなたたちを倒すためね。ねっ瑞希?あと美波も、貴女は数学以外も頑張ればより戦力になれるんだから頑張らないと」
「あっはい。よろしくお願いします。」
「わ、分かってるわよ!」
「あーあフラれちゃったよ。それじゃあ衛宮。」
「俺はスペアか…まあ良いけど…セイバーじゃなくて良いのか?」
「なに?あんたも一成が良いの?やっぱりあんたら相思相愛なんじゃ…」
「なわけあるか!」
「じゃあ良いじゃないか。あんな堅物だけどね、出来ればまともな道を進んでほしいんだよ。友達として。」
「…?良く分かんないけど了解。」
「あんたは私よ秀吉。みっちり鍛え直してあげるんだから。」
「…了解じゃ姉上。」
「それじゃあセイバーさんは俺とでよろしいか?」
「はい。よろしくお願いします一成。」
「いえいえセイバーさんは真面目なお方だ、こちらこそその姿勢から見習わせて貰います。」
「それじゃあ僕と組もうか吉井君。」
「あっ宜しくね、久保君」
ペアはすんなりと決まっていき僕は久保君と組むことになった。
うん、学年次席な上に教え方も上手そうな久保君なら僕も安心だ。
「(やっちまった…)」
「(…明久!)」
「(強く生きるのじゃ…)」
何故だか周りから哀れみのこもった視線が集まっていたのはなんでだろう。
ーーーーー
「うーん!いやあ今日は有意義な1日だったね!」
「そうだな。」
「俺はもう死にそうなんだが。」
「ワシもじゃ…」
「…ギリギリセーフ(輸血中)」
あれ…?なんで半分以上が死にかけているんだろうか。
僕としては凄い勉強に集中できたんだけど…
「これがあと4日あると思うと目眩がするな…ところで今何時だ?風呂の時間もそろそろだと思うんだが。」
「ちょっと待てよ…20時だな。俺達Fクラスの入浴時間まではあと1時間あるな。」
1時間…そうだ今のうちにムッツリーニにあの写真のことについて相談しておこう。
「「「ムッツリーニ(土屋)相談があるんだが(けど)」」」
「…一気に聞くのは無理。」
なんと3人の声が同時にはもった。珍しいこともあるものだ。
「どうしたの二人ともムッツリーニに相談だなんて。」
「ちょっと…な。お前たちこそどうしたんだ?」
「あんまり人に話したいことじゃあないかな。」
「…僕も。」
「じゃあお互い詮索は無しだ。とりあえず順番で…」
そこまで雄二が言ったところでバッターン!!と大きな音とともに僕らの部屋の襖が開かれる。
その先にいたのは大量の女子生徒…?
「おい!一体何のつも」
「動くなこの覗き魔ども!木下さんはこっちへ!」
「な、なんじゃ!?」
「「「「はっ?」」」」
先頭の気の強そうな女の子がそう宣言すると周りの女子もそうだそうだと騒ぎ出す。
待ってくれ…なんのことだがわからない!
「なんの話だ!俺達はそんなことしてないぞ!」
「そうだよ!」
「…不本意極まりない…!」
「うるさい!大人しくしなさい!だいたいあんたら以外に誰が覗きなんてするっていうのよ!」
「待つのじゃお主ら!ムッツリーニは今回そのような類いの物は持ってきておらんぞ!」
「じゃあ他に誰がいるっていうのよ!」
「知らねえよそんなもん!ぶっ殺すぞこのくそブスが!」
「なんですって!?」
「おい落ちつけ坂本!暴力沙汰は洒落にならないぞ!」
「離せ衛宮!!こういう本当のバカには口でいってもわからねえんだよ!!」
ヤバイ!雄二がキレかかってる!
憤怒の形相を浮かべ立ち上がった雄二を衛宮君が必死に羽交い締めして抑える。
朝からなんだかげっそりしてたけど更にこんな無実の罪を被せられてもう耐性がない…!
「ちょっと話を聞いてよみんな!そうしてくれないとみんなのほうこそ…!」
とにかく早く説得しないとこの場みんなの命すら危うい…!
「吉井君…」
「アキ…」
「姫路さん!美波!とにかく話を聞いて!」
「「覗きなんて最低よ(です!)」」
「なんで!?」
もうどうしようもないかも知れない。
そうこうしているうちに縄やら手錠で拘束される。クソッ!なんでこんな手際が良いんだ…!
「よおし、拘束終わったわね…それじゃあゆっくりと尋問して「あーもう付き合いきれないわ。」「同感です。」なんですって!?」
僕らを拘束し終えると女子集団のリーダー格…C組の小山さんがそう宣言するがそれを遮るように2つの声が聞こえる。
この声は…
「セイバーさん!遠坂さん!」
「なによ貴女達!覗き魔の味方するつもり!って貴女遠坂さんよね…!?その言葉遣いは…」
「ええ、遠坂凛で間違いないわよ。ただちょっとだけ上品じゃないけどね。Cクラス代表、被害妄想逞しいヒステリー女の小山優香さん。…それと瑞希、美波、貴女達には失望したわ。よくそんなんで人のことを好きだなんだと言えたものね。」
「…!そんな!私達は!」
「どういうつもりよ!」
「黙りなさい。自分のやってることがどれだけ最低かも気付かない人にかける言葉なんかないわ。」
そう吐き捨てるように言うと遠坂さんとセイバーさんは僕らの方に歩いてきてクルッと女子生徒軍団に向かい合う。
「今すぐ全員ここから消えなさい。じゃないと…」
「生まれてきた事を後悔させますよ。」
最後の丁寧語は氷のように冷たかった。
どうもです!
朝目を覚ましたらバーに色が着いててテンションが上がりこんな時間に更新始めた作者です。
おや…遠坂さんの様子が…? 強化合宿初日の夜。拘束された明久達に勝ち目はあるのか!?
それではまた!
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