Crowned Clown   作:飛翔するシカバネ

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今日<夜>

 

「ずっと好きだった」

 

「え?」

 

「初めて会ったあの時から。そして……それこそが俺のペルソナ」

 

それがどうしようもない程に抑圧され、必死になって隠してきた俺の本心だった。

 

目の前で俺が発した言葉の意味を理解できずに、ただひたすらに困惑している()()

お前らしくもない。

俺が追いかけていた時は一切の隙も無く、一瞬の油断さえなかった。

それが得られた情報に対して、解析どころか拒否している。

弱くなったとしか思えない。

 

そしてそれがお前が手に入れた強さだと分かる。

 

ただ俺は、その強さを存分に利用させてもらう。

 

彼女を見ながら、後方にジャンプする。

空中に投げ出された体は重力に従い、落下を始める。

俺はそんなこと気にせず、彼女を……そしてその後ろにいる奴らを見る。

 

 

他の奴らも信じられないなんて顔している。

一体この数ヶ月で俺の何がわかったというのか。

幼少期からの付き合いがある彼女も分からないことだ。

自分より長い付き合いのあった()()のこともわからなかったお前らのことだ。

お前らのリーダーが抱かなかった絆なんてそんなもんだ。

 

どうせ自分たちと同じように希望に向かって突き進めば、いつか報われるとでも思っていたのだろう。

 

現実はそんなに甘くない。

 

どれだけ希望を抱いて、気力を持とうが物事に終わりはある。

消費期限が無い夢ならばどこまでも追い続けていればいい。

でも、俺の希望は他でも無いお前らが終わらせたんだ。

 

感謝はしている。俺だったらきっともう少し時間がかかったはずだから。

もしかしたら俺ではできなかったかもしれないからだ。

 

 

…………そんな泣きそうな顔しないでくれ。

俺は別に死ぬ気はない。

目の前で死なれたら目覚めが悪いだろ?

几帳面なお前に合わせて、ちゃんと準備は怠ってない。

 

重力に従い落下する俺の背後に赤い割れ目が生まれる。

割れ目の中は黒に染まっており、抵抗することなく、黒に落ちる。

 

 

「ペルソナ……【忘失(オブリビオン)】」

 

落ちていく俺を助けようと彼女を含めた奴らが上から手を伸ばす。

それに手を伸ばすようにした指先から黒が飛び出す。

それを目に受けた奴らは身体が宙に投げ出される。

 

彼女を含め、奴らの人数分テレビを用意する。

テレビの先はそれぞれの自室。

記憶を失ったお前らはいつの間にか家に帰っているだけだ。

少々齟齬は感じるだろうが、問題なんてないだろ?

 

他の奴らも時限式に効くようになっている。

気にせずに仲良しを楽しんでくれ。

 

 

………さようなら。愛しきあなた。

どうか、希望を抱いて、こんな小悪党のことだの忘れて、幸せに生きてくれ。

 

 

俺はどこまでも落ちていった。

 

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