Crowned Clown   作:飛翔するシカバネ

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9月12日(月)〜9月13日(火)

 

久保美津雄が逮捕され早数日。

暑かった夏の日差しは弱まり、秋の風が吹き始める頃。

 

俺は勉強を終え、マヨナカテレビから自室に戻ってくる。

 

その後テレビをつけるとちょうど見たい番組が始まるところだった。

忘れずに録画しているが、生でも見る。

 

見たい番組はニュース番組の報道アイ。

 

そこでは大体的には初めてのメディア露出をした直斗の姿があった。

 

これは囮だ。

マヨナカテレビは見たいものを映す。

メディアに出てきて、気になる人がいればよりそれが見たいと心が思う。

それによってマヨナカテレビに映し出す。

 

それを知らないでここまで辿り着くとは直斗はすごい。

けれど、それは危険だ。

囮捜査なんて直斗じゃ厳しいことだ。

 

確かにそれを行うことで話は進んだ。

 

しかし、HEROがいなければ起こり得なかったことだ。

 

この世界でもHEROはいるから多分問題は無い。

何かあっても直通で助けに行く準備はできていた。

それでもHEROたちは自分たちの力で潜り抜けてきた。

 

むかつくほどに。

 

出演が終わると録画を止め、ビデオを出す。

自室の隣の倉庫部屋に持って行き、劣化しないように袋に入れ、しまう。

 

そして明日に控えて今日は早めに寝ることにした。

 

 

 

9月13日(火)

 

次の日の朝。

 

成績優秀者で出席日数が足りており、素行も悪くなく、進路もほとんど決まっている生徒は後期学校に行く必要はない。

ただ、これは何重ものテストをクリアしたものだけ。

つまり俺だけだ。

 

 

 

しかし、今日は9月に入ってから初めて学校に行く。

行く用事は学校へ提出書類の届出。そして偶然昨日見た映像から話しかけることにする。

 

 

校門の前。

 

自称特別捜査隊のメンバーと未だ夏服で軽めの装いをしてい白鐘直斗の姿を見付ける。

 

「結果がどうあれ、何か掴めるはずです」

 

「おい、どこ行くんだよ?」

 

話を終えて、学校とは逆向きに行こうとする。

そうすれば後ろから来ていた俺の前に立つ形になる。

 

「失礼、すみませんが道を……」

 

「やっぱり直斗じゃん!久しぶり。あれ、覚えてる?俺のこと……」

 

俺はまるでこの町で生で会うのは初のように話しかける。

 

「えっ………」

 

いきなりのことで困惑する直斗。

話しかけられた直斗よりも先に特捜隊のメンバーである里中千枝が話しかけてくる。

 

「あ、高木会長ー」

 

「会長はやめてくれよ。9月になっても会長呼びしてたら今の会長が可哀想だろ」

 

「いやー今の会長影薄くて中々覚えられなくて……」

 

HEROと直斗、久慈川りせは不思議そうな顔をしている。

 

「どなた?」

 

「あーそうかお前もりせも編入してきたから知らねえのか。この人はうちの学校の名物生徒会長……高木会長だよ」

 

花村陽介が説明をしてくれる。

 

「元、な?もう俺は任期終わって、受験勉強で学校行くの免除中の一般生徒だよ」

 

「いや、その免除申請のテストほぼ満点解答で潜り抜けたのはどこの誰っすか?それ今んとこ高木先輩しかクリアしてないっしょ。俺も試しに受けてみたですけど、問題文も全て英語で一問も解けなかったすよ!?」

 

「まあ登校免除ともなればそんなもんだろ」

 

そんなふうに談笑する。

 

「高木先輩は何しに来たの?」

 

天城雪子に質問される。

 

「ああ、提出書類を学校に出しにな。郵便でも良かったんだが、見知った顔があったからついでに久しぶりに登校しにきた」

 

「見知った顔?」

 

「そうだな。で、思い出せたか?」

 

直斗の方を見る。

まだ少し放心気味だが、視線が向けられると考えだし答えを導き出す。

 

「アキラ……君ですか?」

 

「正解!いやー覚えてくれて嬉しいぜ〜」

 

「背、伸びましたね。体つきも……」

 

「そりゃな。助手第一号だしな」

 

「助手第一号?何それ?」

 

「俺10歳になるかならないかの時に母親に連れられたパーティーでとある事件があってさ。その時に解決したのが直斗の祖父だったんだけど、直斗が助言していたおかげだったんだよ。その時に知り合って、同じ子供として一緒に遊んだりしたんだよ」

 

「子供の時の話です。それにしてもこの街にいたんですね」

 

「ああ。子供の時だったからまさか歳が2つ離れてると思わなくて、中学に上がった時に中々会えなくなってな。直斗は探偵の手伝いが増え始めるし、俺は八十稲葉に引っ越すことになるしわで……」

 

「何にしても久しぶりに再会できて嬉しいです。では、これで」

 

「あ、おい!」

 

「そうだ、先輩方……一つ言っておきますが、僕も遊びのつもりはありませんから」

 

それだけ言い残し、直斗は今度こそこの場を後にする。

 

「子供の時の友達とせっかく再会したのにあんな態度取るかねー」

 

「あんなもんだろ。それにまだ事件の手伝いしてるんだろ?だったら邪魔できないさ。それにアイツも俺が受験生ってことで気を遣ったんんだろうしな」

 

「相変わらず生徒会長は器がチゲーな」

 

「生徒会長って何した人なの?」

 

「聞いて驚け。高木会長は文化祭の日を1日伸ばすことに成功したんだ。より遊べる時間も増えたし、文化祭にお笑い芸人とか呼んで、より祭りを楽しめるようにしたんだぜ」

 

「それはすごい」

 

「いや他にもボランティア活動とか校則とかも色々やったぞ。軽い化粧ならどうせ社会で使うから練習としてありだとな」

 

「え、すごーい」

 

「引退してるからすごかったで終わりだけどな。それにしてもお前らも大変だな。あんまり学校にいないし、噂とかもほとんど知らないが、何かあれば助けになるからな。気分転換で街とかうろついているし」

 

「ありがとうございます!」

 

 

「じゃあ、お前らも頑張れよー」

 

そう言って特捜隊よりも先に校門をくぐり、学校に入っていった。

 

 

 

 

 

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