4月13日(水)
個人的な買い物も含めて、ジュネスに向かう。
目的の物を買った後に電化製品のコーナーでマッサージ椅子に座って、時が来るのを待つ。
何かと肩も凝る。
これから続く生活を考えるとどうにも身体が強張る。
楽しみなこともある。
ただそれはどうなるか分からない。
この先の運命をすでに知っていようとも、何か変わると信じている。
そう、希望している。
これから何も逃さずに計画を遂行する。
だからこの後後輩たちがきちんとその力を受け取ったのかを確認したい。
しばらく待つと3人の学生が訪れる。
テレビの前に立ち、騒いでいる。
そしてしばらく経つと騒ぎは聞こえなくなる。
マッサージ椅子から立ち上がり、辺りを見渡すが、その学生の姿は無い。
あの場所から一切姿が見えないのはコソコソ隠れながら、離れるか走り去るか。
走り去るなら、騒がしいままだろう。隠れる意味は無いからそれも違う。
やはり原作通りにテレビの中に入ったのだろう。
それを確認すると荷物を持ち、帰宅する。
原作通り進む。
なら、この場所に時が来れば必ず訪れる。
それを知れただけで今日のところは満足だ。
夜が来る。
また家からテレビに入る。
そしてその場所へ向かう。
そこはすでに閉店している商店街に存在しているコニシ酒店。
八十稲葉で代々続く店だったが、ジュネスのせいで潰れた店だ。
だが、他の店は潰れておらず、自分の知っている世界では協力すれば発展へと繋がっている。
ならば、それは店主のプライドで潰れてしまった可能性もあるだろう。
今となればいくらでも考察できるが、俺には関係ない。
関係あるのは足立透によって入れられた小西早紀だ。
コニシ酒店は本来の広さ以上の広さを持っている。
そこでは怪物が小西早紀に襲いかかっている。
いたぶるような山野真由美のシャドウと違い、激情のままにふるわれる攻撃だ。
それを素早く出したペルソナを出し、妨げる。
「全く、大人は大人でやらしいし、子供は子供で物事の結末を急ぐ……」
「あ、貴方はっ……」
自分をゆうに超える巨体の攻撃。
当たらずとも、それは自身の死を予感される。
そんな攻撃を前に気絶しないのは心が強い。
後でどうとでもなるとはいえ姿が見られたのは少し予想外だったな。
それに正体もバレた。
まあ、同じ学年で同じく噂されるほどに有名だ。
「高木会長?」
「見られたことだし、説明はする。だが、まずは処理させてもらうぞ」
マガツイザナミを出し、呪言を出す。
しかし、効きが悪い。
本体の心が強く、そして未成年らしく上からの反発が強い。
だから言葉では倒せない。
拳を再度振るい、新たに落ちてくるカードを割る。
生意気なガキには暴力が一番だ。
「ヤマタノオロチ」
災厄の蛇が現れる。
8つの首全てが、小西早紀のシャドウへと向かう。
一瞬で動きを封じられ、噛みつき、噛み砕く。
レベルも強さも違う。
相手になるものではない。
シャドウでありながら、動きを止める。
もう襲う気は無い。いや、襲う気力がないように見える。
「さて、処理を終わらせようか」
小西早紀が見つめる中、シャドウ小西早紀を崩れゆく、この場所から突き落とす。
崩壊の速度が上がった建物の中でトンネルを作り、移動しようとする。
「っ!」
座り込んでいた小西早紀は立ちあがろうとするが、足を痛めたのか立ち上がることができない。
ただでさえ霧を多く吸い込んだだろう。
ただでさえ彼女らは好奇な目線や悪意に晒されたものだ。
より、侵食は強い。
仕方ない……
「ちょっ!すぐに立てるから!!」
小西早紀を抱える。
当人は文句を言ってジタバタと暴れるが、それを聞く気もなければそれをわざわざ説明する暇もない。
そうしてマガツイザナミで瓦礫を弾きながら、トンネルへと歩を進めた。